リターン | リスク |
---|---|
キャピタルゲイン | 価格変動リスク |
インカムゲイン | 信用リスク |
実現リターン | 流動性リスク |
未実現リターン | 為替変動リスク |
年率リターン | 金利変動リスク |
年率平均リターン | カントリーリスク |
累積リターン | その他リスク |
1. リターンの定義と種類
リターンの定義
リターンとは、投資によって得られる利益や収益のことです。金融において、リターンは投資した資金に対する収益率を指し、通常はパーセンテージで表されます。例えば、株式や債券、不動産などに投資した場合、その価値の上昇や配当、利息などがリターンにあたります。リターンは、投資の目的を達成するための主要な指標となり、投資家はリスクを考慮しながら望ましいリターンを追求します。
リターンには、実現した利益(実現リターン)と、紙上での価値変動による未実現の利益(未実現リターン)の二種類があります。投資の評価や比較を行う際には、リターンを考慮することが不可欠です。
種類 | 説明 |
---|---|
キャピタルゲイン | 資産売却による利益 |
インカムゲイン | 資産保有による利益 |
リターンの種類
リターンには、大きく分けてキャピタルゲインとインカムゲインの2種類があります。
キャピタルゲインとは、資産の売却によって得られる利益のことです。株式投資で株価が上昇した際に売却することで得られる利益や、不動産投資で物件価格が上昇した際に売却することで得られる利益などが、キャピタルゲインに該当します。
インカムゲインとは、資産を保有することで得られる利益のことです。株式投資で受け取る配当金や、不動産投資で得られる家賃収入などが、インカムゲインに該当します。
投資信託の場合、分配金もインカムゲインに含まれます。分配金には、投資信託の利益から支払われる「普通分配金」と、利益が出ていない場合に元本を切り崩して支払われる「元本払戻金」の2種類があります。
リターンの重要性
投資で成果を得るためには、投資目的を明確にする必要があり、その際、ターゲットにする投資リターンを決めなければならない。
例えば長期運用を基本とする場合、値上がりを目指すキャピタルゲインよりも、配当金で定期的に利益を得て、再投資するほうが適している。キャピタルゲインを得るために売却するのは、ポートフォリオを見直すときやリバランスを実施するときである。
このように、運用スタイルを決めるためにも、投資リターンを知ることが重要である。
まとめ
リターンは投資によって得られる利益や収益のことです。金融においては、投資した資金に対する収益率を指し、通常はパーセンテージで表されます。
リターンには、実現した利益(実現リターン)と、紙上での価値変動による未実現の利益(未実現リターン)の二種類があります。
リターンには、キャピタルゲインとインカムゲインの2種類があります。キャピタルゲインは資産の売却によって得られる利益、インカムゲインは資産を保有することで得られる利益です。
投資で成果を得るためには、投資目的を明確にする必要があり、その際、ターゲットにする投資リターンを決めなければならない。
2. リターンの計算方法
年率リターン
投資リターンを評価するには、投資リターンを数値化し、比較するとわかりやすい。
投資リターンを比較する際に用いられるのが、年率リターンです。年率リターンは、1年間の投資額に対する利益の割合で、数値が高いほど効率的に運用していることになる。
年率リターン = 年間利益額÷年間投資額×100
例えば、年初に1万円で株式を購入し、500円の配当金を一度受け取り、年末に11000円で売却したとする。この場合の年間リターンは、インカムゲイン 500円 キャピタルゲイン 1000円 を合計した1500円となる。年間の投資額は1万円なので、年率リターンは、1500円÷1万円×100=15% となる。
項目 | 計算式 |
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年率リターン | 年間利益額 ÷ 年間投資額 × 100 |
年率平均リターン
年率平均リターンは、一定期間の年率リターンを年換算したものです。個別株や投資信託の価格は日々値動きしており、年単位ではなく中長期的に比較したい場合に年率平均リターンを用いる。
例えば、1万円で株式を購入し、500円の配当金を年1回受け取り、10年後に15000円で売却したとする。この場合のトータルリターンは、インカムゲイン 5000円 キャピタルゲイン 5000円 を合計した1万円となる。
