項目 | 説明 |
---|---|
価値観 | 企業の理念やビジョン、行動指針などを示す。 |
長期ビジョン | 企業が目指す将来像を明確にする。 |
ビジネスモデル | 企業がどのように価値を創造し、提供し、収益を上げるのかを示す。 |
リスクと機会 | 企業が直面するリスクと機会を特定し、対応策を説明する。 |
実行戦略や中期経営戦略 | 長期ビジョンを実現するための具体的な計画を示す。 |
成果指標 | 企業の業績や目標達成度を測定するための指標を示す。 |
ガバナンス | 企業の意思決定や経営の監督に関する仕組みを説明する。 |
エンゲージメント | 企業とステークホルダーとの積極的な対話を示す。 |
1. 統合報告書の概要
1.1 統合報告書とは
統合報告書とは、企業が財務情報と非財務情報を統合して報告するための文書です。従来の財務報告書では、売上や利益などの財務的な数値が中心でしたが、統合報告書では、環境、社会、ガバナンス(ESG)に関する情報も盛り込み、企業の全体像を包括的に示すことを目的としています。近年、企業の持続可能な成長を実現するためには、単なる財務指標だけでなく、ESGへの取り組みも重要視されるようになってきました。統合報告書は、そうした時代の変化に対応し、企業の長期的な価値創造の仕組みをステークホルダーに理解してもらうための重要なツールとして注目されています。
統合報告書は、企業の財務情報と非財務情報を統合することで、企業の価値創造プロセスをより明確に示すことができます。従来の財務報告書では、企業の財務的な側面のみが強調されていましたが、統合報告書では、環境への影響、社会への貢献、ガバナンスの状況など、非財務的な側面も重要な要素として取り扱われます。これにより、ステークホルダーは企業の総合的な価値をより深く理解することができます。
統合報告書は、企業の持続可能な成長戦略を明確に示すためのツールとしても活用されています。企業は、統合報告書を通じて、自社の長期的なビジョン、ESGへの取り組み、社会への貢献、ガバナンス体制などを具体的に示すことで、ステークホルダーに対して、自社の持続可能な成長に向けた取り組みをアピールすることができます。
統合報告書は、企業の透明性と説明責任を高めるためのツールとしても機能します。企業は、統合報告書を通じて、自社の経営状況、財務情報、非財務情報などを公開することで、ステークホルダーからの信頼を獲得することができます。また、統合報告書は、企業とステークホルダーとの間のコミュニケーションを促進し、相互理解を深めるためのツールとしても活用されています。
種類 | 説明 |
---|---|
統合報告書 | 財務情報と非財務情報を統合した報告書 |
有価証券報告書 | 企業が金融商品取引法に基づいて提出する報告書 |
アニュアルレポート | 企業が毎年作成し、公表する年次報告書 |
1.2 統合報告書と他の報告書との違い
統合報告書は、有価証券報告書やアニュアルレポートと混同されることがありますが、それぞれ目的や内容が異なります。有価証券報告書は、企業が金融商品取引法に基づいて作成し、金融庁に提出する詳細な報告書です。有価証券報告書は、企業の財務情報を中心に構成されており、企業の経済的パフォーマンスやリスク要因、経営戦略に関する詳細な分析が求められます。
アニュアルレポートは、企業が毎年作成し、公表する年次報告書です。アニュアルレポートは、主に投資家に対して企業の過去一年間の活動や業績を報告し、将来の展望を提供することを目的としています。アニュアルレポートは、財務情報が中心ですが、企業理念や社長のメッセージ、今後の経営戦略や業績の振り返りなどの情報も併せて記載されていることがほとんどです。
統合報告書は、有価証券報告書やアニュアルレポートとは異なり、企業の持続可能な価値創造プロセスを中心に据え、財務情報とともにESG情報を包括的に取り扱います。これにより、企業の社会的責任や環境への影響、ガバナンスの状況など、非財務的な要素にも重きを置きます。
統合報告書は、企業の長期的な価値創造を重視し、財務情報と非財務情報を統合することで、企業の全体像をステークホルダーに伝えることを目的としています。一方、有価証券報告書は、企業の財務的な側面に焦点を当て、投資家や株主に対して企業の経済的パフォーマンスやリスク要因を詳細に説明することを目的としています。アニュアルレポートは、企業の過去一年間の活動や業績を報告し、将来の展望を提供することを目的としています。
項目 | 統合報告書 | 有価証券報告書 | アニュアルレポート |
