項目 | 内容 |
---|---|
分布と生息地 | アフリカ大陸の中部から南部にかけて、熱帯から亜熱帯に及ぶ地域に生息。かつてはサハラ砂漠以南に広く分布していたが、現在は生息地が狭まっている。 |
体の特徴と生態 | シロサイよりも小型で、頭部と耳が小さく、口先がとがっている。体毛はほとんどなく、皮膚は厚いが乾燥に弱いため、泥浴びや水浴びを好む。視力は弱いが嗅覚と聴覚が鋭い。基本的には単独で生活し、糞や尿で縄張りを主張する。 |
食性と摂食行動 | 草食動物で、主に木の葉を食べるブラウザー。シロサイとは食性が異なるため、口の形も異なる。木の葉が豊富な森林や藪地などの環境に適応しており、これらの環境に生息している。 |
繁殖と子育て行動 | 一夫多妻で、繁殖期は生息地によって異なる。妊娠期間は約15か月で、1回に1頭の子どもを産む。子どもは、母親と一緒に2~3年間生活し、母親から生活に必要なスキルを学ぶ。5~8年で性成熟し、単独で生活を始める。 |
個体数と絶滅危機 | 絶滅危惧種に指定されており、その個体数は減少している。主な原因は、角を狙った密猟。保護活動は、密猟の防止、生息地の保全、繁殖プログラムの実施など、多岐にわたる。 |
クロサイと人間の関係性 | 人間と共存していくことが難しい動物。攻撃的な性格であること、そして、人間がクロサイの角を目的とした密猟を行うことがあるため。クロサイの保護活動は、密猟の防止、生息地の保全、繁殖プログラムの実施など、多岐にわたる。国際的な協力と、地域住民の参加が不可欠。 |
1. クロサイの分布と生息地
クロサイの生息地
クロサイは、アフリカ大陸の中部から南部にかけて、熱帯から亜熱帯に及ぶ地域に生息しています。かつては、サハラ砂漠以南のコンゴ盆地を除く地域に広く分布し、サイの中では最も数が多いといわれていました。しかし、100年ほどの間に生息地は狭められ、かつて生息地だったカメルーン・チャドでは絶滅し、エチオピアでも絶滅したと考えられています。現在の生息地は、アンゴラ・ケニア・ジンバブエ・タンザニア・ナミビア・南アフリカ共和国・モザンビークです。また、エスワティニ・ザンビア・ボツワナ・マラウイ・ルワンダにも再導入されています。
クロサイの生息地は主にサバンナ・森林・藪地などです。山地の森林にも分布していますが、熱帯雨林には生息していません。開けたところよりも木々が多いところを好み、行動範囲は食糧事情によりますが133㎢に及ぶこともあります。クロサイの生息には、食糧となるマメ科を中心とした丁度よい高さの低木が豊富にあることが欠かせません。
クロサイは、生息地により次の亜種に分類されています。主にナミビアに生息するナンセイクロサイ(Diceros bicornis bicornis)、主にケニアに生息するヒガシクロサイ(D. b. michaeli)、南アフリカやジンバブエに生息するナントウクロサイ(D. b. minor)、かつてアフリカ中西部に生息していたニシクロサイ(D. b. longipes)です。ニシクロサイは、カメルーンに生息したのを最後に絶滅したとされています。
地域 | 状況 |
---|---|
カメルーン | 絶滅 |
チャド | 絶滅 |
エチオピア | 絶滅 |
アンゴラ | 生息 |
ケニア | 生息 |
ジンバブエ | 生息 |
タンザニア | 生息 |
ナミビア | 生息 |
南アフリカ共和国 | 生息 |
モザンビーク | 生息 |
エスワティニ | 再導入 |
ザンビア | 再導入 |
ボツワナ | 再導入 |
マラウイ | 再導入 |
ルワンダ | 再導入 |
クロサイの生息数の現状
クロサイの生息数は、現在約5
クロサイの生息数が激減した主な理由は、角を狙った密猟です。サイの角は様々な効能がある万能薬の成分として、医学的には効果が証明されていないにも関わらず古くからアジアで珍重されてきました。ワシントン条約で取引が禁じられている今でも、中国やベトナムなどでは高値で取引されています。商取引が禁じられてからは更に希少性が増し、一説では角1kg当たり1万ドルに値し、これは1頭の角で現地の一家族が数年間暮らせるほどの金額とのことです。角を獲るという目的だけのために膨大な数のサイが殺されてきましたが、密猟は今も続いています。
