バンディアガラの断崖（ドゴン人の地）とは？世界遺産についての解説

バンディアガラの断崖（ドゴン人の地）の構成要素
項目	内容
地理と由来	断崖の概要、アクセス、地理的特徴
ドゴン人の文化と生活	信仰と伝統、住居と暮らし、文化と現代社会
歴史と遺跡	歴史、遺跡、世界遺産登録
断崖と生態系	生態系、現状、保全
断崖と観光	観光、現状、未来
断崖と地域開発	地域開発、現状、課題

1. バンディアガラの地理と由来
2. ドゴン人の文化と生活
3. バンディアガラの歴史と遺跡
4. バンディアガラの断崖と生態系
5. バンディアガラの断崖と観光
6. バンディアガラの断崖と地域開発

1. バンディアガラの地理と由来

バンディアガラの断崖の概要

バンディアガラの断崖は、マリ共和国の中央部に位置する、標高差500m、幅150kmにわたる壮大な断崖です。この断崖は、1989年にユネスコの世界遺産に登録され、その雄大な自然と、そこに暮らすドゴン族の文化が評価されています。断崖の所々や裾野には、ドゴン族が築いた約700の村落があり、現在も約25万人が伝統的な生活を営んでいます。

ドゴン族は、1300年頃に先住民族であるテラン族を追いやってこの地に定住したとされています。彼らは、外敵から身を守るため、断崖の上下に土で要塞を築き、独自の文化を守りながら生活してきました。ドゴン族の集落は、断崖の中腹や上にも作られており、そこに至るまでの道のりは非常に険しく危険です。

バンディアガラの断崖は、ドゴン族の文化と自然が一体となった、まさに世界遺産にふさわしい場所です。しかし、近年は観光客の増加や都市への人口流出、伝統的な儀式の変化など、様々な課題に直面しています。

バンディアガラの断崖の概要
項目	内容
標高差	500m
幅	150km
登録年	1989年
登録基準	(v)(vii)
村落数	約700
人口	約25万人

バンディアガラの断崖へのアクセス

バンディアガラの断崖は、マリ共和国の首都バマコから約700km離れた場所に位置しています。マリ共和国は公共交通機関が整備されていないため、バマコからは陸路で向かう必要があります。バンディアガラの断崖の近郊都市であるモプティで宿をとることをおすすめします。

バンディアガラの断崖までは、凹凸の激しい道路を進まなければいけないため、四輪駆動車で訪れるのがおすすめです。また、断崖の途中や上にある集落へのアクセスは、険しい道や階段を上り下りする必要があるため、体力と注意が必要です。

バンディアガラの断崖へのアクセス
手段	説明
陸路	バマコから約700km、公共交通機関未整備のため陸路移動
宿泊	モプティで宿をとることを推奨
注意点	凹凸の激しい道路のため四輪駆動車推奨、断崖へのアクセスは険しい道や階段あり

バンディアガラの断崖の地理的特徴

バンディアガラの断崖は、ニジェール川沿いに位置し、標高差500m、幅150kmにわたって広がっています。断崖の周辺には、高原、平原、砂丘、岩壁など、多様な地形が見られます。

断崖は、長い年月をかけて浸食作用によって形成されたもので、西アフリカ独特の景観を呈しています。断崖の周辺には、ドゴン族の伝統医学に用いられる薬用植物が生息しており、固有種のAcridocarpus monodiiも含まれています。

また、ドゴン族の神聖な儀式に関わるオグロスナギツネ、ジャッカル、ワニなどの動物も生息しています。

バンディアガラの断崖の地理的特徴
地形	説明
高原	広大な高原
崖	標高差500mの断崖
平原	断崖の裾野に広がる平原
洞窟	侵食によってできた洞窟
砂丘	砂丘
岩壁	岩壁
植物	薬用植物、固有種Acridocarpus monodii
動物	オグロスナギツネ、ジャッカル、ワニ

まとめ

バンディアガラの断崖は、マリ共和国の中央部に位置する、標高差500m、幅150kmにわたる壮大な断崖です。この断崖は、1989年にユネスコの世界遺産に登録され、その雄大な自然と、そこに暮らすドゴン族の文化が評価されています。

ドゴン族は、1300年頃に先住民族であるテラン族を追いやってこの地に定住したとされています。彼らは、外敵から身を守るため、断崖の上下に土で要塞を築き、独自の文化を守りながら生活してきました。

2. ドゴン人の文化と生活

ドゴン族の信仰と伝統

ドゴン族は、独自の信仰体系を持ち、キリスト教やイスラム教に帰依することなく、その神話を強固に保持し続けてきました。彼らは、アンマと呼ばれる神を信仰しており、村の集会所であるトグナには、彼らの始祖を象った8本の柱が置かれています。

