項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 国際会計基準審議会(IASB)が策定した国際会計基準(IFRS)を、日本の会計基準に適合させるために、企業会計基準委員会(ASBJ)が一部修正した会計基準 |
正式名称 | 修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準) |
略称 | JMIS |
適用開始時期 | 2016年3月期 |
認定 | IASBからIFRSとは認定されていない |
使用企業数 | 多くない |
日本における会計基準 | IFRS、米国基準、日本基準、修正国際基準の4つ |
構成要素 | ① 修正国際基準の適用、② 企業会計基準委員会が採択したIASBにより公表された会計基準等、③ 企業会計基準委員会による修正会計基準 |
目的 | 日本の企業がIFRSをより容易に導入できるようにすること |
1. 修正国際基準とは
修正国際基準の概要
修正国際基準とは、国際会計基準審議会(IASB)が策定した国際会計基準(IFRS)を、日本の会計基準に適合させるために、企業会計基準委員会(ASBJ)が一部修正した会計基準のことです。正式名称は「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」といい、略称として「JMIS」とも呼ばれます。
修正国際基準は、IFRSをベースにしていますが、日本の会計慣行や税制などを考慮して、一部の項目が修正されています。具体的には、のれんの償却や株式売買損益の純利益への反映などが挙げられます。
修正国際基準は、2016年3月期から使用可能となりましたが、IASBからIFRSとは認定されていません。そのため、現在では、修正国際基準を採用している企業は多くありません。
日本では、IFRS、米国基準、日本基準、修正国際基準の4つの会計基準が使用可能となっています。そのため、企業は自社の状況に合わせて、最適な会計基準を選択する必要があります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 国際会計基準審議会(IASB)が策定した国際会計基準(IFRS)を、日本の会計基準に適合させるために、企業会計基準委員会(ASBJ)が一部修正した会計基準 |
正式名称 | 修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準) |
略称 | JMIS |
適用開始時期 | 2016年3月期 |
認定 | IASBからIFRSとは認定されていない |
使用企業数 | 多くない |
日本における会計基準 | IFRS、米国基準、日本基準、修正国際基準の4つ |
構成要素 | ① 修正国際基準の適用、② 企業会計基準委員会が採択したIASBにより公表された会計基準等、③ 企業会計基準委員会による修正会計基準 |
目的 | 日本の企業がIFRSをより容易に導入できるようにすること |
修正国際基準の構成
修正国際基準は、以下の3つの要素から構成されています。
① 修正国際基準の適用:修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成する場合に準拠すべき規定を定めています。
② 企業会計基準委員会が採択したIASBにより公表された会計基準等:エンドースメント手続の結果としてASBJが採択したIASBにより公表された会計基準等です。
③ 企業会計基準委員会による修正会計基準:②の会計基準等のうち一部に対して「削除又は修正」を行うものです。
要素 | 内容 |
---|---|
① 修正国際基準の適用 | 修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成する場合に準拠すべき規定を定めている |
② 企業会計基準委員会が採択したIASBにより公表された会計基準等 | エンドースメント手続の結果としてASBJが採択したIASBにより公表された会計基準等 |
③ 企業会計基準委員会による修正会計基準 | ②の会計基準等のうち一部に対して「削除又は修正」を行うもの |
修正国際基準の目的
修正国際基準の目的は、日本の企業がIFRSをより容易に導入できるようにすることです。IFRSは、世界共通の会計基準として、グローバルな企業活動を行う上で非常に重要な役割を果たしています。
しかし、IFRSは、日本の会計慣行や税制とは異なる部分も多く、そのまま導入するには困難な点がありました。そこで、ASBJは、IFRSを日本の会計基準に適合させるために、修正国際基準を策定しました。
