税引前当期利益とは?経済用語について説明

税引前当期利益に関する項目
項目	説明
税引前当期利益	税金を支払う前の利益
経常利益	通常の事業活動から得た利益
特別利益	臨時的な利益
特別損失	臨時的な損失
税引後当期純利益	税金を支払った後の利益

1. 税引前当期利益とは
2. 税引前当期利益の計算方法
3. 税引前当期利益の重要性
4. 税引前当期利益と税引後当期利益の違い
5. 税引前当期利益の分析方法
6. 税引前当期利益の意義と将来展望

1. 税引前当期利益とは

税引前当期利益の定義

税引前当期利益とは、企業が税金を支払う前に得た利益のことです。企業の収益力を測る指標の一つであり、経常利益に特別利益を加え、特別損失を引くことで算出することができます。税引前当期利益は、企業の実際の業績を反映する数値であり、税金の影響を受けないため、異なる税制を持つ国々や地域間での企業の収益性を比較する際に有用です。

税引前当期利益は、企業がその事業年度に発生したすべての収益から、すべての費用を差し引いた利益であり、法人税などの税金を支払う前の利益です。税引前利益や税引前当期利益、税金等調整前当期純利益などと呼ばれることもあります。また、利益ではなく損失の場合は税引前当期純損失といいます。

税引前当期純利益は、企業の1会計期間における、税金費用以外の損益が反映されており、法人税や住民税、事業税といった税金を計算する際の基準になります。また、臨時的な損益である「特別損益」を考慮したあとの利益であるため、資産の売却や、自然災害の影響などによって数値は大きく変動するのが特徴です。

税引前当期純利益は、企業の最終利益にほぼ近い重要な利益ですが、特別損益の影響を受けやすく、大きく変動しやすい利益でもあります。税引前当期純利益をもって企業の内容を理解するためには、営業利益・経常利益等とのバランスや、過去の利益水準との変動なども踏まえつつ、その企業の本来の利益水準がどの程度かをしっかり理解した上で、現在の税引前当期純利益が適正な水準の金額となっているか、客観的に分析することが重要です。その場合、過去からの税引前当期純利益の推移を見て判断していくことも重要です。

税引前当期利益の定義
項目	説明
税引前当期利益	税金を支払う前の利益
経常利益	通常の事業活動から得た利益
特別利益	臨時的な利益
特別損失	臨時的な損失

税引前当期利益の性格

税引前当期利益は、企業が税金を支払う前に得た利益であり、企業の収益力を測る指標の一つです。税引前当期利益は、経常利益に特別利益を加え、特別損失を引くことで算出されます。

税引前当期利益は、企業の実際の業績を反映する数値であり、税金の影響を受けないため、異なる税制を持つ国々や地域間での企業の収益性を比較する際に有用です。

税引前当期利益は、企業の収益力を測る上で非常に重要な指標の一つです。なぜなら、税引前当期純利益を見ることで、本業でどれだけの利益を上げられているのか、そして本業以外の活動でどれだけの収支が発生しているのかを把握することができるからです。

さらに、税引前当期純利益は、企業の税負担率を分析する際にも利用されます。税負担率は、税引前当期純利益に対して、実際に支払った税金がどれくらいの割合を占めているのかを示す指標です。この税負担率を分析することで、企業の節税対策の巧拙さや、税務リスクなどを評価することができます。

税引前当期利益の性格
項目	説明
税引前当期利益	企業の収益力を測る指標
税引前当期利益	税金の影響を受けない
税引前当期利益	異なる税制間での比較に有用

税引前当期利益と他の利益との違い

税引前当期純利益は、損益計算書に記載される５つの利益のうちの１つです。その他の利益も知ることで、税引前当期純利益の理解も深まります。利益の種類は下記のとおりです。①：売上総利益②：営業利益③：経常利益④：税引前当期純利益⑤：当期純利益

上記の５つは、売上金額の総額の「売上高」から、「原価」や「人件費」など、さまざまなものを順番に計算することによって求められていきます。利益を細分化することによって、どの分野の業績が良いのか、悪いのかが、ひと目でわかるようになっています。それぞれわかりやすく説明していきます。

売上総利益は、売上金額の総額の「売上高」から、「売上原価」を差し引いた金額です。売上総利益を求める計算式は下記のとおりです。売上総利益＝売上高−売上原価売上高とは、会社が販売した「商品」や「サービス」の合計金額のことです。売上原価とは、「商品」や「サービス」を提供するためにかかった費用のことです。つまり、売上総利益は「販売した商品・サービスの金額から、販売するためにかかった費用を差し引いた金額」となるので、売上総利益を見れば、商品やサービスの「付加価値」がわかります。