---|---|---|---|
目的 | 企業の価値創造プロセスを説明 | 企業の財務状況を説明 | 企業の過去1年間の活動や業績を報告 |
内容 | 財務情報、非財務情報(ESGなど) | 財務諸表、経営の分析、リスク要因など | 財務情報、企業理念、経営戦略など |
対象 | ステークホルダー全体 | 投資家、株主 | 投資家、株主 |
1.3 統合報告書に含めるべき項目
統合報告書には、企業の価値観、ビジネスモデル、持続可能性・成長性、戦略、成果と重要な成果指標(KPI)、ガバナンスなど、さまざまな項目が含まれます。これらの項目は、企業の価値創造プロセスを包括的に示すために、相互に関連付けられています。
価値観の項目では、企業固有の価値観を示します。企業固有の価値観は、変化の激しい現代社会において事業戦略や方向性を定める際の判断軸になります。価値観については、持続可能な社会の実現のために自社がどんな価値を提供できるのか、なぜそのような価値観を提供するのかという観点から考えましょう。
ビジネスモデルの項目では、長期的な視点で自社のビジネスモデルの脅威や事業機会となり得る要因を把握・分析し、その分析結果を長期ビジョンや実行戦略に反映させていることを説明する項目です。特に、リスクの把握と分析が必要なのはESGについてです。機関投資家は、ESGに関する情報を企業の持続性や成長性に影響を与えるもののひとつとして捉え、評価を決めています。
戦略と資源配分の項目では、財政状況や事業成績の分析と長期的なリスク要因ならびに機会の分析を踏まえたうえで、策定した実行戦略について説明を行います。長期戦略を具体化するための方策を説明する項目なので、統合報告書のなかで割くページ数は自然と多くなります。
項目 | 説明 |
---|---|
価値観 | 企業の理念やビジョン、行動指針などを示す。 |
長期ビジョン | 企業が目指す将来像を明確にする。 |
ビジネスモデル | 企業がどのように価値を創造し、提供し、収益を上げるのかを示す。 |
リスクと機会 | 企業が直面するリスクと機会を特定し、対応策を説明する。 |
実行戦略や中期経営戦略 | 長期ビジョンを実現するための具体的な計画を示す。 |
成果指標 | 企業の業績や目標達成度を測定するための指標を示す。 |
ガバナンス | 企業の意思決定や経営の監督に関する仕組みを説明する。 |
エンゲージメント | 企業とステークホルダーとの積極的な対話を示す。 |
1.4 まとめ
統合報告書は、企業の財務情報と非財務情報を統合して報告することで、企業の価値創造プロセスをより明確に示すことを目的としています。統合報告書には、企業の価値観、ビジネスモデル、持続可能性・成長性、戦略、成果と重要な成果指標(KPI)、ガバナンスなど、さまざまな項目が含まれます。
統合報告書は、有価証券報告書やアニュアルレポートとは異なり、企業の長期的な価値創造を重視し、ステークホルダーとの関係を総合的に説明することを目的としています。
統合報告書は、企業の透明性と説明責任を高め、ステークホルダーとのコミュニケーションを促進し、相互理解を深めるためのツールとしても活用されています。
統合報告書は、企業の持続可能な成長戦略を明確に示すためのツールとしても活用されています。
2. 統合報告書の意義
2.1 知的資産の周知
統合報告書を作成・開示する意義のひとつとして、企業の統合的な価値をステークホルダーに周知することがあげられます。従来、企業価値とは利潤追求のことを指していました。現在もステークホルダーは企業の利益を判断材料のひとつとしていますが、長引く新型コロナウイルス感染症の影響や金利、物価の上昇などで、ビジネス環境の変化が加速しています。
このような時代においては、企業の統合的な価値をステークホルダーに積極的に発信し対話することが求められます。自社の経営戦略や取り組みなど、環境の変化に柔軟に適応しつつ、企業が生み出す社会的価値を適宜発信していく必要があるのです。
統合報告書は、そうしたステークホルダーへの情報発信に活用できるのが大きな特徴です。財務情報と非財務情報で構成されており、財務的な数値に表れない企業価値を周知するのに役立ちます。
統合報告書は、知的資産と呼ばれる定性的なデータと財務資産と呼ばれる定量的なデータを、自社の経営戦略やビジョン、今後の事業展開などに紐づけながらまとめた報告書です。決算書のデータだけでは補えない企業の強みを社内外のステークホルダーに伝えられるのが大きな特徴です。
種類 | 説明 |
---|---|
