ETFとは?経済用語について説明

ETFと株式投資の比較表
項目	ETF	株式投資
投資対象	特定の指数に連動	個別の上場銘柄
取引方法	証券取引所でリアルタイム取引	証券会社を通じて売買
リスク	指数に連動するため、指数が下落すると価格も下落	個別銘柄のリスクを負うため、ETFと比較してリスクが高い
手数料	売買手数料と信託報酬	売買手数料のみ
最低投資金額	比較的低額	比較的高額
分散投資	容易	個別銘柄への投資のため、分散投資は難しい
取引の自由度	高い	低い
情報公開	透明性が高い	透明性が高い
運用コスト	信託報酬がかかるため、運用コストは高い	信託報酬がなく、運用コストは低い
売買のタイミング	リアルタイムで売買可能	証券会社が定めた時間帯でのみ売買可能
投資初心者	扱いやすい	難しい
長期投資	適している	適している
短期投資	適している	適している
積立投資	一部の銘柄で可能	可能
信用取引	可能	可能
非課税制度	一般NISAは利用可能	一般NISAは利用可能
分配金	自動再投資はできない	自動再投資が可能
流動性	高い	高い
価格の乖離	発生する可能性がある	発生する可能性がある

1. ETFとは

ETFとは何か？

ETFとは、Exchange Traded Fundの略で、日本語では上場投資信託と呼ばれます。これは、証券取引所に上場している投資信託の一種です。投資信託は、運用会社が投資家から集めた資金を株式や債券などに投資し、運用する金融商品です。ETFは、その投資信託を証券取引所で株式と同じように売買できるようにしたものです。

ETFは、日経平均株価やTOPIX（東証株価指数）などの国内株式の株価指数、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均（通称「NYダウ」）などの外国株式の株価指数、国内外の債券指数、東証REIT（不動産投資信託）指数のほか、金やプラチナなどの商品価格といった、さまざまな指数や価格に連動したETFがあります。そのため、値動きの異なるETFを組み合わせて国際分散投資を行うこともできます。

ETFは、投資信託と同様に、運用会社が投資家から集めた資金を運用し、その運用成果を投資家に分配する仕組みです。しかし、ETFは証券取引所に上場しているため、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。

ETFは、投資信託と比較して、取引の自由度が高く、少額から投資できるという特徴があります。また、信託報酬が低く設定されていることもETFの魅力です。

ETFの市場
市場	内容
発行市場	ETFの受益権が設定・交換される市場
流通市場	一般投資家がETFを売買する市場

ETFの歴史

日本で最初に生まれたETFは、「日経300株価指数」という株価指数への連動を目指すものでした。これは、2001年7月に東京証券取引所と大阪証券取引所に上場されました。

その後、2008年6月に法律が改正され、現物拠出型ETFの連動対象となる指数についての個別指定が廃止されたため、上記以外の株価指数を対象とするETFが可能となりました。また、株式以外の上場有価証券を投資対象とするETFが解禁されました。

現在では、日本国内では268本のETFが東京証券取引所に上場しています。

ETFの連動対象
対象	例
株価指数	日経平均株価、TOPIX、NYダウ
債券指数	米国債、日本国債
REIT指数	東証REIT指数
商品価格	金、原油

ETFの仕組み

ETFの仕組みは、大きく分けて2つの市場があります。一つは、ETFの受益権が設定・交換される発行市場です。もう一つは、一般投資家がETFを売買する流通市場です。

発行市場では、証券会社や機関投資家（指定参加者）が市場で購入した株式の集合体（現物株バスケット）を投信運用会社に拠出します。この拠出を受け、運用会社はETFを設定し、その持分を示す受益証券を証券会社や機関投資家に渡します。そして、この受益証券が証券取引所に上場され、一般投資家の手に渡り、ETFが売買されます。

