項目 | 内容 |
---|---|
外見 | 側扁した体型、青緑色の体色、腹部は銀色 |
特徴 | 鰓蓋の縁が黒くない、鱗の付け根に黒斑がある、尾鰭末端の切れ込みが浅い |
生息地 | 北海道南部から台湾までの沿岸域、岩礁地帯 |
食性 | 雑食性、夏は甲殻類やゴカイ、冬は海藻 |
成長 | 成長が遅く、約7年で40cmに達する |
寿命 | 10年以上 |
分布 | 日本全国の沿岸域、特に本州沿岸の磯場で多く見られる |
関係性 | クロメジナ、オキナメジナ、イスズミなど、同じスズキ目イスズミ科に属する魚と関係がある |
保護活動 | 乱獲や環境破壊による減少、保護活動が各地で行われている |
環境問題 | 水温上昇や水質悪化などの影響を受けている |
1. メジナの外見と特徴
メジナの形態
メジナは、スズキ目イスズミ科に属する魚で、最大で60cmほどまで成長しますが、よく漁獲されるのは40cm程までです。体はクロダイなどに似てよく側扁し、体高が高いのが特徴です。体色は青緑色を帯びた灰色で腹部は銀色ですが、死ぬと青緑色が薄れ黒みが強くなります。頭部は前方に向けて丸みを帯び、口先はクロダイほどには前に突き出ない。顎には小さく柔らかい櫛状の歯があります。
メジナは、同属種のクロメジナとよく似ていますが、鰓蓋の縁が黒くないこと、鱗の付け根に黒斑があること、尾鰭末端の切れこみがごく浅いことで区別できます。同じく同属のオキナメジナとは上唇が薄いこと、若魚に黄色の横帯がないことで区別できます。近縁のイスズミ(ゴクラクメジナ)も似ていますが、こちらは黄色っぽい細い縦帯が多数あることで見分けられます。
メジナは、クロメジナと比べてややずんぐりした印象を受けます。メジナの歯は上下の顎に薄く櫛状に並んでおり、あまり強くありません。生きた状態の時の体色は全体的に青緑や濃紺のような色をしており、個体にもよるが、はっきりとしない横縞があるメジナや、白っぽい斑点があるメジナもいます。腹部は銀色で、尾びれは白っぽい。死んだ後は体の全体が黒っぽくなり、斑点が消えることもあります。
特徴 | 内容 |
---|---|
体型 | 側扁し、体高が高い |
体色 | 青緑色を帯びた灰色、腹部は銀色 |
口 | クロダイほどには前に突き出ない |
歯 | 小さく柔らかい櫛状の歯 |
その他 | 死ぬと青緑色が薄れ黒みが強くなる |
メジナの地方名
メジナは、釣り人の間では食用や磯釣りの対象魚として人気が高く、「磯竿」と呼ばれる範疇の釣竿は、本種を釣ることを目的として作られるほどです。地方名としてクシロ、クチブト(伊豆)、ヒコヤ、チカイ(北陸)、ツカヤ(丹後)、クロヤ(舞鶴・山口)、クチブト(関西)、グレ、ブレ(関西)、クロアイ(山陰)、クロ(岡山)、クレウオ(枕崎)、クロ(下関・九州各地)、シツオ(鹿児島)、クロメダイなどもある。クロダイと似た地方名が使われることもあるので注意を要する。
地域 | 地方名 |
---|---|
伊豆 | クチブト |
北陸 | チカイ |
丹後 | ツカヤ |
舞鶴・山口 | クロヤ |
関西 | クチブト、グレ、ブレ |
山陰 | クロアイ |
岡山 | クロ |
枕崎 | クレウオ |
下関・九州各地 | クロ |
鹿児島 | シツオ |
メジナとクロメジナの見分け方
メジナとクロメジナは、非常に似ているため、見分けるのが難しい場合があります。しかし、いくつかのポイントを押さえれば、見分けがつくようになります。まず、鰓蓋の縁が黒いかどうかを確認します。クロメジナは鰓蓋の縁が黒くなっていますが、メジナは黒くありません。次に、鱗の付け根に黒斑があるかどうかを確認します。メジナは鱗の付け根に黒斑がありますが、クロメジナは黒斑がありません。
