項目 | 内容 |
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外見 | 赤褐色、背側に黒斑、赤い目 |
生息地 | 東京湾~土佐湾、沿岸の浅い海、汽水域 |
食性 | 肉食、小魚、甲殻類 |
繁殖 | 産卵期は3~8月、集団産卵 |
飼育 | 120cm以上の水槽、アルカリ性、人工飼料と生き餌 |
用途 | 食用、観賞魚、釣り対象 |
1. アカメフグの外見と特徴
アカメフグの体色と模様
アカメフグは、フグ目フグ科トラフグ属に属する魚で、最大で40cmほどに成長する。体色は赤褐色で、背側に不規則な黒色の斑点がある。斑点の数は個体によって異なり、ほとんど斑点がない個体もいれば、目玉と同じくらいの大きさの斑点が多く見られる個体もいる。体型は丸っぽくずんぐりとしており、他のフグ科の魚と同じように危険を感じると体を膨らませることができる。
アカメフグは、名前の通り、目が赤くなるのが特徴である。これは、眼球の周りが赤く、ヒガンフグとの見分けがやや困難なため、赤い目を強調するために名付けられたと考えられる。
アカメフグは、ヒガンフグと混同されることが多いが、ヒガンフグにはみられる皮膚の小瘤状物がアカメフグには見られないため、区別することができる。また、アカメフグにはトラフグなどに見られる背中部分や腹部の小さな棘がない。
アカメフグは、他のフグと比べると漁獲量が少なく、流通量は多くないが、味が良いことで知られている。釣り人の間では人気が高まっている。
特徴 | 説明 |
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体色 | 赤褐色 |
模様 | 背側に不規則な黒色の斑点 |
目 | 赤い |
体型 | 丸っぽくずんぐり |
皮膚 | 小瘤状物がない |
棘 | 背中部分や腹部に棘がない |
アカメフグの生態
アカメフグは、東京湾~土佐湾に生息しており、日本固有種とされている。食性は肉食で、甲殻類等を捕食している。
アカメフグは、産卵期は3~8月で、盛漁期は秋である。繁殖期になると大群で波打ち際に集まり、集団産卵する。オスは2年、メスは3年ほどで産卵に参加するようになる。
アカメフグは、遊泳力は低く、高速で泳ぐことはできない。外敵から身を守るため、空気や水を胃に吸い込み、体を丸く膨らまして大きく見せることで威嚇する。
アカメフグは、皮膚・肝臓・卵巣は強毒、腸は弱毒である。アカメフグの持つ毒は他のフグの毒と同様の種類である「テトロドトキシン」で、青酸カリの約850倍もの毒性があるとされる。テトロドトキシンを多く含むヒトデ貝などを捕食することでアカメフグ自体も毒素を持つようになる。
項目 | 説明 |
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生息域 | 東京湾~土佐湾 |
固有種 | 日本固有種 |
食性 | 肉食、甲殻類等 |
産卵期 | 3~8月 |
盛漁期 | 秋 |
遊泳力 | 低い |
防衛方法 | 体を膨らませる |
毒性 | 皮膚・肝臓・卵巣は強毒、腸は弱毒 |
アカメフグの毒性
アカメフグの毒は、テトロドトキシンと呼ばれる神経毒で、非常に強力な毒性を持つ。この毒は、水で洗い流したり加熱処理をおこなっても分解することがない。また、解毒剤も開発されていない。
アカメフグの毒は、内臓に多く含まれており、特に肝臓と卵巣は猛毒である。皮膚と腸は強毒、精巣は弱毒とされている。筋肉は食用として利用されるが、一部有毒個体が見つかっているため、注意が必要である。
アカメフグの毒は、人間の体内に入ると、吐き気やしびれ、痙攣などの症状がでる。最悪の場合は死に至ることがある猛毒であるので大変注意が必要である。
アカメフグを食べる際は、必ずフグの調理免許を持った人に調理してもらうこと。
部位 | 毒性 |
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肝臓 | 猛毒 |
卵巣 | 猛毒 |
皮膚 | 強毒 |
腸 | 強毒 |
精巣 | 弱毒 |
筋肉 | 食用可(一部有毒個体あり) |
まとめ
アカメフグは、赤褐色の体色と赤い目が特徴的なフグである。ヒガンフグと混同されることが多いが、皮膚の小瘤状物がないことで区別できる。
アカメフグは、東京湾~土佐湾に生息しており、日本固有種である。食性は肉食で、甲殻類等を捕食している。
アカメフグは、皮膚・肝臓・卵巣は強毒、腸は弱毒である。アカメフグの毒は、テトロドトキシンと呼ばれる神経毒で、非常に強力な毒性を持つ。
