| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置 | マリ共和国モプティ地方 |
| 建設時期 | 9世紀末 |
| 世界遺産登録 | 1988年 |
| 危機遺産登録 | 2016年 |
| 主な建築物 | ジェンネの大モスク、伝統的な泥造りの家屋 |
| 特徴 | 泥でできた建造物、サハラ交易の拠点、イスラム文化の影響 |
| 観光名所 | ジェンネの大モスク、月曜市 |
| 食文化 | 米、トウモロコシ、ソルガム、豆類、野菜、肉などを用いた伝統的な料理 |
1. ジェンネ旧市街の歴史
ジェンネ旧市街の起源と発展
ジェンネ旧市街は、西アフリカのマリ共和国に位置する歴史的な都市です。紀元前3世紀ごろには人が定住していたと考えられており、ジェンネに先立つジェンネ＝ジェンノと呼ばれる都市が存在していました。現在のジェンネが建設されたのは9世紀末のことです。その後、トンブクトゥとアフリカ中南部を結ぶ交易の拠点として栄えました。ジェンネは、サハラ砂漠を横断する交易路の要衝として、岩塩や金などの貴重な商品が行き交う重要な拠点となりました。また、イスラム教の布教の中心地としても発展し、15世紀から16世紀にかけては、イスラム文化が大きく花開いた時代でした。
ジェンネの歴史は、さまざまな王国による征服の繰り返しでもありました。マリ帝国、トゥアレグ、ソンガイ帝国、モロッコ、バンバラ帝国、マシーナ帝国、トゥクルール帝国と、13世紀以降600年弱の間に多くの国がジェンネを制圧しては滅んでいったのです。それぞれの王朝がジェンネに独自の文化や建築様式をもたらし、現在のジェンネ旧市街の多様な文化遺産を形作りました。
19世紀後半にはフランスの植民地支配を受け、ジェンネは交易の中心地としての役割を徐々に失っていきました。しかし、フランス植民地政府は、ジェンネの文化遺産の重要性を認識し、1907年にジェンネの大モスクを再建しました。
マリ共和国が独立した後も、ジェンネ旧市街は、その歴史的価値と文化的意義から、世界遺産として保護されるようになりました。1988年にユネスコの世界遺産に登録され、世界中から観光客が訪れるようになりました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 紀元前3世紀頃 | ジェンネ＝ジェンノと呼ばれる都市が存在 |
| 9世紀末 | 現在のジェンネが建設 |
| 13世紀以降 | マリ帝国、トゥアレグ、ソンガイ帝国など多くの王朝が支配 |
| 14〜16世紀 | トンブクトゥとマリの内陸部を結ぶ交易拠点として発展 |
| 19世紀後半 | フランスの植民地支配 |
| 1907年 | ジェンネの大モスクが再建 |
| 1960年 | マリ共和国として独立 |
| 1988年 | 世界遺産に登録 |
| 2012年以降 | 反政府勢力による支配が続く |
| 2016年 | 危機遺産リストに登録 |
ジェンネ旧市街の衰退と危機遺産
2012年以降、マリ北部を中心に、反政府勢力が実効支配している状態が続いています。ジェンネでも勢力間の衝突や外国人を狙った犯罪が報告されており、観光客の安全が脅かされています。そのため、2016年に危機遺産リストに登録されました。
危機遺産リストに登録された理由は、ジェンネ旧市街の文化遺産が、武力紛争やテロなどの脅威にさらされているためです。世界遺産条約では、危機遺産リストに登録された遺産に対して、国際的な支援や保護活動を行うことが義務付けられています。
ジェンネ旧市街の危機遺産リストへの登録は、世界遺産の保護の重要性を改めて認識させるものでした。世界遺産は、人類共通の財産であり、未来の世代に引き継いでいくべきものです。
ジェンネ旧市街の危機遺産リストからの脱却は、マリ政府と国際社会の協力によって実現できるでしょう。ジェンネ旧市街の文化遺産を守り、未来の世代に引き継いでいくために、国際的な支援と協力が不可欠です。
| 王朝 | 支配期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| マリ帝国 | 13世紀 | サハラ交易の中心地として発展 |
| ソンガイ帝国 | 15世紀後半〜16世紀 | イスラム文化が大きく花開いた時代 |
| モロッコ | 1591〜 | 交易の中心地としての役割が衰退 |
| バンバラ帝国 | 1670〜 | 交易の中心地としての役割が衰退 |
| マシーナ帝国 | 1819〜 | 交易の中心地としての役割が衰退 |
| トゥクルール帝国 | 1862〜 | 交易の中心地としての役割が衰退 |