ドゴン族は、仮面を生活の一部として使用しており、家族や秘密結社ごと、もしくは葬祭などの使用目的によって様々なタイプを使い分けています。その数はなんと90種類にも及ぶそうです。

ドゴン族の象徴ともいえる仮面は、部族内で安定した関係を保つために顔を隠した者同士が対話を行う仮面結社と呼ばれる秘密結社で使用されています。また、60年に一度開催されるシギの祭りでも、仮面が活躍します。

シギの祭りは、バンディアガラの断崖にある村を全て順に周っていくため、なんと7年間かけて行われる祭りです。ドゴン族の文化を象徴する仮面は、彼らの生活に深く根ざしており、彼らの信仰や伝統を物語っています。

ドゴン族の信仰と伝統
項目	内容
信仰	アンマと呼ばれる神を信仰
集会所	トグナと呼ばれる集会所
始祖	トグナには始祖を象った8本の柱
仮面	家族や秘密結社ごとに様々なタイプを使用、約90種類
仮面結社	部族内で安定した関係を保つための秘密結社
祭り	60年に一度開催されるシギの祭り

ドゴン族の住居と暮らし

ドゴン族の住居は、土レンガを積み上げ、さらに土で表面をならした長方形の建物です。住居には、人が通り抜けるのにぴったりなサイズの出入り口と、およそ50㎝四方の窓が複数ついています。

住居の内部は、木の棒で仕切られており、外壁には動物の骨などが塗り込まれています。そして、最も特徴的なのは、わらで作られたとんがり帽子のような屋根です。

ドゴン族は、穀物倉庫や2階建ての住宅など、様々なタイプの建物を築き、断崖の下だけでなく、途中や上にも住居を建てています。彼らの住居は、周囲の環境に調和し、彼らの生活様式を反映した、ユニークな建築物です。

ドゴン族の住居と暮らし
項目	内容
素材	土レンガ、土、わら
構造	長方形、出入り口、窓、木の棒で仕切り、とんがり帽子のような屋根
種類	穀物倉庫、2階建ての住宅
特徴	窓がない、彫刻が設置される傾向、環境に調和した建築

ドゴン族の文化と現代社会

ドゴン族は、長い歴史の中で、独自の文化を守りながら生活してきましたが、近年は観光客の増加や都市への人口流出、伝統的な儀式の変化など、様々な課題に直面しています。

観光客の増加は、ドゴン族の生活に大きな影響を与えています。観光収入を得る手段として、伝統的な儀式や文化が商品化される傾向があり、ドゴン族の文化が本来の姿を失ってしまう可能性も懸念されています。

また、都市への人口流出も、ドゴン族の伝統文化の継承を脅かしています。若い世代が都市部へ移住することで、伝統的な知識や技術が失われていく可能性があります。

ドゴン族の文化と現代社会
課題	説明
観光客増加	伝統的な儀式や文化の商品化、本来の姿を失う可能性
都市への人口流出	伝統的な知識や技術の消失
伝統的な儀式の変化	観光客の影響による変化

まとめ

ドゴン族は、独自の信仰体系を持ち、キリスト教やイスラム教に帰依することなく、その神話を強固に保持し続けてきました。彼らは、アンマと呼ばれる神を信仰しており、村の集会所であるトグナには、彼らの始祖を象った8本の柱が置かれています。

3. バンディアガラの歴史と遺跡

バンディアガラの断崖の歴史

バンディアガラの断崖は、古くから人々が住んでいた場所です。旧石器時代から人々が住んできた土地でしたが、15世紀頃に奴隷狩りなどの侵略者から逃れるため、ドゴン族という民族がこの地に住み着き、今でも約25万人の人々が伝統的な暮らしを維持しつつ暮らしています。

ドゴン族が定住する以前は、テラン族が居住していましたが、ドゴン族の流入によって追い出されました。ドゴン族は、独自の文化を持ち、キリスト教やイスラム教に帰依することなく、その神話を強固に保持し続けてきました。

ドゴン族は、断崖の所々や裾野に、外敵から身を守るための土の要塞を築き、独自の文化を守りながら生活してきました。彼らの文化は、長い歴史の中で、ほとんど変化することなく守られてきました。

バンディアガラの断崖の歴史
時代	内容
旧石器時代	人々が住んでいた
15世紀頃	ドゴン族が定住
現在	約25万人が伝統的な暮らし
以前	テラン族が居住
ドゴン族の流入	テラン族を追い出し定住
文化	独自の文化を保持、キリスト教やイスラム教に帰依せず
要塞	外敵から身を守るため土の要塞を築く

