税金名 | 納税先 | 課税対象 | 赤字計上の場合 | 損金算入 |
---|---|---|---|---|
法人税 | 国 | 会社の所得 | 支払い義務なし | できない |
法人住民税 | 地方自治体 | 会社の所在 | 支払い義務あり | できない |
法人事業税 | 地方自治体 | 会社の所得 | 支払い義務なし | できる |
1. 法人住民税とは
法人住民税の概要
法人住民税は、法人が事業所などを置く都道府県および市町村へ納付する地方税です。地域社会の維持のために発生する費用について、構成員である法人も負担すべきという考えに基づいて課税されるものです。個人が納める住民税の法人版だと考えるとわかりやすいでしょう。
法人が納める税金は、法人住民税のほかに「法人税」や「法人事業税」があり、これらを合わせて「法人税等」と呼びます。
法人税は国に納める国税である一方、法人住民税と法人事業税は都道府県や市町村などの地方自治体に納める地方税です。
さらに法人住民税は「都道府県民税」と「市町村民税」に分かれており、それぞれ税率や納付先が異なります。ただし、東京23区内に事業所を置く法人の場合は、すべてまとめて「法人都民税」として納付します。
税金名 | 分類 |
---|---|
法人税 | 国税 |
法人住民税 | 地方税 |
法人事業税 | 地方税 |
法人税等との違い
法人税・法人住民税・法人事業税は、「法人税等」とまとめられることが多いものの、課税対象や課税の目的、赤字決算の場合の取り扱いはそれぞれ大きく異なります。
まず、法人税は法人が事業活動で得た所得に対して課税される国税です。そのため、一般的に赤字決算となった場合は税金が課されません。一方、法人住民税は行政サービスにかかる費用負担を目的に課税されるため、赤字決算となった場合でも納付の義務があります。
また、法人事業税は「行政サービスの費用負担をする」という目的は法人住民税と同じですが、課税基準は「各事業年度の所得」となります。従って赤字決算となった場合は課税される所得がないため、法人事業税を納付する義務はありません。
法人として事業を営むにあたって「どれくらい税金がかかるのか」という点は、多くの経営者が気にするポイントです。法人住民税は「法人税割」と「均等割」の2つから構成されており、それぞれ税率や計算方法が異なります。ここからは、法人税割と均等割のしくみについて見ていきましょう。
税金名 | 赤字決算時の取り扱い |
---|---|
法人税 | 支払い義務なし |
法人住民税 | 支払い義務あり |
法人事業税 | 支払い義務なし |
法人住民税の構成要素
法人住民税の「法人税割」は、国に納める法人税額に基づいて算出されます。前述のとおり、法人住民税は「都道府県民税」と「市町村民税」に分かれており、法人税割の税率もこれらの区分によって異なります。
具体的な税率は下記のとおりです。
ただし、自治体によっては、一定の規模以上の法人に対して「超過税率」を適用しているところもあります。詳しくは税金を納付する地方自治体へ確認してみるとよいでしょう。
法人住民税の「均等割」は、法人の資本金等の額や従業員の人数によって税額が決められます。資本金等の額や従業員数が多い法人ほど税額が高くなるしくみとなっており、詳細は下記のとおりです。
要素 | 説明 |
---|---|
法人税割 | 法人税額に基づいて算出 |
均等割 | 資本金等の額や従業員数によって税額が決定 |
まとめ
法人住民税は、法人が事業を行う上で避けては通れない税金です。地域社会の維持に貢献するため、事業所を置く都道府県と市町村に納付する必要があります。
法人税割は、法人の所得に応じて税額が決まるのに対し、均等割は法人の規模に応じて税額が決まります。
法人住民税は、法人税や法人事業税と異なり、赤字決算であっても納付の義務があります。
法人住民税は、法人税等と合わせて、経営計画を立てる上で重要な要素となります。
2. 法人住民税の仕組み
法人住民税の計算方法
法人住民税は、法人税割額と均等割額の2つの税金を足した金額で算出されます。
法人税割額は、国に納める法人税額に、それぞれの地方自治体で定められた税率を掛けて算出します。
均等割額は、法人の資本金等の額と従業員数によって金額が変わり、具体的な金額は自治体ごとに定められています。
例えば、東京に本社等の主たる事務所が存在する資本金1000万円、従業員数50人以下の法人の場合、均等割額は7万円です。
