タスマニア原生地域とは?世界遺産についての解説

タスマニア原生地域の概要
項目 内容
位置 オーストラリア大陸の南東部にあるタスマニア島
面積 約68,401平方キロメートル(北海道の約80%)
登録基準 自然遺産(vii, viii)、文化遺産(iii, vi)
登録年 1982年(自然遺産)、1989年(文化遺産)
主な特徴 手付かずの自然、固有種を含む生物多様性、タスマニア・アボリジニの文化遺産
アクセス ホバートまたはローンセストンからアクセス可能
観光 ハイキング、トレッキング、野生動物観察、文化体験

1. タスマニア原生地域の特徴とは

要約

1-1. 手付かずの自然と生物多様性

タスマニア原生地域は、オーストラリア大陸の南東に位置するタスマニア島に広がる、手付かずの自然が残された地域です。島の約40%が国立公園や自然保護区に指定されており、その多くが世界遺産に登録されています。タスマニアは、オーストラリア大陸から分離した歴史を持つため、独自の進化を遂げた固有種を含む多様な動植物が生息しています。タスマニアデビルウォンバットカモノハシなど、オーストラリア大陸では見られない珍しい動物が生息していることでも知られています。

タスマニア原生地域は、氷河によって削られた壮大な地形や、太古の植物が生い茂る原生林など、自然の驚異に満ち溢れています。樹齢2000年を超えるマキ科の大常緑樹など、貴重な植物が生息していることも特徴です。

また、タスマニア原生地域には、先住民であるタスマニア・アボリジニの文化遺産も数多く残されています。洞窟には、ステンシル技法で描かれた壁画や石器などが発見されており、古代の人々の生活様式を垣間見ることができます。

タスマニアは、豊かな雨林に囲まれていることから、世界で最も空気が綺麗と言われています。雨水や湖水をそのまま飲めるほど、自然環境が保たれている場所です。

タスマニア原生地域の特徴
特徴 内容
自然 手付かずの自然、多様な動植物
生物 タスマニアデビル、ウォンバット、カモノハシなど
文化 タスマニア・アボリジニの文化遺産
環境 世界で最も空気が綺麗
アクセス ホバートまたはローンセストンからアクセス可能

1-2. タスマニア原生地域の価値

タスマニア原生地域は、その手付かずの自然と生物多様性、そして古代の人々の文化遺産を保護する価値から、1982年にユネスコの世界遺産に登録されました。

登録基準としては、自然遺産の基準である(vii)「顕著な自然美及び美的な重要性を持つ超自然的現象または地域を含むもの」と(viii)「地球史上の主要な段階を示す顕著な例、生命の進化の記録、または重要な地形的、地質学的、地理学的、または地形の特色を示す顕著な例」を満たしています。

さらに、1989年には文化遺産の基準である(iii)「人類の創造性、芸術的、技術的、記念碑的、または景観上の観点から、文化の特定の期間または文化圏を代表する傑出した証であるもの」と(vi)「特定の文化または文明の、または世界における特定の文化圏の、歴史的、芸術的、または文化的観点から、顕著な普遍的価値を持つもの」も満たしているとして、複合遺産に登録されました。

タスマニア原生地域は、自然と文化の両面において、世界的に重要な価値を持つ場所として認められています。

世界遺産登録基準
基準 内容
自然遺産 (vii) 顕著な自然美、(viii) 地球史上の主要な段階
文化遺産 (iii) 文化の特定の期間、(vi) 顕著な普遍的価値

1-3. タスマニア原生地域へのアクセス

タスマニア原生地域へは、タスマニア島の主要都市であるホバートまたはローンセストンからアクセスできます。

ホバートからは、車で約2時間半から3時間ほどでアクセスできます。ローンセストンからは、車で約2時間ほどでアクセスできます。

国立公園内は、シャトルバスが運行されているので、レンタカーがなくてもアクセスできます。ただし、シャトルバスの運行時間は限られているので、事前に確認が必要です。

タスマニア原生地域は、広大なエリアなので、観光には数日間の滞在が必要になります。

アクセス方法
方法 内容
ホバートまたはローンセストンから約2~3時間
シャトルバス 国立公園内を運行、事前確認が必要
滞在 数日間の滞在が必要

1-4. まとめ

タスマニア原生地域は、手付かずの自然と生物多様性、そして古代の人々の文化遺産を保護する価値から、世界遺産に登録された貴重な場所です。

タスマニアデビルやウォンバットなど、オーストラリア大陸では見られない珍しい動物が生息していることや、氷河によって削られた壮大な地形、樹齢2000年を超えるマキ科の大常緑樹など、自然の驚異に満ち溢れています。