年 | 推定個体数 |
---|---|
1970年 | 6万5千頭 |
1982年 | 1万頭~1万5千頭 |
1996年 | 2,500頭 |
2018年 | 5,500頭 |
クロサイの保護活動
クロサイは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでCR(Critically Endangered:近絶滅危惧)に掲載された希少種です。また、クロサイは希少種保護の国際的な取り決めである「ワシントン条約」(絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)で付属書Iに掲載されています。よって、商業目的のための国際取引は全面的に禁止、学術目的の取引には輸出入国双方の政府が発行する許可証が必要です。
国際的にも保護対象となっているクロサイですが、減少を招いている要因への対策など保護の取り組みについてご紹介していきます。サイの角を目的とした密猟に従事する犯罪組織はより高度に組織化されるようになり、伝統的な密猟よりも対策が難しくなっています。ヘリコプターや暗視スコープ、消音器などを装備した銃器など最新装備を駆使して、夜間に警備をかいくぐって密猟が行われているのです。背景には、訓練された要員を抱える国境を越えた密猟犯罪組織の関与も指摘され、生息地の政府は、密猟者に厳しい罰則を科すなど国をあげて保護の努力を続けています。
多くの保護区では 24 時間体制で保護管によるパトロールを実施していますが、一般的に面積は非常に広大で限られた人員で網羅するのは困難です。そこで、保護区への不法侵入をリモートで監視するためのサーマルカメラを導入している例もあります。ナミビアでは警備員として訓練を積んだ地元住民が、南アフリカ共和国のクルーガ国立公園では軍隊を出動させ密猟対策に成功しているとのことです。また、密猟の対象とならないように獣医師があらかじめサイの角を切っておく「除角」も成果をあげています。
条約 | 内容 |
---|---|
ワシントン条約 | 商業目的の国際取引を全面的に禁止。学術目的の取引には輸出入国双方の政府が発行する許可証が必要。 |
IUCNレッドリスト | クロサイをCR(Critically Endangered:近絶滅危惧)に掲載。 |
まとめ
クロサイは、かつてはアフリカ大陸に広く分布していましたが、密猟や生息地の破壊によって、その数は激減し、現在では絶滅危惧種に指定されています。しかし、近年では、保護活動によって個体数は増加傾向にあります。
クロサイの保護活動は、密猟の防止、生息地の保全、繁殖プログラムの実施、意識啓発キャンペーンなど、多岐にわたります。これらの活動は、国際的な協力と、地域住民の参加が不可欠です。
クロサイの保護は、地球の生態系のバランスを保つためにも重要な活動です。私たちも、環境保護や教育活動などに積極的に参加することで、クロサイの保護に貢献することができます。
2. クロサイの体の特徴と生態
クロサイの体の特徴
クロサイはシロサイに比べて小型ではあるものの、体長2.9〜3.1m・肩高1.5〜1.8m・体重0.9〜1.3トンで、大きい個体では1.8トンに達する大型の草食動物です。頭部と耳はシロサイよりも小さく、額がはっきりとしており、シロサイの口のかたちが平らなのに対しクロサイは口の先端がとがっています。体の大部分には毛がなく裸出しており、被毛があるのは耳の先端と尾の先端だけで、皮膚は厚いですが乾燥に弱くデリケートです。
そのため、保湿や寄生虫を防ぐため泥浴びや水浴びを好み、もともとの体色は灰色ですが黒色・茶色・赤褐色など土壌の色を帯びていることがあります。頭部には前後に角が2本あり、人間の爪と同じようにケラチンという物質でできていて、束になった毛のような繊維状の構造です。前角は40〜50cm・後角は20〜30cm程度で、角は一生伸び続けるので木や岩を使い削って整えますが、長い個体では前角が1〜1.3m・後角が50cmに達することもあります。
視力はあまりよくありませんが嗅覚と聴覚は鋭く、周囲の変化に敏感です。クロサイは、肉食獣も恐れるほどの大きな体と角をもつ草食動物といえます。
項目 | 特徴 |
