1. 営業報告書の定義とは
営業報告書とは何か?
営業報告書とは、営業担当者が日々の営業活動について記録し、提出する報告書のことです。営業日報とも呼ばれ、基本的には毎日作成するものですが、営業日報とは別に、毎週または毎月提出する週報や月報などもあります。営業報告書を作成することで、営業の情報を社内に共有しやすくなったり、担当者の引き継ぎがスムーズになったりするメリットがあるほか、管理者にとっては営業の進捗確認やメンバーの評価に役立てられるといった効果も期待できます。
営業報告書は、会社が株主に提出する書類である「事業報告書」と混同されがちです。事業報告書は会社の事業活動について記載した報告書であり、2006年に新会社法が施行されるまで営業報告書と呼ばれていたため、混同される場合があります。
営業報告書は、営業担当者にとって自身の営業活動を振り返るためのツールであり、管理者にとっては部下の営業活動を把握するためのツールです。
種類 | 説明 |
---|---|
営業日報 | 1日の営業活動を記録 |
営業週報 | 1週間の営業活動を記録 |
営業月報 | 1か月の営業活動を記録 |
営業報告書 | 特定期間の営業活動をまとめたもの |
営業報告書と事業報告書の違い
営業報告書は、営業担当者が日々の営業活動について記録し、提出する報告書です。一方、事業報告書は会社の事業活動について記載した報告書であり、会社が株主に提出する書類です。
営業報告書は、営業担当者の活動内容や成果を記録し、上司やチームメンバーに共有するためのものです。一方、事業報告書は、会社の事業内容や経営状況を株主や投資家に報告するためのものです。
営業報告書は、毎日、毎週、または毎月など、定期的に作成されます。一方、事業報告書は、決算期ごとに作成されます。
項目 | 営業報告書 | 事業報告書 |
---|---|---|
目的 | 営業担当者の活動報告 | 会社の事業活動の報告 |
対象 | 営業担当者 | 株主や投資家 |
作成頻度 | 毎日、毎週、または毎月 | 決算期ごと |
内容 | 営業活動の詳細 | 会社の事業内容や経営状況 |
営業報告書と営業日報の違い
営業報告書と営業日報は、どちらも営業活動の記録をまとめた書類ですが、作成頻度や内容に違いがあります。
営業日報は、1日の営業活動を記録したもので、毎日作成されます。一方、営業報告書は、1週間、1か月、または四半期など、一定期間の営業活動をまとめたもので、定期的に作成されます。
営業日報は、具体的な行動や成果を記録することが目的です。一方、営業報告書は、期間全体の成果や課題を分析し、今後の戦略を検討するために作成されます。
項目 | 営業報告書 | 営業日報 |
---|---|---|
作成頻度 | 定期的に作成 | 毎日作成 |
内容 | 期間全体の成果や課題 | 1日の具体的な行動や成果 |
目的 | 今後の戦略検討 | 振り返り、情報共有 |
まとめ
営業報告書は、営業担当者が日々の営業活動について記録し、提出する報告書です。営業日報とも呼ばれ、基本的には毎日作成するものですが、営業日報とは別に、毎週または毎月提出する週報や月報などもあります。
営業報告書は、営業の情報を社内に共有しやすくなったり、担当者の引き継ぎがスムーズになったりするメリットがあるほか、管理者にとっては営業の進捗確認やメンバーの評価に役立てられるといった効果も期待できます。
営業報告書は、会社が株主に提出する書類である「事業報告書」と混同されがちです。事業報告書は会社の事業活動について記載した報告書であり、2006年に新会社法が施行されるまで営業報告書と呼ばれていたため、混同される場合があります。
2. 営業報告書の役割と目的
管理者側の目的
管理者は、部下の営業活動や進捗などを把握することが目的です。営業は個人プレーになりやすく、担当者の動きがブラックボックス化することも少なくありません。そのような状態だと、トラブルが起きた際に管理者の把握が遅れ、大きな損害につながってしまう可能性があります。そのようなリスクを避けるために、管理者は営業報告書を通して担当者の日々の活動を把握しておく必要があります。
営業報告書を作成することで、成果以外でも部下の評価ができるようになります。管理者が営業担当者を評価する際、通常、基準となるのは売上の数字やノルマの達成率など目に見える成果です。しかし、営業報告書を作成すると仕事の成果だけでなく、その成果に至ったプロセスも可視化できるため、成果以外の評価軸を持つことができ、より多面的な評価が可能になります。