また、尾鰭末端の切れ込みの深さも、見分けるポイントになります。メジナは尾鰭末端の切れ込みがごく浅いですが、クロメジナは切れ込みが深くなっています。さらに、上唇の厚みも、見分けるポイントになります。メジナは上唇が薄いですが、クロメジナは上唇が厚くなっています。これらのポイントを参考に、メジナとクロメジナを見分けてみてください。
項目 | メジナ | クロメジナ |
---|---|---|
鰓蓋の縁 | 黒くない | 黒い |
鱗の付け根 | 黒斑がある | 黒斑がない |
尾鰭末端の切れ込み | ごく浅い | 深い |
上唇 | 薄い | 厚い |
まとめ
メジナは、黒みがかった体色と側扁した体型が特徴的な魚です。同属のクロメジナとよく似ていますが、鰓蓋の縁の色や鱗の模様、尾鰭の切れ込みなど、いくつかの特徴を見れば見分けることができます。メジナは、釣り人にとって人気のある魚であり、様々な地方名で呼ばれています。
2. メジナの生息地と分布
メジナの生息域
メジナは、北海道南部から台湾までの沿岸域に分布しますが、琉球列島では稀です。成魚は外海に面した浅い海の岩礁地帯に生息します。食性は雑食性で、夏は主に甲殻類、ゴカイなどの小動物を捕食するが、冬は主に海藻を食べ、季節に応じた食性の変化が見られます。釣りのえさとして、静岡地方ではミカンを利用する事もある。
生息域 | 詳細 |
---|---|
北海道南部から台湾 | 琉球列島では稀 |
成魚 | 外海に面した浅い海の岩礁地帯 |
食性 | 夏は甲殻類やゴカイ、冬は海藻 |
その他 | 静岡地方ではミカンを餌にする |
メジナの分布域
メジナは、日本全国の沿岸域に広く分布しています。北海道南部から台湾、東シナ海までと、非常に広い範囲に生息しています。特に、本州沿岸の磯場で普通に見られる種類なので、分布域内の日本中で見られます。南日本になるとクロメジナの方が個体数が多くなるので、注意深く識別が必要となります。沖縄では稀なので、見つける事自体がラッキーな事と思われます。
地域 | 分布状況 |
---|---|
北海道南部から台湾 | 広く分布 |
本州沿岸 | 普通に見られる |
南日本 | クロメジナが多い |
沖縄 | 稀 |
メジナの生息環境
メジナは、浅い海の岩礁地帯を好み、特に潮通しの良い場所を好んで生息しています。そのため、磯釣りでは、潮通しの良い場所や、岩礁帯の周辺が、メジナのポイントとなります。また、メジナは、水温の変化にも敏感で、水温が低い冬場は、水深の深い場所に移動することがあります。
環境 | 詳細 |
---|---|
水深 | 浅い海 |
地形 | 岩礁地帯 |
潮通し | 良い場所を好む |
水温 | 変化に敏感、冬場は水深の深い場所に移動 |
まとめ
メジナは、日本全国の沿岸域に広く分布する魚で、特に岩礁地帯を好みます。生息域は、北海道南部から台湾までと、非常に広範囲にわたります。メジナは、水温の変化にも敏感で、季節によって生息場所を変えることがあります。
3. メジナの食性と摂取量
メジナの食性
メジナは雑食性で、季節によって食べるものが変わります。夏は主に甲殻類、ゴカイなどの小動物を捕食しますが、冬は主に海藻を食べます。そのため、メジナの味は、季節によって大きく変わります。夏は磯臭さが強く、冬は臭みが少なく、美味しくなります。
季節 | 食性 |
---|---|
夏 | 甲殻類、ゴカイなどの小動物 |
冬 | 海藻 |
その他 | 静岡地方ではミカンを食べる |
メジナの摂取量
メジナは、一般的に、100gあたり120円前後で販売されています。しかし、冬の時期に流通する「寒グレ」というメジナは、流通価格が高騰する傾向にあります。メジナは、地域によっても販売価格が異なるため一概には言えませんが、小さめのメジナであれば値段も心配することはありませんが、1尾丸ごととなると少々購入を躊躇う値段と言えるでしょう。
時期 | 値段 |
---|---|
通常 | 100gあたり120円前後 |