バンディアガラの断崖の遺跡

バンディアガラの断崖には、ドゴン族の文化を伝える様々な遺跡が残されています。断崖の所々には、ドゴン族が築いた土の要塞や、彼らの神話を基にした社や墓地があります。

ドゴン族の集落は、穀物倉庫や2階建ての住宅など、様々なタイプの建物で構成されています。住居は、窓がないものの、男女のキャラクターをモチーフにした彫刻が設置される傾向があり、木製の棒を屋根の下に差し込むという構造となっています。

また、断崖には、ドゴン族が描いた岩絵も残されています。岩絵には、動物や人間の姿が描かれており、彼らの信仰や生活の様子が伺えます。

バンディアガラの断崖の遺跡
遺跡	説明
土の要塞	外敵から身を守るため
社	ドゴン族の神話を基にした社
墓地	ドゴン族の神話を基にした墓地
穀物倉庫	穀物を貯蔵するための建物
2階建ての住宅	ドゴン族の住居
彫刻	男女のキャラクターをモチーフにした彫刻
岩絵	動物や人間の姿が描かれている

バンディアガラの断崖と世界遺産

バンディアガラの断崖は、1989年にユネスコの世界遺産に登録されました。登録基準は、(v) ドゴン族の居住区は、断崖が多いエリアという厳しい環境の中に位置しながら、自然と調和しながら伝統的な信仰を表した例であるものの、グローバル化によって遺産が危機にさらされているという点。

(vii) 浸食作用によって崖と岩が並ぶという西アフリカ独特の景観で構成されていて、ここにはドゴン族が薬草として使用する固有植物などが見られるものの、干ばつや伐採によって徐々に減ってきています。そして、ドゴン族が神聖視してきたオグロスナギツネやジャッカル、クロコダイルなども生息しているということ。

バンディアガラの断崖は、荒野に住むドゴン族によって彼ら独自の信仰を守りながら暮らしが続けられ、薬草や彼らが神聖視する動物なども見られるという点で評価されています。

バンディアガラの断崖と世界遺産
登録基準	内容
(v)	ドゴン族の居住区は、断崖が多いエリアという厳しい環境の中に位置しながら、自然と調和しながら伝統的な信仰を表した例であるものの、グローバル化によって遺産が危機にさらされているという点
(vii)	浸食作用によって崖と岩が並ぶという西アフリカ独特の景観で構成されていて、ここにはドゴン族が薬草として使用する固有植物などが見られるものの、干ばつや伐採によって徐々に減ってきています。そして、ドゴン族が神聖視してきたオグロスナギツネやジャッカル、クロコダイルなども生息しているということ

まとめ

ドゴン族は、独自の文化を持ち、キリスト教やイスラム教に帰依することなく、その神話を強固に保持し続けてきました。彼らは、断崖の所々や裾野に、外敵から身を守るための土の要塞を築き、独自の文化を守りながら生活してきました。

4. バンディアガラの断崖と生態系

バンディアガラの断崖の生態系

バンディアガラの断崖は、自然も豊かであり、高原、崖、平野および侵食による洞窟、砂丘、岩壁など多様な地形がある。ドゴン族の伝統医学に用いられる薬用植物でバンディアガラの断崖にしか生息していない固有種のAcridocarpus monodiiが生えているほか、ドゴン族の神聖な儀式に関わるオグロスナギツネ、ジャッカル、ワニも生息している。

バンディアガラの断崖の生態系
地形	説明
高原	広大な高原
崖	標高差500mの断崖
平原	断崖の裾野に広がる平原
洞窟	侵食によってできた洞窟
砂丘	砂丘
岩壁	岩壁
植物	薬用植物、固有種Acridocarpus monodii
動物	オグロスナギツネ、ジャッカル、ワニ

バンディアガラの断崖の生態系の現状

バンディアガラの断崖の生態系は、近年、干ばつや伐採などの影響を受けています。特に、ドゴン族が薬草として使用する固有種のAcridocarpus monodiiは、その生息数が減少しています。

また、ドゴン族が神聖視してきたオグロスナギツネ、ジャッカル、ワニなどの動物も、生息地の減少や狩猟によって、その数が減っています。

バンディアガラの断崖の生態系は、ドゴン族の文化と密接に関係しており、その保護は、ドゴン族の文化の継承にとっても重要です。

バンディアガラの断崖の生態系の現状
問題	説明
干ばつ	生態系への影響
伐採	生態系への影響
生息数減少	Acridocarpus monodii、オグロスナギツネ、ジャッカル、ワニ