修正国際基準は、IFRSと日本の会計基準のギャップを埋める役割を果たし、日本の企業がIFRSをスムーズに導入できるようにすることを目指しています。
また、修正国際基準は、日本の企業がIFRSを導入することで得られるメリットを最大限に引き出すことを目的としています。
まとめ
修正国際基準は、IFRSをベースに日本の会計慣行や税制などを考慮して一部修正された会計基準です。
IFRSをより容易に導入できるようにすることを目的としており、日本の企業がIFRSを導入することで得られるメリットを最大限に引き出すことを目指しています。
現在では、修正国際基準を採用している企業は多くありませんが、今後、IFRSの導入が進むにつれて、修正国際基準の重要性も高まっていくと考えられます。
日本の企業は、自社の状況に合わせて、最適な会計基準を選択する必要があります。
2. なぜ修正国際基準が重要なのか
グローバル化と会計基準の重要性
現代社会は、国境を越えた経済活動が活発化し、グローバル化が進んでいます。企業は、海外市場への進出や海外企業との取引など、国際的なビジネスを展開する機会が増えています。
このようなグローバルなビジネス環境においては、会計基準の統一が非常に重要になります。会計基準が統一されていないと、企業間の財務情報の比較が難しくなり、投資家や債権者は企業の財務状況を正しく評価することができません。
また、会計基準が異なることで、企業間の取引や資金調達においても混乱が生じる可能性があります。そのため、国際的な会計基準の導入は、グローバル化が進む現代社会において不可欠なものとなっています。
IFRSは、世界共通の会計基準として、グローバルなビジネス環境において重要な役割を果たしています。
IFRS導入によるメリット
IFRSを導入することで、企業はさまざまなメリットを得ることができます。
まず、海外投資家からの資金調達が容易になります。IFRSは、世界共通の会計基準であるため、海外投資家はIFRSに基づいて作成された財務諸表を理解することができます。
また、海外子会社との経営管理が容易になります。IFRSを導入することで、海外子会社も本社と同じ会計基準で財務諸表を作成することができるため、経営管理が効率化されます。
さらに、海外企業との取引がスムーズになります。IFRSは、世界共通の会計基準であるため、海外企業との取引においても、会計基準の違いによる混乱を避けることができます。
メリット | 内容 |
---|---|
海外投資家からの資金調達 | IFRSは世界共通の会計基準なので、海外投資家はIFRSに基づいて作成された財務諸表を理解できる |
海外子会社との経営管理 | 海外子会社も本社と同じ会計基準で財務諸表を作成できるので、経営管理が効率化される |
海外企業との取引 | IFRSは世界共通の会計基準なので、海外企業との取引においても、会計基準の違いによる混乱を避けることができる |
日本におけるIFRS導入の現状
日本では、IFRSは2010年3月から任意適用が開始されました。しかし、強制適用はされていません。
そのため、日本企業の多くは、従来の日本基準を採用しています。しかし、近年では、IFRSを導入する企業が増加しています。
特に、海外進出を積極的に行っている企業や、海外投資家からの資金調達を検討している企業では、IFRSの導入が進んでいます。
日本政府は、IFRSの導入を促進するために、さまざまな政策を展開しています。
まとめ
グローバル化が進む現代社会において、会計基準の統一は非常に重要です。
IFRSは、世界共通の会計基準として、グローバルなビジネス環境において重要な役割を果たしています。
IFRSを導入することで、企業は海外投資家からの資金調達や海外子会社との経営管理を容易にすることができます。
日本政府は、IFRSの導入を促進するために、さまざまな政策を展開しています。今後、日本の企業においても、IFRSの導入がさらに進んでいくことが予想されます。
3. 修正国際基準の歴史
国際会計基準の誕生
国際会計基準の誕生は、1970年代にまで遡ります。1973年に、国際会計基準委員会(IASC)が設立されました。
IASCは、世界共通の会計基準を策定することを目的として、1978年から国際会計基準(IAS)の作成に着手しました。
しかし、当時のIASCは、影響力が弱く、IASは世界的に普及しませんでした。
1989年から始まったIASの改訂作業は1993年に完了しました。
年 | 出来事 |
---|---|
1973年 | 国際会計基準委員会(IASC)設立 |
1978年 | 国際会計基準(IAS)の作成に着手 |
1989年 | IASの改訂作業開始 |
1993年 | IASの改訂作業完了 |
IFRSの誕生と普及
2001年に、IASCは改組され、国際会計基準審議会(IASB)が発足しました。
