1. 刑務官の仕事内容 – 保安と更生、2つの大きな役割
1-1. 刑務所の安全を守る保安業務
刑務官の仕事は、大きく分けて保安業務と更生業務の2つに分けることができます。保安業務とは、刑務所の秩序と安全を維持するための業務であり、刑務官の仕事の根幹とも言える重要な役割です。具体的には、以下のような業務が含まれます。
1. 施設警備： 刑務所内の巡回や監視を行い、逃走や暴動などの問題が発生しないように目を光らせます。
2. 受刑者の管理： 受刑者の入所・出所の手続きや、日常生活の管理を行います。健康状態の確認や、規則正しい生活を送れるよう指導することも重要な仕事です。
3. 規律の維持： 刑務所内には、受刑者が守るべき規則があります。刑務官は、受刑者が規則を守っているか監視し、違反があれば指導を行います。
1-2. 受刑者の社会復帰を支える更生業務
更生業務とは、受刑者が社会復帰できるよう支援する業務です。受刑者が罪を償い、再び社会の一員として生きていくために、様々なサポートを行います。具体的な更生業務には以下のようなものがあります。
1. 職業訓練： 社会復帰後に就労できるよう、様々な職業訓練を実施します。受刑者の適性や希望に合わせ、必要な技術や知識を習得できるようサポートします。
2. 教育指導： 受刑者の中には、義務教育を修了していない方もいます。刑務所内では、学業のサポートも行い、社会復帰後の自立を支援します。
3. 生活指導： 社会復帰後、円滑な社会生活を送るために必要な生活習慣の改善や、金銭管理などの指導を行います。
4. 心理的サポート： 受刑者の中には、精神的に不安定な方もいます。刑務官は、カウンセリングや面談などを通して、受刑者の心のケアも行います。
刑務官の仕事は、保安と更生の両面から受刑者と向き合い、社会の安全を守るという重要な役割を担っています。
2. 刑務官に必要な資質 – 体力と精神力、そしてコミュニケーション能力
2-1. 鍛え抜かれた体力
刑務官の仕事は、常に危険と隣り合わせです。暴れる受刑者を取り押さえたり、逃走を阻止したりと、体力が必要な場面が多くあります。また、刑務所内を巡回したり、長時間の立ち仕事も多いため、基礎体力も求められます。そのため、刑務官採用試験では、体力試験が課せられます。
2-2. タフな精神力
刑務官は、常に緊張感を持って職務にあたらなければなりません。また、受刑者と接する中で、理不尽な要求や暴言を受けることもあります。そのような状況でも、冷静に対処できる精神力が必要です。
2-3. コミュニケーション能力
刑務官は、受刑者と日々接する仕事です。受刑者の話をしっかりと聞き、理解するコミュニケーション能力が求められます。また、受刑者の問題行動を未然に防ぐためにも、日頃から積極的にコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが大切です。
2-4. 公務員としての自覚
刑務官は、国家公務員です。法令を遵守し、公正に職務を執行する強い責任感が求められます。
3. 刑務官になるには – 採用試験の種類と試験内容
3-1. 刑務官採用試験の種類
刑務官になるためには、刑務官採用試験に合格しなければなりません。刑務官採用試験には、大きく分けて2つの種類があります。
1. 国家公務員採用総合職試験（院卒者試験）： 大卒程度の学力を有する方を対象とした試験です。合格後は、全国の刑務所で勤務する可能性があります。
2. 国家公務員採用一般職試験（大卒程度試験）： 大卒程度の学力を有する方を対象とした試験です。合格後は、基本的に本人の希望を考慮した上で、各地方矯正管区の管轄区域内で勤務することになります。
3-2. 刑務官採用試験の内容
刑務官採用試験は、筆記試験と人物試験、体力試験、身体検査で構成されています。
1. 筆記試験： 教養試験と専門試験があります。教養試験では、一般常識や時事問題などが出題されます。専門試験では、法律や社会学など、刑務官として必要な知識が問われます。
2. 人物試験： 面接形式で行われます。刑務官として必要な資質や、志望動機などを問われます。
3-3. 体力試験： 握力や上体起こし、持久走など、基礎体力を測定します。
3-4. 身体検査： 視力や聴力など、健康状態をチェックします。
刑務官採用試験の難易度は決して低いものではありませんが、試験対策をしっかり行い、必要な知識や体力を身につければ、合格は決して不可能ではありません。
4. 刑務官の給料と待遇 – 公務員ならではの安定性と福利厚生
4-1. 刑務官の給料
刑務官は国家公務員なので、給与は一般職の国家公務員に準じて支給されます。基本給の他に、諸手当が支給されます。
4-1. 基本給： 学歴や年齢、経験年数に応じて金額が決まります。
2. 諸手当： 住居手当や扶養手当、通勤手当など、様々な手当があります。刑務官の場合、特殊な環境下で勤務することから、特殊勤務手当が支給されます。
4-2. 公務員ならではの福利厚生
刑務官は、公務員ならではの充実した福利厚生を受けることができます。
4-1. 社会保険： 健康保険や厚生年金などの社会保険が完備されています。
4-2. 休暇制度： 年次休暇や病気休暇など、様々な休暇制度があります。
4-3. 퇴직 후 : 退職後は、退職金が支給されます。
刑務官の給料は、民間企業と比較すると決して高いとは言えませんが、公務員ならではの安定性と充実した福利厚生が魅力です。
5. 刑務官のやりがいと大変さ – 社会貢献と責任の重さ
5-1. 社会貢献を実感できる仕事
刑務官は、社会の安全を守るという重要な役割を担っています。犯罪や非行のない社会を作るために、日々職務にあたっています。受刑者が更生し、社会復帰を果たすことができたときは、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
5-2. 常に危険と隣り合わせの仕事
刑務官の仕事は、常に危険と隣り合わせです。暴れる受刑者を取り押さえたり、逃走を阻止したりと、体力が必要な場面も多く、常に緊張感を持って職務にあたらなければなりません。
5-3. 精神的な負担も大きい
刑務官は、受刑者と接する中で、理不尽な要求や暴言を受けることもあります。そのような状況でも、冷静に対処できる精神力が必要です。また、受刑者の自殺や病気など、命に関わる問題にも直面することがあります。
5-4. 不規則な勤務体系
刑務所は、24時間体制で稼働しています。そのため、刑務官の勤務体系は不規則になりがちです。夜勤や早朝勤務もあり、生活リズムが乱れやすくなります。
刑務官の仕事は、大変なことも多いですが、社会貢献を実感できるやりがいのある仕事です。
