図書館司書の秘密: 本棚の向こう側

1. 図書館司書の仕事内容:貸出だけじゃない多様な役割

1-1. 図書館の仕事は貸出だけじゃない

図書館司書と聞くと、本の貸出や返却業務をイメージする方が多いかもしれません。確かに、貸出業務は図書館の基本的なサービスの一つです。しかし、図書館司書の仕事はそれだけではありません。図書館司書は、情報検索のプロフェッショナルであり、利用者に適切な情報提供を行うことが求められます。そのために、図書館資料の収集・整理・保存、レファレンスサービス、読書案内など、多岐にわたる業務を担当しています。

1-2. 図書館資料の収集・整理・保存

図書館司書の重要な仕事の一つに、図書館資料の収集・整理・保存があります。図書館の蔵書は、その図書館の特色や利用者のニーズを反映したものでなければなりません。そのため、図書館司書は常にアンテナを張り、新しい書籍や雑誌、視聴覚資料など、適切な資料を収集する必要があります。また、収集した資料は適切に分類・整理し、利用者がスムーズに資料を探せるようにしなければなりません。さらに、貴重な資料を適切に保存することも図書館司書の重要な役割です。

1-3. レファレンスサービス

図書館司書は、利用者の情報ニーズに応えるための「レファレンスサービス」を提供します。レファレンスサービスとは、調べものをする利用者に対して、適切な資料や情報を提供するサービスのことです。例えば、「〇〇について調べたい」という利用者の要望に対して、関連する書籍や論文、データベースなどを紹介したり、検索方法をアドバイスしたりします。図書館司書は、情報検索のスキルだけでなく、コミュニケーション能力や課題解決能力も求められます。

1-4. 読書案内

読書案内も図書館司書の重要な仕事の一つです。読書案内とは、利用者の興味や関心、年齢などに応じて、適切な本を紹介するサービスのことです。図書館司書は、幅広いジャンルの本を読んで内容を把握し、利用者のニーズに合った本を紹介できる知識とスキルが求められます。また、読書会やビブリオバトルなど、読書に関するイベントを企画・運営することもあります。

1-5. 図書館サービスの企画・運営

図書館司書は、貸出やレファレンスサービス以外にも、様々な図書館サービスの企画・運営を行います。例えば、図書館のウェブサイトやソーシャルメディアの管理、データベースの構築、地域住民向けのイベントの企画などです。図書館は、地域住民にとっての生涯学習の場であり、情報センターとしての役割も担っています。そのため、図書館司書は、地域住民のニーズを把握し、時代に合った図書館サービスを提供することが求められます。

2. 情報検索の達人:図書館資料の分類と検索方法

2-1. 図書館資料の分類:NDCと分類記号

図書館には、膨大な数の資料が所蔵されています。これらの資料を利用者がスムーズに探せるように、図書館では資料を一定のルールに従って分類しています。日本では、多くの図書館で「日本十進分類法(NDC)」という分類法が採用されています。NDCでは、図書館資料を大きく10個の主綱に分類し、さらに細かく分類していきます。各資料には、分類番号である「分類記号」が付与され、その記号に従って書架に配架されます。

2-2. 図書館資料の検索方法:OPACを使いこなそう

図書館の蔵書を検索するためのシステムを「OPAC(Online Public Access Catalog)」といいます。OPACは、図書館のコンピュータにアクセスして利用できるオンラインカタログです。OPACでは、書名や著者名、キーワードなどを入力して、目的の資料を検索することができます。また、NDCの分類記号や出版年、出版社など、様々な条件で検索することも可能です。図書館司書は、OPACの操作方法を熟知しており、利用者の情報検索をサポートします。

2-3. キーワード検索のコツ

OPACでの検索方法の一つに「キーワード検索」があります。キーワード検索とは、資料のタイトルや内容を表すキーワードを入力して検索する方法です。キーワード検索を効果的に行うためには、適切なキーワードを選ぶことが重要です。例えば、「環境問題」について調べたい場合、「環境問題」というキーワードだけでなく、「地球温暖化」や「持続可能な開発」など、関連するキーワードも入力すると、より多くの資料を検索することができます。

2-4. レファレンスサービスを活用しよう

図書館資料の検索方法がわからない場合や、目的の資料が見つからない場合は、図書館司書に相談してみましょう。図書館司書は、情報検索のプロフェッショナルであり、利用者の情報ニーズに応えるための「レファレンスサービス」を提供しています。レファレンスサービスでは、適切な資料や情報を探すためのアドバイスを受けることができます。