流通市場では、一般投資家が証券会社を通じてETFを売買します。ETFの価格は、市場の需給によって決まります。

ETFと投資信託、株式の違い
項目	ETF	投資信託	株式
取引場所	証券取引所	銀行、証券会社、信託銀行	証券取引所
取引方法	リアルタイム取引	1日1回基準価額で取引	リアルタイム取引
最低投資金額	比較的低額	比較的低額	比較的高額
信託報酬	発生する	発生する	発生しない
売買手数料	発生する	発生する	発生する
分散投資	容易	容易	難しい
信用取引	可能	一部商品で可能	可能
非課税制度	一般NISAは利用可能	一般NISAは利用可能	一般NISAは利用可能
分配金	自動再投資はできない	自動再投資が可能	発生する
流動性	高い	低い	高い
価格の乖離	発生する可能性がある	発生する可能性がある	発生しない

まとめ

ETFは、証券取引所に上場している投資信託の一種です。投資信託と同様に、運用会社が投資家から集めた資金を運用し、その運用成果を投資家に分配する仕組みです。

ETFは、投資信託と比較して、取引の自由度が高く、少額から投資できるという特徴があります。また、信託報酬が低く設定されていることもETFの魅力です。

ETFは、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。そのため、投資家は自分の好きなタイミングで売買できます。

2. ETFのメリット

分散投資

ETFの最大のメリットは、分散投資が容易であることです。例えば、日経平均株価に連動するETFを購入すれば、日経平均株価を構成する225社の株式に分散投資したのと同じ効果が得られます。

分散投資は、特定の銘柄に集中投資することによるリスクを軽減する効果があります。ETFは、少額の資金で、さまざまな銘柄に分散投資できるため、投資初心者にとって非常に魅力的な投資商品です。

また、ETFは、国内株式だけでなく、海外株式や債券、REIT、コモディティなど、さまざまな資産に投資できます。そのため、ETFを活用すれば、世界中の市場に分散投資することも可能です。

分散投資は、投資におけるリスク管理の基礎です。ETFは、分散投資を容易にすることで、投資家のリスクを軽減するのに役立ちます。

ETFの分散投資
投資対象	分散効果
日経平均株価連動型ETF	日経平均株価を構成する225社の株式に分散投資
TOPIX連動型ETF	2000銘柄以上の株式に分散投資
海外株式ETF	海外の株式市場に分散投資
債券ETF	債券市場に分散投資
REIT ETF	REIT市場に分散投資
コモディティETF	コモディティ市場に分散投資

低コスト

ETFは、投資信託と比較して、信託報酬が低く設定されていることが多いです。信託報酬とは、投資信託やETFを運用していくうえで必要になるコストのことです。

ETFの信託報酬が低い理由は、販売会社への手数料やそのファンドにかかる事務費用（運用報告書の印刷費など）が安価であることから管理コストが安くなっているからです。

信託報酬は、投資家の利益を圧迫する要因の一つです。そのため、信託報酬が低いETFは、投資家にとって有利な投資商品です。

信託報酬は、長期的に見ると、投資のパフォーマンスに大きな影響を与えるため、長期投資では非常に重要な項目です。

ETFの信託報酬
商品	信託報酬率
投資信託（インデックスファンド）	約0.15%〜0.41%
ETF	約0.07%〜0.09%

取引のしやすさ

ETFは、株式と同じように、証券取引所でリアルタイムで売買できます。そのため、投資家は自分の好きなタイミングで売買できます。

また、ETFは、株式と同じように「指値注文」や「成行注文」などの注文方法を選択できます。そのため、投資家は自分の投資スタイルに合わせて、柔軟に取引できます。

ETFは、投資信託と比較して、取引の自由度が高く、投資初心者でも扱いやすい商品です。

ただし、1日に何度も取引する場合には、その分売買委託手数料などのコストが増えてしまうため注意が必要です。

ETFの取引方法
注文方法	説明
指値注文	自分が希望する価格で売買する注文方法
成行注文	市場の価格で売買する注文方法

まとめ

ETFは、分散投資、低コスト、取引のしやすさなど、多くのメリットがあります。

ETFは、投資初心者でも扱いやすく、長期的な資産形成に役立つ投資商品です。

ただし、ETFにもデメリットはあります。デメリットを理解した上で、ETFに投資するようにしましょう。

3. ETFのデメリット

価格の乖離

ETFは、市場価格と基準価額の間に価格の乖離が生じる可能性があります。

市場価格は、市場の需給によって決まります。基準価額は、ETFの純資産価値に基づいて算出されます。

市場価格と基準価額が乖離すると、投資家は損をする可能性があります。例えば、基準価額よりも低い市場価格でETFを売却した場合、本来ならもっと高く売却できたのに、という結果になる可能性があります。

