項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 転換社債型新株予約権付社債(CB)に、株価が一定の条件を満たした場合に転換価格を修正できる条項が付加された金融商品 |
別名 | MSCB(Moving Strike Convertible Bond) |
仕組み | 株価が下落した場合に転換価格を下方修正することで、投資家にとってより魅力的な条件を提供し、株価の下落リスクに対する保護を強化する |
メリット | 投資家:株価下落リスクの軽減、企業:資金調達コストの抑制 |
デメリット | 投資家:株式の希薄化、企業:既存株主への影響 |
具体例 | ライブドア事件、オートバックスセブン事件 |
今後の展望 | 規制強化、投資家の意識変化、企業の資金調達戦略の変化 |
1. 下方修正条項付きCBとは
1-1. 下方修正条項付きCBの概要
下方修正条項付きCBとは、転換社債型新株予約権付社債(CB)に、株価が一定の条件を満たした場合に転換価格を修正できる条項が付加された金融商品です。CBは、発行企業の株式に転換することができる債券であり、投資家は債券の安定した利回りを享受しつつ、株価の上昇に伴う利益も期待できます。下方修正条項は、株価が下落した場合に転換比率を調整することで、投資家にとってより魅力的な条件を提供し、株価の下落リスクに対する保護を強化する役割を果たします。
下方修正条項付きCBは、MSCB(Moving Strike Convertible Bond)とも呼ばれ、企業が資金調達を行う際に、投資家にとってより魅力的な条件を提供することで、より有利な条件で資金を調達することを可能にします。
従来のCBでは、転換価格は発行時に決定され、その後は変更されませんでしたが、MSCBでは、株価の変動に応じて転換価格が修正されるため、投資家は株価の下落リスクを軽減することができます。
一方で、企業にとっては、株価が下落した場合でも、転換価格を下方修正することで、株式への転換を促進し、資金調達コストを抑えることができます。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 転換社債型新株予約権付社債(CB)に、株価が一定の条件を満たした場合に転換価格を修正できる条項が付加された金融商品 |
別名 | MSCB(Moving Strike Convertible Bond) |
目的 | 投資家にとってより魅力的な条件を提供することで、企業がより有利な条件で資金を調達することを可能にする |
1-2. 下方修正条項付きCBの仕組み
下方修正条項付きCBの仕組みは、転換価格の修正方法によって異なります。一般的な修正方法としては、株価が転換価格から一定割合以上乖離した場合に修正される方法と、特定の日の株価を基準に修正される方法があります。
前者の場合、例えば、株価が転換価格の80%を下回った場合に、転換価格を80%に修正するというように、株価の変動に応じて転換価格が調整されます。後者の場合、例えば、毎月15日の株価を基準に転換価格が修正されるというように、特定の日の株価を基準に転換価格が決定されます。
下方修正条項は、株価の下落リスクを軽減する一方で、企業にとっては、株価が下落した場合でも、株式への転換を促進し、資金調達コストを抑えることができるというメリットがあります。
しかし、下方修正条項は、投資家にとって、転換後の株式数が大幅に増加し、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。
項目 | 内容 |
---|---|
転換価格修正方法 | 株価が転換価格から一定割合以上乖離した場合に修正される方法、特定の日の株価を基準に修正される方法 |
転換価格修正タイミング | 一定期間経過後、株価が一定の条件を満たした場合 |
転換価格修正幅 | 株価の変動率を一定の割合で反映するように設定、上限が設定されている場合もある |
1-3. 下方修正条項付きCBの例
例えば、あるハイテク企業が新しい技術の開発資金を調達するために、下方修正条項付きCBを発行した場合、投資家は企業の将来性に賭けつつ、株価の下落リスクからある程度保護されることになります。
この場合、株価が下落した場合でも、転換価格が下方修正されることで、投資家はより多くの株式を取得することができ、損失を軽減することができます。
一方で、企業は、株価が下落した場合でも、株式への転換を促進し、資金調達コストを抑えることができます。
このように、下方修正条項付きCBは、リスクとリターンのバランスを考慮した投資戦略の一環として、多くの投資家にとって魅力的な選択肢となっています。
例 | 内容 |
---|---|
ハイテク企業の資金調達 | 企業は新しい技術の開発資金を調達するために、下方修正条項付きCBを発行。投資家は企業の将来性に賭けつつ、株価の下落リスクからある程度保護される |
1-4. まとめ
下方修正条項付きCBは、投資家にとって、株価の下落リスクを軽減し、より多くの株式を取得できる可能性がある一方で、企業にとっては、資金調達コストを抑えることができるというメリットがあります。