また、タスマニア・アボリジニの文化遺産も数多く残されており、洞窟にはステンシル技法で描かれた壁画や石器などが発見されています。

タスマニア原生地域は、自然と文化の両面において、世界的に重要な価値を持つ場所として認められています。

2. 世界遺産に登録された経緯

要約

2-1. 自然遺産としての登録

タスマニア原生地域は、1982年にユネスコの世界遺産に登録されました。当初は、自然遺産として登録されました。

登録された理由は、手付かずの自然が残されていること、そして、その自然の中に多様な動植物が生息していることです。

特に、タスマニアデビルやウォンバットなど、オーストラリア大陸では見られない珍しい動物が生息していることが評価されました。

また、氷河によって削られた壮大な地形や、太古の植物が生い茂る原生林など、自然の驚異に満ち溢れていることも、登録の理由の一つです。

自然遺産登録理由
理由 内容
手付かずの自然 手付かずの自然が残されている
生物多様性 多様な動植物が生息している
地形 氷河によって削られた壮大な地形
植物 太古の植物が生い茂る原生林

2-2. 文化遺産としての登録拡大

1989年には、タスマニア原生地域は、文化遺産としての価値も認められ、複合遺産に登録されました。

登録された理由は、タスマニア・アボリジニの文化遺産が数多く残されていることです。

洞窟には、ステンシル技法で描かれた壁画や石器などが発見されており、古代の人々の生活様式を垣間見ることができます。

これらの文化遺産は、タスマニア・アボリジニの歴史と文化を理解する上で、非常に重要なものです。

文化遺産登録理由
理由 内容
文化遺産 タスマニア・アボリジニの文化遺産
遺物 洞窟の壁画や石器

2-3. 世界遺産としての意義

タスマニア原生地域は、自然と文化の両面において、世界的に重要な価値を持つ場所として認められています。

世界遺産に登録されたことで、タスマニア原生地域は、国際的な保護の対象となり、その価値が広く認識されるようになりました。

また、世界遺産に登録されたことで、タスマニア原生地域への観光客が増加し、地域経済の活性化にも貢献しています。

しかし、観光客の増加は、環境への負荷増加という課題も生み出しています。そのため、持続可能な観光の推進が重要となっています。

世界遺産としての意義
意義 内容
保護 国際的な保護の対象
認識 価値の国際的な認識
観光 観光客増加による地域経済活性化
課題 環境への負荷増加

2-4. まとめ

タスマニア原生地域は、手付かずの自然と生物多様性、そして古代の人々の文化遺産を保護する価値から、1982年にユネスコの世界遺産に登録されました。

当初は自然遺産として登録されましたが、1989年には文化遺産としての価値も認められ、複合遺産に登録されました。

世界遺産に登録されたことで、タスマニア原生地域は、国際的な保護の対象となり、その価値が広く認識されるようになりました。

しかし、観光客の増加は、環境への負荷増加という課題も生み出しています。そのため、持続可能な観光の推進が重要となっています。

3. タスマニアの固有種と生物多様性

要約

3-1. タスマニアデビル

タスマニアデビルは、タスマニア島にのみ生息する、世界で最も小さい肉食性有袋類です。

タスマニアデビルは、その獰猛な外見と、鋭い歯で獲物を食べることから、その名前が付けられました。

かつては、タスマニア島全域に生息していましたが、近年、デビル顔面腫瘍疾患という伝染病の蔓延により、その数は激減しています。

現在では、タスマニアデビルは、絶滅危惧種に指定されており、保護活動が進められています。

タスマニアデビルの特徴
特徴 内容
分類 世界で最も小さい肉食性有袋類
外見 獰猛な外見、鋭い歯
生息地 タスマニア島のみ
現状 デビル顔面腫瘍疾患により激減、絶滅危惧種

