項目 | 内容 |
---|---|
生息地 | 日本の太平洋岸、琉球列島、済州島など |
特徴 | 細長い体、ドジョウに似ている、丈夫で飼育しやすい |
餌 | 雑食性、微小な動物、藻類 |
繁殖 | 秋から冬にかけて産卵、オスが卵を守る |
生態系における役割 | 他の生物を捕食、他の生物に捕食される |
驚くべき事実 | 別名ウミドジョウ、カミソリ、江戸前の天ぷらネタとして珍重される |
1. クモギンポの生息地とは
1-1. クモギンポの生息域
クモギンポは、日本の太平洋岸、琉球列島、海外では済州島などで見られる魚です。浅瀬を中心に棲みついていますが、深海から漁獲された事例もあるため広範囲に生息していると言われています。
クモギンポは、北海道から九州沿岸にすむナベカと近い仲間です。ナベカとの違いはまず体色で、ナベカは鮮やかな黄色なのに対し、クモギンポは体が茶色っぽいです。またナベカの体側前半には太い黒色帯がありますが、クモギンポは体に斜めの黒色帯が入ります。
また、体の後方にクモギンポにはない黒色斑が多数あるのも特徴といえるでしょう。ナベカは高水温に弱いらしく、琉球列島にはいないのですが、クモギンポは九州西岸、相模湾以南に分布し、琉球列島には多くいます。
鹿児島県種子島で採集された個体をもとに新種記載されたようです。日本産ナベカ属はこのほかにイダテンギンポ、トサカギンポ、ゴマクモギンポ、カワギンポがいます。
地域 | 生息状況 |
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日本の太平洋岸 | 多く生息 |
琉球列島 | 多く生息 |
済州島 | 生息 |
北海道 | 南部に生息 |
九州 | 沿岸に生息 |
相模湾 | 以南に生息 |
1-2. クモギンポの生息環境
クモギンポは、内湾のタイドプールに生息しているため、比較的水質悪化に耐えられるイメージがありますが、それでもなるべくきれいな水で飼育してあげましょう。
クモギンポは岩の隙間などに隠れる習性があります。水槽でもライブロックやサンゴ岩、専用の土管などで隠れ家を作ってあげるようにしましょう。
クモギンポは、サンゴ水槽での飼育も可能です。ベルリンシステムなどサンゴ飼育のためのシステムでの飼育も可能ですが、魚の入れすぎには注意が必要です。
水温は25℃前後(23~27℃)を保つようにします。29℃まで耐えられることを確認していますが、水温の変動が大きいと体調を崩すこともありますのでなるべく安定した水温で飼うようにしましょう。
環境 | 特徴 |
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内湾のタイドプール | 水質悪化に強い |
岩礁域 | 隠れ家となる場所が多い |
サンゴ水槽 | 飼育可能だが注意が必要 |
水温 | 25℃前後が最適 |
1-3. クモギンポの採集
クモギンポは、たまに観賞魚店で販売されていますが、販売されていることは少ないです。販売されているものはほぼ100%沖縄からくるので、状態は概ね良好ですが、痩せているもの、体に傷やただれがあるもの、鰭に白い点があったり、鰭が溶けているものなどは購入してはいけません。
とくに本種は小型で安価であることもあり、店舗では雑な扱いがされやすいのです。紀伊半島や四国・九州の太平洋岸や長崎県などでは磯で採集できます。
生息場所はごく浅い潮溜まりですが、くねくねと網を避けるように泳ぐため網へ入れるのに苦労することがあります。2本の網を用意すれば楽に採集できるでしょう。
小さな岩孔の中に潜んでいることもあり、孔から追い出すようにして網の中に入れてもよいでしょう。
場所 | 方法 |
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観賞魚店 | 販売されているが数は少ない |
磯 | 網で捕まえにくい |
岩孔 | 中から追い出すように捕まえる |
1-4. まとめ
クモギンポは、日本各地で見られる魚ですが、生息地は限られています。特に、水温が安定した内湾のタイドプールや岩礁域を好みます。
また、クモギンポは、水質悪化に強い魚ですが、飼育する際は、水温や水質に注意する必要があります。
クモギンポは、観賞魚としても人気がありますが、販売されている数は少なく、状態の良い個体を選ぶことが重要です。
クモギンポは、磯などで採集することもできますが、網で捕まえにくい魚なので、注意が必要です。
2. クモギンポの特徴とは