冬(寒グレ) | 高騰する傾向あり |
サイズ | 小さめは安価、1尾丸ごとは高価 |
メジナの栄養価
メジナは、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサ塩酸)、カリウム、亜鉛などの栄養素を豊富に含んでいます。EPAは血液をサラサラにする効果があり、DHAは脳の働きを活性化させる効果があります。また、カリウムは高血圧の予防に効果があり、亜鉛は免疫力を高める効果があります。メジナは、健康にも良い魚と言えるでしょう。
栄養素 | 効果 |
---|---|
EPA | 血液サラサラ |
DHA | 脳の活性化 |
カリウム | 高血圧予防 |
亜鉛 | 免疫力向上 |
まとめ
メジナは、季節によって食性が変化し、夏は動物性、冬は植物性を多く食べます。そのため、夏は磯臭さが強く、冬は臭みが少なく、美味しくなります。メジナは、EPAやDHAなどの栄養素を豊富に含んでおり、健康にも良い魚です。
4. メジナの成長過程と寿命
メジナの成長過程
メジナは、産卵期は2-6月で、稚魚は岩礁海岸のタイドプールや流れ藻周辺で見られます。稚魚は、流れ藻などについて表層を漂いながら成長し、体長4cm前後にまで成長すると内湾や潮だまりなどに移動します。その後、体長20cmを超えるほどになると、外洋に面した防波堤や港湾などにまで行動範囲を広げていきます。成長は遅く、体長20cmほどに達するのに約2年を、体長40cmになるまで約7年を要すると言われています。
時期 | 成長段階 | 体長 |
---|---|---|
産卵後 | 稚魚 | 4cm前後 |
2年後 | 幼魚 | 20cm前後 |
7年後 | 成魚 | 40cm前後 |
メジナの寿命
メジナの寿命は、正確にはわかっていませんが、一般的には10年以上と言われています。メジナは、成長が遅く、寿命が長い魚です。そのため、メジナは、古くから、釣り人にとって、貴重なターゲットとなっています。
寿命 | 10年以上 |
---|
メジナの成長と環境
メジナの成長は、水温や餌の量など、様々な環境要因に影響されます。水温が高いと、メジナの成長は早くなります。また、餌の量が多いと、メジナの成長は早くなります。メジナは、環境の変化に敏感な魚です。
要因 | 影響 |
---|---|
水温 | 高いと成長が早い |
餌の量 | 多いと成長が早い |
まとめ
メジナは、産卵期は2~6月で、稚魚は岩礁海岸のタイドプールや流れ藻周辺で見られます。成長は遅く、体長20cmほどに達するのに約2年を、体長40cmになるまで約7年を要すると言われています。メジナの寿命は、正確にはわかっていませんが、一般的には10年以上と言われています。メジナの成長は、水温や餌の量など、様々な環境要因に影響されます。
5. メジナとその他の魚類との関係性
メジナとクロメジナの関係
メジナとクロメジナは、同じメジナ属に属する魚ですが、いくつかの違いがあります。クロメジナは、メジナよりも体が細長く、尾鰭が長いのが特徴です。また、クロメジナは、メジナよりも沖合を好み、生息域も異なります。メジナは、内湾や沿岸部を好み、クロメジナは、沖合の岩礁地帯を好みます。
項目 | メジナ | クロメジナ |
---|---|---|
体型 | ずんぐり | 細長い |
尾鰭 | 短い | 長い |
生息域 | 内湾や沿岸部 | 沖合の岩礁地帯 |
メジナとイスズミの関係
メジナとイスズミは、どちらもスズキ目イスズミ科に属する魚ですが、メジナはイスズミよりも体が大きく、側扁しています。また、メジナは、イスズミよりも味が良いとされています。イスズミは、メジナよりも磯臭さが強く、食用としてあまり人気がありません。
項目 | メジナ | イスズミ |
---|---|---|
体型 | 大きい、側扁 | 小さい |
味 | 美味しい | 磯臭さが強い |