営業利益は、「売上総利益」から、「販売費及び一般管理費」を差し引いた金額です。営業利益を求める計算式は下記のとおりです。営業利益＝売上総利益−販売費及び一般管理費売上総利益とは、商品の付加価値の金額のことです。販売費及び一般管理費とは、会社が事業活動をおこなう上でかかる費用のことです。つまり、営業利益は「本業の活動によって得られる金額」となるので、営業利益を見れば、会社の本業が上手くいっているのかがわかります。

税引前当期利益と他の利益との違い
利益の種類	説明
売上総利益	売上高から売上原価を差し引いた利益
営業利益	売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた利益
経常利益	営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた利益
税引前当期純利益	経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いた利益
当期純利益	税引前当期純利益から法人税等を差し引いた利益

まとめ

税引前当期純利益は、企業が税金を支払う前に得た利益のことです。企業の収益力を測る指標の一つであり、経常利益に特別利益を加え、特別損失を引くことで算出することができます。税引前当期純利益は、企業の実際の業績を反映する数値であり、税金の影響を受けないため、異なる税制を持つ国々や地域間での企業の収益性を比較する際に有用です。

税引前当期純利益は、企業がその事業年度に発生したすべての収益から、すべての費用を差し引いた利益であり、法人税などの税金を支払う前の利益です。税引前利益や税引前当期利益、税金等調整前当期純利益などと呼ばれることもあります。また、利益ではなく損失の場合は税引前当期純損失といいます。

2. 税引前当期利益の計算方法

税引前当期利益の計算式

税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引くことで算出されます。計算式は以下の通りです。\n税引前当期純利益　＝　経常利益　＋　特別利益　ー　特別損失

経常利益とは、企業が通常の事業活動から得た利益のことです。これには、本業の売上からコストや販売管理費を差し引いた営業利益に、投資収益や為替差益などの営業外収益と、利子支払いや為替差損などの営業外費用を加減算したものが含まれます。

特別利益とは、本業以外の儲けで経常的でないものをいいます。例えば、有価証券の売却益や固定資産の売却益などが挙げられます。

特別損失とは、本業以外の損失で経常的でないものをいいます。例えば、投資有価証券評価損や減損損失などが挙げられます。

税引前当期利益の計算式
項目	説明
税引前当期純利益	経常利益 + 特別利益 – 特別損失

税引前当期利益の計算例

例えば、下記の条件で税引前当期純利益を求める計算式を考えていきましょう。\n経常利益：100万円\n特別利益：50万円（配当益）\n特別費用：30万円（借入金利）

上記の場合、計算式は下記のようになります。\n100+50−30＝120万円（税引前当期純利益）

税引前当期純利益は120万円となりました。

会社によっては、決算書の数字をよく見せるために、経常利益では赤字だったものを税引前当期純利益で黒字にする荒業をすることがあります。経常利益が赤字であるのにも関わらず、税引前当期純利益が黒字となっている場合は、金額の大きい不動産を売却したことなどにより、業績を良く見せようとしていることが考えられます。決算資料で利益を見るときは、1年間の総括である「税引前当期純利益」や「当期純利益」だけでなく、「営業利益」や「経常利益」も確認することが重要です。

税引前当期利益の計算例
項目	金額
経常利益	100万円
特別利益	50万円
特別損失	30万円
税引前当期純利益	120万円

税引前当期利益の計算における注意点

税引前当期純利益を計算する際には、特別利益と特別損失を正しく把握することが重要です。特別利益は、固定資産の売却益や投資有価証券の売却益など、一時的な利益です。特別損失は、固定資産の売却損や災害損失など、一時的な損失です。

特別利益や特別損失は、企業の通常の事業活動とは関係のない例外的な要因で発生するものです。そのため、企業の実力を評価する場合に、税抜き前当期純利益や当期純利益だけを見てしまうと正しく判断できないおそれがあるので要注意です。

特別利益を計上すると、当期純利益を増やすことができます。そのため、決算書の見栄えを良く見せるために、固定資産や株式を売却して当期純利益を確保するケースがあります。

例えば、本業が赤字の企業が、値上がりしている土地や建物を売って特別利益を計上し、最終的な利益である当期純利益を黒字化して決算書の見栄えを良くすることもできます。また、固定資産に含まれる投資有価証券は、本来売買するために買っているわけではありません。そのため、特別利益に多額の投資有価証券売却益が計上されていたら、利益を捻出するために仕方なく売った可能性も考えられます。