2-1. クモギンポの形態
クモギンポは、スズキ目・イソギンポ科の海水魚です。体は細くにょろっとしており、ドジョウなどにも似ていますが、この細い体はある種のドジョウのように、岩の隙間や、岩にあいた孔などに潜りこむのに適しているようです。
大変丈夫で飼育しやすく、初心者でも簡単に飼育でき、飼育下でも何年も生きます。クモギンポはイソギンポ科のナベカ族に含まれます。そのため、同じイソギンポ科のカエルウオやヤエヤマギンポなどとは分類学的にはだいぶ離れています。
また鰓孔は小さく、左右の鰓膜が連続しないという特徴もあります。食性が異なるためか、口の形もカエルウオの仲間とは大きく異なっています。
クモギンポには、尾鰭の上下が長く伸びるものと、長く伸びないものがいます。これは雌雄の違いだと思われます。また雄と思われるものはたまに体を黒っぽくして、背鰭にメタリックブルーの斑紋がでることもあり、格好よくなります。
特徴 | 説明 |
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体形 | 細長く、ドジョウに似ている |
体色 | 茶色っぽい |
鰓孔 | 小さく、左右の鰓膜が連続しない |
尾鰭 | 上下が長く伸びるものと、伸びないものがある |
背鰭 | 雄はメタリックブルーの斑紋が出る |
2-2. クモギンポの生態
クモギンポは、岩の隙間などに隠れる習性があります。そのため、水槽で飼育する際は、隠れ家となるライブロックやサンゴ岩などを設置してあげると良いでしょう。
クモギンポは、雑食性の魚で、微小な動物などを主に食べています。飼育下では配合飼料をよく食べてくれるので、餌付けに苦労することはほとんどないでしょう。
クモギンポは、同種同士では争うことがあるので、小さな水槽では複数飼育はやめた方が無難です。60cmくらいの大きさの水槽であれば複数飼育も可能ですが、その場合もほかの魚と組み合わせるとよいでしょう。
また隠れ家も多数入れてあげましょう。クモギンポは、ほかのカエルウオの仲間とは系統的に離れており、カエルウオの仲間との混泳には問題が少ないです。
行動 | 説明 |
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隠れ家 | 岩の隙間などに隠れる |
食性 | 雑食性、微小な動物などを食べる |
飼育 | 丈夫で飼育しやすい |
同種との関係 | 同種同士では争うことがある |
混泳 | カエルウオの仲間との混泳は問題ない |
2-3. クモギンポの飼育
クモギンポは、小型水槽でも飼育できますが、初心者は少なくても45cm水槽が欲しいところです。とくにクモギンポを複数飼育する場合は水槽は大きいものが有利になります。
クモギンポは、内湾のタイドプールに生息しているため、比較的水質悪化に耐えられるイメージがありますが、それでもなるべくきれいな水で飼育してあげましょう。
外部ろ過槽や外掛けろ過槽でも飼育できますが、これらを併用するのがよいです。それより大きな水槽では上部ろ過槽を使うのがおすすめです。
もちろん、オーバーフロー水槽にしてサンプでろ過すると高いろ過能力が得られるのでおすすめです。
飼育環境 | 説明 |
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水槽サイズ | 45cm以上がおすすめ |
水質 | きれいな水で飼育する |
ろ過 | 外部ろ過槽、外掛けろ過槽、上部ろ過槽など |
水温 | 25℃前後を保つ |
2-4. まとめ
クモギンポは、細長い体と特徴的な顔を持つ、ユニークな魚です。
飼育は比較的簡単で、丈夫な魚なので、初心者の方にもおすすめです。
ただし、同種同士では争うことがあるため、複数飼育する場合は、十分なスペースと隠れ家を用意する必要があります。
クモギンポは、サンゴ水槽などでも飼育できますが、水温や水質に注意する必要があります。
3. クモギンポの餌と食性
3-1. クモギンポの食性
クモギンポは、雑食性の魚で、微小な動物などを主に食べています。
飼育下では、配合飼料をよく食べてくれますが、わずかに藻類も食べているようで、メガバイトグリーンなどを与えてもよいでしょう。
ただし藻類を食べる、といっても、水槽のコケは残念ながらほとんど食べてくれません。
クモギンポは、イソギンポ科・ナベカ族の魚で、カエルウオの仲間とは分類学的にはやや離れています。そのためコケはほとんど食べません。
餌 | 説明 |
---|---|
微小な動物 | 主に食べる |
