1. 計器組立工ってどんな仕事？
1-1. 計器組立工とは
計器組立工は、様々な産業で使用される計測機器や制御機器の組み立てを行う仕事です。 製品の種類は多岐に渡り、例えば、温度計、圧力計、流量計、分析機器などがあります。これらの機器は、製造業をはじめ、医療、環境、エネルギーなど、様々な分野で活躍しています。計器組立工は、設計図や指示書をもとに、部品の加工、組立、調整、検査などを行います。また、近年は自動化が進んでいるものの、まだまだ手作業による繊細な作業が必要とされる場面が多くあります。
1-2. 仕事内容
計器組立工の仕事内容は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
1つ目は、部品の加工です。旋盤やフライス盤などの工作機械を使用して、金属やプラスチックなどの素材から部品を加工します。
2つ目は、機器の組立です。加工した部品や購入した部品を、設計図や指示書に従って組み立てていきます。この作業には、ねじ締めやはんだ付けなどの技術が必要とされます。また、近年は電子機器の小型化に伴い、顕微鏡を使用した微細な作業も増えています。
3つ目は、調整と検査です。組み立てた機器が正常に動作するかを確認し、必要に応じて調整を行います。また、製品の品質を確保するために、様々な検査を行います。
1-3. 働く場所
計器組立工は、主に製造業の工場で働きます。計測機器や制御機器を製造するメーカーの他、自動車、電機、化学など、様々な産業の工場で働くことができます。また、機器のメンテナンスや修理を行う企業で働く計器組立工もいます。
2. 必要とされる技術と知識
2-1. 手先の器用さ
計器組立工は、細かい部品を扱ったり、精密な作業を行うことが求められるため、手先の器用さが重要です。また、部品の形状や組み立て手順を正確に理解し、ミスなく作業を行う集中力も必要です。
2-2. 機械操作の知識と技術
計器組立の仕事では、旋盤やフライス盤などの工作機械を使用して部品を加工する作業があります。そのため、これらの機械の操作方法や安全に関する知識、技術を身につけることが必要です。
2-3. 図面を読み解く力
計器組立工は、設計図や指示書をもとに作業を行います。そのため、図面を読み解く力が必要不可欠です。部品の形状や寸法、組み立て手順などを正確に理解する必要があります。
2-4. 電気・電子に関する基礎知識
近年は、電子機器を扱う機会が増えています。そのため、電気や電子に関する基礎知識があると、仕事に有利です。回路図を読んだり、電子部品のはんだ付けなどができるようになると、活躍の場が広がります。
2-5. パソコンスキル
近年は、製造現場でもパソコンを使用する機会が増えています。生産管理システムへの入力や、加工データの作成などを行うため、基本的なパソコンスキルは必須と言えるでしょう。
2-6. 計測機器や制御機器に関する知識
自分が組み立てる機器がどのような原理で動作し、どのような用途で使用されるのかを理解していると、仕事への理解が深まり、より効率的に作業を行うことができます。また、機器の調整や検査を行う際にも役立ちます。
3. 計器組立工になるには？
3-1. 学歴
計器組立工になるために必要な学歴は特にありません。高校卒業以上の学歴があれば、求人に応募することができます。しかし、工業高校や専門学校で機械加工や電気・電子に関する知識を学んでおくと、就職に有利になります。また、近年は未経験者向けの研修制度を設けている企業も増えています。
3-2. 資格
計器組立工になるために必須の資格はありませんが、以下の資格を取得していると、就職やキャリアアップに有利になります。
・技能検定：機械加工や金属加工に関する技能を証明する国家資格です。等級に応じて、基礎的な技術から高度な技術まで、様々なレベルがあります。
・機械保全技能士：機械のメンテナンスや修理に関する技能を証明する国家資格です。
・危険物取扱者：ガソリンや灯油などの危険物を扱うために必要な資格です。
3-3. 求人の探し方
計器組立工の求人は、ハローワークや求人サイトなどで探すことができます。また、計測機器や制御機器メーカーのホームページで直接求人情報を掲載している場合もあります。
3-4. 就職後の流れ
就職後は、まずは先輩社員について、OJT(On-the-Job Training)で仕事の流れを学びます。その後、徐々に簡単な作業から任されるようになり、経験を積むことで、より高度な技術を身につけることができます。
4. 仕事のやりがいと魅力
4-1. モノづくりの醍醐味を味わえる
計器組立工は、自分の手で製品を組み立てる仕事です。そのため、モノづくりの醍醐味を味わうことができます。自分が組み立てた機器が、様々な産業で活躍していると思うと、大きなやりがいを感じることができます。
4-2. 技術を磨くことができる
計器組立工は、常に新しい技術を学ぶ必要があります。そのため、技術を磨くことができ、自己成長を実感することができます。また、技能検定などの資格を取得することで、自分の技術を客観的に評価することもできます。
4-3. 責任感のある仕事
計器組立工が組み立てる機器は、産業の現場や人々の生活に大きな影響を与えます。そのため、責任感のある仕事です。自分が組み立てた機器が正常に動作し、社会に貢献していると思うと、大きな誇りを感じることができます。
4-4. チームワークの重要性
計器組立工は、チームで協力して仕事を行うことが多いです。そのため、コミュニケーション能力や協調性が求められます。チームで協力して難しい課題を解決したときや、目標を達成したときには、大きな達成感を得ることができます。
4-5. 社会貢献度の高さ
計器組立工が組み立てる機器は、様々な産業の発展に欠かせないものです。そのため、社会貢献度の高い仕事です。自分が社会に貢献していると思うと、大きなやりがいを感じることができます。
5. 将来性とキャリアパス
5-1. 計測機器・制御機器業界の将来性
計測機器や制御機器は、あらゆる産業で必要不可欠なものとなっています。IoTやAIなどの技術の発展に伴い、今後も需要の拡大が見込まれます。そのため、計器組立工の将来性は明るいと言えるでしょう。
5-2. キャリアパス
計器組立工のキャリアパスとしては、以下のようなものが考えられます。
– 組立作業のスペシャリスト：組立作業の技術を磨き、難しい作業や重要な作業を任されるようになります。
– ラインリーダーや班長：複数の作業者をまとめ、作業の進捗管理や品質管理を行います。
– 設計や開発：製品の設計や開発に携わるようになります。
– 品質管理：製品の品質を管理する仕事に携わります。
– 営業：製品の営業や販売促進に携わります。
5-3. キャリアアップのために
キャリアアップのためには、技術を磨くことが重要です。技能検定などの資格を取得したり、研修に参加して新しい技術を学ぶことで、キャリアアップのチャンスが広がります。また、コミュニケーション能力や協調性を磨くことも大切です。