しかし、下方修正条項は、投資家にとって、転換後の株式数が大幅に増加し、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。
そのため、投資家は、下方修正条項付きCBの特性を十分に理解し、自身の投資戦略に合わせて活用することが重要です。
企業にとっても、下方修正条項の設定には慎重な検討が必要であり、既存株主への影響などを考慮した上で、適切な条件を設定することが重要です。
2. 下方修正条項の仕組み
2-1. 転換価格の修正方法
下方修正条項付きCBの転換価格は、株価の変動に応じて修正されます。修正方法は、銘柄によって異なりますが、一般的な方法としては、以下の2つの方法があります。
1つ目は、株価が転換価格から一定割合以上乖離した場合に修正される方法です。例えば、株価が転換価格の80%を下回った場合に、転換価格を80%に修正するというように、株価の変動に応じて転換価格が調整されます。
2つ目は、特定の日の株価を基準に修正される方法です。例えば、毎月15日の株価を基準に転換価格が修正されるというように、特定の日の株価を基準に転換価格が決定されます。
どちらの方法を採用するかは、発行企業が投資家との協議によって決定されます。
方法 | 内容 |
---|---|
株価乖離による修正 | 株価が転換価格から一定割合以上乖離した場合に修正 |
特定日株価による修正 | 特定の日の株価を基準に修正 |
2-2. 転換価格の修正タイミング
転換価格の修正タイミングも、銘柄によって異なりますが、一般的には、一定期間経過後に修正されることが多いです。
例えば、発行から3ヶ月後、6ヶ月後、1年後など、一定期間ごとに転換価格が修正されます。
また、株価が一定の条件を満たした場合に修正されることもあります。例えば、株価が転換価格の80%を下回った場合に、転換価格を修正するというように、株価の変動に応じて転換価格が調整されます。
転換価格の修正タイミングは、発行企業が投資家との協議によって決定されます。
タイミング | 内容 |
---|---|
一定期間経過後 | 発行から3ヶ月後、6ヶ月後、1年後など、一定期間ごとに修正 |
株価条件達成時 | 株価が転換価格の80%を下回った場合など、株価の変動に応じて修正 |
2-3. 転換価格の修正幅
転換価格の修正幅も、銘柄によって異なりますが、一般的には、株価の変動率を一定の割合で反映するように設定されます。
例えば、株価が10%下落した場合、転換価格も10%下落するというように、株価の変動率を反映して転換価格が修正されます。
ただし、転換価格の修正幅には、上限が設定されている場合もあります。
転換価格の修正幅は、発行企業が投資家との協議によって決定されます。
修正幅 | 内容 |
---|---|
株価変動率反映 | 株価が10%下落した場合、転換価格も10%下落など、株価の変動率を反映して修正 |
上限設定 | 転換価格の修正幅には、上限が設定されている場合もある |
2-4. まとめ
下方修正条項付きCBの転換価格は、株価の変動に応じて修正されます。修正方法は、株価が転換価格から一定割合以上乖離した場合に修正される方法と、特定の日の株価を基準に修正される方法があります。
転換価格の修正タイミングは、一定期間経過後や株価が一定の条件を満たした場合など、銘柄によって異なります。
転換価格の修正幅は、一般的には、株価の変動率を一定の割合で反映するように設定されますが、上限が設定されている場合もあります。
下方修正条項付きCBの仕組みは、銘柄によって異なるため、投資を行う際には、事前に転換価格の修正方法、タイミング、幅などを確認することが重要です。
3. 下方修正条項の影響
3-1. 株価への影響
下方修正条項付きCBは、株価に様々な影響を与える可能性があります。
まず、株価が下落した場合、転換価格が下方修正されることで、投資家はより多くの株式を取得できる可能性が高まります。そのため、投資家は、株価が下落しても、損失を軽減できるという期待感を持つことができます。
しかし、転換価格が下方修正されると、発行済株式数が増加し、株式の希薄化が進む可能性があります。株式の希薄化は、1株当たりの利益(EPS)を減少させるため、株価の下落要因となる可能性があります。
また、下方修正条項の存在は、投資家にとって、株価が下落するリスクを軽減する効果がある一方で、企業にとっては、株価が下落した場合でも、株式への転換を促進し、資金調達コストを抑えることができるというメリットがあります。そのため、企業は、下方修正条項付きCBを発行することで、株価が下落した場合でも、資金調達を円滑に行うことができる可能性があります。
影響 | 内容 |
---|---|
株価下落 | 転換価格が下方修正され、投資家はより多くの株式を取得できる可能性が高まる。しかし、株式の希薄化が進む可能性もある |
株価上昇 | 転換価格が上方修正され、投資家はより少ない株式を取得することになる。しかし、企業は資金調達コストを抑えることができる |
