野菜:トウガラシについて説明

トウガラシのまとめ
項目 内容
分類 甘味種、辛味種
原産地 熱帯アメリカ
歴史 コロンブスによってスペインに持ち帰られ、世界中に広まった。日本には16世紀にポルトガル人によって伝わった。
栄養価 カプサイシン、ビタミンC、β-カロテン、ビタミンEなど
健康効果 代謝促進、脂肪燃焼、血行促進、体を温める効果、胃液の分泌促進、消化を助ける効果、免疫力を高める効果
栽培 温暖な気候を好み、種まきは3~5月、苗の植え付けは5月頃が適期。酸性の土壌を嫌うため、事前に土壌の酸度を調整する必要がある。
収穫 苗を植え付けてから1ヶ月から2ヶ月後の7月頃が適期。青唐辛子は花が咲いたあとから20日から30日たったほどの果実、赤唐辛子は花が咲いたあと50日から60日ほど経つと収穫できる。
保存 自然乾燥、冷蔵保存、冷凍保存などがある。
辛さ 辛味成分はカプサイシン。乾燥させると辛味が強くなる。調理方法によっても辛さが変化する。
料理への活用 炒め物、煮物、スープ、パスタ、カレー、漬物など、様々な料理に利用できる。一味唐辛子、七味唐辛子、ラー油などの調味料としても利用される。

1. トウガラシの種類と特徴

要約

トウガラシの分類

トウガラシは、ナス科トウガラシ属の植物で、世界中に様々な品種が存在します。大きく分けると、辛みのない甘味種と辛みの強い辛味種に分けられます。日本で一般的に「トウガラシ」と呼ばれるのは、辛味種を指すことが多いです。

甘味種には、ピーマン、ししとうがらし、パプリカなどがあります。ピーマンは、果肉が薄く甘味があるベル形の中果種で、生食や炒め物などに利用されます。ししとうがらしは、辛味がほとんどなく、丸ごと食べられる小果種で、炒め物や天ぷらなどに利用されます。パプリカは、甘味があり果肉が厚い大果種で、生食や炒め物、煮物などに利用されます。

辛味種には、鷹の爪、八房、伏見辛などがあります。鷹の爪は、細長く辛味が強い品種で、乾燥させて粉末状にしたものが、一味唐辛子として、様々な料理に使われます。八房は、早生種で房成り、辛味が強く、鷹の爪の代用品として、収量が多い品種です。伏見辛は、辛味が少なく、葉を食べる葉唐辛子として、つくだ煮などに利用されます。

トウガラシは、未熟なものを青唐辛子、熟したものを赤唐辛子と呼びます。青唐辛子は、緑色のままでも食べることができ、炒め物や漬物などに利用されます。赤唐辛子は、乾燥させて粉末状にしたものが、一味唐辛子や七味唐辛子として、様々な料理に使われます。

トウガラシの分類
種類 特徴 用途
甘味種 辛味がほとんどない 生食、炒め物、煮物など
辛味種 辛味が強い 香辛料、炒め物、漬物など
青唐辛子 未熟な果実 炒め物、漬物など
赤唐辛子 熟した果実 香辛料、炒め物、漬物など
葉唐辛子 葉を食べる つくだ煮など

トウガラシの原産地と歴史

トウガラシの原産地は、熱帯アメリカです。紀元前にすでに中南米で栽培されていて、その後、世界各地に伝播していきました。日本へは、16世紀にポルトガル人によってもたらされたため、「南蛮(なんばん)」とも呼ばれています。

トウガラシは、コロンブスが新大陸を発見した際にスペインに持ち帰ったと言われています。その後、東南アジアを経由して世界中に広まっていきました。

日本でも、唐辛子は人気の野菜となり、江戸時代には栽培品種が作られました。唐辛子という名前の由来は、唐から渡ってきた辛子だから唐辛子だと言われています。唐辛子特有の辛みを辛子に例えた名前です。

トウガラシは、世界中で数十種類存在すると言われています。さらに食用に多くの栽培品種が作られています。栽培品種には辛みの少ない品種と辛みの強い品種があります。実はピーマンは唐辛子の仲間で、辛みが少ない生食用の栽培品種です。

トウガラシの歴史
時期 出来事
紀元前 中南米で栽培が始まる
15世紀 コロンブスによってスペインに持ち帰られる
16世紀 世界中に広まる。日本にもポルトガル人によって伝わった。
江戸時代 日本で栽培品種が作られる