アカメフグを食べる際は、必ずフグの調理免許を持った人に調理してもらうこと。
2. アカメフグの生息地と分布
アカメフグの生息域
アカメフグは、東京湾~土佐湾に生息しており、日本固有種とされている。
アカメフグは、主に沿岸の浅い海に生息するが、河口や内湾の汽水域に頻繁に侵入することが知られる。
アカメフグは、夜行性で警戒心も強く、夜や雨の日に汽水域へ侵入することが多い。
アカメフグは、食性は肉食性で、おもに小魚を捕食する。
場所 | 説明 |
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生息域 | 東京湾~土佐湾 |
主な生息域 | 宮崎県、高知県 |
侵入 | 河口や内湾の汽水域に頻繁に侵入 |
活動時間 | 夜行性 |
食性 | 肉食、小魚 |
産卵場所 | 海域 |
稚魚 | 汽水域、藻場 |
アカメフグの分布域
アカメフグは、種子島・屋久島から静岡県まで記録があるが、おもな分布域は宮崎県と高知県である。
アカメフグは、黒潮に面した西日本の太平洋沿岸域だけに分布する日本の固有種である。
アカメフグは、生息数が少なく、各地で保護活動が行われている。
アカメフグは、環境省レッドリストでは1991年版で「希少種」、1999年版では「準絶滅危惧(NT)」だったが、2007年版では2段階上がり「絶滅危惧IB類(EN)」として掲載された。
地域 | 分布 |
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種子島 | ○ |
屋久島 | ○ |
静岡県 | ○ |
宮崎県 | ○ |
高知県 | ○ |
その他 | 稀に分布 |
アカメフグの保護活動
アカメフグは、分布が狭く生息数も少ないため、各地で保護活動が行われている。
アカメフグは、希少価値があるために稚魚が密漁される他、環境汚染や海辺の開発などで稚魚の生息地となる藻場も消失している。
2006年には、宮崎県が指定希少野生動植物の一種としてアカメフグを指定し、捕獲などを禁止した。
高知県も同様に指定しようとしたが釣り人らの反発に遭い、指定には至っていない。
地域 | 保護状況 |
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宮崎県 | 指定希少野生動植物 |
高知県 | 指定検討中 |
環境省 | 絶滅危惧IB類(EN) |
まとめ
アカメフグは、種子島・屋久島から静岡県まで記録があるが、おもな分布域は宮崎県と高知県である。
アカメフグは、黒潮に面した西日本の太平洋沿岸域だけに分布する日本の固有種である。
アカメフグは、生息数が少なく、各地で保護活動が行われている。
アカメフグは、環境省レッドリストでは「絶滅危惧IB類(EN)」として掲載されている。
3. アカメフグの食性と摂食行動
アカメフグの食性
アカメフグは、肉食性で、おもに小魚を捕食する。
アカメフグは、甲殻類、エビなどをより好む傾向があると考えられている。
アカメフグは、岩礁帯に潜む貝やエビ、鞭毛藻類、多毛類などの昆虫や海底生物を捕食する。
アカメフグは、捕食する鞭毛類のイソギンチャクに蓄積されるテトロドキシンを多く含むため、アカメフグ自体も毒素を持つようになる。
餌 | 説明 |
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小魚 | 主な餌 |
甲殻類 | エビなど |
貝 | 岩礁帯に潜む貝 |
鞭毛藻類 | 捕食 |
多毛類 | 捕食 |
昆虫 | 海底生物 |
ヒトデ貝 | テトロドトキシンを多く含むため捕食 |
アカメフグの摂食行動
アカメフグは、岩礁帯の周辺を散歩をする様に単独で索餌行動をする。
アカメフグは、他のフグ同様危険が迫ると体を膨らませ、難を逃れようとします。
アカメフグは、クサフグやショウサイフグは砂泥底に多く見られますが、岩礁帯に多く生息するアカメフグは甲殻類、エビなどをより好む傾向があると考えられています。
アカメフグは、遊泳力は低く、高速で泳ぐことはできない。
行動 | 説明 |
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索餌行動 | 単独で岩礁帯周辺を散歩する |
防衛行動 | 危険を感じると体を膨らませる |
生息場所 | 岩礁帯 |
遊泳力 | 低い |
速度 | 高速で泳ぐことはできない |
アカメフグの餌付け
アカメフグは、人工飼料に餌付く個体は非常に飼育が容易です。
アカメフグは、すぐに食べてくれる個体もいれば、一切受け付けない個体もいます。
