ニューヨーク商業取引所とは?経済用語について説明

ニューヨーク商業取引所に関する項目
項目	内容
歴史と概要	1792年の設立、Buttonwood Agreement、非営利会員組織から株式会社へ、ICE傘下
主要指標	ダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数、S&P500種
取引時間と休業日	米国東部標準時、祝祭日を除く月曜日から金曜日、時間外取引あり
上場企業	約2,300社、米国の大型優良企業やグローバル企業、日本企業も上場
取引ルール	オークション方式、サーキットブレーカー制度、電子取引の導入
投資のメリットと注意点	流動性が高い、上場企業の品質が高い、為替リスク、市場リスク、情報収集の難しさ

1. ニューヨーク商業取引所の歴史と概要

ニューヨーク商業取引所の誕生

ニューヨーク商業取引所（NYSE）は、世界で最も歴史のある証券取引所の1つであり、その起源は1792年にまで遡ります。当時、ウォール街のスズカケノキの下で、24人の株式仲買人が集まり、株式売買のルールを定めた「Buttonwood Agreement（すずかけ協定）」を締結しました。これがNYSEの始まりとされています。その後、1817年に「New York Stock & Exchange Board」に改称され、非営利会員組織として取引所の運営を開始しました。

1861年から1865年にかけて発生した南北戦争によって、大量の国債が発行されました。また、西部開拓による鉄道建設のために、株式や社債が大量に発行されたことも、証券市場を活気づけ、NYSEに活況をもたらしました。

1903年には、ウォール街に立派な取引所建物が建てられ、ウォール街は米国の株式市場の中心地としてその名を馳せるようになりました。第一次世界大戦が始まると、世界の金融中心地は次第にヨーロッパからアメリカへと移っていきました。

NYSEは、米国で最も長い歴史と伝統を誇り、名声を持つ証券取引所として、その地位を確立しました。伝統と高品質な取引所の評判を維持するため、その上場審査は世界一厳しいと言われており、その上場企業には米国の大型優良企業や各国のグローバル企業などが数多く名を連ねています。

NYSEの歴史
年	出来事
1792	Buttonwood Agreement締結
1817	New York Stock & Exchange Boardに改称
1903	ウォール街に取引所建物が完成
2005	アーキペラゴ・ホールディングス社を買収、NYSEグループ設立
2006	ユーロネクストとの合併を発表
2007	NYSEユーロネクスト発足
2013	ICEによるNYSEユーロネクスト買収

NYSEの変革と発展

2005年、NYSEは電子証券取引所を運営するアーキペラゴ・ホールディングス社（Archipelago Holdings Inc.）を買収し、持株会社「NYSEグループ」を設立しました。これにより、213年間に及ぶ非営利会員組織としての歴史に幕を閉じ、株式会社として再出発しました。

2006年には、証券取引所運営会社ユーロネクストとの合併を発表し、2007年に新会社NYSEユーロネクストが発足しました。

2013年には、NYSEユーロネクストをインターコンチネンタル取引所（ICE）が買収し、現在ではICE傘下の会社として運営されています。

このように、NYSEは時代に合わせて変革を続け、世界最大の証券取引所グループの中核として、その地位を確立してきました。

NYSEの市場

NYSEは、現在、大きく3つの市場が存在します。

NYSE（メインボード）は、伝統的なNYSEであり、世界で最も有名な証券取引所です。米国の大型優良企業やグローバル企業が上場しています。

NYSE Americanは、旧アメリカ証券取引所（American Stock Exchange）を吸収合併した市場です。中堅規模から大型企業が上場しています。

NYSE Arcaは、ETP（Exchange Traded Product）向けの電子商取引所です。NYSE傘下ですが、独立して運営されており、NYSEと比較して上場基準が緩く、新興企業が多く上場しています。

NYSEの市場
市場	特徴
NYSE（メインボード）	世界で最も有名な証券取引所、大型優良企業
NYSE American	中堅規模から大型企業
NYSE Arca	ETP向け電子商取引所、新興企業

まとめ

NYSEは、1792年の「Buttonwood Agreement」から始まり、200年以上もの歴史を持つ世界で最も有名な証券取引所です。

時代に合わせて変革を続け、現在ではICE傘下の会社として運営されています。

NYSEは、世界中の投資家から注目を集め、世界経済に大きな影響を与えています。

NYSEは、世界で最も厳しい上場審査基準を設けており、上場企業には米国の大型優良企業や各国のグローバル企業などが数多く名を連ねています。

2. ニューヨーク商業取引所の主要指標とは？

ダウ工業株30種平均

ダウ工業株30種平均は、米ダウ・ジョーンズ社が発表する代表的な株価指数です。米国を代表する工業株30社を組み入れ対象とし、各社の株価を平均して算出されます。

採用銘柄の30社は、いずれも世界的に知名度が高い大型優良企業です。構成銘柄は定期的に入れ替えが行われ、算出を開始して以来、現在まで残っている会社はゼネラル・エレクトリック社のみです。

