営業利益とは?経済用語について説明

営業利益に関する指標
指標名 説明 計算式
営業利益 企業の本業で稼いだ利益 売上高 – 売上原価 – 販売費および一般管理費
売上総利益 売上高から売上原価を差し引いた利益 売上高 – 売上原価
経常利益 営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた利益 営業利益 + 営業外収益 – 営業外費用
税引前当期純利益 経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いた利益 経常利益 + 特別利益 – 特別損失
当期純利益 税引前当期純利益から税金を差し引いた利益 税引前当期純利益 – 税金
営業利益率 売上高に対する営業利益の割合 営業利益 ÷ 売上高 × 100
総資本営業利益率 総資本に対する営業利益の割合 営業利益 ÷ 総資本 × 100

1. 営業利益の定義とは

要約

営業利益とは何か?

営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益のことです。企業が商品やサービスを販売したり、サービスを提供したりして得た売上高から、その商品やサービスの仕入れや製造にかかった費用である売上原価と、販売や管理にかかった費用である販売費および一般管理費を差し引いたものが営業利益です。

例えば、飲食店であれば、料理の販売によって得た売上高から、食材の仕入れや調理にかかった費用、従業員の給与、家賃、光熱費などを差し引いたものが営業利益となります。

営業利益は、企業の本業の収益力を表す重要な指標です。営業利益が大きければ大きいほど、企業は本業で効率的に利益を生み出せていると言えます。

逆に、営業利益がマイナスになっている場合は、本業で赤字が発生していることを意味します。この場合、企業は本業の改善策を検討する必要があります。

営業利益の計算項目
項目 説明
売上高 商品やサービスを販売して得た収入の合計
売上原価 商品やサービスの仕入れや製造にかかった費用
販売費 商品やサービスを販売するためにかかった費用
一般管理費 会社を運営するためにかかった費用

営業利益と売上総利益の違い

営業利益とよく混同される言葉に売上総利益があります。売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いたものです。つまり、営業利益は売上総利益からさらに販売費および一般管理費を差し引いたものです。

売上総利益は、企業が商品やサービスの販売によって得た粗利益を表します。一方、営業利益は、売上総利益から販売や管理にかかった費用を差し引いたもので、企業の本業でどれだけの利益を生み出しているかをより正確に示す指標です。

例えば、飲食店が100万円の売上高をあげ、食材費などの売上原価が50万円だった場合、売上総利益は50万円となります。しかし、従業員の給与や家賃などの販売費および一般管理費が40万円かかった場合、営業利益は10万円となります。

このように、売上総利益と営業利益は、企業の収益力を評価する上で異なる視点から捉える必要があります。

売上総利益と営業利益の違い
項目 売上総利益 営業利益
売上高
売上原価
販売費 ×
一般管理費 ×

営業利益と経常利益の違い

営業利益と同様に重要な指標に経常利益があります。経常利益は、営業利益に営業外収益と営業外費用を加減したものです。営業外収益とは、本業以外の活動によって得られた利益のことです。

例えば、不動産賃貸収入や株式投資による利益などが営業外収益に該当します。一方、営業外費用とは、本業以外の活動によって発生した費用のことです。例えば、借入金の利息や社債の利息などが営業外費用に該当します。

経常利益は、企業の本業だけでなく、その他の事業や投資活動を含めた総合的な収益力を表します。営業利益が黒字であっても、経常利益が赤字の場合には、本業以外の事業や投資活動で大きな損失が発生している可能性があります。

企業の経営状況を総合的に判断するためには、営業利益だけでなく、経常利益も合わせて確認することが重要です。

営業利益と経常利益の違い
項目 営業利益 経常利益
営業利益
営業外収益 ×
営業外費用 ×

まとめ

営業利益は、企業が本業で稼いだ利益であり、企業の収益力を評価する上で重要な指標です。営業利益は、売上高から売上原価と販売費および一般管理費を差し引いて計算されます。

営業利益は、売上総利益と経常利益とは異なる概念です。売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いたもので、企業が商品やサービスの販売によって得た粗利益を表します。