人材 | 従業員のスキル、知識、経験など |
技術 | 特許、ノウハウなど |
知的財産 | ブランド、特許、著作権など |
組織力 | 組織文化、チームワークなど |
顧客とのネットワーク | 顧客との関係性、信頼関係など |
2.2 ESG投資の獲得
統合報告書は、ESG投資を獲得し、金融資産の引き上げ(ダイベストメント)のリスクを低減する手段のひとつとしても活用されています。
「国連責任投資原則」により、投資家にはESGの観点から投資を判断する「責任投資」が求められています。責任投資とは、「環境・社会・ガバナンスの要因を投資決定やアクティブ・オーナーシップに組み込むための戦略および慣行と定義」とされています。責任投資を継続することにより、持続的な国際金融システムを創出できるという考えから策定されました。
統合報告書は、責任投資と同様にESGの観点から企業価値を報告するため、機関投資家の判断材料のひとつとして活用できる側面があります。それにより企業は資金の獲得がしやすくなり、持ち株や債権を手放したりするダイベストメントのリスクを回避することができます。
近年、ESG要素を考慮した投資が増加しており、投資家は財務情報だけでなく、企業の環境保護活動や社会貢献、ガバナンスの健全性にも注目しています。統合報告書では、これらの情報を統合的に提供することで、企業が持続可能な経営を行っていることを示し、ESG投資家の支持を得ることが可能です。
メリット | 説明 |
---|---|
資金調達の容易化 | ESG投資家は、ESGに配慮した企業に投資したいと考えているため、資金調達が容易になる。 |
ダイベストメントリスクの低減 | ESG投資家は、ESGに配慮していない企業から投資を引き揚げる可能性があるため、ダイベストメントリスクを低減できる。 |
株価の安定化 | ESG投資家は、長期的な視点で投資を行うため、株価が安定する傾向がある。 |
企業イメージの向上 | ESG投資家は、ESGに配慮した企業を高く評価するため、企業イメージが向上する。 |
2.3 人的資本情報の開示
人的資本情報開示の義務化への対応は、統合報告書の作成において重要です。人的資本とは、従業員のスキル、知識、経験、創造力、そしてモチベーションなど、企業にとって価値のある人的要素を指します。
非財務情報可視化研究会によると、上場企業は、2023年3月期決算から人的資本情報の開示を義務付けられています。
開示する場合、既に義務化されている有価証券報告書での対応が考えられ、対して統合報告書は有価証券報告書を含む多くの情報を統合しているため、人的資本情報の開示・発信も統合報告書を通じて行うことが効果的です。
統合報告書は、有価証券報告書を含む多くの情報をまとめているため、人的資本情報の開示・発信も同報告書を通じて行うのが効率的なのです。
2.4 まとめ
統合報告書は、企業の統合的な価値をステークホルダーに周知し、ESG投資を獲得し、金融資産の引き上げ(ダイベストメント)のリスクを低減する手段として活用されています。
また、人的資本情報開示の義務化への対応にも有効なツールです。
統合報告書は、企業の持続可能な成長を実現するためには、単なる財務指標だけでなく、ESGへの取り組みも重要視されるようになってきた現代において、企業の長期的な価値創造の仕組みをステークホルダーに理解してもらうための重要なツールとして注目されています。
統合報告書は、企業の財務情報と非財務情報を統合することで、企業の価値創造プロセスをより明確に示すことができます。
3. 統合報告書の法的規定
3.1 日本の法的状況
日本では、統合報告書の作成・開示は義務化されていません。
企業に発行義務はないものの、年々その発行企業数は増えています。宝印刷D&IR研究所 ESG/統合報告研究室が行った「統合報告書発行状況調査2022 最終報告」によれば、2022年に発行された統合報告書の数は、昨年同時期と比較して154社増加していたと発表されています。
企業の財務情報と非財務情報を一体化して報告することで、企業の全体像をステークホルダーに伝えられるため、企業の信頼性を担保すると言う意味で自発的に取り組んでいる企業も増えています。
統合報告書は、ただ自社のアピールポイントを掲載すれば良いわけではありません。企業価値を客観的に示すためのものです。
年 | 発行企業数 |
---|---|
2022年 | 872社 |
2023年 | 1,019社 |
3.2 海外の法的状況
海外では、統合報告書の作成・開示が義務化されている国や地域も出てきています。