大半はNYSE上場銘柄ですが、ナスダック銘柄の一部も採用されています。

ダウ工業株30種平均は、米国株式市場の動向を把握する上で重要な指標となっています。

ダウ工業株30種平均
項目	内容
対象企業	米国を代表する工業株30社
算出方法	各社の株価を平均
特徴	世界的に知名度が高い大型優良企業、構成銘柄は定期的に入れ替え

ナスダック総合指数

ナスダック総合指数は、ナスダック上場の全銘柄について、時価総額の加重平均を算出したものです。

1971年2月5日の株価を基準値（100）として計算されます。

ハイテク、バイオ関連銘柄などが多く、それほど歴史が古くない企業が目立ちます。アップル、インテル、フェイスブックなどが採用されています。

ナスダック総合指数は、ハイテク企業の動向を把握する上で重要な指標となっています。

ナスダック総合指数
項目	内容
対象企業	ナスダック上場の全銘柄
算出方法	時価総額の加重平均
特徴	ハイテク、バイオ関連銘柄が多い、歴史が浅い企業が多い

S&P500種

S&P500種は、格付け大手スタンダード&プアーズ（S&P）社が選定した主要500社について、時価総額の加重平均を算出した指数です。

ダウ工業株30種平均よりも多くの業種をカバーしているため、機関投資家が運用を行う場合の代表的ベンチマークとされています。

S&P500種は、米国株式市場全体の動向を把握する上で重要な指標となっています。

S&P500種は、世界中の投資家から注目されており、その動向は世界経済に大きな影響を与えています。

S&P500種
項目	内容
対象企業	S&P社が選定した主要500社
算出方法	時価総額の加重平均
特徴	多くの業種をカバー、機関投資家のベンチマーク

まとめ

ダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数、S&P500種は、NYSEやNASDAQに上場する企業の株価を基に算出される主要な株価指数です。