経常利益は、営業利益に営業外収益と営業外費用を加減したもので、企業の本業だけでなく、その他の事業や投資活動を含めた総合的な収益力を表します。

企業の経営状況を正確に把握するためには、営業利益、売上総利益、経常利益それぞれの意味を理解し、それぞれの指標を総合的に判断することが重要です。

2. 営業利益の重要性

要約

営業利益が示すもの

営業利益は、企業の本業の収益力を示す重要な指標です。営業利益が大きければ大きいほど、企業は本業で効率的に利益を生み出せていると言えます。

営業利益は、企業の経営状態を把握する上で重要な指標となります。営業利益が安定して増加している企業は、本業が順調に成長していることを示しています。

逆に、営業利益が減少している企業は、本業の収益力が低下している可能性があります。この場合、企業は本業の改善策を検討する必要があります。

営業利益は、企業の将来性を判断する上でも重要な指標となります。営業利益が安定して増加している企業は、将来も安定した収益を期待できる可能性が高いと言えます。

営業利益が示すもの
項目 説明
本業の収益力 企業が本業でどれだけの利益を生み出しているかを示す
経営状態 企業が安定して利益を生み出せているかを示す
将来性 企業が将来も安定した収益を期待できるかを示す

営業利益が重要な理由

営業利益は、企業の資金調達にも影響を与えます。営業利益が安定して増加している企業は、銀行や投資家から資金調達しやすい傾向があります。

なぜなら、営業利益は企業の安定収益力を示す指標であり、銀行や投資家は、安定した収益を上げている企業に資金を貸し付けたり、投資したりする傾向があるからです。

また、営業利益は、従業員のモチベーションにも影響を与えます。営業利益が安定して増加している企業は、従業員に安定した雇用と報酬を提供できる可能性が高くなります。

従業員は、企業の将来性を感じ、モチベーション高く仕事に取り組むようになるでしょう。

営業利益が重要な理由
項目 説明
資金調達 営業利益が安定している企業は、銀行や投資家から資金調達しやすい
従業員のモチベーション 営業利益が安定している企業は、従業員に安定した雇用と報酬を提供できる可能性が高い
経営戦略 営業利益を分析することで、企業は自社の強みと弱みを把握し、今後の事業戦略を立てることができる
競合他社との比較 営業利益率を比較することで、自社の収益力と競合他社の収益力を比較することができる

営業利益の活用方法

営業利益は、企業の経営戦略を策定する上で重要な指標となります。営業利益を分析することで、企業は自社の強みと弱みを把握し、今後の事業戦略を立てることができます。

例えば、営業利益が減少している場合は、売上高の増加、売上原価の削減、販売費および一般管理費の削減など、様々な改善策を検討する必要があります。

また、営業利益は、競合他社との比較にも役立ちます。営業利益率を比較することで、自社の収益力と競合他社の収益力を比較することができます。

競合他社よりも営業利益率が低い場合は、自社の事業戦略を見直す必要があるかもしれません。

まとめ

営業利益は、企業の本業の収益力を示す重要な指標であり、企業の経営状態、将来性、資金調達、従業員のモチベーション、経営戦略の策定、競合他社との比較など、様々な場面で活用されます。

営業利益を分析することで、企業は自社の強みと弱みを把握し、今後の事業戦略を立てることができます。また、競合他社との比較にも役立ちます。

営業利益は、企業にとって非常に重要な指標であり、経営者や従業員は、営業利益を常に意識し、改善策を検討していく必要があります。

営業利益を理解することで、企業の経営状況をより深く理解することができます。

3. 営業利益と純利益の違い

要約

純利益とは

純利益とは、企業が1年間の事業活動で得た最終的な利益のことです。純利益は、売上高から売上原価、販売費および一般管理費、営業外費用、特別損失、税金などを差し引いたものです。