3-2. ウォンバット

ウォンバットは、タスマニア島に生息する、オーストラリア固有の有袋類です。

ウォンバットは、ずんぐりとした体格と、短い足が特徴です。

夜行性で、主に草や根などを食べます。

ウォンバットは、タスマニア原生地域では、比較的よく見かけることができます。

ウォンバットの特徴
特徴 内容
分類 オーストラリア固有の有袋類
外見 ずんぐりとした体格、短い足
習性 夜行性、草や根などを食べる
生息地 タスマニア原生地域

3-3. カモノハシ

カモノハシは、タスマニア島に生息する、オーストラリア固有の単孔類です。

カモノハシは、カモのようなクチバシと、水かきのある足を持ち、水中で生活する時間を多く過ごします。

卵を産む哺乳類として知られており、毒を持つことも特徴です。

カモノハシは、タスマニア原生地域では、比較的珍しい動物ですが、運が良ければ見かけることができます。

カモノハシの特徴
特徴 内容
分類 オーストラリア固有の単孔類
外見 カモのようなクチバシ、水かきのある足
習性 水中で生活、卵を産む哺乳類
特徴 毒を持つ

3-4. まとめ

タスマニア原生地域には、タスマニアデビルやウォンバット、カモノハシなど、オーストラリア大陸では見られない珍しい動物が生息しています。

これらの動物は、タスマニア島の独自の生態系を象徴する存在です。

近年、タスマニアデビルは、デビル顔面腫瘍疾患の蔓延により、その数が激減しています。

タスマニアデビルをはじめ、タスマニア島の固有種を守るための保護活動が、ますます重要となっています。

4. タスマニア原生地域の地形と気候

要約

4-1. 氷河地形

タスマニア原生地域は、氷河によって削られた壮大な地形が特徴です。

クレイドルマウンテンセント・クレア湖など、氷河によって形成された湖や山々が数多く存在します。

氷河によって削られた岩肌や、氷河が溶けてできた湖など、氷河時代の痕跡を見ることができます。

これらの地形は、タスマニア原生地域に独特の景観を与えています。

氷河地形の特徴
特徴 内容
地形 氷河によって削られた壮大な地形
クレイドルマウンテン、セント・クレア湖
痕跡 氷河によって削られた岩肌、氷河が溶けてできた湖

4-2. 温帯雨林

タスマニア原生地域には、広大な温帯雨林が広がっています。

温帯雨林は、多様な植物が生息する豊かな生態系です。

樹齢2000年を超えるマキ科の大常緑樹など、貴重な植物が生息しています。

温帯雨林は、タスマニア原生地域に豊かな自然環境を提供しています。

温帯雨林の特徴
特徴 内容
広がり 広大な温帯雨林
生態系 多様な植物が生息する豊かな生態系
植物 樹齢2000年を超えるマキ科の大常緑樹など

4-3. 気候

タスマニアは、日本と同じように、しっかりと四季があります。

春は暖かくて過ごしやすく、夏はマリンスポーツが楽しめ、秋には紅葉を楽しむことができ、冬には雪を見ることができます。

オーストラリア大陸の都市に比べると、夏でも比較的涼しく過ごすことができ、30℃を超える猛暑日は滅多にないです。

そして、冬は氷点下になることはほとんどないのでどの季節も温暖な気候と言えます。

タスマニアの気候
季節 特徴
暖かく過ごしやすい
マリンスポーツが楽しめる
紅葉が楽しめる
雪が見れる
気温 夏は比較的涼しく、冬は氷点下になることはほとんどない