---|---|
体長 | 2.9〜3.1m |
肩高 | 1.5〜1.8m |
体重 | 0.9〜1.3トン |
頭部 | シロサイよりも小さく、額がはっきりしている |
耳 | シロサイよりも小さい |
口 | 先端がとがっている |
体毛 | 耳の先端と尾の先端以外にない |
皮膚 | 厚いが乾燥に弱くデリケート |
角 | 前角40〜50cm、後角20〜30cm。一生伸び続ける。 |
視力 | あまりよくない |
嗅覚 | 鋭い |
聴覚 | 鋭い |
クロサイの生態
クロサイは基本的に単独で生活し糞や尿を使って縄張りを主張しますが、雌は子どもと一緒にいることもあります。クロサイはミネラル補給として岩塩を舐めるために遠くに移動することも珍しくありません。地面に体をこすりつける行動は、暑さをしのぎ皮膚の寄生虫を取り除くためと考えられます。虫を食べようとするサギなどの鳥類と一緒にいる風景がお馴染みです。
クロサイの視力は弱く、30メートル以上離れると物の識別ができないと言われています。しかし、音には敏感で相手を確かめる前に突進する傾向があり、攻撃的な性格です。 大きくて重たそうな体に似合わず運動能力は高く、藪の中を時速45kmで走ることができますが、急に止まることは苦手です。肉食獣もサイを襲うことはありませんが、幼獣はライオンやハイエナに襲われることがあります。
項目 | 特徴 |
---|---|
生活 | 基本的には単独で生活。糞や尿で縄張りを主張。 |
行動 | ミネラル補給のために岩塩を舐めるために遠くに移動することもある。地面に体をこすりつける行動は、暑さをしのぎ皮膚の寄生虫を取り除くため。 |
視力 | 30メートル以上離れると物の識別ができない。 |
聴覚 | 音に敏感で、相手を確かめる前に突進する傾向がある。 |
運動能力 | 時速45kmで走ることができる。 |
天敵 | 肉食獣はほとんどいないが、幼獣はライオンやハイエナに襲われることがある。 |
クロサイと共生関係
クロサイは、共生関係にある生物としてウシツツキ類が挙げられ、外部寄生虫を食べたり危険を知らせてくれる[4][7]。アマサギ・テリムクドリ属・オウチュウ類も共生関係になることもある[4]。
クロサイは視力が良くないので、その代わりに聴覚や臭覚が発達しました。サイは視力が良くないので、30m先の物はぼんやりとしか見えていません。シロサイとクロサイで口の先に特徴があります。頭を低くさげて地面の草を食べるシロサイの口の先は横に平ですが、低い木の芽や小枝を食べるクロサイの口の先はとがっています。
生物 | 関係 |
---|---|
ウシツツキ類 | 外部寄生虫を食べたり、危険を知らせてくれる。 |
アマサギ | 共生関係になることがある。 |
テリムクドリ属 | 共生関係になることがある。 |
オウチュウ類 | 共生関係になることがある。 |
まとめ
クロサイは、シロサイよりも小型で、頭部と耳が小さく、口先がとがっているのが特徴です。また、体毛はほとんどなく、皮膚は厚いですが乾燥に弱いため、泥浴びや水浴びを好みます。
クロサイは、視力は弱いが嗅覚と聴覚が鋭く、周囲の変化に敏感です。基本的には単独で生活し、糞や尿で縄張りを主張します。
クロサイは、ウシツツキ類などとの共生関係があり、寄生虫の駆除や危険の察知に役立てています。
3. クロサイの食性と摂食行動
クロサイの食性
クロサイは草食性で、マメ科の低木を中心に芽・枝・樹皮・果実などを主食とし、刺のあるアカシアなども平気で食べます。前歯はなく唇で芽や枝をむしり取って口の中へ運び奥歯で左右にすりつぶしますが、奥歯は大きく頑丈で木の枝もかみ砕けるほどです。シロサイは地面近くの草を食べるために平たく広い口をもつのに比べ、クロサイは木の芽や枝を食べるのに都合がよい自由に動く尖った口をしています。
クロサイの口の形は食性に合わせて進化したものと考えられ、遠くからでもシロサイと判別することができます。クロサイは一夫多妻で、繁殖期は生息地によって異なります。450〜550日の妊娠期間を経て1度に生まれるのは1頭で、出生直後の体重は20~25kg、大きいものでは30~50kg程度です。子どもは生後三日ほどで母親の後をついて歩くようになり、授乳期間は18カ月程度ですが生後数週間後くらいから草も食べるようになります。