トウガラシと鷹の爪の違い

トウガラシは、Capsicum annuumという植物の学名です。一方、鷹の爪は、トウガラシのなかの1品種名です。

つまり、トウガラシ=鷹の爪ではありません。トウガラシ(Capsicum annuum)のなかには、鷹の爪の他、ピーマンやシシトウも含まれます。

鷹の爪は、江戸時代に日本で作られた、辛みが特徴の栽培品種です。日頃見かけるのは乾燥したものですが、生の鷹の爪も流通しています。

鷹の爪は、房なりに果実をつけるので、八房というのが名前の由来です。辛い唐辛子の代表のような品種で、肉厚で辛味が強いのが特徴です。

トウガラシと鷹の爪の違い
名称 説明
トウガラシ 植物の学名
鷹の爪 トウガラシの品種名

まとめ

トウガラシは、ナス科トウガラシ属の植物で、世界中に様々な品種が存在します。大きく分けると、辛みのない甘味種と辛みの強い辛味種に分けられます。

甘味種には、ピーマン、ししとうがらし、パプリカなどがあります。辛味種には、鷹の爪、八房、伏見辛などがあります。

トウガラシは、熱帯アメリカ原産で、コロンブスが新大陸を発見した際にスペインに持ち帰ったと言われています。その後、東南アジアを経由して世界中に広まっていきました。

トウガラシと鷹の爪は、同じものではありません。トウガラシは植物の学名で、鷹の爪はトウガラシのなかの1品種名です。

2. トウガラシの栄養価と健康効果

要約

トウガラシに含まれる栄養素

トウガラシには、様々な栄養素が含まれています。特に注目すべきは、辛味成分のカプサイシンです。カプサイシンは、代謝を促進し、脂肪燃焼を助ける効果があるとされています。

また、トウガラシには、ビタミンC、β-カロテン、ビタミンEなどの抗酸化作用のある栄養素も豊富に含まれています。ビタミンCは、免疫力を高め、風邪の予防に役立ちます。β-カロテンは、体内でビタミンAに変換され、視力維持や皮膚の健康に役立ちます。ビタミンEは、細胞の老化を防ぎ、美肌効果も期待できます。

さらに、トウガラシには、カリウム、食物繊維、鉄分なども含まれています。カリウムは、高血圧の予防に役立ちます。食物繊維は、腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。鉄分は、貧血予防に役立ちます。

トウガラシは、少量でも様々な栄養素を摂取できる優れた食材です。

トウガラシに含まれる栄養素
栄養素 効果
カプサイシン 代謝促進、脂肪燃焼、血行促進、体を温める効果
ビタミンC 免疫力向上、風邪予防
β-カロテン 視力維持、皮膚の健康
ビタミンE 細胞の老化防止、美肌効果
カリウム 高血圧予防
食物繊維 腸内環境改善、便秘解消
鉄分 貧血予防

トウガラシの健康効果

トウガラシに含まれるカプサイシンは、様々な健康効果をもたらすことが期待されています。

カプサイシンは、血行を促進し、体を温める効果があります。そのため、冷え性や肩こり、腰痛の改善に役立つと言われています。また、カプサイシンは、胃液の分泌を促進し、消化を助ける効果もあるため、食欲不振や消化不良の改善にも効果が期待できます。

さらに、カプサイシンは、脂肪燃焼を促進し、代謝を上げる効果もあるため、ダイエットにも効果が期待できます。また、カプサイシンは、免疫力を高め、風邪の予防にも役立つと言われています。

ただし、トウガラシは、刺激が強いので、食べ過ぎると胃腸が荒れることがあります。体調に合わせて、適量を食べるようにしましょう。

トウガラシの健康効果
効果 説明
代謝促進 脂肪燃焼を促進し、ダイエット効果が期待できる
血行促進 冷え性や肩こり、腰痛の改善に役立つ
消化促進 胃液の分泌を促進し、食欲不振や消化不良の改善に役立つ
免疫力向上 風邪の予防に役立つ

葉唐辛子の栄養価

葉唐辛子は、トウガラシの葉を食べるもので、普通のトウガラシと同じようにカプサイシンやβ-カロテンなどを含むだけでなく、カルシウム、ビタミンK、葉酸も多く含んでいます。

葉唐辛子は、緑黄色野菜であり、カロテンやビタミンCを多量に含むため、栄養価が高い食材です。

葉唐辛子は、佃煮や炒め物など、様々な料理に利用できます。

葉唐辛子は、普通のトウガラシよりも、栄養価が高く、様々な料理に利用できるため、おすすめです。

葉唐辛子の栄養価
栄養素 効果
カプサイシン 代謝促進、脂肪燃焼、血行促進、体を温める効果
β-カロテン 視力維持、皮膚の健康
カルシウム 骨や歯の健康
ビタミンK 血液凝固作用
葉酸 細胞の成長と再生に必要

まとめ

トウガラシは、カプサイシン、ビタミンC、β-カロテン、ビタミンEなどの栄養素を豊富に含む優れた食材です。

カプサイシンは、代謝を促進し、脂肪燃焼を助ける効果があるとされています。また、血行を促進し、体を温める効果、胃液の分泌を促進し、消化を助ける効果、免疫力を高める効果も期待できます。

