職業:通訳ガイドについて説明

通訳ガイドの仕事内容
仕事内容 詳細
観光ガイド お客様に日本の観光地や文化を案内する
添乗業務 旅程の管理、ホテルの手配、トラブル対応などを行う
ツアー企画 お客様の要望に合わせたオリジナルのツアーコースを企画する

1. 通訳ガイドの役割とは何ですか?

要約

通訳ガイドの仕事内容

通訳ガイドは、観光やビジネス目的で来日した外国人を有償でサポートする仕事です。一般的な通訳と異なるのは、純粋に相手の言葉を訳してコミュニケーションの橋渡しをするのではなく、自分の言葉で案内をするという点です。さらに、空港から宿泊先への送迎や手続きなどのサポート、訪問先への同行などの添乗員の業務もこなします。

通訳ガイドの仕事は、団体客・ツアー客だけでなく個人客をガイドすることもあり、数日間つきっきりのこともあれば数時間で終了することもあるなど、仕事内容は様々です。また、観光ガイドのほか、企業や工場などの訪問や見本市の見学などビジネス色の強い仕事もあります。

仕事の量は、訪日外国人の人数、企業の景気動向、為替動向などに左右されますが、繁忙期は観光シーズンの春と秋で、今後も通訳ガイドの需要は増加していくといわれています。

通訳ガイドの仕事内容
仕事内容 詳細
観光ガイド お客様に日本の観光地や文化を案内する
添乗業務 旅程の管理、ホテルの手配、トラブル対応などを行う
ツアー企画 お客様の要望に合わせたオリジナルのツアーコースを企画する

通訳ガイドの資格

通訳ガイドの仕事をするためには、現時点(2017年1月)では1年に1回の国家試験「通訳案内士試験」に合格しないといけません。

しかし、試験合格は通過点にしかすぎません。実際に通訳ガイドとして仕事をスタートさせるためには、自治体に登録をして免許を交付してもらい、通訳ガイドの団体が主催する新人研修などでガイドのコツなどを学ぶ必要があります。

通訳案内士の資格
資格 詳細
全国通訳案内士 国家資格。試験に合格し、都道府県に登録する必要がある
地域通訳案内士 特定の地域に特化したガイドの資格。各自治体の研修を受講し、登録する必要がある

通訳ガイドの仕事探し

通訳ガイドの仕事は、外国人向けの国内旅行(インバウンド)を取り扱っている旅行会社、旅行業に強い人材派遣会社、政府が招聘した外国人をサポートする政府関連機関などから仕事を受ける必要があります。

JTB グローバルマーケティング&トラベル、近畿日本ツーリスト、はとバス、TEI、オデッセイ添乗集団、ウィル・インターナショナル、旅行綜研、フォーラムジャパン、トップ・スタッフなど、旅行会社それぞれにアプローチすることも必要ですが、転職サイトで一括管理をすることで手間を省くこともできます。

まずは無料登録をして、自分に合う会社を探してみましょう。

まとめ

通訳ガイドは、訪日外国人に日本の魅力を伝える重要な役割を担っています。近年、訪日外国人の増加に伴い、通訳ガイドの需要も高まっています。

通訳ガイドになるには、通訳案内士試験に合格し、都道府県に登録する必要があります。試験は難関ですが、合格することで、通訳ガイドとして活躍する道が開かれます。

通訳ガイドの仕事は、旅行会社に就職したり、フリーランスとして活動したりと、様々な働き方があります。

2. 通訳ガイドに必要なスキルとは?