価格の乖離は、ETFの流動性や市場の状況によって発生します。そのため、ETFに投資する際には、価格の乖離に注意する必要があります。

ETFの価格の乖離
項目	説明
市場価格	市場の需給によって決まる
基準価額	ETFの純資産価値に基づいて算出される

分配金の再投資

ETFは、投資信託と異なり、分配金を自動で再投資することはできません。

ETFの分配金は、決算時に支払われます。投資家は、分配金を受け取るのか、再投資するのかを選択する必要があります。

分配金を再投資したい場合は、手動でETFを再度買い付ける必要があります。売買手数料がかかるほか、株式の購入同様に最低の売買単位があり、再購入するまでは現金でもっていないといけないというデメリットがあります。

分配金を自動で再投資できない点は、ETFのデメリットの一つです。

流動性リスク

ETFは、株式と同様に、市場で取引されます。そのため、市場の需給によって、ETFの価格が変動します。

流動性とは、売買したいときにすぐに売買できるかどうかを示す指標です。流動性の低いETFは、売買したいときにすぐに売買できない可能性があります。

流動性の低いETFは、市場価格が大きく変動する可能性があります。そのため、流動性リスクが高いと言えます。

流動性リスクを避けるためには、流動性の高いETFを選ぶことが重要です。

ETFの流動性リスク
流動性	説明
高い	売買したいときにすぐに売買できる
低い	売買したいときにすぐに売買できない可能性がある

まとめ

ETFは、価格の乖離、分配金の再投資、流動性リスクなど、いくつかのデメリットがあります。

しかし、ETFにもデメリットはあります。デメリットを理解した上で、ETFに投資するようにしましょう。

ETFは、投資初心者でも扱いやすく、長期的な資産形成に役立つ投資商品です。

4. ETFの種類

株価指数連動型

株価指数連動型ETFは、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数に連動するETFです。

このタイプのETFは、市場全体に投資したい投資家にとって、非常に便利な投資商品です。

株価指数連動型ETFは、市場全体のリスクを分散することができます。そのため、投資初心者にとって、安心できる投資商品です。

また、株価指数連動型ETFは、市場全体のリターンを期待できます。そのため、長期的な資産形成に適した投資商品です。

株価指数連動型ETF
指数	説明
日経平均株価	日本の代表的な株価指数
TOPIX	東証株価指数
NYダウ	アメリカの代表的な株価指数
S&P500	アメリカの代表的な株価指数

債券指数連動型

債券指数連動型ETFは、債券市場に連動するETFです。

債券は、株式と比較して、値動きが安定している傾向があります。そのため、債券指数連動型ETFは、リスクを抑えたい投資家にとって、魅力的な投資商品です。

債券指数連動型ETFは、株式投資のポートフォリオに組み入れることで、リスクを分散することができます。

債券指数連動型ETFは、株式投資と比較して、安定した収益を期待できます。

債券指数連動型ETF
債券	説明
米国債	アメリカの政府が発行する債券
日本国債	日本の政府が発行する債券
社債	企業が発行する債券

REIT ETF

REIT ETFは、不動産投資信託（REIT）に投資するETFです。

REITは、不動産に投資することで、賃料収入や売却益を得ることができます。

REIT ETFは、複数のREIT銘柄に分散投資できるため、リスクを軽減することができます。

REIT ETFは、株式投資と比較して、安定した収益を期待できます。

REIT ETF
REIT	説明
東証REIT指数	東証に上場しているREITの指数
米国REIT	アメリカのREIT市場に投資するETF
ヨーロッパREIT	ヨーロッパのREIT市場に投資するETF

