項目 | 内容 |
---|---|
投資対象 | 主に中期利付国債 |
運用方法 | 日々決算型 |
手数料 | 購入時手数料・解約手数料は不要 |
信託期間 | 無制限 |
販売会社 | 2016年以降、日本で取り扱う運用会社はなし |
1. 中期国債ファンドとは
中期国債ファンドの概要
中期国債ファンドとは、主に中期利付国債に投資する公社債投資信託の一種です。元本割れしないことを重視した運用が行なわれるため、安全性が高いとされています。運用収益については全額が収益分配金として日々計上され、毎月末に収益分配金に対する税金を差し引いたうえ、再投資(元本組入れ)される1ヵ月複利の運用が行なわれます。
中期国債ファンドは、買付けと解約が自由にでき、解約代金については通常申込日の翌日に受け取ることができ、また、キャッシング(即日引き出し)も利用できるため、投資信託の中では最も流動性が高い商品の一つと言えます。中期国債ファンドは、設定後30日経過後であれば、手数料なしで解約ができます。
公社債投資信託とは、約款において株式には投資しない旨が記載されている投資信託のことで、中期国債ファンドのほかには、長期公社債投信、フリーファイナンシャルファンド、キャッシュ・リザーブ・ファンド、マネーリザーブファンド、MMFがあります。
中期国債ファンドが投資対象とする中期国債とは、政府が発行する債券(国債)のうち、満期までの期間が2年から5年のものをいいます。国債ですから、国が元利保証しています。なお、国債は満期までの期間が10年以上のものを長期国債、1年未満のものを短期国債といいます。
項目 | 内容 |
---|---|
投資対象 | 主に中期利付国債 |
運用方法 | 日々決算型 |
手数料 | 購入時手数料・解約手数料は不要 |
信託期間 | 無制限 |
販売会社 | 2016年以降、日本で取り扱う運用会社はなし |
中期国債ファンドの歴史
中期国債ファンドは、1980年1月4日に発売されました。これは、新井将敬の尽力によるところが大きく、従来は発売が認められていませんでしたが、規制緩和により証券会社にも念願の貯蓄商品が誕生することとなりました。
1980年代からは山一證券をはじめ各社が、それまで証券会社に馴染みの薄かった一般客への浸透を図るため、盛んにテレビCMへ出稿しました。
2001年4月からは、MMFと同様に、直前1週間の「実績分配率」を掲示し、実績に応じて分配金を支払う方式に変更されました。これに伴いMMFと商品上の格差を見出す事が難しくなったほか、運用上の制約もMMFより多いため、MMFに統合して中期国債ファンドを廃止する運用会社が増えました。
2016年以降、日本銀行がマイナス金利政策を始めたこともあり、日本で取り扱う運用会社はなくなりました。
時期 | 内容 |
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1980年1月4日 | 発売開始 |
1980年代 | 証券会社によるテレビCM放映 |
2001年4月 | 実績分配率による分配方式に変更 |
2016年以降 | 日本で取り扱う運用会社はなし |
中期国債ファンドの名称
中期国債ファンドは、略して「中国(ちゅうこく)ファンド」と呼ばれることもあります。これは、中期国債ファンドが日本の中期国債で運用するファンドであることから、中国(中華人民共和国)との関連を連想させるためです。
しかし、1989年の天安門事件発生に際し、中国関連商品と錯誤して不安から解約する者もみられたことから、注意が必要です。
昨今の中華人民共和国の急速な経済成長と国際社会における台頭に伴い、中国企業や中国政府系の投資ファンドを「中国(ちゅうごく)ファンド」と呼ぶ用例もみられ、日本国内のマスメディアなどは中国企業や政府系の投資ファンドを「中国系ファンド」とも称しています。
中国の株式などを運用対象とする日本の投資信託商品は「中国株式ファンド」「チャイナ・ファンド」などの名称を用いるため、混同しないように注意が必要です。
名称 | 説明 |
---|---|
中国ファンド | 中期国債ファンドの略称 |
中国系ファンド | 中国企業や政府系の投資ファンドを指す場合もある |
まとめ
中期国債ファンドは、元本割れリスクが低く、流動性が高いことから、安全性重視の投資家にとって魅力的な商品でした。しかし、2016年以降、日本で取り扱う運用会社はなくなっています。
中期国債ファンドは、かつては「中国ファンド」と呼ばれていましたが、中国(中華人民共和国)とは関係ありません。
現在では、中期国債ファンドは存在しませんが、国債は依然として安全性の高い投資対象として人気があります。
国債への投資を検討する際は、投資目的やリスク許容度などを考慮し、適切な投資判断を行うことが重要です。
2. 中期国債ファンドの特徴
投資対象
中期国債ファンドは、主に中期利付国債に投資します。中期利付国債とは、政府が発行する債券(国債)のうち、満期までの期間が2年から5年のものをいいます。
国債は、国が元利保証しているため、安全性が高いとされています。
中期国債ファンドは、株式には投資しないため、株価の変動リスクの影響を受けにくいという特徴があります。