4-4. まとめ

タスマニア原生地域は、氷河によって削られた壮大な地形と、広大な温帯雨林が特徴です。

氷河地形は、タスマニア原生地域に独特の景観を与え、温帯雨林は、豊かな自然環境を提供しています。

タスマニアは、日本と同じように、しっかりと四季があり、温暖な気候です。

タスマニア原生地域は、自然の驚異と、穏やかな気候が楽しめる場所です。

5. 保護活動と持続可能な観光

要約

5-1. 保護活動

タスマニア原生地域は、その手付かずの自然と生物多様性を守るため、様々な保護活動が行われています。

タスマニアデビルは、デビル顔面腫瘍疾患の蔓延により、その数が激減しています。そのため、タスマニアデビルの保護活動が、ますます重要となっています。

タスマニアデビルの保護活動には、病気の予防や治療、生息地の保護などが含まれます。

また、タスマニア原生地域には、ウォンバットカモノハシなど、他の貴重な動物も生息しています。これらの動物の保護活動も、重要な課題となっています。

保護活動
対象 内容
タスマニアデビル デビル顔面腫瘍疾患の蔓延による保護活動
他の動物 ウォンバット、カモノハシなどの保護活動

5-2. 持続可能な観光

タスマニア原生地域は、世界遺産に登録されたことで、観光客が増加しています。

観光客の増加は、地域経済の活性化に貢献する一方で、環境への負荷増加という課題も生み出しています。

そのため、タスマニア原生地域では、持続可能な観光の推進が重要となっています。

持続可能な観光とは、環境への負荷を最小限に抑えながら、地域社会の利益を最大限に引き出す観光のことです。

持続可能な観光
目的 内容
環境負荷 環境への負荷を最小限に抑える
地域利益 地域社会の利益を最大限に引き出す

5-3. 観光客への呼びかけ

タスマニア原生地域を訪れる観光客には、環境保護への意識を高めていただくことが重要です。

ゴミを捨てたり、植物を傷つけたりしないように、マナーを守って行動しましょう。

また、野生動物に近づきすぎたり、餌を与えたりしないようにしましょう。

タスマニア原生地域は、私たち人類にとって貴重な財産です。未来の世代にも、この美しい自然を継承していくために、一人ひとりが責任ある行動を心がけましょう。

観光客への呼びかけ
行動 内容
ゴミ ゴミを捨てない
植物 植物を傷つけない
野生動物 野生動物に近づきすぎない、餌を与えない

5-4. まとめ

タスマニア原生地域は、その手付かずの自然と生物多様性を守るため、様々な保護活動が行われています。

タスマニアデビルやウォンバットなど、貴重な動物の保護活動が、ますます重要となっています。

また、観光客の増加による環境への負荷を最小限に抑えるため、持続可能な観光の推進が重要となっています。

タスマニア原生地域は、私たち人類にとって貴重な財産です。未来の世代にも、この美しい自然を継承していくために、一人ひとりが責任ある行動を心がけましょう。

6. タスマニア原生地域の魅力を満喫する旅行スポット

要約

6-1. クレイドルマウンテン

クレイドルマウンテンは、タスマニア原生地域の中でも最も人気のある観光スポットです。

標高1545mのクレイドル山や、水深167mのセント・クレア湖など、氷河によって形成された壮大な景色を見ることができます。

クレイドルマウンテンには、初心者向けの短いハイキングコースから、上級者向けの長いハイキングコースまで、様々なコースがあります。

ハイキングコースからは、ダブ湖クレーター湖マリオンズ展望台など、様々な絶景を眺めることができます。

クレイドルマウンテンの見どころ
見どころ 内容
地形 氷河によって形成された壮大な景色
ハイキング 初心者から上級者向けのコース
絶景 ダブ湖、クレーター湖、マリオンズ展望台

6-2. フランクリン・ゴードン・ワイルドリバーズ国立公園

フランクリン・ゴードン・ワイルドリバーズ国立公園は、タスマニア原生地域の中でも、最も手付かずの自然が残されている場所です。

フランクリン川ゴードン川など、原生的な川が流れ、豊かな生態系を育んでいます。

国立公園内には、ゴーストタウンアイアン・ブロー展望台など、歴史的な遺構も残されています。

フランクリン・ゴードン・ワイルドリバーズ国立公園は、自然と歴史を同時に楽しめる場所です。

フランクリン・ゴードン・ワイルドリバーズ国立公園の見どころ
見どころ 内容
自然 手付かずの自然、原生的な川
生態系 豊かな生態系
歴史 ゴーストタウン、アイアン・ブロー展望台

6-3. サウスウエスト国立公園

サウスウエスト国立公園は、タスマニア原生地域の中でも、最も広大な国立公園です。

ペダー湖ハートズ・ブッシュウォークなど、見どころが満載です。

サウスウエスト国立公園は、タスマニア原生地域の自然を満喫できる場所です。

国立公園内には、宿泊施設やキャンプ場もあるので、ゆっくりと滞在することができます。

サウスウエスト国立公園の見どころ
見どころ 内容
広さ タスマニア原生地域で最も広大な国立公園
見どころ ペダー湖、ハートズ・ブッシュウォーク
宿泊 宿泊施設やキャンプ場あり

6-4. まとめ

タスマニア原生地域には、クレイドルマウンテン、フランクリン・ゴードン・ワイルドリバーズ国立公園、サウスウエスト国立公園など、様々な観光スポットがあります。

これらの観光スポットは、それぞれ異なる魅力を持っています。

クレイドルマウンテンは、氷河によって形成された壮大な景色を見ることができます。

フランクリン・ゴードン・ワイルドリバーズ国立公園は、手付かずの自然と歴史的な遺構を同時に楽しむことができます。サウスウエスト国立公園は、広大な自然を満喫できる場所です。

参考文献

オーストラリアの世界遺産「タスマニア原生地域」とは …

オーストラリアの世界遺産:タスマニア原生地域 …

タスマニア原生地域 – Wikipedia

世界遺産タスマニア原生地域!オーストラリアの自然豊かな …

タスマニア観光スポット8選!固有の進化を遂げた世界遺産の島 …

タスマニア原生地域 | オーストラリア | 世界遺産オンラインガイド

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