例えば、欧州連合(EU)では、2014年から、特定の規模以上の企業に対して、非財務情報の開示を義務付ける「非財務情報指令」が施行されています。
また、米国では、証券取引委員会(SEC)が、気候変動に関する情報開示のガイドラインを策定しており、今後、ESG情報開示の義務化が進む可能性も指摘されています。
このように、海外では、企業の社会的責任や持続可能性に対する関心が高まっており、統合報告書の作成・開示が重要な課題となっています。
国・地域 | 法律 |
---|---|
EU | 非財務情報指令 |
米国 | 気候変動に関する情報開示のガイドライン |
日本 | 統合報告書の作成義務はない |
3.3 今後の動向
日本では、統合報告書の作成・開示は義務化されていませんが、今後、ESG投資の拡大や国際的な規制強化の流れを受けて、義務化される可能性も考えられます。
また、企業自身も、統合報告書を作成することで、ステークホルダーとの信頼関係を構築し、企業価値を高めることができるという認識が高まっており、今後も統合報告書を発行する企業は増加していくと予想されます。
統合報告書は、企業の持続可能な成長を実現するための重要なツールとして、ますます注目されていくでしょう。
企業は、統合報告書の作成・開示について、最新の動向を注視し、適切な対応を進めていく必要があります。
3.4 まとめ
日本では、統合報告書の作成・開示は義務化されていませんが、海外では義務化されている国や地域も出てきています。
今後、ESG投資の拡大や国際的な規制強化の流れを受けて、日本では統合報告書の作成・開示が義務化される可能性も考えられます。
企業は、統合報告書の作成・開示について、最新の動向を注視し、適切な対応を進めていく必要があります。
統合報告書は、企業の持続可能な成長を実現するための重要なツールとして、ますます注目されていくでしょう。
4. 統合報告書の国際基準
4.1 国際統合報告フレームワーク
国際統合報告フレームワークは、国際統合報告評議会(IIRC)が公表した、統合報告書の作成・開示のためのフレームワークです。
このフレームワークは、企業が統合報告書を作成する際に、どのような情報を盛り込むべきか、どのような原則に基づいて作成すべきかを明確に示しています。
国際統合報告フレームワークは、企業の価値創造プロセスを包括的に捉え、財務情報と非財務情報を統合的に開示することを推奨しています。
国際統合報告フレームワークは、企業の持続可能な成長を促進し、ステークホルダーとの信頼関係を構築するための重要な指針となっています。
原則 | 説明 |
---|---|
戦略的焦点と将来志向 | 企業の長期的な戦略と将来の展望を明確にする。 |
情報の結合性 | 財務情報と非財務情報を関連付けて開示する。 |
ステークホルダーとの関係性 | ステークホルダーとの関係を重視し、対話を通じて情報を提供する。 |
重要性 | 企業にとって重要な情報を優先的に開示する。 |
簡潔性 | ステークホルダーが理解しやすい簡潔な表現を用いる。 |
信頼性と完全性 | 正確で信頼性の高い情報を提供する。 |
首尾一貫性と比較可能性 | 過去の報告書と比較可能な形で情報を提供する。 |
4.2 IFRSサステナビリティ開示基準
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、国際会計基準審議会(IASB)と併存する会議体であり、2022年から、IFRSサステナビリティ開示基準の開発を進めています。
2022年3月31日には、第1号「サステナビリティ関連財務情報開示の全般的要求事項」と第2号「気候関連開示」の2つを公開草案として公表し、7月29日までのコメント募集期間に入った。コメント募集を経て、2022年内の正式採用を目指す。
本公開草案は、気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)による提言との連携が意識されており、同提言でも示されている「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4本柱で構成されたサステナビリティ関連財務情報の開示体系を示している。
また、公開草案に付随して、TCFD提言の推奨事項と公開草案「気候関連開示」との比較文書も公表している。
柱 | 説明 |
---|---|
ガバナンス | サステナビリティに関するガバナンス体制を説明する。 |
戦略 | サステナビリティに関する戦略目標と取り組みを説明する。 |