人気 | 食用として人気 | 食用としてあまり人気がない |
メジナと他の魚との関係
メジナは、他の魚と競合したり、共存したりしながら、生態系の中で重要な役割を果たしています。メジナは、他の魚と餌を競合したり、他の魚に捕食されたりすることがあります。また、メジナは、他の魚に寄生されたり、他の魚に寄生虫を寄生させたりすることもあります。メジナは、他の魚との複雑な関係の中で、生きています。
関係 | 例 |
---|---|
競合 | 餌を競合する |
捕食 | 他の魚に捕食される |
寄生 | 他の魚に寄生される、他の魚に寄生虫を寄生させる |
まとめ
メジナは、クロメジナやイスズミなど、同じスズキ目イスズミ科に属する魚と、様々な関係を持っています。メジナは、クロメジナとよく似ていますが、いくつかの特徴を見れば見分けることができます。メジナは、イスズミよりも味が良いとされています。メジナは、他の魚と競合したり、共存したりしながら、生態系の中で重要な役割を果たしています。
6. メジナの保護活動と環境問題
メジナの保護活動
メジナは、釣り人にとって人気のある魚ですが、近年、乱獲や環境破壊によって、その数が減少しています。そのため、メジナの保護活動が、各地で行われています。メジナの保護活動には、釣り人のモラル向上や、漁獲量の制限などが含まれます。釣り人は、メジナを大切に、資源を守るために、ルールを守って釣りをすることが大切です。
活動内容 | 詳細 |
---|---|
釣り人のモラル向上 | ルールを守って釣りをする |
漁獲量の制限 | 乱獲を防ぐ |
その他 | 生息環境の保護 |
メジナと環境問題
メジナは、環境の変化に敏感な魚です。水温の上昇や、水質の悪化など、様々な環境問題の影響を受けています。メジナは、環境の変化によって、生息数が減少したり、病気にかかりやすくなったりすることがあります。メジナを守るためには、環境問題の解決が不可欠です。
問題 | 影響 |
---|---|
水温上昇 | 生息数が減少、病気にかかりやすくなる |
水質悪化 | 生息数が減少、病気にかかりやすくなる |
その他 | 環境の変化に敏感 |
メジナを守るために私たちができること
メジナを守るためには、私たち一人ひとりが、環境問題に関心を持ち、行動することが大切です。例えば、ゴミを捨てない、水を大切に使う、環境に優しい商品を選ぶなど、小さなことから始めてみましょう。メジナは、私たち人間にとって、貴重な資源です。メジナを守るために、私たちができることを、考えていきましょう。
行動 | 詳細 |
---|---|
ゴミを捨てない | 環境汚染防止 |
水を大切に使う | 水資源の保護 |
環境に優しい商品を選ぶ | 環境負荷の低減 |
まとめ
メジナは、乱獲や環境破壊によって、その数が減少しています。メジナを守るためには、釣り人のモラル向上や、漁獲量の制限など、様々な保護活動が必要です。また、メジナは、環境の変化に敏感な魚であり、水温の上昇や、水質の悪化など、様々な環境問題の影響を受けています。メジナを守るためには、環境問題の解決が不可欠です。
参考文献
・メジナ【目近魚】の特徴・生態、食べ方や旬、料理を徹底解説 …
・メジナの生態解説【ダイビング生物情報】~群れと群がりの …
・磯釣りの王者「メジナ」とは?その生態と旬の時期を解説!実 …
・メジナの味はうまい?塩焼き等の食べ方や旬・時期、グレとの …
・メジナ|その生態や釣り方をご紹介【Tsuri Hack 釣り物図鑑 …
・メジナとは – 生態や形態の特徴解説 – Zukan(図鑑)
・メジナ(グレ)の分類や生態!旬やオススメレシピは? | Fish …
・メジナ 学名:Girella punctata|野生生物共有図鑑
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