その他 | 下方修正条項の存在は、投資家にとって、株価が下落するリスクを軽減する効果がある一方で、企業にとっては、株価が下落した場合でも、株式への転換を促進し、資金調達コストを抑えることができるというメリットがある |
3-2. 投資家への影響
下方修正条項付きCBは、投資家にとって、株価の下落リスクを軽減する効果があります。
株価が下落した場合でも、転換価格が下方修正されることで、投資家はより多くの株式を取得できる可能性が高まります。そのため、投資家は、株価が下落しても、損失を軽減できるという期待感を持つことができます。
しかし、下方修正条項は、投資家にとって、転換後の株式数が大幅に増加し、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。株式の希薄化は、1株当たりの利益(EPS)を減少させるため、株価の下落要因となる可能性があります。
そのため、投資家は、下方修正条項付きCBの特性を十分に理解し、自身の投資戦略に合わせて活用することが重要です。
影響 | 内容 |
---|---|
メリット | 株価の下落リスクを軽減できる |
デメリット | 株式の希薄化が進むリスクがある |
3-3. 企業への影響
下方修正条項付きCBは、企業にとって、資金調達コストを抑えることができるというメリットがあります。
株価が下落した場合でも、転換価格を下方修正することで、株式への転換を促進し、資金調達コストを抑えることができます。
また、下方修正条項は、投資家にとって、株価が下落するリスクを軽減する効果があるため、企業は、より有利な条件で資金を調達できる可能性があります。
しかし、下方修正条項は、既存株主にとって、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。そのため、企業は、下方修正条項付きCBを発行する際には、既存株主への影響などを考慮した上で、適切な条件を設定することが重要です。
影響 | 内容 |
---|---|
メリット | 資金調達コストを抑えることができる |
デメリット | 既存株主への影響が懸念される |
3-4. まとめ
下方修正条項付きCBは、株価、投資家、企業に様々な影響を与える可能性があります。
株価への影響としては、転換価格の修正によって、株価が上昇する可能性もあれば、下落する可能性もあります。
投資家への影響としては、株価の下落リスクを軽減できる一方で、株式の希薄化が進むリスクもあります。
企業への影響としては、資金調達コストを抑えることができる一方で、既存株主への影響などを考慮する必要があります。
4. 下方修正条項のメリットとデメリット
4-1. メリット
下方修正条項付きCBは、投資家と企業の双方にとって、いくつかのメリットがあります。
投資家にとってのメリットとしては、株価の下落リスクを軽減できることが挙げられます。株価が下落した場合でも、転換価格が下方修正されることで、投資家はより多くの株式を取得できる可能性が高まります。そのため、投資家は、株価が下落しても、損失を軽減できるという期待感を持つことができます。
企業にとってのメリットとしては、資金調達コストを抑えることができることが挙げられます。株価が下落した場合でも、転換価格を下方修正することで、株式への転換を促進し、資金調達コストを抑えることができます。また、下方修正条項は、投資家にとって、株価が下落するリスクを軽減する効果があるため、企業は、より有利な条件で資金を調達できる可能性があります。
さらに、企業は、下方修正条項付きCBを発行することで、株価が下落した場合でも、資金調達を円滑に行うことができる可能性があります。
対象 | メリット |
---|---|
投資家 | 株価の下落リスクを軽減できる |
企業 | 資金調達コストを抑えることができる |
4-2. デメリット
下方修正条項付きCBは、投資家と企業の双方にとって、いくつかのデメリットもあります。
投資家にとってのデメリットとしては、株式の希薄化が進む可能性があることが挙げられます。転換価格が下方修正されると、発行済株式数が増加し、株式の希薄化が進む可能性があります。株式の希薄化は、1株当たりの利益(EPS)を減少させるため、株価の下落要因となる可能性があります。
企業にとってのデメリットとしては、既存株主への影響が懸念されることが挙げられます。下方修正条項付きCBを発行することで、既存株主の持ち株価値が低下する可能性があります。また、下方修正条項は、企業の財務状況が悪化した際に、条項が発動しやすくなることもあります。そのため、企業は、下方修正条項の設定に際して、慎重な検討が必要です。
さらに、下方修正条項付きCBは、企業の経営状況が悪化した場合、投資家にとって、よりリスクの高い投資対象となる可能性があります。
対象 | デメリット |
---|---|
投資家 | 株式の希薄化が進む可能性がある |
企業 | 既存株主への影響が懸念される |
4-3. まとめ
下方修正条項付きCBは、投資家と企業の双方にとって、メリットとデメリットがあります。