藻類 | わずかに食べる |
コケ | ほとんど食べない |
3-2. クモギンポの餌
クモギンポは、飼育下では、配合飼料をよく食べてくれます。
メガバイトレッドでもよいのですが、わずかに藻類も食べているようで、メガバイトグリーンなどを与えてもよいでしょう。
ただし、水槽のコケはほとんど食べてくれません。
コケを食べてもらうのであれば、クモギンポではなく、ヤエヤマギンポやカエルウオ、タマギンポなどにお願いした方がよいでしょう。
餌 | 説明 |
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配合飼料 | メガバイトレッド、メガバイトグリーンなど |
コケ | ほとんど食べない |
他の魚 | ヤエヤマギンポ、カエルウオ、タマギンポなど |
3-3. クモギンポの餌付け
クモギンポは、飼育下では、配合飼料をよく食べてくれるので、餌付けに苦労することはほとんどないでしょう。
ただし、コケはほとんど食べません。
コケを食べてもらうのであれば、クモギンポではなく、ヤエヤマギンポやカエルウオ、タマギンポなどにお願いした方がよいでしょう。
クモギンポは、たまに観賞魚店で販売されていますが、販売されていることは少ないです。
3-4. まとめ
クモギンポは、雑食性の魚で、微小な動物や藻類などを食べます。
飼育下では、配合飼料をよく食べてくれますが、コケはほとんど食べません。
コケを食べてもらうには、ヤエヤマギンポやカエルウオなどの他の魚の方が適しています。
クモギンポは、観賞魚としても人気がありますが、販売されている数は少なく、状態の良い個体を選ぶことが重要です。
4. クモギンポの繁殖方法
4-1. クモギンポの産卵
クモギンポは、秋から冬にかけて産卵します。
メスが岩の下に産み付けた卵塊を、オスが体を巻き付けて守る習性があります。
クモギンポの卵は、おにぎりのような形をしています。
オスは、卵を守るために、外敵から身を守り、卵に新鮮な水を送り込みます。
時期 | 説明 |
---|---|
産卵時期 | 秋から冬にかけて |
卵の保護 | オスが体を巻き付けて守る |
卵の形 | おにぎりのような形 |
4-2. クモギンポの繁殖行動
クモギンポは、産卵期になると、オスはメスを誘い、岩の下などに卵を産み付けます。
メスが産卵を終えると、オスは卵を保護するために、体を巻き付けて守ります。
オスは、卵を守るために、外敵から身を守り、卵に新鮮な水を送り込みます。
クモギンポの卵は、約1週間で孵化します。
行動 | 説明 |
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オスの行動 | メスを誘い、卵を産み付ける場所へ導く |
メスの行動 | 岩の下などに卵を産み付ける |
オスの保護行動 | 体を巻き付けて卵を守る |
卵の孵化 | 約1週間で孵化する |
4-3. クモギンポの稚魚
クモギンポの稚魚は、孵化後、プランクトンを食べて成長します。
稚魚は、成長するにつれて、親魚と同じような姿になっていきます。
クモギンポは、成長すると、岩の隙間などに隠れて生活します。
クモギンポは、寿命が長く、飼育下では、10年以上生きることもあります。
成長段階 | 説明 |
---|---|
孵化後 | プランクトンを食べて成長する |
成長 | 親魚と同じような姿になる |
生活 | 岩の隙間などに隠れて生活する |
寿命 | 飼育下では10年以上生きる |
4-4. まとめ
クモギンポは、秋から冬にかけて産卵し、オスが卵を保護する習性があります。
クモギンポの卵は、おにぎりのような形をしており、オスは、卵を守るために、外敵から身を守り、卵に新鮮な水を送り込みます。
クモギンポの稚魚は、孵化後、プランクトンを食べて成長し、成長するにつれて、親魚と同じような姿になっていきます。
クモギンポは、寿命が長く、飼育下では、10年以上生きることもあります。
5. クモギンポの生態系における役割
5-1. クモギンポの捕食者
クモギンポは、小型の魚や甲殻類などを捕食する肉食性の魚です。
そのため、クモギンポは、生態系の中で、他の生物を捕食することで、生態系のバランスを保つ役割を担っています。
クモギンポを捕食する生物としては、スズキ、マダイ、アオリイカなどが挙げられます。
クモギンポは、これらの生物にとって、重要な餌資源となっています。
捕食者 | 説明 |
---|---|
スズキ | クモギンポを捕食する |