純利益は、企業の収益性を表す重要な指標です。純利益が大きければ大きいほど、企業は多くの利益を生み出せていると言えます。

純利益は、企業の財務状況を判断する上でも重要な指標となります。純利益が安定して増加している企業は、財務状況が安定していると言えます。

逆に、純利益が減少している企業は、財務状況が悪化している可能性があります。

営業利益と純利益の違い

営業利益と純利益は、どちらも企業の利益を表す指標ですが、含まれる項目が異なります。営業利益は、本業で稼いだ利益のみを表します。

一方、純利益は、本業以外の事業や投資活動による利益や損失、税金なども含めた最終的な利益を表します。

例えば、不動産賃貸収入や株式投資による利益は、営業利益には含まれませんが、純利益には含まれます。また、法人税や住民税などの税金も、純利益から差し引かれます。

営業利益は、企業の本業の収益力を評価する指標であり、純利益は、企業全体の収益力を評価する指標です。

営業利益と純利益の違い
項目 営業利益 純利益
売上高
売上原価
販売費
一般管理費
営業外収益 ×
営業外費用 ×
特別利益 ×
特別損失 ×
税金 ×

営業利益と純利益の使い分け

営業利益と純利益は、それぞれ異なる目的で用いられます。営業利益は、企業の本業の収益力を評価するために用いられます。

一方、純利益は、企業全体の収益力を評価したり、株主への配当や内部留保などの資金配分を決定したりするために用いられます。

企業の経営状況を正確に把握するためには、営業利益と純利益の両方を理解し、それぞれの指標を総合的に判断することが重要です。

例えば、営業利益が安定して増加している一方で、純利益が減少している場合は、税金負担の増加や特別損失の発生などが考えられます。

まとめ

営業利益は、企業の本業で稼いだ利益であり、企業の収益力を評価する上で重要な指標です。一方、純利益は、企業全体の収益力を評価する指標であり、株主への配当や内部留保などの資金配分を決定するために用いられます。

営業利益と純利益は、それぞれ異なる目的で用いられますが、どちらも企業の経営状況を把握する上で重要な指標です。

企業の経営状況を正確に把握するためには、営業利益と純利益の両方を理解し、それぞれの指標を総合的に判断することが重要です。

営業利益と純利益の違いを理解することで、企業の経営状況をより深く理解することができます。

4. 営業利益率の計算方法

要約

営業利益率とは

営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を表す指標です。営業利益率は、以下の計算式で求められます。

営業利益率 (%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100

営業利益率は、企業の収益性を表す重要な指標です。営業利益率が高いほど、企業は売上高に対して多くの利益を生み出せていると言えます。

営業利益率は、企業の経営効率を評価する上でも重要な指標となります。営業利益率が高い企業は、効率的に事業を行っていると言えます。

営業利益率の目安

営業利益率の目安は、業界や企業規模によって異なります。一般的には、5%以上であれば良好な状態、10%以上であれば優秀な企業と判断されます。

しかし、これはあくまで目安であり、絶対的な基準ではありません。業界や企業規模、経営戦略によって、適切な営業利益率は異なります。

例えば、不動産業や専門技術サービス業などは、営業利益率が高くなる傾向があります。一方、小売業や卸売業は、営業利益率が低くなる傾向があります。

営業利益率を分析する際には、業界や企業規模などを考慮することが重要です。

業種別の営業利益率の目安
業種 目安
不動産業 10%以上
専門技術サービス業 10%以上
製造業 5%以上
小売業 3%以下
卸売業 3%以下

営業利益率の活用方法

営業利益率は、企業の経営状況を分析する上で重要な指標となります。営業利益率を分析することで、企業は自社の収益性や経営効率を把握することができます。

また、営業利益率は、競合他社との比較にも役立ちます。営業利益率を比較することで、自社の収益性と競合他社の収益力を比較することができます。

競合他社よりも営業利益率が低い場合は、自社の事業戦略を見直す必要があるかもしれません。

営業利益率は、企業の将来性を判断する上でも重要な指標となります。営業利益率が安定して増加している企業は、将来も安定した収益を期待できる可能性が高いと言えます。

まとめ

営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を表す指標であり、企業の収益性、経営効率、将来性を評価する上で重要な指標です。