葉唐辛子は、普通のトウガラシよりも、栄養価が高く、様々な料理に利用できるため、おすすめです。

トウガラシは、様々な健康効果が期待できる食材ですが、刺激が強いので、食べ過ぎると胃腸が荒れることがあります。体調に合わせて、適量を食べるようにしましょう。

3. トウガラシの育て方と栽埁

要約

トウガラシの栽培時期

トウガラシの栽培は、温暖な気候を好みます。そのため、植え付けは、暖かい時期に行うのがおすすめです。

種まきは、3~5月頃に行い、苗を植え付けるのは、5月頃が適期です。

トウガラシは、生育条件が25~30度くらいなので、発芽や育苗には、できるだけ保温してあげると順調に育つでしょう。

トウガラシの栽培期間は、苗の定植から150日前後かかります。

トウガラシの栽培時期
時期 作業
3~5月 種まき
5月 苗の植え付け
6月~10月 収穫

トウガラシの土づくり

トウガラシは、酸性の土壌を嫌います。そのため、事前に土壌の酸度を調整することが重要です。

苗を植える2週間くらい前に、石灰をまいてよく耕しておきましょう。

1週間前になったら、完熟堆肥と元肥をまいて、もう一度耕します。

水はけを良くするために、畝を立てて、黒いマルチを張ります。

トウガラシの土づくり
時期 作業
2週間前 石灰をまいてよく耕す
1週間前 完熟堆肥と元肥をまいて耕す
植え付け時 畝を立てて黒いマルチを張る

トウガラシの植え付け

トウガラシの苗は、大きくてしっかりしているもの、茎が太く本葉が7~10枚ついているもの、葉に艶のあるものなどを選びます。

苗の根鉢を崩さないよう注意して、ポットから取り出します。

浅く植えて、株元を軽く押さえましょう。

植えたら、たっぷりと水をあげます。

トウガラシの苗選び
ポイント 説明
大きさ 大きく、しっかりしているもの
太いもの
7~10枚ついているもの、艶のあるもの

まとめ

トウガラシの栽培は、温暖な気候を好みます。そのため、植え付けは、暖かい時期に行うのがおすすめです。

種まきは、3~5月頃に行い、苗を植え付けるのは、5月頃が適期です。

トウガラシは、酸性の土壌を嫌います。そのため、事前に土壌の酸度を調整することが重要です。

トウガラシの苗は、大きくてしっかりしているもの、茎が太く本葉が7~10枚ついているもの、葉に艶のあるものなどを選びます。

4. トウガラシの収穫時期と保存方法

要約

トウガラシの収穫時期

トウガラシの収穫時期は、品種や栽培方法によって異なります。

一般的には、苗を植え付けてから1ヶ月から2ヶ月後の7月頃が適期です。

青唐辛子の場合は、花が咲いたあとから20日から30日たったほどの果実で、まだ未熟なものです。

赤唐辛子の場合は、花が咲いたあと50日から60日ほど経つと、実が赤く色づきます。

トウガラシの収穫時期
種類 収穫時期
青唐辛子 花が咲いたあとから20日から30日たった頃
赤唐辛子 花が咲いたあと50日から60日ほど経った頃
葉唐辛子 果実が未熟なうちに葉ごと収穫

トウガラシの収穫方法

トウガラシの収穫は、ヘタのすぐ上の部分をハサミでカットして行います。

作業の際は、必ず手袋をしましょう。

唐辛子の実には、辛み成分が含まれていて、素手で触ると皮膚がひりひりとすることがあります。

収穫したトウガラシは、風通しの良い場所で乾燥させます。

トウガラシの保存方法

トウガラシの保存方法は、自然乾燥、冷蔵保存、冷凍保存などがあります。

自然乾燥は、風通しの良い場所で、唐辛子を吊るして乾燥させる方法です。

冷蔵保存は、乾燥しないようにジップつきのパックに入れて、野菜室で保存する方法です。

冷凍保存は、ラップで包んで冷凍庫に入れる方法です。

トウガラシの保存方法
方法 説明
自然乾燥 風通しの良い場所で吊るして乾燥させる
冷蔵保存 乾燥しないようにジップつきのパックに入れて野菜室で保存
冷凍保存 ラップで包んで冷凍庫に入れる