| フランス | 1890年 | 植民地支配 |
| マリ共和国 | 1960年 | 独立 |
ジェンネ旧市街の現在
現在、ジェンネ旧市街は、危機遺産リストに登録されたままですが、マリ政府と国際社会の協力によって、少しずつ状況は改善されつつあります。観光客の安全確保のための対策が進められ、観光客の数は徐々に増加しています。
ジェンネ旧市街は、その歴史的価値と文化的意義から、世界中の人々に愛されています。危機遺産リストに登録されたことで、ジェンネ旧市街の保護に対する意識が高まり、世界中から支援が集まっています。
ジェンネ旧市街は、マリ共和国の重要な観光資源であり、経済活性化にも貢献しています。ジェンネ旧市街の保護と発展は、マリ共和国の未来にとって重要な課題です。
ジェンネ旧市街は、世界遺産として、その歴史的価値と文化的意義を未来の世代に引き継いでいくために、保護と発展を続けていく必要があります。
まとめ
ジェンネ旧市街は、西アフリカのマリ共和国に位置する歴史的な都市で、9世紀末に建設されました。サハラ交易の拠点として栄え、イスラム文化の影響を強く受けました。
ジェンネ旧市街は、マリ帝国、トゥアレグ、ソンガイ帝国、モロッコ、バンバラ帝国、マシーナ帝国、トゥクルール帝国など、多くの王朝の支配を受け、それぞれの王朝が独自の文化や建築様式をもたらしました。
19世紀後半にはフランスの植民地支配を受け、交易の中心地としての役割を徐々に失っていきました。しかし、フランス植民地政府は、ジェンネの文化遺産の重要性を認識し、1907年にジェンネの大モスクを再建しました。
マリ共和国が独立した後も、ジェンネ旧市街は、その歴史的価値と文化的意義から、世界遺産として保護されるようになりました。1988年にユネスコの世界遺産に登録され、世界中から観光客が訪れるようになりました。しかし、2012年以降、マリ北部を中心に、反政府勢力が実効支配している状態が続いており、ジェンネでも勢力間の衝突や外国人を狙った犯罪が報告されています。そのため、2016年に危機遺産リストに登録されました。
2. ジェンネ旧市街の建築物
ジェンネの大モスク
ジェンネ旧市街のシンボル的存在であるジェンネの大モスクは、高さ20m、奥行き75m、収容人数1000人を超える巨大なモスクです。このモスクは、ニジェール川の泥を原料にした日干しレンガを積み上げ、その上にさらに泥を塗って仕上げています。
モスクの内部には、畳1畳分の太さがある柱がおよそ100本あり、これらも泥でつくられています。モスクの壁には、外に張り出したヤシの骨組みが多数あり、これは年に一度、泥を塗り直す補修作業の際に足場として用いられます。
ジェンネの大モスクは、スーダン様式という独特の建築様式で建てられており、泥のモスクとしては世界最大級の建築物とされています。
ジェンネの大モスクは、13世紀に建てられたものが起源とされていますが、現在のモスクは1907年に再建されたものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 高さ | 20m |
| 奥行き | 75m |
| 収容人数 | 1000人以上 |
| 建築様式 | スーダン様式 |
| 材料 | 日干しレンガ、泥 |
| 特徴 | ヤシの木の骨組み、泥でできた柱 |
| 建設時期 | 13世紀（起源）、1907年（再建） |
伝統的な泥造りの家屋
ジェンネ旧市街には、大モスクだけでなく、多くの伝統的な泥造りの家屋が残っています。これらの家屋は、日干しレンガを積み重ね、その上に泥を塗って仕上げています。
家屋の壁には、木の断片「テロン」と呼ばれるものが組み込まれており、これが建物の強度を高める役割を果たしています。
家屋の正面は、トゥクルール様式ないしモロッコ様式の特徴的なファサードで飾られています。このファサードは、家族構成を表していると言われています。
ジェンネ旧市街の伝統的な泥造りの家屋は、地元の材料と技術を用いた持続可能な建築方法の一例です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 材料 | 日干しレンガ、泥 |
| 建築様式 | スーダン様式 |
| 強度 | 木の断片「テロン」を組み込むことで強度を高めている |
| ファサード | トゥクルール様式ないしモロッコ様式 |
| 特徴 | 環境に優しい素材、持続可能な建築方法 |
建築の特徴
ジェンネ旧市街の建築物は、泥を材料とした日干しレンガを用いた建築が特徴です。泥は、この地域で豊富に手に入る材料であり、環境に優しい素材です。