食物 | 特徴 |
---|---|
主食 | マメ科の低木、芽、枝、樹皮、果実 |
その他 | アカシアなど、刺のある植物も食べる。 |
前歯 | ない |
奥歯 | 大きく頑丈で、木の枝もかみ砕ける。 |
クロサイの摂食行動
クロサイは、主に夜間および夜明けといった薄暗い時間帯にエサを食べる。アフリカの灼熱の太陽の下では、木陰に避難し、体を横たえて暑さをしのぐ。また、泥水につかるのが好きで、適当な水溜りを見つけて転がる姿をしばしば見かける。この泥は天然の虫除けと日焼け止めとして皮膚を保護しているのだ。
クロサイは、毎日20㎏以上のエサを食べます。生息地ではほぼ無敵ですが、特に子供はライオンなどに襲われることがあります。クロサイは日中ではあまり活動せず、明け方や夕暮れに活発になります。オスは単独性ですが、メスや若齢個体には社会性があるとされています。特にオスはなわばりをアピールするために糞を溜めたり、それらを蹴って体にまとう行動を見せます。
時間帯 | 行動 |
---|---|
夜間 | エサを食べる |
日中 | 木陰で休む |
水場 | 泥水につかる |
行動範囲 | 食糧事情によりますが、133㎢に及ぶ。 |
クロサイの食性と生息地の関係
クロサイは、主に木の葉を食べるブラウザーと呼ばれるタイプの草食動物です。シロサイのように地面の草を食べるグレイザーとは、食性が異なるため、口の形も異なります。クロサイの口は、木の葉を効率的に食べるために、とがった形状をしています。
クロサイは、木の葉が豊富な森林や藪地などの環境に適応しています。そのため、クロサイの生息地は、シロサイのように開けたサバンナではなく、森林や藪地などの環境が多いです。
タイプ | 特徴 |
---|---|
ブラウザー | 木の葉を食べる |
グレイザー | 地面の草を食べる |
口の形 | ブラウザーはとがった形状。グレイザーは平たい形状。 |
生息地 | ブラウザーは森林や藪地。グレイザーは開けたサバンナ。 |
まとめ
クロサイは、草食動物で、主に木の葉を食べるブラウザーです。シロサイとは食性が異なるため、口の形も異なります。
クロサイは、木の葉が豊富な森林や藪地などの環境に適応しており、これらの環境に生息しています。
クロサイは、毎日20kg以上のエサを食べ、夜間や薄暗い時間帯に活動することが多いです。
4. クロサイの繁殖と子育て行動
クロサイの繁殖
クロサイは一夫多妻で、繁殖期は生息地によって異なります。450〜550日の妊娠期間を経て1度に生まれるのは1頭で、出生直後の体重は20~25kg、大きいものでは30~50kg程度です。子どもは生後三日ほどで母親の後をついて歩くようになり、授乳期間は18カ月程度ですが生後数週間後くらいから草も食べるようになります。子どもが親元を離れるまで2~4年かかりますが、それまでの間に母親は次の子どもを出産するのが普通です。
子どもは5~8年で性成熟し、単独行動する中で自らのパートナーを見つけて繁殖します。野生での寿命は25~35年程度と言われています。繁殖は周年見られますが、地域ごとにピークが見られます。メスの出産間隔は2.5~3年で、15~16ヵ月の妊娠期間ののち、20~25㎏の赤ちゃんを一頭産みます。赤ちゃんは生後1ヶ月ごろから植物を食べ始めますが、完全に離乳するのは1歳半ごろです。3歳ごろまで母親とともに暮らしたのち、独立します。性成熟にはオスが7~8歳で、メスが5~7歳で達します。寿命は35~40年です。
項目 | 特徴 |
---|---|
繁殖 | 一夫多妻。繁殖期は生息地によって異なる。 |
妊娠期間 | 約15か月 |
出産 | 1回に1頭の子どもを産む。 |
出生時の体重 | 20~25kg |
授乳期間 | 18カ月程度 |
性成熟 | オスは5~8年、メスは7~8年 |
寿命 | 25~35年程度 |
クロサイの子育て
クロサイのメスは、子どもを産むと、2~3年間は母親と一緒に生活します。母親は、子どもに餌を与え、危険から守るなど、子育てに専念します。子どもは、母親から生活に必要なスキルを学び、成長していきます。
クロサイの子どもは、母親から離れると、単独で生活を始めます。そして、5~8年で性成熟し、繁殖のサイクルに入ります。