3. レファレンスサービス:利用者のニーズに応える情報提供

3-1. レファレンスサービスとは

レファレンスサービスとは、調べものをする利用者に対して、図書館司書が適切な資料や情報を提供するサービスのことです。図書館には、書籍や雑誌、新聞、視聴覚資料など、膨大な量の資料が所蔵されています。また、インターネット上にも様々な情報が溢れています。これらの情報を効率的に探し出すためには、情報検索のスキルが必要です。レファレンスサービスでは、情報検索のプロフェッショナルである図書館司書が、利用者の情報ニーズに応えるためのサポートを行います。

3-2. レファレンスサービスの流れ

レファレンスサービスを利用するためには、まず図書館のレファレンスカウンターを訪れ、図書館司書に相談します。相談の内容は、調べたいテーマや知りたい情報、必要な資料の種類など、何でも構いません。図書館司書は、利用者の話を丁寧に聞き、ニーズを的確に把握した上で、適切な資料や情報を提供します。また、資料の探し方やデータベースの利用方法など、情報検索に関するアドバイスも行います。

3-3. レファレンスサービスで利用できる資料

レファレンスサービスでは、図書館の蔵書だけでなく、様々な資料や情報源を利用することができます。例えば、百科事典や辞書、年鑑、統計資料、新聞記事データベース、学術論文データベースなどです。図書館司書は、これらの資料の特性や使い方を熟知しており、利用者のニーズに合った資料を的確に選び出すことができます。

3-4. レファレンスサービスの活用方法

レファレンスサービスは、レポートや論文の作成、資格試験の勉強、趣味や教養の学習など、様々な場面で活用することができます。また、図書館によっては、電話やメール、チャットなどによるレファレンスサービスを提供している場合もあります。情報検索で困ったことがあれば、気軽に図書館のレファレンスサービスを利用してみましょう。

4. 図書館資料の管理と収集:選書から保存まで

4-1. 図書館資料の選書

図書館には、毎年多くの新しい書籍や雑誌、視聴覚資料などが出版・発行されます。図書館司書は、これらの資料の中から、その図書館の蔵書方針や利用者のニーズに合った資料を選び出す「選書」を行います。選書にあたっては、資料の内容や評価、利用者の要望、予算などを総合的に考慮する必要があります。また、資料のバランスを保つことも重要です。特定のジャンルに偏ることなく、様々な分野の資料を収集する必要があります。

4-2. 図書館資料の発注と受入

選書した資料は、書店や出版社などに発注します。資料が届いたら、内容を確認し、図書館の蔵書として登録します。登録作業には、分類記号の付与、書誌情報の入力、ラベルの貼付などがあります。また、破損や汚損がないかどうかも確認します。

4-3. 図書館資料の装備

図書館の蔵書として登録した資料は、利用者がスムーズに利用できるように「装備」を行います。装備作業には、ブックカバーの装着、バーコードラベルの貼付、ICタグの取り付けなどがあります。装備が完了した資料は、書架に配架され、利用できるようになります。

4-4. 図書館資料の保存

図書館には、貴重な資料や歴史的価値のある資料が所蔵されている場合もあります。これらの資料を適切に保存することも図書館司書の重要な仕事です。図書館資料の保存にあたっては、温度や湿度、光など、資料の劣化を防ぐための環境を整える必要があります。また、虫害やカビの発生を防ぐための対策も必要です。デジタル化の進展に伴い、図書館資料をデジタルデータとして保存することも増えてきています。

5. デジタル時代の図書館司書:ITスキルと情報リテラシー

5-1. デジタル化が進む図書館

近年、図書館のデジタル化が急速に進んでいます。電子書籍や電子ジャーナルなどのデジタル資料が増加し、OPACやデータベースなどの図書館システムも高度化しています。また、図書館のウェブサイトやソーシャルメディアを通じて、利用者と図書館をつなぐサービスも充実しています。このようなデジタル化の流れに対応するため、図書館司書には、ITスキルと情報リテラシーが求められています。

5-2. 図書館司書に必要なITスキル

図書館司書に必要なITスキルには、以下のようなものがあります。

・コンピュータの基本操作

・ソフトウェアの操作(Word、Excel、PowerPointなど)

・インターネットの利用

・データベースの検索

・図書館システムの操作

・ウェブサイトの管理

・ソーシャルメディアの活用

・プログラミング

5-3. 情報リテラシーとは

情報リテラシーとは、情報を適切に収集、評価、活用する能力のことです。インターネット上には、膨大な量の情報が溢れていますが、その中には誤った情報や信頼性の低い情報も含まれています。情報リテラシーの高い図書館司書は、情報の真偽を見極め、利用者に適切な情報を提供することができます。

5-4. デジタル時代の図書館サービス

デジタル化の進展に伴い、図書館サービスも多様化しています。例えば、電子書籍の貸出し、電子ジャーナルの閲覧、オンラインデータベースの利用、図書館ウェブサイトやソーシャルメディアを通じた情報発信などです。図書館司書は、これらのサービスを積極的に活用し、利用者の情報ニーズに応えることが求められます。

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