営業報告書を作成することで、自社の強み・弱みを分析できるようになります。営業報告書には、顧客が自社の商品・サービスにどのような印象を持っているのか、どの部分をメリットに感じ、どの部分を課題に感じているのかなど、多くの情報が詰まっています。管理者が営業報告書を読むことは、そうした自社の強みや弱みの分析を可能にします。
目的 | 説明 |
---|---|
部下の活動把握 | 営業担当者の行動や進捗を把握する |
評価 | 成果だけでなく、プロセスも評価する |
組織課題の把握 | 自社の強み・弱みを分析する |
営業担当者側の目的
営業担当者が営業報告書を作成するのは、スムーズな案件管理を行うことが目的です。1日に何件も商談や訪問をしていると、個別の案件管理がおろそかになってしまう恐れがあります。そのため、営業報告書を作成し、自身の営業活動を振り返ることが大切になります。
また、報告書として形に残すことで、引き継ぎ時の情報共有にも役立ちます。さらに、営業活動について言語化することは、自分自身を冷静に見つめ直すことにもつながり、営業担当者としての成長も期待できます。
営業報告書を作成することで、営業の情報共有がしやすくなります。営業活動において重要なのは情報共有です。顧客の情報を特定の担当者しか持っていない状態が続くと、トラブルが起きた際にほかのメンバーが気づくのが遅くなるリスクがあります。営業報告書を作成することで営業活動の情報が共有しやすくなり、そのようなトラブルを未然に防ぐことにつながります。
目的 | 説明 |
---|---|
活動の振り返り | 自身の営業活動を客観的に分析する |
案件管理 | スムーズな案件管理を行う |
情報共有 | 営業活動の情報を共有する |
営業報告書を作成するメリット
営業報告書を作成することで、営業マネジメントにおいて下記のようなメリットが得られます。
営業報告書を作成することで、営業活動においても下記のようなメリットが得られます。
営業報告書を作成することには多くのメリットがあります。ここでは具体的に、営業マネジメントにおけるメリットと、営業活動におけるメリットについて解説します。
メリット | 説明 |
---|---|
営業マネジメント | 部下の評価、自社の強み・弱みの分析 |
営業活動 | 営業の情報共有、担当者の交代時のスムーズな引き継ぎ |
まとめ
営業報告書は、営業担当者と管理者それぞれにとって、さまざまなメリットをもたらします。営業担当者それぞれの成長や営業組織の管理に役立つため、作成を業務に組み込むのがおすすめです。
営業担当者にとってのメリットは、営業活動の振り返り、顧客の反応や傾向の把握、引き継ぎの円滑化です。
管理者にとってのメリットは、部下の稼働状況や実績の把握、組織の強みや課題の分析、営業担当者のスキルやノウハウの共有です。
3. 営業報告書の内容と項目
営業報告書に書くべき項目
営業報告書で書くべき項目は、「訪問先」「先方担当者の名前・役職」「訪問日時」「訪問目的」「商談内容」「商談で決まった内容」の6つです。
どの企業を訪問したのか、訪問先の名前は必須項目です。ほかの人との情報共有や引き継ぎのことを考えて、なるべく正式名称で記載します。
先方担当者の名前・役職など、訪問先の企業で誰と会ったのかについて記載します。このとき、交換した名刺をスキャンして、先方担当者の名前や役職といった情報を名刺管理ツールで一元管理しておくと便利です。そうすることで、先方担当者の情報をあらためて確認する場合や、ほかの人に担当を引き継いだ際などに名刺管理ツールにアクセスし、スピーディーに確認を行えます。
項目 | 説明 |
---|---|
訪問先 | 訪問した企業名 |
先方担当者 | 訪問先の担当者名と役職 |
訪問日時 | 訪問日時 |
訪問目的 | 訪問の目的 |
商談内容 | 商談の内容 |
商談で決まった内容 | 商談で決定した内容 |
営業報告書の例文
営業報告書の具体的な例文をご紹介します。ポイントはシンプルなフォーマットを用いることです。あまり項目を増やし過ぎて複雑になると、作成するのも確認するのも大変になってしまいます。営業活動の詳細は過不足なく把握でき、なおかつ見やすいフォーマットを心掛けることが大切です。
営業報告書には、このように訪問先や訪問内容について記載します。その日に行ったほかの商談についても、同様に内容をまとめて営業報告書を作成します。
営業報告書を作成する際のポイント
実際に作成する際には、押さえておくべきポイントが2つあります。
ビジネス文書全般にいえることですが、営業報告書は自分だけの備忘録ではなく、管理者が読む書類です。そのため、誰が見てもわかりやすいような文章で作成することがポイントです。例えば、「結論から書く」ことや「1つの文章を長くせずに適度に句点を入れる」ことなどを意識します。慣れないうちは思うようにいかないかもしれませんが、ポイントを意識しながら書き続けることで文章は確実に上達します。