営業利益率は、業界や企業規模によって目安が異なります。営業利益率を分析する際には、業界や企業規模などを考慮することが重要です。

営業利益率は、企業の経営状況を分析したり、競合他社との比較を行ったりする際に役立ちます。

営業利益率を理解することで、企業の経営状況をより深く理解することができます。

5. 営業利益改善の方法

要約

売上高の増加

営業利益を改善するためには、まず売上高の増加を目指しましょう。売上高が増加すれば、営業利益も増加する可能性が高くなります。

売上高を増加させるためには、新規顧客の獲得既存顧客への販売促進など、様々な方法があります。

新規顧客の獲得には、広告宣伝や営業活動などが有効です。既存顧客への販売促進には、顧客満足度向上やリピート購入促進などが有効です。

売上高を増加させるためには、市場調査を行い、顧客ニーズを把握することが重要です。

売上高増加の方法
方法 説明
新規顧客の獲得 広告宣伝や営業活動など
既存顧客への販売促進 顧客満足度向上やリピート購入促進など

売上原価の削減

売上高の増加と並んで重要なのが、売上原価の削減です。売上原価を削減することで、営業利益率を向上させることができます。

売上原価を削減するためには、仕入れ値の交渉製造コストの削減など、様々な方法があります。

仕入れ値の交渉には、複数業者からの見積もり比較や、長期契約による割引交渉などが有効です。製造コストの削減には、生産効率の改善や材料の調達先の見直しなどが有効です。

売上原価を削減するためには、常にコスト意識を持ち、無駄なコストを削減することが重要です。

売上原価削減の方法
方法 説明
仕入れ値の交渉 複数業者からの見積もり比較や長期契約による割引交渉など
製造コストの削減 生産効率の改善や材料の調達先の見直しなど

販売費および一般管理費の削減

売上高の増加と売上原価の削減に加えて、販売費および一般管理費の削減も営業利益改善に有効です。

販売費および一般管理費を削減するためには、人件費の削減広告宣伝費の削減オフィス賃料の削減など、様々な方法があります。

人件費の削減には、人員削減や残業時間の削減などが有効です。広告宣伝費の削減には、広告媒体の見直しや広告費の効率化などが有効です。

販売費および一般管理費を削減するためには、常にコスト意識を持ち、無駄なコストを削減することが重要です。

販売費および一般管理費削減の方法
方法 説明
人件費の削減 人員削減や残業時間の削減など
広告宣伝費の削減 広告媒体の見直しや広告費の効率化など
オフィス賃料の削減 オフィススペースの見直しやリモートワークの導入など

まとめ

営業利益を改善するためには、売上高の増加、売上原価の削減、販売費および一般管理費の削減など、様々な方法があります。

営業利益を改善するためには、常にコスト意識を持ち、無駄なコストを削減することが重要です。

また、市場調査を行い、顧客ニーズを把握することも重要です。

営業利益改善は、企業にとって重要な課題であり、経営者や従業員は、常に営業利益を意識し、改善策を検討していく必要があります。

6. 営業利益の計算例と解説

要約

営業利益の計算例

具体的な例として、A社の2023年度の損益計算書を参考に、営業利益を計算してみましょう。

売上高:100

売上原価:60

販売費および一般管理費:20

A社の損益計算書
項目 金額
売上高 100,000,000円
売上原価 60,000,000円
販売費および一般管理費 20,000,000円

営業利益の計算

営業利益 = 売上高 – 売上原価 – 販売費および一般管理費

= 100

= 20

A社の2023年度の営業利益は20

営業利益率の計算

営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100

= 20

= 20%

A社の2023年度の営業利益率は20%となります。

まとめ

営業利益は、売上高から売上原価と販売費および一般管理費を差し引いて計算されます。

営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を表す指標です。

営業利益と営業利益率を分析することで、企業の収益力や経営効率を把握することができます。

企業は、営業利益と営業利益率を常に意識し、改善策を検討していく必要があります。

参考文献

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営業利益とは|財務・会計用語集|iFinance

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