法人住民税 | 法人税割 + 均等割 |
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分割基準
2つ以上の都道府県に事業所が存在する法人の場合、課税標準総額を一定の基準で分割し、自治体ごとの分割課税標準額、税額を算出します。
この決まりを分割基準と言い、法人住民税だけでなく、法人事業税等でも採用されています。
分割課税標準額は法人税額を用い、これを従業員数で分割して各自治体へ納付することになります。
例えば東京に本社、大阪に支社が存在し、従業員数が東京30人、大阪20人だった場合、法人税額の5分の3は東京へ5分の2は大阪に納税することになります。
資本金等の額 | 従業員数 | 均等割額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 50人以下 | 7万円 |
1,000万円以下 | 50人超 | 14万円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 50人以下 | 12万円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 50人超 | 24万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 50人以下 | 14万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 50人超 | 28万円 |
1億円超 | 50人以下 | 20万円 |
1億円超 | 50人超 | 40万円 |
法人住民税の計算例
具体的な例を挙げた上で、法人住民税を計算してみましょう。
法人税額は計算済みとして考えます。資本金等の金額や事業所数、従業員数の違いによる金額の変化に着目しましょう。
何パターンか計算してみることで、イメージがつかめるはずです。
条件
まとめ
法人住民税は、法人税割額と均等割額の合計額で算出されます。
法人税割の算出には法人税の数値が必要であるため、法人住民税を算出する際にはまず法人税を算出しましょう。
法人住民税において最も注意しなければならないのが、他の法人に係る税と違い、赤字計上になった場合でも発生するということです。
この場合、法人税割額は0円となり、均等割額のみを支払うこととなります。
3. 法人住民税の支払い方法
法人住民税の申告
法人住民税は地方税として法人の事業所が存在する自治体に納税します。
したがって、都道府県民税は都道府県税事務所へ、市町村民税は市町村役場へ納付します。
東京都の特別区については、いずれもまとめて都税事務所へ納付します。
法人住民税は、所属する自治体に対して税の負担を行うため、複数の地域に事業所が存在する場合は、それぞれの都道府県および市町村すべてに法人住民税を納めます。
決算日 | 申告期限 |
---|---|
3月31日 | 5月31日 |
6月30日 | 8月31日 |
9月30日 | 11月30日 |
12月31日 | 2月28日(閏年は2月29日) |
法人住民税の納付方法
法人住民税は、所属する自治体に対して税の負担を行うため、複数の地域に事業所が存在する場合は、それぞれの都道府県および市町村すべてに法人住民税を納めます。
納税額については、事業所の規模に応じて分割することになります。
前述の法人住民税の申告および納付期限の項目を参照してください。
ここからは、法人住民税の納付方法をみていきましょう。
納付方法 | 説明 |
---|---|
金融機関窓口での納付 | 納付書と現金で納付 |
電子納付 | eLTAXなどのシステムを利用 |
地方税お支払サイト | 納付書に記載されたQRコードやeL番号でオンライン納付 |
法人住民税の納付期限
法人住民税は地方税として法人の事業所が存在する自治体に納税します。
したがって、都道府県民税は都道府県税事務所へ、市町村民税は市町村役場へ納付します。
東京都の特別区については、いずれもまとめて都税事務所へ納付します。
法人住民税は、所属する自治体に対して税の負担を行うため、複数の地域に事業所が存在する場合は、それぞれの都道府県および市町村すべてに法人住民税を納めます。
まとめ
法人住民税は、地方税として法人の事業所が存在する自治体に納税します。
