ポイズンピルとは?経済用語について説明

ポイズンピルに関する項目一覧
項目 内容
定義 敵対的買収を防ぐための防衛策
歴史 1980年代にアメリカで誕生
メリット 敵対的買収の阻止、抑止力
デメリット 株価の希薄化、株主との関係悪化、訴訟リスク
種類 事前警告型、信託型
事例 ニッポン放送、ブルドックソース、新生銀行
経済的リスク 株価下落、企業価値の毀損
対策 企業価値向上、株主との良好な関係構築、専門家への相談

1. ポイズンピルの定義とは

要約

ポイズンピルの概要

ポイズンピルとは、企業が敵対的な買収から自社を防衛する施策の一つです。買収者が行使できないオプションを事前に既存株主に与えておき、買収が実行された際にそのオプションが行使されるようにします。買収者の持株比率を下げ、結果的に買収を防ぐのが狙いです。

既存株主に付与するオプションとは『新株予約権』で、敵対的買収者以外の株主に、時価よりも安く新株を取得できる権利を与えます。

新株予約権が行使されると市場に出回る当該企業の株式総数が増加するので、結果的に買収者の持株比率が低下し、買収に足る支配権を獲得しづらくなる仕組みです。

ポイズンピルの仕組み
段階 内容
事前準備 既存株主に新株予約権を発行
敵対的買収発生 新株予約権が発動
結果 買収者の持株比率が低下
効果 買収を困難にする

買収の種類

企業の買収についても、用語の定義を再確認しておきましょう。まず買収とは、他企業の支配権を獲得することを目的に、当該企業の発行済株式の過半数を買い取る行為です。企業間の買収は、以下のように『友好的買収』と『敵対的買収』に二分できます。

友好的買収とは、買収する側とされる側の企業が合意の上で行われる買収です。両社にとってメリットがある場合に多く見られます。

敵対的買収とは、買収される側の企業の経営陣の同意を得ずに、買収者が強引に株式を取得して支配権を奪おうとする買収です。

買収の種類
種類 説明
友好的買収 企業同士が合意の上で行う買収
敵対的買収 企業の同意なしに行う買収

ポイズンピルの語源

ポイズンピルは日本語にすると『毒薬条項』です。買収者の議決権の比率が下げられて買収が難しくなるため、まるで買収者が毒を飲まされる図が想起できることから、ポイズンピルと命名されました。日本では『ライツプラン』と呼ばれる場合もあります。

企業のM&Aが盛んに行われているアメリカにおいて、1980年代から普及した施策といわれています。日本では敵対的買収そのものがあまり見られませんが、ポイズンピルが発動された事例も実際にあります。

まとめ

ポイズンピルは、敵対的買収から企業を守るための防衛策の一つです。敵対的買収者が企業の株式を大量に取得することを防ぐために、既存の株主に新株予約権を発行し、買収者の持株比率を下げることで買収を困難にする仕組みです。

ポイズンピルは、買収者が毒を飲まされるようなイメージから名付けられました。日本では『ライツプラン』とも呼ばれています。

ポイズンピルは、敵対的買収が盛んなアメリカで生まれた買収防衛策で、日本ではあまり見られませんが、実際に発動された事例もあります。

2. ポイズンピルの歴史と起源

要約

ポイズンピルの誕生

アメリカでは敵対的買収によって企業の支配権が奪われている事例が、日常的に発生しています。買収者と企業側が納得し合って実施されるわけではなく、買収される側の了承を得ずに買収者が株式を大量に取得し、強引に支配権を奪おうとするようなケースです。

買収される企業からすれば、自らの意思に反して支配権が一方的に奪われるのは避けたい事態です。防衛策として、さまざまな防衛策が生み出されてきました。

ポイズンピルもその一つです。日本でもアメリカと全く同じ仕組みするのは難しいものの、敵対的買収に対する防衛策として検討されるようになっています。

ポイズンピルの普及

ポイズンピルは、企業のM&Aが盛んに行われているアメリカにおいて、1980年代から普及した施策といわれています。日本では敵対的買収そのものがあまり見られませんが、ポイズンピルが発動された事例も実際にあります。