ネクストアクションを書くことも、営業報告書を作成する上での大切なポイントです。営業報告書はその日の営業活動について報告するためのものですが、報告だけで終わってしまうのではなく、その日の営業活動を踏まえて次にどう動くのかといったネクストアクションについても記載します。ネクストアクションを書くことで、自分自身の動き方を整理できますし、管理者にも今後の方針が伝わりやすくなります。
ポイント | 説明 |
---|---|
誰が見てもわかりやすい文章 | 結論から書く、簡潔にまとめる |
ネクストアクションを記載 | 今後の行動計画を明確にする |
まとめ
営業報告書に書くべき項目や営業報告書の例文をご紹介しました。実際に作成する際には、押さえておくべきポイントが2つあります。
誰が見てもわかりやすい文章で作成すること、ネクストアクションを書くことです。
4. 営業報告書の書き方とポイント
営業報告書の書き方のポイント
営業報告書を作成する際には、以下のポイントを意識しましょう。
営業報告書は、読み手の立場に立って、簡潔に要点をまとめることが重要です。
営業報告書は、誰が読んでも理解しやすいように、情報を整理して記載しましょう。
ポイント | 説明 |
---|---|
簡潔に要点をまとめる | 読み手が理解しやすいように要点をまとめる |
情報を整理して記載 | 誰が読んでも理解しやすいように情報を整理する |
読みやすい文章 | 一文を短くする、項目ごとに情報を分ける |
営業報告書の例文
営業報告書の例文を記載します。
営業報告書は、マネージャーに提出するものですから、読み手がわかりやすいように簡潔に要点をまとめなくてはなりません。自分以外の人が読んでもわかるように、情報を整理しましょう。また、フォーマットを自分で作成する場合は、記入に時間がかからないようシンプルなものに統一するとよいでしょう。
ただし、営業パーソン自身が営業活動を振り返る時のために、必要な情報は残しておかなくてはなりません。特に顧客に関する情報は、次回の営業の手掛かりとなるので簡略化しすぎないようにしましょう。
営業報告書の提出先
一般的に営業報告書はマネージャーに提出するためのものですが、場合によっては経営陣に提出しなければなりません。
「何のために作成する営業報告書なのか」「誰に提出するのか」といった要素を踏まえて作成しましょう。
マネージャーへの報告書であれば、現場での業務に役立てられるようにある程度詳細な情報を記載するのが基本です。これに対し、経営陣に提出する場合であれば、多忙な人でも読みやすいように内容はより簡潔にまとめ、速やかに提出することが求められます。
提出先 | 内容 |
---|---|
マネージャー | 現場での業務に役立つ詳細な情報 |
経営陣 | 簡潔にまとめ、速やかに提出 |
まとめ
営業報告書を作成する際には、読み手の立場に立って、簡潔に要点をまとめることが重要です。
営業報告書は、誰が読んでも理解しやすいように、情報を整理して記載しましょう。
営業報告書は、一般的にマネージャーに提出するためのものですが、場合によっては経営陣に提出しなければなりません。
5. 営業報告書の重要性と効果
営業報告書のメリット
営業報告書を作成することには多くのメリットがあります。ここでは具体的に、営業マネジメントにおけるメリットと、営業活動におけるメリットについて解説します。
営業報告書を作成することで、営業マネジメントにおいて下記のようなメリットが得られます。
営業報告書を作成することで、営業活動においても下記のようなメリットが得られます。
メリット | 説明 |
---|---|
営業マネジメント | 部下の評価、自社の強み・弱みの分析 |
営業活動 | 営業の情報共有、担当者の交代時のスムーズな引き継ぎ |
営業報告書のデメリット
営業報告書の作成には多くのメリットがありますが、活用する上でのデメリットもあります。主なデメリットは次のとおりです。
営業報告書のデメリットは、営業活動のすべてを把握できないことです。営業報告書の作成には手間がかかるため、重要なポイントのみを簡潔に記載します。そのため、営業活動のすべてを詳細に把握できるわけではなく、営業活動の全体像が見えにくいこともあります。
営業報告書は、管理の仕方によっては過去の情報とひもづけるのが難しいというデメリットがあります。1枚の営業報告書に複数の顧客との商談内容がまとまっているような場合、その営業報告書をどの顧客とひもづけて管理しておくのかが曖昧になります。ひもづけなかった顧客の情報は点在してしまうことになり、後から確認することが困難になります。