アカメフグは、個体によって好みがあるようですので、色々試してみるのも良いかもしれません。
アカメフグは、浮上性のものがよいといわれています。
餌 | 説明 |
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人工飼料 | 個体差あり、餌付く個体は飼育が容易 |
活き餌 | 好む個体が多い |
クリル | 人工飼料に餌付かせる前段階に有効 |
浮上性 | 人工飼料は浮上性のものが良い |
まとめ
アカメフグは、肉食性で、おもに小魚を捕食する。
アカメフグは、岩礁帯に潜む貝やエビ、鞭毛藻類、多毛類などの昆虫や海底生物を捕食する。
アカメフグは、捕食する鞭毛類のイソギンチャクに蓄積されるテトロドキシンを多く含むため、アカメフグ自体も毒素を持つようになる。
アカメフグは、人工飼料に餌付く個体は非常に飼育が容易です。
4. アカメフグの繁殖行動と生活史
アカメフグの産卵
アカメフグは、産卵期は3~8月で、盛漁期は秋である。
アカメフグは、繁殖期になると大群で波打ち際に集まり、集団産卵する。
アカメフグは、オスは2年、メスは3年ほどで産卵に参加するようになる。
アカメフグは、産卵は春の彼岸に行われます。
時期 | 説明 |
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産卵期 | 3~8月 |
盛漁期 | 秋 |
繁殖行動 | 大群で波打ち際に集まり、集団産卵 |
参加年齢 | オスは2年、メスは3年 |
アカメフグの稚魚
アカメフグは、稚魚は汽水域に集まり、コアマモなどが生えた藻場で生活する。
アカメフグは、稚魚や幼魚は藻場で頭を下にしてとどまる習性があり、小魚や甲殻類を捕食して成長する。
アカメフグは、稚魚や幼魚は、親と同じような食事をとりますが、ミミズのような底生生物や落下昆虫も食べる事があります。
アカメフグは、稚魚や幼魚は、環境に慣れてないため、病気にかかりやすい。
場所 | 説明 |
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生息場所 | 汽水域、コアマモなどが生えた藻場 |
習性 | 藻場で頭を下にしてとどまる |
食性 | 小魚や甲殻類 |
病気 | 環境に慣れていないためかかりやすい |
アカメフグの成長
アカメフグは、成長速度は遅く、最大で40cmほどに成長する。
アカメフグは、成長するにつれて、体色が赤褐色から茶褐色に変化していく。
アカメフグは、成長するにつれて、背中の黒色の斑点が大きくなっていく。
アカメフグは、成長するにつれて、体の形が丸っぽくなっていく。
項目 | 説明 |
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成長速度 | 遅い |
最大サイズ | 40cm |
体色変化 | 赤褐色から茶褐色 |
斑点 | 黒色の斑点が大きくなる |
体型 | 丸っぽくなる |
まとめ
アカメフグは、産卵期は3~8月で、盛漁期は秋である。
アカメフグは、稚魚は汽水域に集まり、コアマモなどが生えた藻場で生活する。
アカメフグは、成長速度は遅く、最大で40cmほどに成長する。
アカメフグは、成長するにつれて、体色が赤褐色から茶褐色に変化していく。
5. アカメフグの飼育方法と注意点
アカメフグの飼育環境
アカメフグは、飼育自体は容易ですが、巨大な水槽と餌代がかかるため、計画的に飼育設備を整えて飼育する必要があります。
アカメフグは、120cm以上の水槽が必要になります。
アカメフグは、水を汚しやすいので浄化作用の強いろ過装置を水槽のサイズによっては複数用意します。
アカメフグは、ベアタンクでの飼育がオススメです。
項目 | 説明 |
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水槽サイズ | 120cm以上 |
水槽材質 | ガラス水槽 |
濾過装置 | 外部式フィルター、上部式フィルター、スポンジフィルター |
底砂 | ベアタンク |
水換え | 1週間に1回程度 |
水温 | 25℃前後 |
水質 | アルカリ性、ph7.5前後 |
アカメフグの水質管理
アカメフグは、水温は25℃前後で飼育が可能です。
アカメフグは、水質はアルカリ性・ph7.5前後を保ちましょう。
アカメフグは、淡水、汽水、海水、いずれの環境でも飼育することが可能です。
アカメフグは、淡水で飼育されていたアカメフグをいきなり海水で飼育することはできません。
項目 | 説明 |