ただし、国債の価格も金利の変動によって影響を受けるため、金利上昇時には価格が下落する可能性があります。
種類 | 説明 |
---|---|
中期利付国債 | 満期までの期間が2年から5年の国債 |
株式 | 投資対象外 |
運用方法
中期国債ファンドは、日々決算型の公社債投資信託です。
運用収益は、日々計上され、毎月末に収益分配金に対する税金を差し引いたうえ、再投資されます。
そのため、投資家は、毎月の分配金を受け取るだけでなく、複利効果による資産の増加も期待できます。
ただし、分配金は、運用状況によって変動するため、安定した収入源とはなりません。
項目 | 内容 |
---|---|
決算 | 日々決算 |
分配金 | 毎月末に再投資 |
運用 | 1ヵ月複利 |
手数料
中期国債ファンドは、購入時の手数料が不要で、信託期間は自由です。
また、30日以上経過すれば、解約手数料もかかりません。
ただし、30日未満の早期解約の場合、信託財産留保額を差し引かれます。
信託財産留保額とは、換金に伴い必要となる費用等を賄うため、換金代金から控除され、信託財産に繰入れられるものです。
項目 | 内容 |
---|---|
購入時手数料 | 不要 |
解約手数料 | 30日以上経過後であれば不要 |
信託財産留保額 | 30日未満の早期解約時に控除 |
まとめ
中期国債ファンドは、中期利付国債に投資する公社債投資信託で、元本割れリスクが低く、流動性が高いという特徴があります。
日々決算型で、毎月の分配金を受け取ることができ、複利効果による資産の増加も期待できます。
購入時手数料や解約手数料が不要で、信託期間も自由であるため、手軽に始められる投資商品です。
ただし、分配金は運用状況によって変動し、金利上昇時には価格が下落する可能性がある点には注意が必要です。
3. 中期国債ファンドの運用方法
購入方法
中期国債ファンドは、銀行や証券会社などで購入できます。
購入する際は、投資信託説明書(交付目論見書)をよく読み、投資内容やリスクなどを理解した上で、投資判断を行う必要があります。
投資信託説明書(交付目論見書)には、運用会社、投資対象、手数料、リスクなど、投資信託に関する重要な情報が記載されています。
投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよく理解した上で、投資判断を行うことが重要です。
場所 | 説明 |
---|---|
銀行 | 購入可能 |
証券会社 | 購入可能 |
運用期間
中期国債ファンドは、信託期間が自由です。
そのため、短期的な投資から長期的な投資まで、投資家の目的に合わせて運用期間を設定できます。
ただし、運用期間が短いと、金利変動の影響を受けやすくなるため、注意が必要です。
中期的な投資を検討する場合は、金利変動リスクを考慮した上で、運用期間を設定することが重要です。
期間 | 説明 |
---|---|
信託期間 | 自由 |
解約方法
中期国債ファンドは、解約が自由にできます。
解約を希望する場合は、販売会社に解約の手続きを行います。
解約代金は、通常、解約申込日の翌日に受け取ることができます。
ただし、30日未満の早期解約の場合、信託財産留保額を差し引かれます。
方法 | 説明 |
---|---|
解約 | 自由に可能 |
解約代金受取 | 通常、解約申込日の翌日に受け取れる |
信託財産留保額 | 30日未満の早期解約時に控除 |
まとめ
中期国債ファンドは、銀行や証券会社などで購入できます。
投資信託説明書(交付目論見書)をよく読み、投資内容やリスクなどを理解した上で、投資判断を行う必要があります。
信託期間は自由で、解約も自由にできます。
ただし、運用期間が短いと、金利変動の影響を受けやすくなるため、注意が必要です。
4. 中期国債ファンドの運用上の注意点
金利変動リスク
中期国債ファンドは、金利変動リスクがあります。
金利が上昇すると、国債の価格は下落するため、中期国債ファンドの基準価額も下落する可能性があります。
そのため、金利上昇時には、元本割れのリスクがあります。
金利変動リスクを回避するためには、長期保有することが有効です。
状況 | 影響 |
---|---|
金利上昇 | 国債価格下落 |
金利変動 | 元本割れリスク |
インフレリスク
中期国債ファンドは、インフレリスクがあります。
インフレが進行すると、物価が上昇し、実質的な利回りが低下する可能性があります。
そのため、インフレが懸念される場合は、インフレヘッジとなる資産への投資も検討する必要があります。
インフレヘッジとなる資産には、不動産や株式などがあります。
状況 | 影響 |
---|---|
インフレ進行 | 実質利回り低下 |
対策 | インフレヘッジとなる資産への投資 |
信用リスク
中期国債ファンドは、信用リスクがあります。
国債は、政府が発行する債券であるため、信用リスクは低いとされています。
しかし、政府の財政状況が悪化したり、国債の発行額が増加したりすると、信用リスクが高まる可能性があります。
信用リスクを回避するためには、政府の財政状況や国債の発行額などを注視することが重要です。
状況 | 影響 |
---|---|
政府の財政状況悪化 | 信用リスク上昇 |