バンディアガラの断崖の生態系の保全

バンディアガラの断崖の生態系を保全するためには、干ばつ対策や森林伐採の抑制、野生動物の保護など、様々な取り組みが必要です。

また、ドゴン族の伝統的な知識や技術を活かした、持続可能な利用方法を開発することも重要です。

バンディアガラの断崖の生態系は、ドゴン族の文化と自然が一体となった、貴重な遺産です。その保護は、未来の世代にこの遺産を継承していくために不可欠です。

バンディアガラの断崖の生態系の保全
対策	説明
干ばつ対策	生態系保護
森林伐採抑制	生態系保護
野生動物保護	生態系保護
持続可能な利用	伝統的な知識や技術を活用

まとめ

バンディアガラの断崖の生態系を保全するためには、干ばつ対策や森林伐採の抑制、野生動物の保護など、様々な取り組みが必要です。

5. バンディアガラの断崖と観光

バンディアガラの断崖の観光

バンディアガラの断崖は、世界遺産に登録されていることから、多くの観光客が訪れます。観光客は、断崖の壮大な景色や、ドゴン族の伝統的な文化に触れることができます。

断崖の周辺には、ドゴン族の集落や、彼らの文化を伝える博物館があります。また、ドゴン族の伝統的な儀式や祭りを見学することもできます。

バンディアガラの断崖は、自然と文化が一体となった、魅力的な観光地です。しかし、観光客の増加は、ドゴン族の生活に大きな影響を与えています。

バンディアガラの断崖の観光
観光ポイント	説明
断崖の景色	壮大な景色
ドゴン族の文化	伝統的な文化に触れる
集落	ドゴン族の集落
博物館	ドゴン族の文化を伝える博物館
儀式	伝統的な儀式
祭り	伝統的な祭り

バンディアガラの断崖の観光の現状

近年、バンディアガラの断崖への観光客は増加傾向にあります。観光客は、断崖の壮大な景色や、ドゴン族の伝統的な文化に触れることができます。

しかし、観光客の増加は、ドゴン族の生活に大きな影響を与えています。観光収入を得る手段として、伝統的な儀式や文化が商品化される傾向があり、ドゴン族の文化が本来の姿を失ってしまう可能性も懸念されています。

また、観光客の増加は、環境問題にもつながっています。ゴミ問題や、観光客による騒音などが発生し、ドゴン族の生活環境を悪化させています。

バンディアガラの断崖の観光の現状
問題	説明
観光客増加	ドゴン族の生活への影響、伝統的な文化の商品化
環境問題	ゴミ問題、騒音問題

バンディアガラの断崖の観光の未来

バンディアガラの断崖の観光は、ドゴン族の文化と自然を保護しながら、持続可能な観光を目指していく必要があります。

そのためには、観光客の増加を抑制し、環境への影響を最小限に抑える必要があります。また、ドゴン族の文化を尊重し、彼らの生活に配慮した観光のあり方を模索していく必要があります。

バンディアガラの断崖は、ドゴン族の文化と自然が一体となった、貴重な遺産です。その保護は、未来の世代にこの遺産を継承していくために不可欠です。

バンディアガラの断崖の観光の未来
目標	説明
持続可能な観光	ドゴン族の文化と自然を保護
観光客増加抑制	環境への影響を最小限に
ドゴン族の文化尊重	彼らの生活に配慮した観光
環境保護	ゴミ問題、騒音問題の対策

まとめ

バンディアガラの断崖の観光は、ドゴン族の文化と自然を保護しながら、持続可能な観光を目指していく必要があります。

6. バンディアガラの断崖と地域開発

バンディアガラの断崖の地域開発

バンディアガラの断崖は、世界遺産に登録されていることから、地域開発の対象となっています。地域開発は、観光業の振興や、ドゴン族の生活水準の向上を目指しています。

しかし、地域開発は、ドゴン族の伝統文化や自然環境に悪影響を及ぼす可能性も懸念されています。観光客の増加は、ドゴン族の生活に大きな影響を与え、伝統的な文化が失われていく可能性があります。

また、地域開発によって、自然環境が破壊される可能性もあります。例えば、道路建設やホテル建設によって、森林が伐採され、野生動物の生息地が失われてしまう可能性があります。

バンディアガラの断崖の地域開発
目的	説明
観光業振興	観光客誘致
生活水準向上	ドゴン族の生活水準向上
課題	伝統文化や自然環境への悪影響

バンディアガラの断崖の地域開発の現状

バンディアガラの断崖の地域開発は、観光業の振興を中心に進められています。観光客向けのホテルやレストランが建設され、観光ルートも整備されています。

バンディアガラの断崖の地域開発の現状
内容	説明
観光業振興	ホテルやレストラン建設、観光ルート整備
課題	ドゴン族の生活への影響、伝統的な文化の消失、自然環境の破壊