投資家にとってのメリットは、株価の下落リスクを軽減できることですが、デメリットは、株式の希薄化が進む可能性があることです。
企業にとってのメリットは、資金調達コストを抑えることができることですが、デメリットは、既存株主への影響が懸念されることです。
投資家は、下方修正条項付きCBのメリットとデメリットを理解した上で、自身の投資戦略に合わせて活用することが重要です。企業は、下方修正条項付きCBを発行する際には、既存株主への影響などを考慮した上で、適切な条件を設定することが重要です。
4-4. まとめ
下方修正条項付きCBは、投資家と企業の双方にとって、メリットとデメリットがあります。
投資家にとってのメリットは、株価の下落リスクを軽減できることですが、デメリットは、株式の希薄化が進む可能性があることです。
企業にとってのメリットは、資金調達コストを抑えることができることですが、デメリットは、既存株主への影響が懸念されることです。
投資家は、下方修正条項付きCBのメリットとデメリットを理解した上で、自身の投資戦略に合わせて活用することが重要です。企業は、下方修正条項付きCBを発行する際には、既存株主への影響などを考慮した上で、適切な条件を設定することが重要です。
5. 下方修正条項の具体例
5-1. ライブドア事件
2005年にライブドアを中心とした新興IT企業が既存株主の利益を毀損してMSCBを大量発行し問題となりました。
ライブドアは、MSCBを発行することで、大量の資金を調達し、M&Aなどを積極的に行いました。しかし、ライブドアの経営状況が悪化し、株価が下落すると、MSCBの転換価格が下方修正され、既存株主の持ち株価値が低下しました。
この事件は、MSCBの発行が、既存株主の利益を毀損する可能性があることを示すものであり、MSCBに対する批判が高まりました。
結果的に、2007年にMSCBによる株式の転換に上限や1日の出来高制限を設けて現在はMSCBは沈静化しています。
内容 | 結果 |
---|---|
ライブドアがMSCBを大量発行 | 既存株主の利益を毀損し、MSCBに対する批判が高まった |
MSCB発行による資金調達 | M&Aなどを積極的に行う |
経営悪化による株価下落 | MSCBの転換価格が下方修正され、既存株主の持ち株価値が低下した |
対策 | MSCBによる株式の転換に上限や1日の出来高制限が設けられた |
5-2. オートバックスセブン事件
オートバックスセブンが行った新株予約権付社債発行については、オートバックス社の株主であるSilchester International Investors
「有利発行性」が裁判の論点になり、東京地方裁判所は、「債務者側がおこなった算定は合理的であり、本件新株予約権付社債の発行が有利発行に該当するとはいえない。」[2] として、Silchester International Investors
債務者側で算定を行ったのはプルータス・コンサルティングであり、債権者側で算定を行ったのはクレジット・プライシング・コーポレーションである。債務者側の算定人であるプルータス・コンサルティングは、本算定において、モンテカルロ・シミュレーションという手法を採用し、債務者の将来株価のシミュレーションを行い、ある一定の前提を置いた発行者(債務者)、投資家の行動の結果、発生した将来の投資家の利益を現在価値に割り戻すという方法で、算定した結果、本件新株予約権単体の価値は、額面金額1億円の社債当たり198万円の算定結果を出した模様である。
この事件は、MSCBの発行が、既存株主の利益を毀損する可能性があることを示すものであり、MSCBに対する批判が高まりました。
内容 | 結果 |
---|---|
オートバックスセブンが新株予約権付社債を発行 | 株主が発行差止請求を行ったが、棄却された |
裁判の論点 | 有利発行性 |
裁判所の判断 | 債務者側がおこなった算定は合理的であり、有利発行に該当するとはいえない |
影響 | 新株予約権付社債発行差止請求が棄却された、初の事例となった |
5-3. まとめ
下方修正条項付きCBは、企業が資金調達を行う際に、投資家にとってより魅力的な条件を提供することで、より有利な条件で資金を調達することを可能にします。
しかし、下方修正条項は、投資家にとって、転換後の株式数が大幅に増加し、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。
そのため、投資家は、下方修正条項付きCBの特性を十分に理解し、自身の投資戦略に合わせて活用することが重要です。
企業にとっても、下方修正条項の設定には慎重な検討が必要であり、既存株主への影響などを考慮した上で、適切な条件を設定することが重要です。
5-4. まとめ
下方修正条項付きCBは、企業が資金調達を行う際に、投資家にとってより魅力的な条件を提供することで、より有利な条件で資金を調達することを可能にします。
しかし、下方修正条項は、投資家にとって、転換後の株式数が大幅に増加し、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。