対策 | 政府の財政状況や国債の発行額などを注視 |
まとめ
中期国債ファンドは、金利変動リスク、インフレリスク、信用リスクなどのリスクがあります。
これらのリスクを理解した上で、投資判断を行う必要があります。
リスクを回避するためには、長期保有、インフレヘッジ、政府の財政状況などを注視することが重要です。
投資を行う前に、投資信託説明書(交付目論見書)をよく読み、リスクなどを理解した上で、投資判断を行うことが重要です。
5. 中期国債ファンドのメリットとデメリット
メリット
中期国債ファンドのメリットは、安全性が高いことです。
国債は、政府が発行する債券であるため、信用リスクが低く、元本割れのリスクも低いとされています。
また、中期国債ファンドは、流動性が高く、解約が自由にできます。
そのため、短期的な資金が必要になった場合でも、すぐに換金することができます。
項目 | 説明 |
---|---|
安全性 | 国債は政府が発行するため、信用リスクが低い |
流動性 | 解約が自由にできるため、換金しやすい |
デメリット
中期国債ファンドのデメリットは、利回りが低いことです。
国債は、安全性が高い代わりに、利回りが低い傾向があります。
そのため、高いリターンを求める投資家には適していません。
また、金利上昇時には、国債の価格が下落するため、元本割れのリスクがあります。
項目 | 説明 |
---|---|
利回り | 国債は安全性が高い代わりに、利回りが低い |
金利変動リスク | 金利上昇時には、国債の価格が下落する可能性がある |
中期国債ファンドの適性
中期国債ファンドは、安全性重視の投資家や、短期的な資金が必要になる可能性のある投資家に適しています。
ただし、高いリターンを求める投資家には適していません。
投資を行う前に、投資信託説明書(交付目論見書)をよく読み、リスクなどを理解した上で、投資判断を行うことが重要です。
投資は自己責任で行うようにしましょう。
投資家 | 説明 |
---|---|
安全性重視の投資家 | 適している |
短期的な資金が必要になる可能性のある投資家 | 適している |
高いリターンを求める投資家 | 適していない |
まとめ
中期国債ファンドは、安全性が高いというメリットがありますが、利回りが低いというデメリットがあります。
そのため、安全性重視の投資家や、短期的な資金が必要になる可能性のある投資家に適しています。
投資を行う前に、投資信託説明書(交付目論見書)をよく読み、リスクなどを理解した上で、投資判断を行うことが重要です。
投資は自己責任で行うようにしましょう。
6. 中期国債ファンドの今後の展望
金利上昇の可能性
日本銀行は、長らく低金利政策を続けてきましたが、近年は、金利上昇の可能性が指摘されています。
金利が上昇すると、国債の価格は下落するため、中期国債ファンドの基準価額も下落する可能性があります。
そのため、金利上昇時には、元本割れのリスクがあります。
金利上昇の可能性を考慮し、投資判断を行う必要があります。
状況 | 影響 |
---|---|
金利上昇 | 国債価格下落 |
対策 | 金利上昇の可能性を考慮し、投資判断を行う |
インフレの可能性
日本は、長らくデフレが続いてきましたが、近年は、インフレの可能性が指摘されています。
インフレが進行すると、物価が上昇し、実質的な利回りが低下する可能性があります。
そのため、インフレが懸念される場合は、インフレヘッジとなる資産への投資も検討する必要があります。
インフレヘッジとなる資産には、不動産や株式などがあります。
状況 | 影響 |
---|---|
インフレ進行 | 実質利回り低下 |
対策 | インフレヘッジとなる資産への投資 |
運用会社の動向
2016年以降、日本で取り扱う運用会社はなくなりました。
今後、新たな運用会社が登場する可能性は低いと考えられます。
そのため、中期国債ファンドへの投資は、今後難しくなる可能性があります。
国債への投資を検討する場合は、他の投資信託や債券などを検討する必要があるでしょう。
状況 | 影響 |
---|---|
運用会社減少 | 中期国債ファンドへの投資が難しくなる可能性 |
対策 | 他の投資信託や債券などを検討 |
まとめ
中期国債ファンドは、金利上昇やインフレなどのリスクがあるため、今後の展望は不透明です。
投資を行う前に、投資信託説明書(交付目論見書)をよく読み、リスクなどを理解した上で、投資判断を行うことが重要です。
投資は自己責任で行うようにしましょう。
国債への投資を検討する場合は、他の投資信託や債券などを検討する必要があるでしょう。
参考文献
・中期国債ファンド(中国ファンド)とは|金融商品ガイド|iFinance
・中期国債ファンドとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書
・安全性が高い「中期国債ファンド」とは [国債・債券] All About
・わかりやすい用語集 解説:中期国債ファンド(ちゅうきこ …
・投資用語「中期国債ファンド」の意味やヤバい危険なリスクを …
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