年率平均リターンは、(1万円÷1万円)÷10年×100=10% となる。
年率リターンの場合、極端に値上がりした年の数値が高くなってしまい、評価を誤る可能性がある。年率平均リターンで比較すれば、中長期的な評価と比較が可能となる。
項目 | 計算式 |
---|---|
年率平均リターン | (トータルリターン ÷ 元本) ÷ 運用期間 × 100 |
累積リターン
累積リターンは、月間騰落率をもとに一定期間のリターンを数値化したものである。月間騰落率は、分配金を加えた基準価額の変化率のことである。
例えば、ある投資信託の月間騰落率が以下のようであったとする。
月 | 騰落率\n— | —\n1月 | 1.1%\n2月 | 0.5%\n3月 | -0.3%\n4月 | -0.5%\n5月 | 0.3%\n6月 | 0%\n7月 | 0.2%\n8月 | 0.7%\n9月 | 0.7%\n10月 | 0.5%\n11月 | 0.3%\n12月 | 0.1%
上記のような月間騰落率を掛け、1年間の累積リターンを求めると、{(1.1×1.05×0.97×0.95×1.03×1×1.02×1.07×1.07×1.05×1.03×1.01)-1}×100 ≒39.84% となる。税金や手数料などのコストは考慮されていないが、比較する際に有効活用できる指標のひとつである。
項目 | 計算式 |
---|---|
累積リターン | {(1 + 月間騰落率1) × (1 + 月間騰落率2) × … × (1 + 月間騰落率12)} – 1 × 100 |
まとめ
投資リターンを評価するには、投資リターンを数値化し、比較するとわかりやすい。
投資リターンを比較する際に用いられるのが、年率リターンです。年率リターンは、1年間の投資額に対する利益の割合で、数値が高いほど効率的に運用していることになる。
年率平均リターンは、一定期間の年率リターンを年換算したものです。個別株や投資信託の価格は日々値動きしており、年単位ではなく中長期的に比較したい場合に年率平均リターンを用いる。
累積リターンは、月間騰落率をもとに一定期間のリターンを数値化したものです。月間騰落率は、分配金を加えた基準価額の変化率のことである。
3. リターンとリスクの関係性
リスクの定義
リスクは一般的に「危険」という意味で使われる。生命保険や自動車保険などの保険分野ではこの意味だ。しかし、金融では「振れ幅」という意味で用いられる。
リスクが高い商品は、大きく値下がりすることもあれば、値上がりすることもある。リスクが高ければ大きなリターンを期待できる反面、大きく損することもある。一方、リスクが低ければ、利益も損失も小さい。
この振れ幅が金融におけるリスクであり、利点・利益の意味も含まれる。
リスクとリターンの関係性
一般的に、高いリターンが期待される資産はリスクも大きく、反対にリスクが小さい資産は期待されるリターンも低くなる傾向があります。
これは、リスクの高い資産は、価格変動が大きく、大きく値上がりする可能性もあれば、大きく値下がりする可能性もあるからです。
一方、リスクの小さい資産は、価格変動が小さく、安定した収益が見込める一方で、大きなリターンを期待することは難しいです。
投資家は、自分のリスク許容度に合わせて、リスクとリターンのバランスを考慮して投資を行う必要があります。
リスク | リターン |
---|---|
高い | 高い |
低い | 低い |
リスクの測定
リスクは一般的に「標準偏差」を使って算出する。標準偏差は、平均との差であるブレを数値化したもので、数値が大きいほどリスクは高い。
例えば、ある資産の値動きが正規分布に従うとの仮定の下、ある期間におけるリターンの平均値(平均収益率)が+5%、標準偏差(リスク)が10%である場合、この資産のリターン(収益率)はその期間中において概ね+15%から-5%の範囲に収まるような値動きをしたことになります。
標準偏差 | リスク |
---|---|
大きい | 高い |
小さい | 低い |
まとめ
リスクは一般的に「危険」という意味で使われますが、金融では「振れ幅」という意味で用いられます。
リスクが高い商品は、大きく値下がりすることもあれば、値上がりすることもある。リスクが高ければ大きなリターンを期待できる反面、大きく損することもある。一方、リスクが低ければ、利益も損失も小さい。
一般的に、高いリターンが期待される資産はリスクも大きく、反対にリスクが小さい資産は期待されるリターンも低くなる傾向があります。