デメリット | 説明 |
---|---|
情報不足 | 営業活動のすべてを把握できない |
管理の難しさ | 過去の情報とひもづけるのが難しい |
データ分析の難しさ | データ分析に十分な情報量がない |
営業報告書を効果的に活用するためのツール
多くの場合、営業報告書だけではデータ分析ができません。営業報告書に書かれた内容は貴重な記録ではありますが、それだけではデータ分析ができるほどのボリュームに達しないことがほとんどです。データ分析にまで活用するなら、営業報告書よりもさらに詳細に掘り下げた記録が必要になります。
営業報告書は営業担当者が営業活動について記載し、管理者やチームメンバーに共有するための報告書です。営業報告書を作成することで、管理者や営業担当者にはさまざまなメリットがあります。一方で、営業報告書にはデメリットもあります。デメリットを解消し、営業報告書を最大限活用するためには、顧客情報や営業活動の記録が可能なツールを利用するのがお勧めです。
ツール | 説明 |
---|---|
Excel | 手軽に作成できる |
SFA | 営業活動を効率化、可視化する |
日報アプリケーション | クラウド上で日報の作成・管理・共有ができる |
まとめ
営業報告書を作成することには多くのメリットがあります。
営業マネジメントにおけるメリットは、部下の評価、自社の強み・弱みの分析です。
営業活動におけるメリットは、営業の情報共有、担当者の交代時のスムーズな引き継ぎです。
6. 営業報告書の作成における注意点
営業報告書を作成する際の注意点
営業報告書を作成する際には、以下の点に注意しましょう。
営業報告書は、自分だけの備忘録ではなく、管理者が読む書類です。そのため、誰が見てもわかりやすいような文章で作成することが重要です。
営業報告書は、その日の営業活動を踏まえて次にどう動くのかといったネクストアクションについても記載しましょう。
注意点 | 説明 |
---|---|
誰が見てもわかりやすい文章 | 結論から書く、簡潔にまとめる |
ネクストアクションを記載 | 今後の行動計画を明確にする |
ツールを活用 | Excel、SFA、日報アプリケーションなど |
営業報告書を作成する際のツール
営業報告書を作成する際には、ツールを活用することで、より効率的に作成することができます。
Excelで作成する場合、帰社してPCを立ち上げExcelを開き、営業報告書を記入したら上司にメールで提出するというように、プロセスが多く手間と時間がかかります。営業報告書を書くために残業をするようなことであれば、効率的な業務とはいえません。
さらに、営業報告書が活用されていないと感じれば、目的意識がなく内容も適当になる可能性があります。このような課題・問題を解決するためには、以下に挙げるツールの活用がおすすめです。
営業報告書を作成する際の注意点
営業報告書は、作成するだけでは意味がありません。管理者が営業報告書を読み、適切なフィードバックなどがなければうまく活用できているとはいえません。また、営業担当者は作成に手間がかかり、本来の業務に時間を割けないという状況も生まれてしまいます。
営業報告書は、日々の進捗状況を共有し、振り返りながら改善して次に繋げていくために作成するものです。ノウハウの蓄積や自身の成長のために営業報告書は必要ですが、SFAや日報アプリケーションを活用すれば、より効率的に作ることができます。これらのツールを上手に取り入れながら、質の高い営業報告書を作成しましょう。
まとめ
営業報告書は、作成するだけでは意味がありません。
管理者が営業報告書を読み、適切なフィードバックなどがなければうまく活用できているとはいえません。
営業担当者は作成に手間がかかり、本来の業務に時間を割けないという状況も生まれてしまいます。
参考文献
・【例文あり】営業報告書(営業日報)の書き方|テンプレート …
・【テンプレートあり】営業報告書とは?基本のフォーマットや …
・営業日報(営業報告書)とは?新しい営業日報の書き方・運用 …
・【テンプレ付き】営業報告書の書き方│内容やポイントを解説 …
・営業報告書(営業日報)とは?例文など書き方やテンプレートを紹介
・営業日報・営業報告書の書き方とは?例文・テンプレを紹介 – Senses
・【テンプレあり】営業報告書に記載すべき内容や目的、ツール …
・なぜ営業報告書(レポート)は必要なのか?日報の重要な役割 …
・営業報告書のテンプレートと記入例|書く時の4つのポイントも …
・営業報告書(エイギョウホウコクショ)とは? 意味や使い方 …
・わかりやすい営業報告書とは?効率的な書き方のコツ | Ai …