要約

語学力

通訳ガイドには、リスニング、スピーキングなど高い語学力が求められます。また日本の魅力を外国語でアピールするためのプレゼンテーション能力も必要になります。

TOEICで言えば、840点以上が目安となります。

通訳ガイドに必要な語学力
言語 レベル
英語 英検1級レベル
中国語 HSK6級レベル
韓国語 TOPIK6級レベル

日本の知識

従来の日本の名所・旧跡を案内する観光ガイドだけでなく、現在の日本のカルチャー(クールジャパン)のガイドを求められることも多々あります。

日本のマンガやアニメ、メイド喫茶などのライフスタイルにもアンテナを張り、幅広い分野を紹介・案内できるよう情報収集する必要があります。

ホスピタリティ

訪日外国人観光客が日本滞在時に快適に過ごせるかどうか気を配るのも通訳ガイドの大切な仕事です。

そのため、観光客を楽しませる「おもてなしの心」が求められます。

まとめ

通訳ガイドには、高い語学力に加え、日本の歴史や地理、文化などの知識、観光客をもてなすホスピタリティ、トラブルが起こっても柔軟に対応できる対応力なども必要になります。

通訳ガイドの仕事は接客業の要素が強いため、語学ができるだけでは務まらず、資質や性格によっては向き・不向きがある仕事かもしれません。

3. 通訳ガイドの仕事のやりがいとは?

要約

お客様との出会い

通訳ガイドは、お客様の要望に合わせて日本をガイドする仕事です。満足いただけたお客様からは「あなたのおかげで、素晴らしい旅になったわ」「友だちにも、あなたのツアーを紹介したい」などの嬉しい言葉をもらえます。

また、帰国後もメールをもらったり、プレゼントが送られてきたりと、親交が続くこともあるようです。

異文化との触れ合い

日本に来るお客様は、英語圏以外にも東南アジアや北欧などさまざまです。異なる国籍のお客様と接する中で、習慣や文化の違い、お国柄などに触れられます。

ガイドをしながらこちらも海外旅行をしているような気分を味わえるでしょう。

語学力を活かせる

通訳案内士は、語学力を活かせるのも魅力です。英語を母国語としないお客様とのやりとりでは、どのように端的にわかりやすく伝えるか考える必要があります。

最初はお互いの英語が聞き取りにくいこともありますが、通じ合ったときの喜びは格別でしょう。

まとめ

通訳ガイドの仕事は、お客様と直接触れ合う仕事ですので、お客様に満足していただき、良い関係を作ると共に担当者とも良い関係を作ることが大切ですね。

お客様に満足していただき、良い関係を作ると共に担当者とも良い関係を作ることが大切ですね。

通訳ガイドの仕事は、お客様と直接触れ合う仕事ですので、お客様に満足していただき、良い関係を作ると共に担当者とも良い関係を作ることが大切ですね。

4. 通訳ガイドの給与や将来性について

要約

通訳ガイドの年収

厚生労働省の「職業情報提供サイトO-NET」によると、通訳案内士の平均年収は約382万円で、月給にすると約31万円程度です。

日本人の平均年収は約460万円なので、平均よりも低い傾向にあります。

通訳案内士として1日ガイドをしたときの平均日給は3万円なので、20日間働けば月給60万円になります。

日給だけ見ると給料は良いのに年収が低い理由は、安定的に仕事がもらえるわけではないためです。

通訳案内士の年収
雇用形態 平均年収
フリーランス 約382万円
正社員 約400万円

通訳ガイドの将来性

通訳案内士は、将来性のある仕事です。「通訳案内士の仕事は、なくなる」という噂を聞いたことがある人もいるかもしれません。

パンデミックとなった感染症が蔓延した2020年~2022年ごろまでは、来日外客数が激減し、廃業した通訳案内士も多くいたようです。

しかし、日本政府観光局(JNTO)によると、2022年の秋ごろから訪日外客数は回復し、2023年の冬にはコロナ前と同程度になっていることがわかります。

来日外客数は順調に回復しているため、通訳案内士の需要も増加することが見込まれます。

通訳ガイドの収入の安定化

通訳案内士で高収入を得ている人は、兼業で通訳や翻訳をしている場合が多いです。

通訳案内士の約74%はフリーランスなので、自分で仕事を獲得する必要があります。

毎日8時間働くサラリーマンとは違い、仕事がないときもあるのです。

ちなみに、フリーランスの次に多いのはパートタイマーで全体の13%、正社員や派遣・契約社員は8.7%ほどです。

まとめ

通訳案内士の年収は、平均的には他の職業と比べて低い傾向にあります。

しかし、訪日客の増加や日本の観光産業の成長に伴い、通訳案内士の需要は高まっていくと考えられます。

通訳案内士として安定した収入を得るためには、フリーランスとして活動するだけでなく、通訳や翻訳などの他の仕事も兼業したり、スキルアップを目指して専門性を高めたりする必要があるでしょう。