期間 | 行動 |
---|---|
2~3年間 | 母親と一緒に生活。母親は子どもに餌を与え、危険から守る。 |
5~8年 | 性成熟し、単独で生活を始める。 |
クロサイの繁殖と絶滅危惧種
クロサイは、絶滅危惧種に指定されており、その個体数は減少しています。繁殖率が低いことや、密猟などの影響が大きいことが、その原因と考えられています。
クロサイの保護活動では、繁殖プログラムが重要な役割を果たしています。動物園や保護施設では、クロサイの繁殖を促進し、個体数を増やすための取り組みが行われています。
要因 | 影響 |
---|---|
繁殖率 | 低い |
密猟 | 個体数減少 |
保護活動 | 繁殖プログラムが重要。動物園や保護施設で繁殖を促進。 |
まとめ
クロサイは、一夫多妻で、繁殖期は生息地によって異なります。妊娠期間は約15か月で、1回に1頭の子どもを産みます。
子どもは、母親と一緒に2~3年間生活し、母親から生活に必要なスキルを学びます。5~8年で性成熟し、単独で生活を始めます。
クロサイは、絶滅危惧種に指定されており、その個体数は減少しています。繁殖率が低いことや、密猟などの影響が大きいことが、その原因と考えられています。
5. クロサイの個体数と絶滅危機
クロサイの個体数の減少
20世紀のほとんどの期間において、クロサイはサイの中で最も個体数が多く、1960年ごろには10万頭がいたと推定されています。しかし、彫刻や伝統的な薬として需要がある角を狙った密猟や生息地が人の居住地、農地へ転換されたことにより急激に数を減らします。1993年にはなんと2
その後、規制強化や移住などの保護活動が進んだおかげで個体数は回復を見せ、今では約6
年 | 推定個体数 |
---|---|
1960年 | 10万頭 |
1993年 | 2,300頭 |
2018年 | 6,500頭 |
クロサイの絶滅危機の原因
クロサイの生息数が激減した主な理由は、角を狙った密猟です。サイの角は様々な効能がある万能薬の成分として、医学的には効果が証明されていないにも関わらず古くからアジアで珍重されてきました。ワシントン条約で取引が禁じられている今でも、中国やベトナムなどでは高値で取引されています。
商取引が禁じられてからは更に希少性が増し、一説では角1kg当たり1万ドルに値し、これは1頭の角で現地の一家族が数年間暮らせるほどの金額とのことです。角を獲るという目的だけのために膨大な数のサイが殺されてきましたが、密猟は今も続いています。
要因 | 説明 |
---|---|
密猟 | 角が漢方薬や装飾品として珍重されているため。 |
生息地の破壊 | 人間の居住地や農地への転換。 |
クロサイの保護活動
クロサイは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでCR(Critically Endangered:近絶滅危惧)に掲載された希少種です。また、クロサイは希少種保護の国際的な取り決めである「ワシントン条約」(絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)で付属書Iに掲載されています。よって、商業目的のための国際取引は全面的に禁止、学術目的の取引には輸出入国双方の政府が発行する許可証が必要です。
国際的にも保護対象となっているクロサイですが、減少を招いている要因への対策など保護の取り組みについてご紹介していきます。サイの角を目的とした密猟に従事する犯罪組織はより高度に組織化されるようになり、伝統的な密猟よりも対策が難しくなっています。ヘリコプターや暗視スコープ、消音器などを装備した銃器など最新装備を駆使して、夜間に警備をかいくぐって密猟が行われているのです。背景には、訓練された要員を抱える国境を越えた密猟犯罪組織の関与も指摘され、生息地の政府は、密猟者に厳しい罰則を科すなど国をあげて保護の努力を続けています。