ポイズンピルの日本における状況

日本では、アメリカと全く同じ仕組みのポイズンピルは法律で規制されています。しかし、新株予約権を使った対策によって同様の効果が得られます。

まとめ

ポイズンピルは、敵対的買収から企業を守るための防衛策として、アメリカで誕生しました。1980年代から普及し、現在では世界中で広く利用されています。

日本では、アメリカと全く同じ仕組みのポイズンピルは法律で規制されていますが、新株予約権を使った対策によって同様の効果が得られます。

3. ポイズンピルのメリットとデメリット

要約

ポイズンピルのメリット

ポイズンピルを発動すると、企業のマネジメント層の意思に反した強引な買収を防止できます。いざというときの備えになるでしょう。

日本はアメリカと違って企業間の買収劇が日常茶飯事ではないものの、経営陣に反発的な株主が買収を仕掛けてくる可能性は否定できません。

日本で敵対的買収が起こりそうになった事例が実際にある点に加えて、外資系企業が突然買収を仕掛けてくる可能性もあります。防衛策の一つとして知っておくに越したことはありません。

ポイズンピルのメリット
メリット 説明
敵対的買収の阻止 買収者の持株比率を下げ、買収を困難にする
抑止力 導入を公表することで、買収を検討する企業を牽制する

ポイズンピルのデメリット

ポイズンピルは新株を発行し、敵対的買収者の影響力をそぎ落とす施策です。発動によって市場に流通する株式が増えるので、結果として1株当たりの価値が希薄化してしまいます。

つまり、既存の株主が当該企業の株式を保有していることで得られるメリットが、新株の発行によって減少してしまう場合があるのです。その結果、既存株主との関係が悪化する恐れがあることに注意しましょう。

場合によっては、買収者を支持する株主が出てくる可能性もあります。

ポイズンピルのデメリット
デメリット 説明
株価の希薄化 新株発行により、1株あたりの価値が下がる
株主との関係悪化 株価下落や新株発行による不利益を感じた株主との関係が悪化する可能性がある
訴訟リスク 買収者から新株発行の差し止め請求などの訴訟を起こされる可能性がある

ポイズンピルの法的リスク

ポイズンピルの発動・新株の発行によって1株当たりの価値が下がり、既存の株主が自らに不利益になると判断すれば、差し止め請求を起こされる場合があります。

さらに、新株発行が買収者の持株比率を下げる目的なのは明らかなので、買収しようとする企業に訴訟を起こされる可能性もあります。

ポイズンピルは訴訟のリスクもはらんでいるため、実行されるケースは少ないのが実態です。あくまでも抑止力として、いざという場面では『行使できる』という意思を示すにとどまるケースが多くなっています。

まとめ

ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐ効果が期待できる一方、株価の希薄化や株主との関係悪化、訴訟リスクなど、デメリットも存在します。

ポイズンピルは、企業にとって有効な買収防衛策となり得ますが、安易な導入は避け、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

4. ポイズンピルの具体的な例と影響

要約

ニッポン放送の事例

2005年、当時急成長を遂げていたIT企業「ライブドア」が敵対的買収に乗り出し、ニッポン放送の株を続々と買い占めていました。

株の買い占めが進む中、買収が直前に迫ったタイミングで、ニッポン放送は大量の新株予約権(4

この事例から、ポイズンピルは、敵対的買収から会社を守る役割を果たす一方で、株主へダメージを与えるリスクがあることを示しています。

ニッポン放送の事例
企業 状況 結果
ニッポン放送 ライブドアによる敵対的買収 新株発行の差し止め請求により不発

ブルドックソースの事例

2007年、アメリカのヘッジファンドであるスティール・パートナーズが、日本のブルドックソースの買収に乗り出しました。ブルドックソースは買収防衛のため、既存株主に対して1株につき3株の新株予約権を無償で発行します。

スティール・パートナーズは新株発行の差し止め請求をしましたが、裁判所に却下され、最終的に買収は失敗に終わりました。

本件は日本国内で初めてポイズンピルが発動された事例です。既存株主の大多数が買収行為に対して株主の共同利益を害すると判断し、新株予約権の無償割り当てを承認しています。

ブルドックソースの事例
企業 状況 結果
ブルドックソース スティール・パートナーズによる敵対的買収 新株発行の差し止め請求が却下され、成功

新生銀行の事例

2021年、SBIホールディングスが新生銀行に対して敵対的買収を仕掛けた事例です。もともと新生銀行の発行済株式の約20%を保有していたSBIホールディングスは、そこからさらに半数近くまで株式を取得することで、同社を子会社化する旨を発表しました。