5. 通訳ガイドとしてのキャリアパスについて

要約

通訳案内士になるための方法

通訳案内士として働くには「全国通訳案内士試験」に合格する必要がありました。

しかし、2018年の法改正にともない現在では無資格でもお金をもらってガイドができます。

なぜ、誰でもガイドができるようになったかと言うと、訪日外国人数に対してガイドの人数が不足しているためです。

通訳案内士の資格取得

通訳案内士といえば英語をイメージする人が多いかもしれませんが、実は訪日外国人の約8割は、香港・中国・韓国などの東アジア圏の人たちなのです。

資格の有無にかかわらずガイドできるようにしたのは、これらの言語を話せる人を確保するためなのです。

こう聞くと「わざわざ資格を取る必要もないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし「全国通訳案内士」を名乗れるのは、資格試験に合格した人のみです。通訳案内士を依頼するクライアントは、ガイドの質が低くてクレームがくると困るため、質の高いガイドを求めます。つまり、資格があったほうが活躍の場が広がることは間違いありません。

通訳案内士の専門知識

通訳案内士は誰でもなれると言いましたが、活躍するためには高い語学力や観光についての知識が必要なため、大学で学ぶのが現実的でしょう。

複数の外国語や外国の文化や歴史が学べる外国語大学や、外国語学部・国際学部のほか、観光学部に進学すると良いでしょう。

外国語や観光学が学べる大学をまとめたので、参考にしてみてください。

大学によっては国際理解の過程で日本の歴史についても学ぶ機会があるため、試験はもちろん、通訳案内士として現場に立ったときに役立ちますよ。

通訳案内士を目指せる大学
大学名 学部・学科
早稲田大学 国際教養学部
上智大学 外国語学部
東京外国語大学 外国語学部
慶應義塾大学 環境情報学部
立教大学 異文化コミュニケーション学部
明治大学 国際日本学部
中央大学 国際情報学部
法政大学 国際文化学部
学習院大学 国際社会学部

まとめ

通訳案内士は、誰でもなれる仕事ですが、資格を取得することで、より多くの仕事を得やすくなるでしょう。

通訳案内士になるためには、高い語学力や日本の歴史・文化に関する知識、そしてコミュニケーション能力など、様々なスキルを身につける必要があります。

大学で外国語や観光学を学ぶことは、通訳案内士になるための有効な手段です。

6. 通訳ガイドの求人や就職先について

要約

通訳案内士の仕事探し

通訳案内士は資格をとらなくてもできる仕事なので「資格をとっても意味ない」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、前述のとおり「全国通訳案内士試験」に合格し「全国通訳案内士」の資格を取得したほうが仕事獲得に有利ですし、待遇もよい傾向にあります。

通訳案内士の就職先

通訳案内士はフリーランスとして働く人が多いです。

その場合は、試験合格後に「一般社団法人日本観光通訳協会」に登録し、仕事を紹介してもらうのが一般的です。

また、旅行会社で正社員を募集していることもありますよ。

通訳案内士のキャリアプラン

通訳案内士になった後のキャリアプランには、おもに以下の3パターンがあります。

・旅行会社に就職する、・フリーランスとして活動する、・副業で行う

通訳案内士の年収は高くなく、フリーランスとして活動している人がほとんどであることから、決して安定している職業とは言えません。

そのため、ふだんは通訳や翻訳業などを行い、繁忙期に副業として通訳案内を行う人もいます。

まとめ

通訳案内士の求人は、旅行会社や通訳案内士団体など、様々なところにあります。

通訳案内士は、フリーランスとして活動する人が多いですが、旅行会社に就職したり、副業として通訳案内を行ったりするなど、様々な働き方があります。

通訳案内士として安定した収入を得るためには、スキルアップを目指して専門性を高めたり、他の仕事も兼業したりする必要があるでしょう。

参考文献

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