したがって、都道府県民税は都道府県税事務所へ、市町村民税は市町村役場へ納付します。
東京都の特別区については、いずれもまとめて都税事務所へ納付します。
法人住民税は、所属する自治体に対して税の負担を行うため、複数の地域に事業所が存在する場合は、それぞれの都道府県および市町村すべてに法人住民税を納めます。
4. 法人住民税の影響
法人住民税の納付が遅れた場合
法人住民税を期日までに完納しなかった場合、原則として納税するまで延滞金が課されます。
借金の利息のように、納付期限の翌日から延滞金が発生し、完納するまで日数に応じて課金されます。
一般的に、1カ月をすぎると利率が大幅に上がります。
延滞金は、原則として納期限の翌日から1カ月を経過するまでの期間は延滞金特例基準割合+1%、1カ月を過ぎると翌日から納税までの期間は延滞金特例基準割合+7.3%となります。
期間 | 延滞金 |
---|---|
納付期限の翌日から1カ月まで | 延滞金特例基準割合+1% |
1カ月を過ぎた後 | 延滞金特例基準割合+7.3% |
法人住民税の納付先
法人住民税は地方税として法人の事業所が存在する自治体に納税します。
したがって、都道府県民税は都道府県税事務所へ、市町村民税は市町村役場へ納付します。
東京都の特別区については、いずれもまとめて都税事務所へ納付します。
法人住民税は、所属する自治体に対して税の負担を行うため、複数の地域に事業所が存在する場合は、それぞれの都道府県および市町村すべてに法人住民税を納めます。
納付先 | 説明 |
---|---|
都道府県税事務所 | 都道府県民税 |
市町村役場 | 市町村民税 |
都税事務所 | 東京都の特別区の場合 |
法人住民税の納付方法
法人住民税は地方税として法人の事業所が存在する自治体に納税します。
したがって、都道府県民税は都道府県税事務所へ、市町村民税は市町村役場へ納付します。
東京都の特別区については、いずれもまとめて都税事務所へ納付します。
法人住民税は、所属する自治体に対して税の負担を行うため、複数の地域に事業所が存在する場合は、それぞれの都道府県および市町村すべてに法人住民税を納めます。
納付方法 | 説明 |
---|---|
金融機関窓口での納付 | 納付書と現金で納付 |
電子納付 | eLTAXなどのシステムを利用 |
地方税お支払サイト | 納付書に記載されたQRコードやeL番号でオンライン納付 |
まとめ
法人住民税は、地方税として法人の事業所が存在する自治体に納税します。
したがって、都道府県民税は都道府県税事務所へ、市町村民税は市町村役場へ納付します。
東京都の特別区については、いずれもまとめて都税事務所へ納付します。
法人住民税は、所属する自治体に対して税の負担を行うため、複数の地域に事業所が存在する場合は、それぞれの都道府県および市町村すべてに法人住民税を納めます。
5. 法人住民税の納税適格者
法人住民税の納税義務者
法人住民税を納めなければならないのは、その地域に事務所などをおく法人です。
その地域で事業を展開していれば、原則としてどのような団体でも法人住民税を納める義務があります。
赤字の法人であっても、地域社会の一構成員として一定の負担は発生します。
具体的な法人住民税の種類と税率などについては計算方法の項目で詳述します。
納税義務者 | 説明 |
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事務所などをおく法人 | その地域で事業を展開している法人 |
赤字の法人 | 地域社会の一構成員として一定の負担が発生 |
法人住民税の非課税法人
法人にかかる税には、法人住民税のほかにもいくつかの種類があります。
法人税は国に納めるもので、法人事業税は自治体に納めるものです。
個人事業主が納める税金を比較参照できるようにして、主な法人関係の税を下表に整理しました。
自事業が納める税金にはどのようなものがあるのかを把握しておきましょう。
税金名 | 納税先 | 課税対象 |
---|---|---|
法人税 | 国 | 会社の所得 |
法人住民税 | 地方自治体 | 会社の所在 |
法人事業税 | 地方自治体 | 会社の所得 |
法人住民税の免除
法人にかかる税には、法人住民税のほかにもいくつかの種類があります。
法人税は国に納めるもので、法人事業税は自治体に納めるものです。