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水温 | 25℃前後 |
水質 | アルカリ性、ph7.5前後 |
淡水飼育 | 可能だが、成魚は汽水または海水飼育が望ましい |
水質変化 | 急激な変化は避ける |
塩分濃度 | 徐々に上げていく |
アカメフグの餌付け
アカメフグは、食欲旺盛ですので、人工飼料でも問題なく食べます。
アカメフグは、動物性たんぱく質も併用して小魚などを1日2回食べきれる量を与えましょう。
アカメフグは、与えたら与えた分だけ食べますので消化不良にならないように量を調節しましょう。
アカメフグは、自然で採取されたアカメフグは人工飼料をいきなり食べてくれることは稀ですので時間をかけて人工飼料へ餌付けする必要があります。
餌 | 説明 |
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人工飼料 | 問題なく食べる |
生き餌 | 小魚、エビなど |
餌付け | 時間をかけて餌付けする必要がある |
個体差 | 生き餌以外受け付けない個体もいる |
まとめ
アカメフグは、飼育自体は容易ですが、巨大な水槽と餌代がかかるため、計画的に飼育設備を整えて飼育する必要があります。
アカメフグは、120cm以上の水槽が必要になります。
アカメフグは、水を汚しやすいので浄化作用の強いろ過装置を水槽のサイズによっては複数用意します。
アカメフグは、ベアタンクでの飼育がオススメです。
6. アカメフグの人気種と観賞用途
アカメフグの人気種
アカメフグは、トラフグに次ぐ高級フグと言われています。
アカメフグは、市場では「アカメ」と呼ばれています。
アカメフグは、トラフグに匹敵するくらい味が良いとの事。
アカメフグは、天然活フグ類ではかなりお値打ちではないでしょうか。
種類 | 説明 |
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アカメフグ | トラフグに次ぐ高級フグ |
ヒガンフグ | 標準和名 |
市場名 | アカメ |
アカメフグの観賞用途
アカメフグは、その赤い目が美しく、観賞魚としても人気があります。
アカメフグは、飼育自体は容易ですが、巨大な水槽と餌代がかかるため、計画的に飼育設備を整えて飼育する必要があります。
アカメフグは、その迫力のある姿と赤い目が魅力的です。
アカメフグは、飼育する際は、その毒性にも注意が必要です。
特徴 | 説明 |
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赤い目 | 美しく、観賞魚としても人気 |
飼育 | 容易だが、大型水槽と餌代が必要 |
魅力 | 迫力のある姿と赤い目 |
注意点 | 毒性 |
アカメフグの釣り
アカメフグは、釣り人の間でも人気が高く、特に東京湾では、ヒガンフグを狙うことができます。
アカメフグは、釣り方は主に2つあります。
アカメフグは、カットウ仕掛けを使った釣り方と食わせ仕掛けを使った釣り方です。
アカメフグは、釣ったその日に食べるのではなく、数日寝かしてから食べるのがお勧めです。
釣り方 | 説明 |
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カットウ仕掛け | エサに寄ってきたフグを引っ掛ける |
食わせ仕掛け | エサを喰わせて釣る |
時期 | 10~3月頃 |
場所 | 東京湾 |
まとめ
アカメフグは、トラフグに次ぐ高級フグと言われています。
アカメフグは、その赤い目が美しく、観賞魚としても人気があります。
アカメフグは、釣り人の間でも人気が高く、特に東京湾では、ヒガンフグを狙うことができます。
アカメフグは、飼育する際は、その毒性にも注意が必要です。
参考文献
・アカメフグってどんな魚なの?ヒガンフグとは違う?生態や …
・アカメフグってどんな魚?釣り方や料理の注意点も紹介 – Leisurego
・水族館魚図鑑-アカメフグ(Takifugu chrysops) – 動物園&水族館に …
・アカメフグ(ヒガンフグ)特集!美味と噂のアカメの生態や …
・アカメフグ(あかめふぐ)とは? 意味や使い方 – コトバンク
・【猛毒注意】ヒガンフグ(アカメフグ)の釣り方と美味しい …
・レッドテールアカメフグは真っ赤な瞳と尾ビレが特徴!飼育 …
・アカメの飼い方<日本産淡水魚解説> | Aqualassic
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