税引前当期利益の計算における注意点
項目	説明
特別利益	固定資産の売却益や投資有価証券の売却益など、一時的な利益
特別損失	固定資産の売却損や災害損失など、一時的な損失
税引前当期純利益	特別利益や特別損失を正しく把握することが重要

まとめ

特別利益とは、本業以外の儲けで経常的でないものをいいます。例えば、有価証券の売却益や固定資産の売却益などが挙げられます。

特別損失とは、本業以外の損失で経常的でないものをいいます。例えば、投資有価証券評価損や減損損失などが挙げられます。

3. 税引前当期利益の重要性

税引前当期利益は税金の計算対象となる

税引前当期純利益は、税金の計算対象となる利益です。そのため、税引前当期純利益を把握すると、大まかな納税額の目安を知ることができます。実際の法人税の計算は、税引前当期純利益から経費を加減した上で行われるため、正確な納税額を求めることはできませんが、大体の目安の予想は可能です。

例えば、四半期の税引前当期純利益が1億円、法人税率を25％とすると、1年間の利益が約4億円であるため、およそ1億円が納税額であると予想できます。このように納税額の目安を把握しておくことにより、納税時に向けた資金繰りの計画を立てられるようになります。

税引前当期純利益は、税金を支払う前の企業の利益です。突発的な損益まで考慮した後の税金を支払う前の利益を表しています。

税引前当期純利益は、法人税・法人市民税・法人県民税を支払う前の企業の利益です。突発的な損益まで考慮した後の税金を支払う前の利益を表しています。

税引前当期利益の重要性
項目	説明
税金の計算対象	法人税、住民税、事業税などの税金の計算基準
企業の収益力	企業がどれだけの利益を生み出しているかを測る指標
企業の将来性	安定して増加している場合は、収益力が高く、将来も成長が期待できる

税引前当期利益は企業の収益力を示す

税引前当期純利益は、一会計期間に発生したすべての収益から、一会計期間に発生したすべての費用を差し引いた、企業の可処分利益を示しています。そのため、企業が投下した資本を回収できているかを判断する上で重要な数値です。

税引前当期純利益は、企業の収益力を測る上で非常に重要な指標の一つです。なぜなら、税引前当期純利益を見ることで、本業でどれだけの利益を上げられているのか、そして本業以外の活動でどれだけの収支が発生しているのかを把握することができるからです。

税引前当期利益は企業の将来性を示す

税引前当期純利益は、企業の将来性を示す指標の一つです。税引前当期純利益が安定して増加している企業は、収益力が高く、将来も成長が期待できる企業と言えます。

まとめ

税引前当期純利益は、税金の計算対象となる利益であり、企業の収益力を示す指標の一つです。また、税引前当期純利益は、企業の将来性を示す指標の一つでもあります。

4. 税引前当期利益と税引後当期利益の違い

税引後利益の定義

税引後利益は、正式名称は税引後当期純利益です。税引後利益とは、一定期間の企業の最終利益のことです。税引後利益は、税引前利益から法人税、住民税及び事業税と税効果会計により計上される法人税等調整額を引いた利益のことです。これが損失となった場合は、税引後等基準損失と言います。

税引後利益は、企業が税金を支払った後に残る利益のことです。税引後利益は、税引前利益から法人税、住民税、事業税などの税金を差し引いたものです。

税引後利益は、企業の最終的な利益であり、株主に支払われる配当金は、この税引後利益から支払われます。そのため、投資家にとって重要な金額です。

税引後利益は、企業の収益力を測る上で重要な指標の一つです。なぜなら、税引後利益を見ることで、企業が税金を支払った後にどれだけの利益が残っているのか、そしてその利益がどのように使われているのかを把握することができるからです。

税引後利益の定義
項目	説明
税引後利益	税金を支払った後の利益
税引後利益	税引前利益から法人税、住民税、事業税などを差し引いたもの

税引前利益と税引後利益の違い

税引前利益は、税金を支払う前の利益であり、税引後利益は、税金を支払った後の利益です。税引前利益は、企業の収益力を測る指標の一つであり、税引後利益は、企業の最終的な利益を示す指標の一つです。

税引前利益は、企業がその事業年度に発生したすべての収益から、すべての費用を差し引いた利益であり、法人税などの税金を支払う前の利益です。税引後利益は、税引前利益から法人税、住民税、事業税などの税金を差し引いたものです。