そのため、投資家は、下方修正条項付きCBの特性を十分に理解し、自身の投資戦略に合わせて活用することが重要です。
企業にとっても、下方修正条項の設定には慎重な検討が必要であり、既存株主への影響などを考慮した上で、適切な条件を設定することが重要です。
6. 下方修正条項付きCBの今後の展望
6-1. 規制強化
下方修正条項付きCBは、投資家にとって、株価の下落リスクを軽減できる一方で、企業にとっては、資金調達コストを抑えることができるというメリットがあります。
しかし、下方修正条項は、投資家にとって、転換後の株式数が大幅に増加し、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。
そのため、近年では、下方修正条項付きCBの発行に関する規制が強化されています。
例えば、日本では、2007年にMSCBによる株式の転換に上限や1日の出来高制限が設けられました。
内容 | 結果 |
---|---|
MSCBによる株式の転換に上限や1日の出来高制限が設けられた | MSCBの発行が抑制された |
情報開示の強化 | 投資家がMSCBに関する情報をより詳細に把握できるようになった |
その他 | 下方修正条項付きCBの発行に関する規制は、今後も強化されていく可能性がある |
6-2. 投資家の意識の変化
下方修正条項付きCBは、投資家にとって、株価の下落リスクを軽減できる一方で、企業にとっては、資金調達コストを抑えることができるというメリットがあります。
しかし、下方修正条項は、投資家にとって、転換後の株式数が大幅に増加し、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。
そのため、近年では、投資家の間で、下方修正条項付きCBに対する意識が変わってきています。
投資家は、下方修正条項付きCBの特性を十分に理解し、自身の投資戦略に合わせて活用することが重要です。
変化 | 内容 |
---|---|
リスク意識の高まり | 投資家は、下方修正条項付きCBのリスクをより深く理解するようになった |
情報収集の重要性 | 投資家は、下方修正条項付きCBに関する情報をより詳細に収集するようになった |
投資戦略の多様化 | 投資家は、下方修正条項付きCB以外の投資商品も検討するようになった |
6-3. 企業の資金調達戦略
下方修正条項付きCBは、企業が資金調達を行う際に、投資家にとってより魅力的な条件を提供することで、より有利な条件で資金を調達することを可能にします。
しかし、下方修正条項は、投資家にとって、転換後の株式数が大幅に増加し、株式の希薄化が進む可能性があるというリスクも孕んでいます。
そのため、企業は、下方修正条項付きCBを発行する際には、既存株主への影響などを考慮した上で、適切な条件を設定することが重要です。
また、企業は、下方修正条項付きCB以外の資金調達方法も検討する必要があります。
変化 | 内容 |
---|---|
資金調達方法の多様化 | 企業は、下方修正条項付きCB以外の資金調達方法も検討するようになった |
株主とのコミュニケーション強化 | 企業は、株主とのコミュニケーションを強化し、MSCB発行に関する理解を得ようとしている |
経営の透明性向上 | 企業は、経営の透明性を向上させ、投資家の信頼を得ようとしている |
6-4. まとめ
下方修正条項付きCBは、投資家と企業の双方にとって、メリットとデメリットがあります。
投資家にとってのメリットは、株価の下落リスクを軽減できることですが、デメリットは、株式の希薄化が進む可能性があることです。
企業にとってのメリットは、資金調達コストを抑えることができることですが、デメリットは、既存株主への影響が懸念されることです。
今後、下方修正条項付きCBは、規制強化、投資家の意識の変化、企業の資金調達戦略の変化など、様々な要因によって、その役割が変わっていく可能性があります。
参考文献
・下方修正条項付きCBとは?その仕組みとメリットを解説 | sasa-dango
・下方修正条項付きcb | 金融・証券用語解説集 | 大和証券
・わかりやすい用語集 解説:下方修正条項付きcb(かほうしゅうせいじょうこうつきしーびー) | 三井住友dsアセットマネジメント
・下方修正条項付きCBとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書
・株式用語: 下方修正条項付きcb – スマート投資: 株と自動売買の教科書
・下方修正条項付CB | auカブコム証券 | ネット証券(国内株・米国株・信用取引・FX・投資信託・NISA・先物オプション)
・下方修正条項付きcbとは?株式用語解説 – お客様サポート – Dmm 株
・Mscbとは?Cb(転換社債型新株予約権付社債)との違いを含めてわかりやすく解説! | マネリテ!「株式投資初心者の勉強 虎の巻」
・MSCB(Moving Strike Convertible Bond)とは – 金融用語集|銀行員ドットコム