リスク管理 | サステナビリティに関するリスクと機会を特定し、管理方法を説明する。 |
指標と目標 | サステナビリティに関する指標と目標を設定し、進捗状況を報告する。 |
4.3 その他の国際基準
統合報告書の作成・開示に関する国際的な基準は、国際統合報告フレームワーク以外にも、サステナビリティ会計基準委員会(SASB)の基準や、グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)のガイドラインなどがあります。
これらの基準は、企業が統合報告書を作成する際に、参照すべき重要な指針となっています。
企業は、これらの国際的な基準を参考に、自社の状況に合わせて統合報告書を作成していく必要があります。
国際的な基準を参考に、自社の状況に合わせて統合報告書を作成していく必要があります。
4.4 まとめ
国際統合報告フレームワークは、企業が統合報告書を作成する際に、どのような情報を盛り込むべきか、どのような原則に基づいて作成すべきかを明確に示しています。
IFRSサステナビリティ開示基準は、サステナビリティ関連の財務情報をより包括的に開示することを目指しています。
企業は、これらの国際的な基準を参考に、自社の状況に合わせて統合報告書を作成していく必要があります。
国際的な基準を参考に、自社の状況に合わせて統合報告書を作成していく必要があります。
5. 統合報告書の作成手順
5.1 統合報告書の作成プロセス
統合報告書の作成プロセスは、企業のさまざまな部門が協力して進める必要があり、時間と労力を要する大変な作業です。
しかし、統合報告書を作成する重要性は年々高まっており、投資家やステークホルダーとのコミュニケーションツールとして欠かせません。
統合報告書の作成プロセスは、以下の5つのステップに分けられます。
1. 読み手をターゲティングし行動変容を想定する\n2. 発行時期とコストを決定する\n3. 方向性を明確にする\n4. 統合報告書の制作に着手する\n5. 自社サイトで公表しプレスリリースで配信する
ステップ | 内容 |
---|---|
1. 読み手をターゲティングし行動変容を想定する | 統合報告書の対象となるステークホルダーを特定し、彼らがどのような行動をとってほしいかを考える。 |
2. 発行時期とコストを決定する | 統合報告書の発行時期と、作成にかかる費用を見積もる。 |
3. 方向性を明確にする | 統合報告書に盛り込む内容や構成を決定する。 |
4. 統合報告書の制作に着手する | 原稿作成、デザイン、編集、校正などを行い、統合報告書を完成させる。 |
5. 自社サイトで公表しプレスリリースで配信する | 統合報告書を自社のウェブサイトに掲載し、プレスリリースで広く周知する。 |
5.2 統合報告書の作成におけるポイント
統合報告書を作成する際には、以下のポイントを意識することが重要です。
1. 独自の価値創造ストーリーを示す\n2. 投資家が評価しやすい指標を用いる\n3. デジタル技術を活用した取り組みを盛り込む\n4. さまざまな立場からの視点を取り入れる
統合報告書は、企業の価値創造プロセスを明確に示し、ステークホルダーとの信頼関係を構築するための重要なツールです。
統合報告書を作成する際には、これらのポイントを意識することで、効果的な情報開示と見やすいデザインを実現できるでしょう。
ポイント | 説明 |
---|---|
独自の価値創造ストーリーを示す | 企業がどのようなプロセスで価値を創造しているのかを明確に伝える。 |
投資家が評価しやすい指標を用いる | 財務指標だけでなく、ESG指標などの非財務指標も活用する。 |
デジタル技術を活用した取り組みを盛り込む | DXの取り組みなどを具体的に示す。 |
さまざまな立場からの視点を取り入れる | 投資家、顧客、従業員など、さまざまなステークホルダーの視点を取り入れる。 |
5.3 統合報告書の作成支援サービス
統合報告書の作成は、企業のさまざまな部門が協力する必要があり時間と労力を要する大変な作業です。
もし、統合報告書の作成に悩んでいるのであれば、資料制作のプロに相談するのも一つの選択肢です。
専門家のアドバイスを得ることで、効果的な情報開示と見やすいデザインを実現できるでしょう。
弊社ストリームラインでは、資料制作の依頼を承っています。統合報告書の作成についてお困りの方はIR資料作成代行サービス「LEAD」までお気軽にご相談ください。
5.4 まとめ
統合報告書の作成は、企業のさまざまな部門が協力する必要があり時間と労力を要する大変な作業です。