ジェンネの建築物は、スーダン様式と呼ばれる、泥を積み重ねて壁を作る伝統的な建築様式が用いられています。
ジェンネの建築物は、イスラム文化の影響を受けており、モスクや家屋には、アーチやドームなどのイスラム建築の特徴が見られます。
ジェンネの建築物は、地元の材料と技術を用いた持続可能な建築方法の一例であり、環境保護の観点からも注目されています。
まとめ
ジェンネ旧市街の建築物は、泥を材料とした日干しレンガを用いた建築が特徴です。
ジェンネの大モスクは、スーダン様式という独特の建築様式で建てられており、泥のモスクとしては世界最大級の建築物です。
ジェンネ旧市街には、大モスクだけでなく、多くの伝統的な泥造りの家屋が残っています。
ジェンネの建築物は、地元の材料と技術を用いた持続可能な建築方法の一例であり、環境保護の観点からも注目されています。
3. ジェンネ旧市街の文化
イスラム文化の影響
ジェンネ旧市街は、イスラム教の布教の中心地として発展した都市です。そのため、都市全体にイスラム文化の影響が見られます。
ジェンネの大モスクは、イスラム教の信仰の中心地であり、多くのイスラム教徒が祈りに訪れます。
ジェンネ旧市街には、イスラム教の伝統的な生活様式が継承されています。
ジェンネ旧市街は、イスラム文化とアフリカの伝統文化が融合した独特の文化を持つ都市です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 宗教 | イスラム教 |
| 生活様式 | 伝統的な生活様式が継承されている |
| 産業 | 農業、漁業、交易 |
| イベント | 伝統的な祭りやイベントが開催される |
| 特徴 | イスラム文化とアフリカの伝統文化が融合した独特の文化 |
| 影響 | サハラ交易、イスラム文化 |
伝統的な生活様式
ジェンネ旧市街では、伝統的な生活様式が今も受け継がれています。
ジェンネの人々は、農業や漁業、交易など、伝統的な産業に従事しています。
ジェンネ旧市街では、伝統的な祭りやイベントが開催され、人々は伝統文化を大切に守っています。
ジェンネ旧市街は、伝統的な生活様式と現代社会が共存する都市です。
文化交流
ジェンネは、サハラ交易の重要な拠点として、多くの文化交流が行われた場所です。
ジェンネには、さまざまな民族や文化が混在しており、多様な文化交流が生まれています。
ジェンネ旧市街は、文化交流の拠点として、今後も発展していくことが期待されています。
ジェンネ旧市街は、世界中の人々に、文化交流の重要性を教えてくれる場所です。
まとめ
ジェンネ旧市街は、イスラム教の布教の中心地として発展した都市であり、都市全体にイスラム文化の影響が見られます。
ジェンネ旧市街では、伝統的な生活様式が今も受け継がれており、農業や漁業、交易など、伝統的な産業に従事しています。
ジェンネは、サハラ交易の重要な拠点として、多くの文化交流が行われた場所であり、さまざまな民族や文化が混在しています。
ジェンネ旧市街は、文化交流の拠点として、今後も発展していくことが期待されています。
4. ジェンネ旧市街の世界遺産登録経緯
世界遺産登録の理由
ジェンネ旧市街は、1988年にユネスコの世界遺産に登録されました。
世界遺産登録の理由は、ジェンネ旧市街が、文化的伝統を伝える顕著な例であり、建築や技術の発展を示す顕著な例であると評価されたためです。
ジェンネ旧市街は、サハラ交易とイスラム文化の影響を受けた独特のスタイルを持ち、地域の伝統的な建築技術が継承されています。
ジェンネ旧市街の建築物は、地元の材料と技術を用いた持続可能な建築方法の一例であり、環境保護の観点からも注目されています。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| (iii) | 文化的伝統を伝える顕著な例 |
| (iv) | 建築や技術の発展を示す顕著な例 |
危機遺産リストへの登録
ジェンネ旧市街は、2016年に危機遺産リストに登録されました。
危機遺産リストに登録された理由は、ジェンネ旧市街の文化遺産が、武力紛争やテロなどの脅威にさらされているためです。
世界遺産条約では、危機遺産リストに登録された遺産に対して、国際的な支援や保護活動を行うことが義務付けられています。
ジェンネ旧市街の危機遺産リストへの登録は、世界遺産の保護の重要性を改めて認識させるものでした。
保護活動
ジェンネ旧市街の保護活動は、マリ政府と国際社会の協力によって行われています。
世界遺産条約に基づき、ジェンネ旧市街の文化遺産を保護するための国際的な支援や協力が提供されています。