リスクは一般的に「標準偏差」を使って算出する。標準偏差は、平均との差であるブレを数値化したもので、数値が大きいほどリスクは高い。
4. リターンの重要性
投資目的とリターンの関係
投資で成果を得るためには、投資目的を明確にする必要があり、その際、ターゲットにする投資リターンを決めなければならない。
例えば長期運用を基本とする場合、値上がりを目指すキャピタルゲインよりも、配当金で定期的に利益を得て、再投資するほうが適している。キャピタルゲインを得るために売却するのは、ポートフォリオを見直すときやリバランスを実施するときである。
このように、運用スタイルを決めるためにも、投資リターンを知ることが重要である。
リターンの目標設定
投資を行う目的が明確になったら、投資にまわす金額について検討します。手元にある預貯金などの資産から、投資にまわせる一時金はどれくらいあるでしょうか。
生活費の半年分や1年分といった緊急予備資金を確保するほか、近い将来必要となる資金を残したうえで、すぐに使う予定のない金額を投資にまわすという考え方が大切です。
さらに、毎月の収入や預貯金から積立投資にまわせる額はいくらなのかも検討します。こちらは長期間にわたって積立・分散投資をしていく部分になります。一時金の額と毎月の積立額を合わせた金額が投資にまわす資金の総額となります。
目標利回りの設定
投資をするにあたり設定した目的にあわせて、いまから何年後に資金を準備したいのか、確認します。投資を行う目的や自身の年齢によって投資期間が変わってくるので、まずは目標の時期を決め、投資できる期間が何年あるのかを確認、検討します。
「一時金の額+毎月の積立額×投資期間」が投資総額となりますが、この額をいくらに増やしたいかという「目標金額」を設定します。
投資期間をもとに、投資総額を目標金額にするために必要な「目標利回り」が計算できるので、高いリスクを取って投資をする必要があるのか、それほどリスクを取らなくても目標金額が達成できそうなのか、といった判断が可能となります。
まとめ
投資で成果を得るためには、投資目的を明確にする必要があり、その際、ターゲットにする投資リターンを決めなければならない。
投資を行う目的が明確になったら、投資にまわす金額について検討します。手元にある預貯金などの資産から、投資にまわせる一時金はどれくらいあるでしょうか。
投資をするにあたり設定した目的にあわせて、いまから何年後に資金を準備したいのか、確認します。投資を行う目的や自身の年齢によって投資期間が変わってくるので、まずは目標の時期を決め、投資できる期間が何年あるのかを確認、検討します。
「一時金の額+毎月の積立額×投資期間」が投資総額となりますが、この額をいくらに増やしたいかという「目標金額」を設定します。投資期間をもとに、投資総額を目標金額にするために必要な「目標利回り」が計算できるので、高いリスクを取って投資をする必要があるのか、それほどリスクを取らなくても目標金額が達成できそうなのか、といった判断が可能となります。
5. リターン率とインフレーションの影響
インフレーションとは
インフレーションとは、物価が上昇することです。物価が上昇すると、同じ金額で買えるものが減ってしまうため、実質的な価値が減少します。
インフレーションは、経済活動が活発化し、需要が供給を上回った際に発生することが多いです。また、原油価格や食料価格などの原材料価格の上昇によっても発生します。
インフレーションとリターンの関係
インフレーションは、投資のリターンに影響を与えます。インフレーションが進むと、物価が上昇するため、同じ金額で買えるものが減ってしまうため、実質的なリターンが減少します。
例えば、年率2%のインフレーションが続いている場合、100万円の投資が1年後に102万円になったとしても、実質的なリターンは0%となります。これは、102万円が1年前の100万円分の価値しかないことを意味します。
そのため、インフレーションが進む場合は、インフレーションを上回るリターンを得られる投資を行う必要があります。
インフレーション対策
インフレーション対策としては、インフレーションに強い資産に投資することが有効です。
インフレーションに強い資産としては、株式、不動産、金などが挙げられます。
株式は、企業の業績がインフレーションによって向上する可能性があり、不動産は、インフレーションによって価格が上昇する可能性があります。金は、インフレーション時に価値が上昇する傾向があります。
ただし、インフレーションに強い資産であっても、必ずしも値上がりするとは限りません。投資を行う際には、リスクを十分に理解した上で、分散投資を行うことが重要です。