まとめ

ETFは、株価指数連動型、債券指数連動型、REIT ETFなど、さまざまな種類があります。

投資家は、自分の投資目標やリスク許容度に合わせて、適切なETFを選ぶことが重要です。

ETFは、投資初心者でも扱いやすく、長期的な資産形成に役立つ投資商品です。

5. ETFの運用方法

ETFの選び方

ETFを選ぶ際には、以下の点を考慮する必要があります。

* 投資対象: 投資したい市場や資産クラス（株式、債券、REIT、コモディティなど）

* 信託報酬: 運用コストを低く抑えるために、信託報酬が低いETFを選びましょう。

* 流動性: 売買したいときにすぐに売買できるかどうかを確認しましょう。流動性の低いETFは、売買したいときにすぐに売買できない可能性があります。

ETFの選び方
項目	説明
投資対象	投資したい市場や資産クラス
信託報酬	運用コストを低く抑えるために、信託報酬が低いETFを選びましょう
流動性	売買したいときにすぐに売買できるかどうかを確認しましょう
純資産規模	純資産規模が大きいETFを選びましょう
パフォーマンス	過去の運用実績を確認しましょう

ETFの買い方

ETFは、証券会社で口座を開設し、株式と同じように売買できます。

ETFの買い方は、証券会社の取引画面から注文を出すだけです。

ETFの注文方法には、「指値注文」と「成行注文」があります。

指値注文は、自分が希望する価格で売買できる注文方法です。成行注文は、市場の価格で売買できる注文方法です。

ETFの買い方
注文方法	説明
指値注文	自分が希望する価格で売買する注文方法
成行注文	市場の価格で売買する注文方法

ETFの売却

ETFの売却も、証券会社の取引画面から注文を出すだけです。

ETFの売却方法には、「指値注文」と「成行注文」があります。

指値注文は、自分が希望する価格で売却できる注文方法です。成行注文は、市場の価格で売却できる注文方法です。

ETFの売却は、いつでも行うことができます。ただし、市場の状況によっては、希望する価格で売却できない場合があります。

ETFの売却
注文方法	説明
指値注文	自分が希望する価格で売却する注文方法
成行注文	市場の価格で売却する注文方法

まとめ

ETFは、証券会社で口座を開設し、株式と同じように売買できます。

ETFの選び方、買い方、売却方法を理解した上で、ETFに投資するようにしましょう。

ETFは、投資初心者でも扱いやすく、長期的な資産形成に役立つ投資商品です。

6. ETFと株式投資の違い

投資対象

ETFは、特定の指数に連動する形で運用されます。一方、株式投資は、個別の上場銘柄の値動き次第です。

ETFは、株式だけでなく、債券や商品先物、貴金属等、さまざまなものの価格を対象にしています。

ETFは、市場全体に投資したい投資家にとって、非常に便利な投資商品です。

株式投資は、個別銘柄のリスクを負うことになります。

ETFと株式投資の比較表
項目	ETF	株式投資
投資対象	特定の指数に連動	個別の上場銘柄
取引方法	証券取引所でリアルタイム取引	証券会社を通じて売買
リスク	指数に連動するため、指数が下落すると価格も下落	個別銘柄のリスクを負うため、ETFと比較してリスクが高い
手数料	売買手数料と信託報酬	売買手数料のみ
最低投資金額	比較的低額	比較的高額
分散投資	容易	個別銘柄への投資のため、分散投資は難しい
取引の自由度	高い	低い
情報公開	透明性が高い	透明性が高い
運用コスト	信託報酬がかかるため、運用コストは高い	信託報酬がなく、運用コストは低い
売買のタイミング	リアルタイムで売買可能	証券会社が定めた時間帯でのみ売買可能
投資初心者	扱いやすい	難しい
長期投資	適している	適している
短期投資	適している	適している
積立投資	一部の銘柄で可能	可能
信用取引	可能	可能
非課税制度	一般NISAは利用可能	一般NISAは利用可能
分配金	自動再投資はできない	自動再投資が可能
流動性	高い	高い
価格の乖離	発生する可能性がある	発生する可能性がある