まとめ

トウガラシの収穫時期は、品種や栽培方法によって異なりますが、一般的には、苗を植え付けてから1ヶ月から2ヶ月後の7月頃が適期です。

トウガラシの収穫は、ヘタのすぐ上の部分をハサミでカットして行います。作業の際は、必ず手袋をしましょう。

トウガラシの保存方法は、自然乾燥、冷蔵保存、冷凍保存などがあります。

トウガラシは、乾燥させると長期保存が可能です。

5. トウガラシの辛さの秘密

要約

トウガラシの辛味成分

トウガラシの辛味成分は、カプサイシンです。カプサイシンは、トウガラシの胎座と呼ばれる、実の中心部にある筋状の細長い部分に多く含まれています。

カプサイシンは、舌や口の粘膜を刺激し、辛味を感じさせます。

カプサイシンの辛さは、スコヴィル値で表されます。スコヴィル値は、カプサイシンの含有量によって決まります。

トウガラシの品種によって、スコヴィル値は大きく異なります。

トウガラシの辛味成分
成分 説明
カプサイシン トウガラシの辛味成分。胎座に多く含まれる。

トウガラシの辛さと乾燥

トウガラシを乾燥させると、辛味が強くなります。

これは、乾燥させる過程で、カプサイシンがより多く抽出されるためです。

また、乾燥させることで、トウガラシの形が崩れ、カプサイシンがより多く広がるため、辛味が強くなることもあります。

そのため、乾燥トウガラシは、生のトウガラシよりも、辛味が強い傾向があります。

トウガラシの辛さと調理方法

トウガラシの辛さは、調理方法によっても変化します。

トウガラシを油で炒める場合、油の温度が高いほど、カプサイシンがより多く抽出され、辛味が強くなります。

また、トウガラシを細かく刻むほど、カプサイシンがより多く溶け出し、辛味が強くなります。

トウガラシの辛さは、調理方法によって調整することができます。

まとめ

トウガラシの辛味成分は、カプサイシンです。カプサイシンは、トウガラシの胎座と呼ばれる、実の中心部にある筋状の細長い部分に多く含まれています。

トウガラシを乾燥させると、辛味が強くなります。これは、乾燥させる過程で、カプサイシンがより多く抽出されるためです。

トウガラシの辛さは、調理方法によっても変化します。油で炒める場合、油の温度が高いほど、カプサイシンがより多く抽出され、辛味が強くなります。

トウガラシの辛さは、品種、乾燥、調理方法によって調整することができます。

6. トウガラシの料理への活用法

要約

トウガラシの料理への活用法

トウガラシは、世界中で様々な料理に使われています。

トウガラシは、料理に辛みと風味を加えるために欠かせないスパイスです。

トウガラシは、和食、中華、エスニック、ヨーロッパ、アフリカと、世界中の料理で重宝されています。

トウガラシは、炒め物、煮物、スープ、パスタ、カレー、漬物など、様々な料理に利用できます。

トウガラシを使った料理の例

トウガラシを使った料理の例として、以下のようなものがあります。

・麻婆豆腐:中華料理の定番。唐辛子の辛味が食欲をそそります。

・ペペロンチーノ:イタリア料理の定番。唐辛子の辛味がパスタによく合います。

・キムチ:韓国料理の定番。唐辛子の辛味が食欲をそそります。

トウガラシを使った料理の例
料理名 特徴
麻婆豆腐 中華料理の定番。唐辛子の辛味が食欲をそそる
ペペロンチーノ イタリア料理の定番。唐辛子の辛味がパスタによく合う
キムチ 韓国料理の定番。唐辛子の辛味が食欲をそそる

トウガラシを使った調味料

トウガラシを使った調味料として、以下のようなものがあります。

・一味唐辛子:唐辛子を乾燥させて粉末にしたもの。様々な料理に利用できます。

・七味唐辛子:唐辛子、山椒、ごま、陳皮、芥子、生姜、紫蘇などを混ぜて作ったもの。様々な料理に利用できます。

・ラー油:唐辛子、ごま油、醤油などを混ぜて作ったもの。ラーメンやご飯にかけたり、炒め物に使ったりできます。

トウガラシを使った調味料
調味料 説明
一味唐辛子 唐辛子を乾燥させて粉末にしたもの。様々な料理に利用できる
七味唐辛子 唐辛子、山椒、ごま、陳皮、芥子、生姜、紫蘇などを混ぜて作ったもの。様々な料理に利用できる
ラー油 唐辛子、ごま油、醤油などを混ぜて作ったもの。ラーメンやご飯にかけたり、炒め物に使ったりできる

まとめ

トウガラシは、世界中で様々な料理に使われています。

トウガラシは、料理に辛みと風味を加えるために欠かせないスパイスです。

トウガラシは、炒め物、煮物、スープ、パスタ、カレー、漬物など、様々な料理に利用できます。

トウガラシを使った調味料として、一味唐辛子、七味唐辛子、ラー油などがあります。

参考文献

とうがらし トウガラシ 唐辛子 | 野菜ナビ

トウガラシ | Wikipedia

唐辛子(とうがらし) | 野菜の図鑑web

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