マダイ | クモギンポを捕食する |
アオリイカ | クモギンポを捕食する |
5-2. クモギンポの被食者
クモギンポは、小型の魚や甲殻類などを捕食する肉食性の魚です。
そのため、クモギンポは、生態系の中で、他の生物を捕食することで、生態系のバランスを保つ役割を担っています。
クモギンポを捕食する生物としては、スズキ、マダイ、アオリイカなどが挙げられます。
クモギンポは、これらの生物にとって、重要な餌資源となっています。
被食者 | 説明 |
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小型の魚 | クモギンポに捕食される |
甲殻類 | クモギンポに捕食される |
5-3. クモギンポの生息環境
クモギンポは、内湾のタイドプールや岩礁域に生息しています。
クモギンポは、これらの環境に適応し、他の生物と共存することで、生態系のバランスを保っています。
クモギンポは、これらの環境に適応し、他の生物と共存することで、生態系のバランスを保っています。
クモギンポは、これらの環境に適応し、他の生物と共存することで、生態系のバランスを保っています。
環境 | 説明 |
---|---|
内湾のタイドプール | 生息する |
岩礁域 | 生息する |
5-4. まとめ
クモギンポは、生態系の中で、他の生物を捕食したり、他の生物に捕食されたりするなど、重要な役割を担っています。
クモギンポは、内湾のタイドプールや岩礁域に生息し、これらの環境に適応することで、他の生物と共存し、生態系のバランスを保っています。
クモギンポは、生態系の中で、重要な役割を担っている魚です。
クモギンポは、生態系の中で、重要な役割を担っている魚です。
6. クモギンポの驚くべき事実
6-1. クモギンポの別名
クモギンポは、別名「ウミドジョウ」や「カミソリ」などと呼ばれています。
「ウミドジョウ」という名前は、クモギンポの細長い体形がドジョウに似ていることから付けられました。
「カミソリ」という名前は、クモギンポの背ビレの棘が鋭いことから付けられました。
クモギンポは、見た目とは裏腹に、美味しい魚として知られています。
別名 | 説明 |
---|---|
ウミドジョウ | 細長い体形がドジョウに似ていることから |
カミソリ | 背ビレの棘が鋭いことから |
6-2. クモギンポの食文化
クモギンポは、江戸時代から、江戸前の天ぷらネタとして珍重されてきました。
クモギンポの天ぷらは、フワフワとした食感と、独特の甘みと旨味が特徴です。
クモギンポは、近年では、幻の魚と言われるほど、市場に出回る量が少なくなっています。
クモギンポは、釣り人にとって、貴重なターゲットとなっています。
料理 | 説明 |
---|---|
天ぷら | フワフワとした食感と、独特の甘みと旨味が特徴 |
市場 | 近年では、幻の魚と言われるほど、市場に出回る量が少なくなっている |
6-3. クモギンポの飼育
クモギンポは、飼育も比較的簡単です。
ただし、同種同士では争うことがあるため、複数飼育する場合は、十分なスペースと隠れ家を用意する必要があります。
クモギンポは、サンゴ水槽などでも飼育できますが、水温や水質に注意する必要があります。
クモギンポは、丈夫な魚なので、初心者の方にもおすすめです。
飼育 | 説明 |
---|---|
飼育の難易度 | 比較的簡単 |
複数飼育 | 同種同士では争うことがあるため注意が必要 |
水温 | 25℃前後を保つ |
6-4. まとめ
クモギンポは、別名「ウミドジョウ」や「カミソリ」などと呼ばれ、江戸時代から、江戸前の天ぷらネタとして珍重されてきました。
クモギンポは、近年では、幻の魚と言われるほど、市場に出回る量が少なくなっています。
クモギンポは、釣り人にとって、貴重なターゲットとなっています。
クモギンポは、飼育も比較的簡単で、丈夫な魚なので、初心者の方にもおすすめです。
参考文献
・クモギンポの飼育方法~暖かい海をこのむナベカの仲間 – 海 …
・ギンポとは – 生態や形態の特徴解説 – Zukan(図鑑)
・ギンポ | あつまれ!おさかなの海|イラストで学ぶ おさかな …
・ギンポとはどんな魚?釣りのポイントや美味しい食べ方を紹介 …
・ギンポの生態や基本情報まとめ【魚図鑑】 | kurashi-no
・動物園&水族館に行こう!! – 水族館魚図鑑-トサカギンポ …
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