多くの保護区では 24 時間体制で保護管によるパトロールを実施していますが、一般的に面積は非常に広大で限られた人員で網羅するのは困難です。そこで、保護区への不法侵入をリモートで監視するためのサーマルカメラを導入している例もあります。ナミビアでは警備員として訓練を積んだ地元住民が、南アフリカ共和国のクルーガ国立公園では軍隊を出動させ密猟対策に成功しているとのことです。また、密猟の対象とならないように獣医師があらかじめサイの角を切っておく「除角」も成果をあげています。
活動 | 内容 |
---|---|
密猟の防止 | 保護区のパトロール強化、サーマルカメラの導入、地元住民による警備、除角。 |
生息地の保全 | 保護区の拡大、生息環境の改善。 |
繁殖プログラム | 動物園や保護施設での繁殖促進。 |
まとめ
クロサイは、絶滅危惧種に指定されており、その個体数は減少しています。主な原因は、角を狙った密猟です。
クロサイの保護活動は、密猟の防止、生息地の保全、繁殖プログラムの実施など、多岐にわたります。
クロサイの保護は、地球の生態系のバランスを保つためにも重要な活動です。
6. クロサイと人間の関係性
クロサイと人間の共存
クロサイは、人間と共存していくことが難しい動物です。その理由は、クロサイが攻撃的な性格であること、そして、人間がクロサイの角を目的とした密猟を行うことがあるからです。
クロサイは、視力が弱く、音に敏感なため、人間を脅威と感じる場合があります。そのため、人間が近づくと、突進してくることがあります。また、クロサイは、角を使って、他の動物と争ったり、自分の縄張りを守ったりします。そのため、人間がクロサイに近づくと、攻撃される危険性があります。
問題点 | 説明 |
---|---|
攻撃的な性格 | 視力が弱く、音に敏感なため、人間を脅威と感じる場合がある。 |
密猟 | 角が漢方薬や装飾品として珍重されているため。 |
クロサイの角と密猟
クロサイの角は、古くから漢方薬や装飾品として珍重されてきました。そのため、クロサイは、角を狙った密猟の対象となっています。密猟者は、クロサイを殺して、角を切り取って持ち去ります。
クロサイの角は、医学的には効果が証明されていません。しかし、一部の人々は、クロサイの角に薬効があると信じ、高値で取引しています。このことが、密猟を助長している要因の一つです。
目的 | 説明 |
---|---|
漢方薬 | 医学的には効果が証明されていない。 |
装飾品 | 高値で取引されている。 |
クロサイの保護活動
クロサイの保護活動は、密猟の防止、生息地の保全、繁殖プログラムの実施など、多岐にわたります。これらの活動は、国際的な協力と、地域住民の参加が不可欠です。
クロサイの保護活動は、世界中で行われています。IUCN(国際自然保護連合)やWWF(世界自然保護基金)などの国際的な組織が、クロサイの保護活動に力を入れています。また、各国の政府や、地域住民も、クロサイの保護活動に参加しています。
活動 | 内容 |
---|---|
密猟の防止 | 保護区のパトロール強化、サーマルカメラの導入、地元住民による警備、除角。 |
生息地の保全 | 保護区の拡大、生息環境の改善。 |
繁殖プログラム | 動物園や保護施設での繁殖促進。 |
まとめ
クロサイは、人間と共存していくことが難しい動物です。その理由は、クロサイが攻撃的な性格であること、そして、人間がクロサイの角を目的とした密猟を行うことがあるからです。
クロサイの保護活動は、密猟の防止、生息地の保全、繁殖プログラムの実施など、多岐にわたります。これらの活動は、国際的な協力と、地域住民の参加が不可欠です。
クロサイの保護は、地球の生態系のバランスを保つためにも重要な活動です。
参考文献
・【クロサイ】特徴や生息地・絶滅危惧種に至った経緯を紹介 …
・クロサイはどんな動物?特徴、生態、生息地を解説 | Endangered …
・動物図鑑-クロサイ(Diceros bicornis) – 動物園&水族館に行こう!!
・未来へと命を送り継ぐために 2 頭のクロサイ 繁殖を目指し …
・保全努力のおかげでアフリカのサイに希望の兆しが-Iucnレッド …
・クロサイ – ほ乳類 – 動物 – Yahoo!きっず図鑑
・絶滅の危機にある野生動物たち|Wwfジャパン50周年特設 …
・画期的な胚生産技術で「キタシロサイを絶滅から救える可能性 …
・レッドリストとは?絶滅危惧種のiucn・環境省による評価基準や …
コメント