税引前利益は、企業の収益力を測る上で非常に重要な指標の一つです。なぜなら、税引前利益を見ることで、企業が税金を支払う前にどれだけの利益を上げているのか、そしてその利益がどのように使われているのかを把握することができるからです。

税引前利益と税引後利益の違い
項目	説明
税引前利益	税金を支払う前の利益
税引後利益	税金を支払った後の利益

税引前利益と税引後利益の比較

税引前利益は、企業の収益力を測る指標の一つであり、税引後利益は、企業の最終的な利益を示す指標の一つです。税引前利益は、税金を支払う前の利益であり、税引後利益は、税金を支払った後の利益です。

税引前利益と税引後利益の比較
項目	税引前利益	税引後利益
定義	税金を支払う前の利益	税金を支払った後の利益
計算式	経常利益 + 特別利益 – 特別損失	税引前利益 – 法人税、住民税、事業税
目的	企業の収益力を測る	企業の最終的な利益を示す

まとめ

5. 税引前当期利益の分析方法

税引前当期利益の分析手法

税引前当期純利益を用いて分析を行う場合、①時系列比較、②同業他社比較といった手法が有用です。それぞれの分析内容について見ていきましょう。

時系列比較は、同じ会社の税引前当期純利益を、複数年度ならべて比較することにより、企業の利益水準の趨勢を分析する手法です。安定して利益を生み出すことができているのか、年度による変動が大きいのかといった観点から分析を行うことができます。

有価証券報告書の「主要な経営指標の推移」という項目で、5年分の数値を見ることができるため、時系列比較を実施する際には、有価証券報告書を利用するとよいでしょう。

なお、有価証券報告書とは、上場会社に開示することが義務付けられている法定開示書類のことで、年度末決算のタイミングで年に1度開示されています。

税引前当期利益の分析手法
分析手法	説明
時系列比較	複数年度の税引前当期純利益を比較し、利益水準の趨勢を分析
同業他社比較	同業他社の税引前当期純利益と比較し、自社の利益水準を分析

税引前当期利益の分析における注意点

税引前当期純利益は、特別利益や特別損失といった突発的な利益や損失に大きく左右される数値です。そのため、企業の経営状態を判断するにあたって、税引前当期純利益が黒字であっても注意が必要な場合があります。

例えば、経常利益が赤字であっても、保有していた不動産の売却によって特別利益がたまたま大きかった、という場合が考えられます。このとき、特別利益によって税引前当期純利益は黒字になりますが、企業の通常活動で得る経常利益は赤字であるため、企業の経営が不調である可能性も否めません。

企業の経営状態を正しく理解するには、経常利益も含めて精査したり、他の会計年度との比較を行ったりすることが不可欠です。

税引前当期利益の分析における注意点
項目	説明
特別利益	不動産売却益など、一時的な利益
特別損失	災害損失など、一時的な損失
税引前当期純利益	特別利益や特別損失の影響を考慮し、企業の経営状態を総合的に判断する

税引前当期利益の分析ツール

税引前当期純利益の分析には、マネックス証券の銘柄スカウターがおすすめです！マネックス証券の銘柄スカウターを使うと、損益計算書が自動でグラフ化されます。これにより、業績の推移を時系列で確認できるので、企業の変化がより明確に見えきます。

さらに、タブを切り替えることで、前期比や利益率の推移も瞬時にグラフ化されるので、分析にかかる時間がグッと節約できます♪

税引前当期利益の分析ツール
ツール	説明
マネックス証券の銘柄スカウター	損益計算書を自動でグラフ化し、業績の推移を時系列で確認できる

まとめ

税引前当期純利益は、企業の収益力を測る上で非常に重要な指標の一つです。税引前当期純利益を分析することで、企業の業績の推移や、企業の収益力の強弱を把握することができます。

6. 税引前当期利益の意義と将来展望

税引前当期利益の意義

税引前当期利益の意義
項目	説明
税引前当期利益	企業の収益力を測る指標
税引前当期利益	税金の影響を受けない
税引前当期利益	異なる税制間での比較に有用

税引前当期利益の将来展望

税引前当期利益の将来展望
項目	説明
税引前当期利益	企業の収益力を測る指標
税引前当期利益	税金の影響を受けない
税引前当期利益	異なる税制間での比較に有用

税引前当期利益の活用

税引前当期利益の活用
項目	説明
税引前当期利益	企業の収益力を測る指標
税引前当期利益	税金の影響を受けない
税引前当期利益	異なる税制間での比較に有用