資産 | 特徴 |
---|---|
株式 | 企業業績が向上する可能性 |
不動産 | 価格が上昇する可能性 |
金 | 価値が上昇する傾向 |
まとめ
インフレーションとは、物価が上昇することです。物価が上昇すると、同じ金額で買えるものが減ってしまうため、実質的な価値が減少します。
インフレーションは、投資のリターンに影響を与えます。インフレーションが進むと、物価が上昇するため、同じ金額で買えるものが減ってしまうため、実質的なリターンが減少します。
インフレーション対策としては、インフレーションに強い資産に投資することが有効です。インフレーションに強い資産としては、株式、不動産、金などが挙げられます。
ただし、インフレーションに強い資産であっても、必ずしも値上がりするとは限りません。投資を行う際には、リスクを十分に理解した上で、分散投資を行うことが重要です。
6. リターンの最適化方法
長期投資
長期投資とは、数年から数十年といった長いスパンで資産を運用する方法です。投資期間を長くしても日々の価格変動リスクは変わりませんが、投資タイミングの失敗を避けることができます。
長期投資のもっとも大きなメリットは「複利効果」を得やすいことでしょう。複利とは、利息の計算方法のひとつで、利息を元本に組み入れた合計値を、次の利息計算時に用いる方法です。
例えば、100万円を年利5%で20年間運用した場合、複利で運用した場合の方が、より多くのリターンが得られていることが分かります。
メリット | 説明 |
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複利効果 | 利息を元本に組み入れて運用することで、より多くのリターンを得られる |
分散投資
分散投資とは、複数の資産に投資することで全体のリスクを減らす方法です。例えば、個別株式や投資信託の値動きを予測して投資するのは難易度が高く、暴落時のリスクを回避する方法もありません。しかし、複数に投資先を分散すれば、このようなリスクを避けられる可能性が高まります。
分散投資には主に次の3つような方法があります。
・商品の分散\n・地域の分散\n・時間の分散
方法 | 説明 |
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商品の分散 | 株式、債券、不動産など投資対象を分散 |
地域の分散 | 国や地域を分散 |
時間の分散 | 投資タイミングを分散 |
積立投資
積立投資とは、一定額を定期的に積み立てて投資を行う方法です。積立投資は、価格変動リスクを軽減する効果があります。
積立投資は、価格が上昇しているときは少ない金額で購入し、価格が下落しているときは多くの金額で購入することになります。そのため、平均購入価格が低くなり、価格変動リスクを軽減することができます。
また、積立投資は、投資のタイミングを分散させる効果もあります。投資のタイミングを分散させることで、価格変動リスクを軽減することができます。
まとめ
長期投資とは、数年から数十年といった長いスパンで資産を運用する方法です。投資期間を長くしても日々の価格変動リスクは変わりませんが、投資タイミングの失敗を避けることができます。
分散投資とは、複数の資産に投資することで全体のリスクを減らす方法です。分散投資には、商品の分散、地域の分散、時間の分散の3つの方法があります。
積立投資とは、一定額を定期的に積み立てて投資を行う方法です。積立投資は、価格変動リスクを軽減する効果があります。
投資を行う際には、リスクとリターンのバランスを考慮し、長期投資、分散投資、積立投資などの方法を活用することで、リスクを軽減し、安定的なリターンを目指しましょう。
参考文献
・リターン | 初心者でもわかりやすい金融用語集 | マネクリ …
・投資信託のリスクとリターンとは?計算方法と考え方を解説 …
・Lesson3 投資って安全なの? リスクとリターン – 日本証券業協会
・「リスク/リターン」とは?―めっちゃ分かる!金融用語辞典 …
・資産運用のリスクとリターンについて知っておこう | みずほ証券
・リターン(りたーん) | 証券用語集 | 東海東京証券株式会社
・わかりやすい用語集 解説:リターン(りたーん) | 三井住友ds …
・投資信託のリスクとリターン | 投資信託の基礎 | 投資信託なら …
・投資信託の平均利回りとリターンはどれくらい?リスクと計算 …
・投資のリターンとは?リスクとリターンの関係を知って最適な …