同時に、IASの名称はIFRSに改められました。
2005年に、EU域内の上場企業にIFRSの適用が義務付けられたことをきっかけに、IFRSは世界的に普及しました。
現在では、130以上の国と地域でIFRSが採用されています。
年 | 出来事 |
---|---|
2001年 | IASCが改組され、国際会計基準審議会(IASB)が発足。IASはIFRSに改称 |
2005年 | EU域内の上場企業にIFRSの適用が義務付けられ、世界的に普及開始 |
日本のIFRS導入への動き
日本政府は、2007年に、日本の会計基準をIFRSに収斂させる方針を固めました。
2009年には、IFRSの任意適用を認めることを盛り込んだ「我が国における国際会計基準の取扱い(中間報告)」が公表されました。
その後も、IFRSの強制適用に向けて準備が進められてきましたが、リーマンショック後の長引く不況や東日本大震災の影響もあり、進展しないままになっています。
しかし、2013年には、日本版IFRSであるJ-IFRS(JMIS)が導入されました。
年 | 出来事 |
---|---|
2007年 | 日本の会計基準をIFRSに収斂させる方針を固める |
2009年 | IFRSの任意適用を認めることを盛り込んだ「我が国における国際会計基準の取扱い(中間報告)」が公表 |
2013年 | 日本版IFRSであるJ-IFRS(JMIS)が導入 |
まとめ
国際会計基準は、1970年代にIASCが設立されたことから始まりました。
2001年にIASBが発足し、IASはIFRSに改められました。
2005年にEU域内の上場企業にIFRSの適用が義務付けられたことをきっかけに、IFRSは世界的に普及しました。
日本は、2007年にIFRSへの収斂を表明し、2010年からIFRSの任意適用を開始しました。
4. 修正国際基準の適用範囲
修正国際基準の適用対象
修正国際基準は、日本の企業がIFRSを導入する場合に適用されます。
具体的には、IFRSを任意適用する企業が、修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成する場合に適用されます。
修正国際基準は、IFRSをベースにしていますが、日本の会計慣行や税制などを考慮して、一部の項目が修正されています。
そのため、修正国際基準は、IFRSを導入する企業にとって、非常に役立つ会計基準となっています。
修正国際基準の適用範囲
修正国際基準は、IFRSのすべての項目を対象としていません。
修正国際基準は、IFRSの一部を修正したものです。
具体的には、のれんの償却や株式売買損益の純利益への反映など、日本の会計慣行や税制に影響を与える項目が修正されています。
修正国際基準の適用範囲は、企業の規模や業種によって異なります。
修正国際基準の適用方法
修正国際基準を適用する場合には、まず、IFRSの規定を理解する必要があります。
次に、修正国際基準の規定を理解した上で、IFRSの規定との差異を把握する必要があります。
修正国際基準の規定は、IFRSの規定と異なる部分があるため、注意が必要です。
修正国際基準の適用方法については、ASBJのウェブサイトで詳しく解説されています。
まとめ
修正国際基準は、日本の企業がIFRSを導入する場合に適用される会計基準です。
修正国際基準は、IFRSの一部を修正したものであり、日本の会計慣行や税制に影響を与える項目が修正されています。
修正国際基準の適用範囲は、企業の規模や業種によって異なります。
修正国際基準を適用する場合には、IFRSの規定を理解し、修正国際基準の規定との差異を把握する必要があります。
5. 修正国際基準のメリットとデメリット
修正国際基準のメリット
修正国際基準を導入することで、企業はさまざまなメリットを得ることができます。
まず、海外投資家からの資金調達が容易になります。IFRSは、世界共通の会計基準であるため、海外投資家はIFRSに基づいて作成された財務諸表を理解することができます。
また、海外子会社との経営管理が容易になります。IFRSを導入することで、海外子会社も本社と同じ会計基準で財務諸表を作成することができるため、経営管理が効率化されます。
さらに、海外企業との取引がスムーズになります。IFRSは、世界共通の会計基準であるため、海外企業との取引においても、会計基準の違いによる混乱を避けることができます。
メリット | 内容 |
---|---|
海外投資家からの資金調達 | IFRSは世界共通の会計基準なので、海外投資家はIFRSに基づいて作成された財務諸表を理解できる |
海外子会社との経営管理 | 海外子会社も本社と同じ会計基準で財務諸表を作成できるので、経営管理が効率化される |