個人事業主が納める税金を比較参照できるようにして、主な法人関係の税を下表に整理しました。
自事業が納める税金にはどのようなものがあるのかを把握しておきましょう。
免除対象 | 説明 |
---|---|
収益事業を行わない特定の公益法人 | 均等割を免除している場合がある |
東京都の例 | 都税条例施行規則に定める法人については、都民税均等割の免除を行っている |
まとめ
法人住民税は、その地域に事務所などをおく法人に対して課せられる税金です。
事業を展開していれば、原則としてどのような団体でも法人住民税を納める義務があります。
赤字の法人であっても、地域社会の一構成員として一定の負担は発生します。
法人住民税の免除や特例については、それぞれの自治体の条例を確認する必要があります。
6. 法人住民税の節税対策
法人住民税の節税対策
法人住民税は、事業を行う上で避けては通れない税金ですが、適切な節税対策を行うことで、税負担を軽減することができます。
節税対策には、法人税割の税率を下げる方法、均等割の税額を減らす方法、そして、法人税そのものを減らす方法などがあります。
法人税割の税率を下げるためには、事業の規模や業種、地域などを考慮して、最適な事業計画を立てることが重要です。
均等割の税額を減らすためには、資本金や従業員数を調整したり、事業所を移転したりする方法があります。
対策 | 説明 |
---|---|
法人税割の税率を下げる | 事業の規模や業種、地域などを考慮して、最適な事業計画を立てる |
均等割の税額を減らす | 資本金や従業員数を調整したり、事業所を移転したりする方法がある |
法人税そのものを減らす | 経費の計上方法を見直したり、減価償却の方法を変更したりする方法がある |
法人税の節税対策
法人税の節税対策には、経費の計上方法を見直したり、減価償却の方法を変更したりする方法があります。
経費の計上方法を見直す際には、税務上のルールを理解し、適切な方法で経費を計上することが重要です。
減価償却の方法を変更する際には、会社の状況に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。
節税対策は、会社の状況によって適切な方法は異なるので、早めに税理士に相談してみましょう。
対策 | 説明 |
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経費の計上方法を見直す | 税務上のルールを理解し、適切な方法で経費を計上する |
減価償却の方法を変更する | 会社の状況に合わせて、最適な方法を選択する |
法人住民税の節税対策
法人住民税は、事業を行う上で避けては通れない税金ですが、適切な節税対策を行うことで、税負担を軽減することができます。
節税対策には、法人税割の税率を下げる方法、均等割の税額を減らす方法、そして、法人税そのものを減らす方法などがあります。
法人税割の税率を下げるためには、事業の規模や業種、地域などを考慮して、最適な事業計画を立てることが重要です。
均等割の税額を減らすためには、資本金や従業員数を調整したり、事業所を移転したりする方法があります。
まとめ
法人住民税は、事業を行う上で避けては通れない税金ですが、適切な節税対策を行うことで、税負担を軽減することができます。
節税対策には、法人税割の税率を下げる方法、均等割の税額を減らす方法、そして、法人税そのものを減らす方法などがあります。
法人税割の税率を下げるためには、事業の規模や業種、地域などを考慮して、最適な事業計画を立てることが重要です。
均等割の税額を減らすためには、資本金や従業員数を調整したり、事業所を移転したりする方法があります。
参考文献
・法人住民税とは?均等割や計算方法についてわかりやすく解説 …
・法人住民税とは?計算方法や税率、免除されるケースについて …
・法人住民税とは?均等割と法人税割とは?|freee税理士検索
・法人住民税(都民税)とは?元国税調査官が初心者にわかり …
・法人住民税とは?法人税割と均等割の計算方法をわかりやすく …
・法人住民税とは? – 森福税理士事務所(堺市・岸和田市・和泉市)
・法人住民税とは 市町村の税収全体の約8%占める – 日本経済新聞
・法人住民税の税率や計算方法、法人事業税との違いまで解説 …
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