魚:クロアジモドキについて説明

1. クロアジモドキの生息地

1-1. 広い分布域を持つクロアジモドキ

クロアジモドキは、インド洋と太平洋西部に広く分布する海水魚です。その分布域は、西はアフリカ東海岸から東は日本やオーストラリア北部まで、広大な範囲にわたります。特にインド西部やインドネシアでは個体数が多く、重要な漁業資源となっています。

具体的な生息地としては、南アフリカ、ケニア、モザンビークなどのアフリカ東海岸から、アラビア海、ベンガル湾にかけて生息しています。太平洋西部では、中国や日本の南岸、インドネシア、フィリピン、オーストラリア北部などで確認されています。

1-2. 日本における生息地

日本では稀種ですが、東シナ海をはじめとした南日本でみられます。青森県牛滝[16]、そして新潟県や富山県、福井県、兵庫県、山口県などの日本海側[17]でも捕獲された報告があります。

1-3. 生息環境

クロアジモドキは、大陸棚と呼ばれる水深が比較的浅い海域でよく見られます。通常、日中は泥海底近くに位置し、夜間には表層近くまで上がってきます[18]。また、河口などの汽水域にも侵入することがあります。水深は15mから105mの範囲に生息していますが、一般的には15mから40mほどの深さでよく見られます[6]。

東シナ海では、水深55mから80mほどの場所で漁獲され、特に60mから70mの範囲で多く漁獲されます。漁獲時の水温は20℃から23℃ほどで、中でも21℃から23℃の温度範囲で最も多く漁獲されます[8]。

成魚は漂泳性が高い一方、幼魚は主に底棲生活を送ります[19]。

1-4. まとめ

クロアジモドキはインド洋と太平洋西部に広く分布し、日本でも南日本でみられます。大陸棚の泥海底付近に生息し、夜間には表層近くまで上がってきます。水深は15mから105mの範囲ですが、一般的には15mから40mほどの深さでよく見られます。成魚は漂泳性が高く、幼魚は主に底棲生活を送ります。

参考文献

クロアジモドキ – Wikipedia

クロアジモドキ – Web魚図鑑

クロアジモドキはどんな魚? わかりやすく解説 Weblio辞書

2. クロアジモドキの外見

2-1. 体形と特徴

クロアジモドキは、スズキ目アジ科アジ亜科に属する海水魚で、体高が高く、側扁(そくへん)した特徴的な体型をしています。体の背腹の外郭は強く湾曲しており、ほとんど同形です。頭部の前縁の傾斜はいくぶん急角度で、吻端(ふんたん)は鈍く、吻長は眼径にほとんど等しいです。口は小さく、上顎(じょうがく)の後端は目の前縁付近の下方に達します。

クロアジモドキの口には、上下両顎に小さい円錐歯(えんすいし)が1列に並んでいます。鰓耙(さいは)は上枝に5~7本、下枝に13~16本あり、餌を濾し取るのに役立っています。背びれは2基あり、第1背びれは6棘(きょく)または5棘ですが、成魚では皮下に埋没して見えません。第2背びれは1棘41~44軟条です。臀(しり)びれは1棘35~39軟条で、前方に2本の遊離棘があります。第2背びれと臀びれの軟条は、前部が鎌(かま)状に伸びているのが特徴です。胸びれは長く鎌状で、腹びれは幼魚では目の下方にあるものの、成魚ではなくなります。

2-2. 体色と鱗

クロアジモドキの体色は、成魚では一様に銀灰色や青褐色で、ひれの縁辺は暗色です。幼魚には黒くて長い腹びれがあります。体の鱗は小さくてはがれやすく、胸部は完全に鱗で覆われ、背びれと臀びれはほとんど鱗をかぶっています。

クロアジモドキには、稜鱗(りょうりん)(鋭い突起を備えた肥大した鱗。一般には「ぜんご」「ぜいご」ともいう)が尾柄(びへい)部に8~19枚あります。これらの稜鱗は、クロアジモドキの体表面に独特のざらつきを生み出しています。

2-3. 生息環境と生態

クロアジモドキは、水深15~80メートルの砂泥底近くに群れで生息しています。夜間には表層近くに上昇する行動が見られます。ときどき、体を横にして泳いでいるところが観察されています。主に小形の甲殻類、クラゲ類、底生動物などを食べています。最大全長は約55センチメートルに達します。

2-4. まとめ

クロアジモドキは、独特の体形と体色、そして生態を持つ魚です。成魚では第1背びれ棘が皮下に埋没していることや腹びれがないことなど、他のアジ科魚類とは異なる特徴を持っています。これらの特徴は、クロアジモドキが独自の進化を遂げてきたことを示唆しています。また、クロアジモドキは、日本では漁獲量が少なく、食用としてもあまり馴染みがない魚ですが、インドの西海岸やインドネシアなどでは重要な漁獲対象魚となっています。

参考文献

クロアジモドキ(くろあじもどき)とは? 意味や使い方 – コトバンク

クロアジモドキ/Parastromateus niger・特徴・分布回遊

クロアジモドキ属について&生物一覧ー | 市場魚貝類図鑑

3. クロアジモドキの食性

3-1. クロアジモドキの食性:プランクトン食

クロアジモドキは、幼魚期にはクラゲに付着して生活することが知られています。これは、マナガツオ科の魚類であるStromateus属の魚類と共通の特徴です。このことから、クロアジモドキも幼魚期にはプランクトンを主な餌としていると考えられます。

成長したクロアジモドキは、主に動物プランクトンや小さな魚を捕食すると推測されます。しかしながら、クロアジモドキの食性に関する具体的な研究はほとんど行われておらず、詳細は不明です。

3-2. クロアジモドキの食性:捕食方法

クロアジモドキの捕食方法は、他のアジ科の魚類と同様、口を大きく開けて水ごとプランクトンや小魚を吸い込む方法であると考えられます。

クロアジモドキは、大きな背鰭と臀鰭を持ち、マナガツオの仲間のように見えます。この特徴は、水中のプランクトンや小魚を効率的に捕食するためのものである可能性があります。

3-3. クロアジモドキの食性:分布と食性

クロアジモドキは、南アフリカからオーストラリアにかけて分布しています。この広い分布域は、クロアジモドキが様々な環境に適応し、多様な餌を捕食できることを示唆しています。

クロアジモドキの食性は、その分布域や生息環境によって異なる可能性があります。例えば、プランクトンが豊富な海域では、プランクトンを主な餌としている可能性があります。一方で、小魚が豊富な海域では、小魚を積極的に捕食している可能性があります。

3-4. まとめ

クロアジモドキの食性に関する情報は限られていますが、幼魚期にはクラゲに付着し、プランクトンを餌としていることがわかっています。成長したクロアジモドキは、主に動物プランクトンや小さな魚を捕食すると推測されます。

クロアジモドキの食性は、その分布域や生息環境によって異なる可能性があります。さらなる研究により、クロアジモドキの食性に関する詳細な情報が得られることが期待されます。

参考文献

クロアジモドキを食する – 魚のぶろぐ

クロアジモドキ、ゼイゴがアジ科判別の重要なポイント …

「クロアジモドキ」でいろいろ実験をしてみようかと│Dabo’s life …

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