これらの指数は、米国株式市場の動向を把握する上で重要な指標となっています。

投資家は、これらの指数を参考に、投資戦略を立てたり、市場の動向を分析したりしています。

これらの指数は、世界中の投資家から注目されており、その動向は世界経済に大きな影響を与えています。

3. ニューヨーク商業取引所の取引時間と休業日

取引時間

NYSEの取引時間は、時間外取引を含めると、祝祭日を除く月曜日から金曜日の米国東部標準時および米国東部夏時間です。

コア取引セッションは9:30〜16:00の「一場制」であり、日本などのような「前場」「後場」といった区分はありません。

取引時間は、いくつかのセッションに分かれており、その間に取引が行われます。

① 前場取引：午前9時30分から午前4時まで\n② 後場取引：午後4時から午後8時まで

NYSEの取引時間
セッション	時間
コア取引セッション	9:30〜16:00
前場取引	午前9時30分から午前4時まで
後場取引	午後4時から午後8時まで

休業日

NYSEの取引日は、通常、米国の連邦政府が定めた祝日を除く毎週月曜日から金曜日までです。

このため、NYSEは年間約250日の取引日を設定しています。

ただし、年によって異なる場合があるため、正確な取引日はNYSEの公式ウェブサイトで確認することが重要です。

年末年始やその他の特別な日には、取引時間の変更に注意が必要です。

取引時間と休業日の重要性

NYSEの取引時間と休業日は、投資家にとって重要な情報です。

投資家は、取引時間内に注文を出したり、取引状況を確認したりする必要があります。

また、休業日は、取引ができないため、事前に確認しておく必要があります。

NYSEの取引時間と休業日を理解することで、投資活動がスムーズに行えます。

まとめ

NYSEの取引時間は、米国東部標準時および米国東部夏時間で、祝祭日を除く月曜日から金曜日です。

取引時間は、いくつかのセッションに分かれており、その間に取引が行われます。

NYSEの休業日は、米国の連邦政府が定めた祝日です。

投資家は、NYSEの取引時間と休業日を理解することで、投資活動がスムーズに行えます。

4. ニューヨーク商業取引所の上場企業とは？

NYSEに上場している企業

NYSEには、世界中の様々な企業が上場しています。

上場企業数は約2

日本企業では、1970年にソニーが上場して以来、2021年4月現在10社が上場しています。

日本企業では、ソニー、本田、トヨタ、三菱などの企業が上場しています。

NYSE上場企業数
国籍	企業数
米国企業	約1,800社
外国企業	約460社
日本企業	10社以上

NYSE上場企業の特徴

NYSEに上場する企業は、一般的に、堅実で経済的に安定した企業が多いです。

また、世界的に知名度が高く、収益力や成長性も高い企業が多いです。

NYSEは、世界で最も厳しい上場審査基準を設けているため、上場企業には高い品質が求められます。

そのため、NYSEに上場している企業は、投資家から高い信頼を得ています。

NYSE上場企業の例

NYSEに上場している企業には、以下のような企業があります。

・General Electric Company（GE）－コングロマリット\n・Exxon Mobil Corporation－石油\n・Boeing Co.－航空機\n・Caterpillar Inc.－建機\n・Dow Chemical Co.－化学\n・Alcoa Inc.－アルミニウム\n・International Business Machines Corporation（IBM）－IT\n・HP Inc.－IT\n・General Motors Corporation（GM）－自動車\n・Ford Motor Company－自動車\n・Pfizer Inc.－医薬品\n・Johnson & Johnson Inc.－ヘルスケア\n・Procter & Gamble Co.（P&G）－日用品\n・JPMorgan Chase & Co.－金融\n・Wells Fargo & Co.－金融\n・Citigroup－金融\n・Bank of America Corporation－金融\n・Goldman Sachs Group Inc.－金融\n・The Travelers Companies－保険\n・Berkshire Hathaway Inc.－保険\n・American Express Company－クレジットカード\n・AT&T Inc.－通信\n・Time Warner Inc.－メディア\n・McDonald’s Corp.－ハンバーガーチェーン\n・The Coca-Cola Company－飲料\n・Wal-Mart Stores

・ソニー（SNE）－電気機器\n・本田技研工業（HMC）－輸送用機器（自動車）\n・京セラ（KYO）－電気機器\n・三菱UFJフィナンシャル・グループ（MTU）－銀行\n・日本電信電話（NTT）－情報・通信\n・オリックス（IX）－その他金融\n・トヨタ自動車（TM）－輸送用機器（自動車）\n・キャノン（CAJ）－電気機器\n・野村ホールディングス（NMR）－証券\n・NTTドコモ（DCM）－情報・通信\n・みずほフィナンシャルグループ（MFJ）－銀行\n・三井住友フィナンシャルグループ（SFMG）－銀行\n・LINE（LN）－情報・通信

これらの企業は、世界経済に大きな影響を与えています。

NYSE上場企業の例
業種	企業名
コングロマリット	General Electric Company（GE）
石油	Exxon Mobil Corporation
航空機	Boeing Co.
建機	Caterpillar Inc.
化学	Dow Chemical Co.
アルミニウム	Alcoa Inc.
IT	International Business Machines Corporation（IBM）
IT	HP Inc.
自動車	General Motors Corporation（GM）
自動車	Ford Motor Company
医薬品	Pfizer Inc.
ヘルスケア	Johnson & Johnson Inc.
日用品	Procter & Gamble Co.（P&G）
金融	JPMorgan Chase & Co.
金融	Wells Fargo & Co.
金融	Citigroup
金融	Bank of America Corporation
金融	Goldman Sachs Group Inc.
保険	The Travelers Companies
保険	Berkshire Hathaway Inc.
クレジットカード	American Express Company
通信	AT&T Inc.
メディア	Time Warner Inc.
ハンバーガーチェーン	McDonald’s Corp.
飲料	The Coca-Cola Company
小売	Wal-Mart Stores, Inc.
電気機器	ソニー（SNE）
輸送用機器（自動車）	本田技研工業（HMC）
電気機器	京セラ（KYO）
銀行	三菱UFJフィナンシャル・グループ（MTU）
情報・通信	日本電信電話（NTT）
その他金融	オリックス（IX）
輸送用機器（自動車）	トヨタ自動車（TM）
電気機器	キャノン（CAJ）
証券	野村ホールディングス（NMR）
情報・通信	NTTドコモ（DCM）
銀行	みずほフィナンシャルグループ（MFJ）
銀行	三井住友フィナンシャルグループ（SFMG）
情報・通信	LINE（LN）