ジェンネ旧市街の保護活動は、観光客の安全確保、文化遺産の保全、地域住民の生活向上などを目的として行われています。
ジェンネ旧市街の保護活動は、世界遺産の保護の重要性を示す成功例となっています。
まとめ
ジェンネ旧市街は、1988年にユネスコの世界遺産に登録されました。
世界遺産登録の理由は、ジェンネ旧市街が、文化的伝統を伝える顕著な例であり、建築や技術の発展を示す顕著な例であると評価されたためです。
ジェンネ旧市街は、2016年に危機遺産リストに登録されました。
ジェンネ旧市街の保護活動は、マリ政府と国際社会の協力によって行われています。
5. ジェンネ旧市街の観光名所
ジェンネの大モスク
ジェンネ旧市街のシンボル的存在であるジェンネの大モスクは、高さ20m、奥行き75m、収容人数1000人を超える巨大なモスクです。
このモスクは、ニジェール川の泥を原料にした日干しレンガを積み上げ、その上にさらに泥を塗って仕上げています。
モスクの内部には、畳1畳分の太さがある柱がおよそ100本あり、これらも泥でつくられています。
モスクの壁には、外に張り出したヤシの骨組みが多数あり、これは年に一度、泥を塗り直す補修作業の際に足場として用いられます。
伝統的な泥造りの家屋
ジェンネ旧市街には、大モスクだけでなく、多くの伝統的な泥造りの家屋が残っています。
これらの家屋は、日干しレンガを積み重ね、その上に泥を塗って仕上げています。
家屋の壁には、木の断片「テロン」と呼ばれるものが組み込まれており、これが建物の強度を高める役割を果たしています。
家屋の正面は、トゥクルール様式ないしモロッコ様式の特徴的なファサードで飾られています。
月曜市
ジェンネ旧市街では、毎週月曜日にモスク前の広場に月曜市が開かれます。
月曜市には、周辺の町からも商人が集まり、食料品、日用品、衣料品など、さまざまな商品が売られています。
月曜市は、ジェンネ旧市街の活気あふれる風景を見ることができる場所です。
月曜市は、ジェンネの人々の生活を垣間見ることができる場所です。
まとめ
ジェンネ旧市街の観光名所は、ジェンネの大モスク、伝統的な泥造りの家屋、月曜市などがあります。
ジェンネの大モスクは、高さ20m、奥行き75m、収容人数1000人を超える巨大なモスクです。
ジェンネ旧市街の伝統的な泥造りの家屋は、地元の材料と技術を用いた持続可能な建築方法の一例です。
ジェンネ旧市街の月曜市は、周辺の町からも商人が集まり、食料品、日用品、衣料品など、さまざまな商品が売られています。
6. ジェンネ旧市街の食文化
伝統的な料理
ジェンネ旧市街の食文化は、サハラ交易とイスラム文化の影響を受けています。
ジェンネの伝統的な料理には、米、トウモロコシ、ソルガム、豆類、野菜、肉などが使われています。
ジェンネの伝統的な料理は、シンプルながらも、素材の味を生かした、滋味深い料理です。
ジェンネの伝統的な料理は、地元の人々の生活と密接に関係しています。
食文化の特徴
ジェンネの食文化は、イスラム教の戒律に従っており、豚肉は食べません。
ジェンネの食文化は、季節の食材を大切にする文化です。
ジェンネの食文化は、家族や親族で食事を共にする文化です。
ジェンネの食文化は、人々の生活を豊かにする文化です。
食文化と観光
ジェンネ旧市街を訪れる観光客は、伝統的な料理を味わうことができます。
ジェンネ旧市街には、伝統的な料理を提供するレストランや屋台があります。
ジェンネの伝統的な料理は、観光客にとって貴重な体験となります。
ジェンネの食文化は、観光客に、ジェンネの人々の生活と文化を理解する機会を提供します。
まとめ
ジェンネ旧市街の食文化は、サハラ交易とイスラム文化の影響を受けています。
ジェンネの伝統的な料理は、シンプルながらも、素材の味を生かした、滋味深い料理です。
ジェンネの食文化は、イスラム教の戒律に従っており、豚肉は食べません。
ジェンネ旧市街を訪れる観光客は、伝統的な料理を味わうことができます。
参考文献
・マリの世界遺産ジェンネ旧市街!泥でつくられた巨大建造物群 …
・マリの世界遺産「ジェンネ旧市街」とは？世界遺産マニアが解説
・100年後には消滅？紛争の国の泥のモスク 旅の形、国の形 …
・無数のトゲが表面を覆い尽くす泥で築かれた巨大なモスク … | Crea
・ジェンネ旧市街(ジェンネきゅうしがい)とは？ 意味や使い方 …
・泥でできた世界遺産!マリ・ジェンネ旧市街の大モスク | たび …
・世界遺産なのに守れない？ 危機遺産の深刻な現実 – 日本経済新聞
・100年後には見られない!？ジェンネの世界遺産「泥のモスク …