しかし、統合報告書を作成する重要性は年々高まっており、投資家やステークホルダーとのコミュニケーションツールとして欠かせません。
統合報告書の作成プロセスは、以下の5つのステップに分けられます。
1. 読み手をターゲティングし行動変容を想定する\n2. 発行時期とコストを決定する\n3. 方向性を明確にする\n4. 統合報告書の制作に着手する\n5. 自社サイトで公表しプレスリリースで配信する
6. 統合報告書の活用方法
6.1 ステークホルダーとのエンゲージメント強化
統合報告書は、企業の持続可能性や価値創造のプロセスをステークホルダーに明確に伝えるための報告書です。
有価証券報告書のように、開示の義務はありませんが、上手く活用することで財務情報だけでなく、非財務情報(環境、社会、ガバナンスなど)も総合的に提供することができます。
その結果、多様なステークホルダーに対して自社の魅力や可能性に対する期待を醸成することができます。
統合報告書は、企業の持続可能性や価値創造のプロセスをステークホルダーに明確に伝えるための報告書です。
方法 | 説明 |
---|---|
情報公開 | 企業の活動や取り組みを透明性を持って公開する。 |
対話 | ステークホルダーとの意見交換や質問への回答を行う。 |
フィードバック | ステークホルダーからの意見や提案を参考に、今後の活動に反映させる。 |
6.2 企業価値の向上
統合報告書は、企業の価値創造プロセスを明確に示すことで、企業の価値を高めることができます。
統合報告書を通じて、企業は自社のビジョン、戦略、取り組みなどを具体的に示すことで、ステークホルダーからの信頼を獲得し、企業価値の向上に貢献することができます。
また、統合報告書は、企業の持続可能性や社会的責任に対する取り組みを明確に示すことで、ESG投資家の関心を集め、資金調達の効率化にもつながります。
統合報告書は、企業の価値創造プロセスを明確に示すことで、企業の価値を高めることができます。
方法 | 説明 |
---|---|
ESG投資の促進 | ESG投資家の関心を集め、資金調達の効率化を図る。 |
ブランドイメージの向上 | 企業の社会的責任や持続可能性に対する取り組みをアピールする。 |
競争優位性の強化 | ESGへの取り組みを差別化要因として、競争力を強化する。 |
6.3 人材確保
統合報告書は、企業の理念やビジョン、社会貢献活動などを明確に示すことで、従業員のエンゲージメントを高め、人材確保にも役立ちます。
特に、近年では、企業の社会的責任や持続可能性を重視する人材が増加しており、統合報告書は、そうした人材にとって、企業の魅力を伝える重要なツールとなっています。
統合報告書は、企業の理念やビジョン、社会貢献活動などを明確に示すことで、従業員のエンゲージメントを高め、人材確保にも役立ちます。
統合報告書は、企業の理念やビジョン、社会貢献活動などを明確に示すことで、従業員のエンゲージメントを高め、人材確保にも役立ちます。
方法 | 説明 |
---|---|
企業理念やビジョンの共有 | 企業の理念やビジョンを明確に示すことで、従業員の共感を深める。 |
社会貢献活動のアピール | 社会貢献活動などを紹介することで、社会貢献に関心の高い人材を引きつける。 |
働き方改革の推進 | 働き方改革の取り組みなどを紹介することで、ワークライフバランスを重視する人材を引きつける。 |
6.4 まとめ
統合報告書は、企業の持続可能性や価値創造のプロセスをステークホルダーに明確に伝えるための報告書です。
統合報告書は、企業の価値創造プロセスを明確に示すことで、企業の価値を高めることができます。
統合報告書は、企業の理念やビジョン、社会貢献活動などを明確に示すことで、従業員のエンゲージメントを高め、人材確保にも役立ちます。
統合報告書は、企業の持続可能な成長を実現するための重要なツールとして、ますます注目されていくでしょう。
参考文献
・統合報告書とは?作成時の8項目・作り方・7つのポイントを解説 …
・何から始める? 統合報告の作り方・使い方 第1回 なぜいま統合 …
・統合報告書とは?有価証券報告書との違いや作成目的・発行 …
・統合報告書とは?作成目的や主な記載項目、注意点を事例と …
・統合報告書とは?求められる背景や作成のポイントを企業事例 …
・統合報告書とは?目的と作成方法、SDGsの取り組みを公開する …
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