新生銀行は防衛策としてポイズンピルの発動を示唆しましたが、発動には至りませんでした。最終的に新生銀行がSBIホールディングスの傘下に入る結果となっています。

同銀行の前身・日本長期信用銀行に投入されていた公的資金の返済が滞っていたといった理由から、国がSBIホールディングスの買収に好意的だったことが、発動されなかった理由の一つです。

同銀行の株主である預金保険機構などがポイズンピルに賛同しなかったことも、防衛策取り下げの背景とされています。

新生銀行の事例
企業 状況 結果
新生銀行 SBIホールディングスによる敵対的買収 ポイズンピル導入を断念し、SBIホールディングスの傘下へ

まとめ

ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐ効果が期待できる一方、株価の希薄化や株主との関係悪化、訴訟リスクなど、デメリットも存在します。

ポイズンピルは、企業にとって有効な買収防衛策となり得ますが、安易な導入は避け、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

5. ポイズンピルの使われ方とその効果

要約

ポイズンピルの種類

ポイズンピルには『事前警告型』と『信託型』の二つの種類があります。それぞれの特徴を確認しておきましょう。

事前警告型は、敵対的買収を仕掛けてくると考えられる相手に対して、ポイズンピルを実行する意思があると事前に警告するタイプです。

信託型のポイズンピルは、信託銀行に対して新株予約権を無償で発行し、敵対的買収が実行される際、その信託銀行が発動条件を満たしているかを確認した上で新株予約権を行使するタイプです。

ポイズンピルの種類
種類 説明
事前警告型 事前にポイズンピル導入を公表し、敵対的買収者を牽制する
信託型 信託銀行に新株予約権を預け、敵対的買収が発生した場合に発動する

ポイズンピルの効果

ポイズンピルは、敵対的買収を阻止する効果が期待できます。

ポイズンピルは、敵対的買収者が企業の株式を大量に取得することを防ぐために、既存の株主に新株予約権を発行し、買収者の持株比率を下げることで買収を困難にする仕組みです。

ポイズンピルは、買収者が毒を飲まされるようなイメージから名付けられました。日本では『ライツプラン』とも呼ばれています。

ポイズンピルの注意点

ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐ効果が期待できる一方、株価の希薄化や株主との関係悪化、訴訟リスクなど、デメリットも存在します。

ポイズンピルは、企業にとって有効な買収防衛策となり得ますが、安易な導入は避け、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

まとめ

ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐ効果が期待できる一方、株価の希薄化や株主との関係悪化、訴訟リスクなど、デメリットも存在します。

ポイズンピルは、企業にとって有効な買収防衛策となり得ますが、安易な導入は避け、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

6. ポイズンピルがもたらす経済的リスクと対策

要約

ポイズンピルの経済的リスク

ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐ効果が期待できる一方、株価の希薄化や株主との関係悪化、訴訟リスクなど、デメリットも存在します。

ポイズンピルは、企業にとって有効な買収防衛策となり得ますが、安易な導入は避け、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

ポイズンピルがもたらす経済的リスク
リスク 説明
株価下落 新株発行により、1株あたりの価値が下がる
株主との関係悪化 株価下落や新株発行による不利益を感じた株主との関係が悪化する可能性がある
訴訟リスク 買収者から新株発行の差し止め請求などの訴訟を起こされる可能性がある

ポイズンピル対策

ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐ効果が期待できる一方、株価の希薄化や株主との関係悪化、訴訟リスクなど、デメリットも存在します。

ポイズンピルは、企業にとって有効な買収防衛策となり得ますが、安易な導入は避け、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

ポイズンピル対策
対策 説明
企業価値向上 企業価値を高めることで、敵対的買収の対象になりにくくする
株主との良好な関係構築 株主とのコミュニケーションを強化し、理解を得る
専門家への相談 M&A専門家などに相談し、適切な対策を検討する

ポイズンピル導入の判断基準

ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐ効果が期待できる一方、株価の希薄化や株主との関係悪化、訴訟リスクなど、デメリットも存在します。

ポイズンピルは、企業にとって有効な買収防衛策となり得ますが、安易な導入は避け、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

まとめ

ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐ効果が期待できる一方、株価の希薄化や株主との関係悪化、訴訟リスクなど、デメリットも存在します。

ポイズンピルは、企業にとって有効な買収防衛策となり得ますが、安易な導入は避け、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

参考文献

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「ポイズンピル」とは? 買収防衛策になる? 2つの手法や …

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