まとめ

NYSEには、世界中の様々な企業が上場しています。

上場企業には、米国の大型優良企業や各国のグローバル企業などが数多く名を連ねています。

NYSEに上場している企業は、投資家から高い信頼を得ています。

NYSEに上場することで、企業は世界中の投資家から資金を調達したり、知名度を向上させたりすることができます。

5. ニューヨーク商業取引所の取引ルールとは？

取引方式

NYSEは、オークション方式を採用しています。

オークション方式とは、売買注文を出し合った上で、最も高い買い値と最も低い売り値が一致した時点で取引が成立する方式です。

NYSEでは、取引所会員（ブローカー）が売買注文を出し合い、専属の担当者（スペシャリスト）が売り手と買い手の注文を調整し、最適な価格で取引を成立させます。

また、取引所内にはフロアトレーダーと呼ばれる個人や法人の投資家も参加しており、自己資金で株式を売買しています。

取引ルール

NYSEでは、取引を円滑に行うために、様々なルールが設けられています。

例えば、値幅制限はありませんが、指数の下落が一定幅を超えると取引を中断するサーキットブレーカー制度が採用されています。

また、受渡日はT+2（約定日を含め3営業日）です。

NYSEの取引ルールは、投資家にとって重要な情報です。

NYSEの取引ルール
ルール	内容
取引方式	オークション方式
値幅制限	なし
サーキットブレーカー制度	指数の下落が一定幅を超えると取引中断
受渡日	T+2（約定日を含め3営業日）

電子取引の導入

近年では、電子取引が普及しており、NYSEでも電子取引が主流となっています。

電子取引は、人間が直接関与するよりも、迅速かつ効率的に取引を行うことができます。

しかし、NYSE本社ビルには今もなお、株式仲買人たちがビジネスを行う壮大な取引フロアが残っています。

電子取引の導入により、NYSEの取引はますます効率化され、世界中の投資家にとってよりアクセスしやすいものとなっています。

まとめ

NYSEは、オークション方式を採用しており、取引所会員（ブローカー）が売買注文を出し合い、専属の担当者（スペシャリスト）が売り手と買い手の注文を調整し、最適な価格で取引を成立させます。

NYSEでは、取引を円滑に行うために、様々なルールが設けられています。

近年では、電子取引が普及しており、NYSEでも電子取引が主流となっています。

電子取引の導入により、NYSEの取引はますます効率化され、世界中の投資家にとってよりアクセスしやすいものとなっています。

6. ニューヨーク商業取引所での投資のメリットと注意点

NYSE投資のメリット

NYSEに投資するメリットは、以下の通りです。

・世界で最も有名な証券取引所であり、流動性が高く、売買しやすい。\n・上場企業には、米国の大型優良企業や各国のグローバル企業などが数多く名を連ねているため、投資対象の選択肢が豊富。\n・上場審査が厳しいため、上場企業の品質が高く、信頼性が高い。\n・世界中の投資家から注目されているため、株価が安定している傾向がある。\n・情報公開が充実しており、投資判断に必要な情報が得やすい。

NYSEは、世界経済に大きな影響を与えているため、投資家にとって魅力的な市場となっています。

特に、長期投資家にとって、NYSEは魅力的な投資先と言えます。

NYSE投資のメリット
メリット	内容
流動性が高い	売買しやすい
上場企業の品質が高い	信頼性が高い
投資対象の選択肢が豊富	様々な企業に投資できる
株価が安定している傾向	長期投資に適している
情報公開が充実	投資判断に必要な情報が得やすい

NYSE投資の注意点

NYSEに投資する際には、以下の点に注意する必要があります。

・為替リスク：米ドル建てで取引を行うため、為替レートの変動によって損失が発生する可能性がある。\n・市場リスク：世界経済の動向や政治情勢などの影響を受け、株価が大きく変動する可能性がある。\n・情報収集の難しさ：海外企業の情報収集は、国内企業に比べて難しい場合がある。\n・手数料：海外証券取引所への手数料は、国内証券取引所よりも高い場合がある。

これらのリスクを理解した上で、投資を行う必要があります。

投資を行う前に、十分な情報収集を行い、リスクを理解した上で、投資判断を行うことが重要です。

NYSE投資の注意点
注意点	内容
為替リスク	米ドル建てで取引を行うため、為替レートの変動による損失が発生する可能性
市場リスク	世界経済の動向や政治情勢などの影響を受け、株価が大きく変動する可能性
情報収集の難しさ	海外企業の情報収集は、国内企業に比べて難しい場合がある
手数料	海外証券取引所への手数料は、国内証券取引所よりも高い場合がある

NYSE投資の戦略

NYSEに投資する際には、以下の戦略を検討することができます。

・分散投資：複数の銘柄や資産クラスに投資することで、リスクを分散させる。\n・長期投資：短期的な値動きに左右されずに、長期的に保有することで、安定したリターンを得る。\n・バリュー投資：割安な銘柄に投資することで、将来の値上がりを期待する。\n・グロース投資：成長性の高い企業に投資することで、高いリターンを期待する。

投資戦略は、投資家のリスク許容度や投資期間によって異なります。

投資家は、自分の投資目標やリスク許容度に合わせて、適切な投資戦略を立てる必要があります。