海外企業との取引 | IFRSは世界共通の会計基準なので、海外企業との取引においても、会計基準の違いによる混乱を避けることができる |
修正国際基準のデメリット
修正国際基準を導入することで、企業はさまざまなデメリットも抱える可能性があります。
まず、導入コストがかかります。修正国際基準を導入するには、システムの変更や従業員の教育など、多額の費用が必要となります。
また、事務負担が増加します。修正国際基準は、IFRSと異なる部分があるため、従来の会計処理方法を変更する必要があり、事務処理が複雑化します。
さらに、人材育成が課題となります。修正国際基準を理解し、運用できる人材の確保は容易ではありません。
デメリット | 内容 |
---|---|
導入コスト | システムの変更や従業員の教育など、多額の費用が必要となる |
事務負担 | IFRSと異なる部分があるため、従来の会計処理方法を変更する必要があり、事務処理が複雑化 |
人材育成 | 修正国際基準を理解し、運用できる人材の確保は容易ではない |
修正国際基準導入の判断基準
修正国際基準を導入するかどうかは、企業の規模や業種、経営戦略などを総合的に判断する必要があります。
海外進出を積極的に行っている企業や、海外投資家からの資金調達を検討している企業では、修正国際基準の導入を検討する価値があります。
一方、国内市場に特化している企業や、資金調達の必要性がない企業では、修正国際基準を導入するメリットは少ないかもしれません。
修正国際基準の導入を検討する際には、メリットとデメリットを比較検討し、自社にとって最適な判断をすることが重要です。
まとめ
修正国際基準は、IFRSを導入することで得られるメリットと、導入に伴うデメリットを比較検討して、自社にとって最適な判断をすることが重要です。
修正国際基準の導入は、企業にとって大きな決断です。
導入前に、メリットとデメリットを十分に検討し、慎重に判断する必要があります。
修正国際基準の導入を検討する際には、専門家の意見を聞くことも有効です。
6. 修正国際基準の最新動向
IFRSの最新動向
IFRSは、世界共通の会計基準として、今後も進化を続けていくことが予想されます。
IASBは、IFRSの適用範囲を拡大し、より多くの企業がIFRSを導入できるようにすることを目指しています。
また、IFRSの質を高めるために、継続的に改訂が行われています。
IFRSの最新動向については、IASBのウェブサイトで確認することができます。
日本のIFRS導入の最新動向
日本では、IFRSの導入が徐々に進んでいます。
2021年4月以降、IFRSを取り入れた「収益認識に関する会計基準」が一部の企業に強制適用されています。
今後、IFRSの強制適用が拡大される可能性もあります。
日本の企業は、IFRSの最新動向を注視し、自社の状況に合わせて、適切な対応をする必要があります。
修正国際基準の最新動向
修正国際基準は、IFRSの改訂に合わせて、適宜見直されています。
ASBJは、修正国際基準の最新情報をウェブサイトで公開しています。
日本の企業は、修正国際基準の最新情報を常に把握しておく必要があります。
修正国際基準の最新情報については、ASBJのウェブサイトで確認することができます。
まとめ
IFRSは、世界共通の会計基準として、今後も進化を続けていくことが予想されます。
日本の企業は、IFRSの最新動向を注視し、自社の状況に合わせて、適切な対応をする必要があります。
修正国際基準は、IFRSの改訂に合わせて、適宜見直されています。
日本の企業は、修正国際基準の最新情報を常に把握しておく必要があります。
参考文献
・「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」のポイント
・改正「修正国際基準」の公表(ASBJ) | PwC Japanグループ
・PDF 解説 改正「修正国際基準(国 際会計基準と企業会計基 準 …
・修正国際基準(Jmis)とはどのようなものでしょうか。 | 社外 …
・PDF 事務局説明資料(国際会計基準に関する対応) – 金融庁
・IASB、年次改善の第11集を最終化 – Deloitte US
・わかりやすい用語集 解説:修正国際基準(しゅうせいこくさいきじゅん) | 三井住友dsアセットマネジメント
・PDF 改正「 修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による …
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・IASBが財務情報の超インフレ通貨への換算についての修正を提案|企業会計基準委員会
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