ハンピの建造物群とは？世界遺産についての解説

ハンピの建造物群の構成
項目	内容
歴史	ヴィジャヤナガル王国の興亡、世界遺産登録
見どころ	ヴィルパークシャ寺院、ヴィッタラ寺院、ヘーマクータの丘
文化遺産価値	ヴィジャヤナガル王国の文化、宗教と文化の融合、芸術性の高さ
アクセス方法	バンガロールからのアクセス、ホスペットからのアクセス、その他のアクセス方法
観光ガイド	ハンピの観光スポット、ハンピの観光のポイント、ハンピの観光情報
魅力を体験しよう	ハンピの魅力、ハンピの旅のポイント、ハンピの思い出

1. ハンピの建造物群の歴史とは
2. ハンピの建造物群の見どころ
3. ハンピの建造物群の文化遺産価値
4. ハンピの建造物群へのアクセス方法
5. ハンピの建造物群の観光ガイド
6. ハンピの建造物群の魅力を体験しよう

1. ハンピの建造物群の歴史とは

ヴィジャヤナガル王国の興亡

ハンピは、インド南部カルナータカ州の村で、かつてのヴィジャヤナガル王国の首都であった。古名はヴィジャヤナガル（Vijayanagara、「勝利の都」）。現在は遺跡北側を流れる川の旧名で呼ばれる。ハンピに残存する都市の遺構は、1986年、ハンピの建造物群（Group of Monuments at Hampi）の名称で国際連合教育科学文化機関（ユネスコ）世界遺産の文化遺産に登録された。

ハンピは、14世紀から17世紀中頃に実在したヴィジャヤナガル王国の王都であった。ヴィジャヤナガル朝は、カルナータカ州南部およびアーンドラ・プラデーシュ州南部に至る南インドを支配したヒンドゥー王朝。数多くの宮殿やヒンドゥー教寺院が造営されたが、1565年ターリコータの戦いでムスリム5王国の連合軍に負け、その略奪を受け廃墟と化した。その後、ティルマラ・デーヴァ・ラーヤがヴィジャヤナガルから南方のペヌコンダへと遷都した。

現在は40ほどの遺跡が残っており、さまざまな水道橋、神祠や望楼、柱廊や浴場、要塞なども散在している。ハンピ北東端に所在するヴィッタラ寺院（英語版）は16世紀にクリシュナ・デーヴァ・ラーヤ王がオリッサに勝利したことを記念に建立した寺院で、ヴィジャヤナガル様式の最高傑作。最大規模をほこり、56本の石柱があり、広い列柱ホールの礼拝堂（マンタバ（英語版））をそなえている。

トゥンガバドラー川沿いにあるヴィルーパークシャ寺院（英語版）はシヴァ神に献じられたもので、規模が大きく、南インドに特徴的な寺院建築を伝える現役の寺院である。ヘマクータの丘にあるヘマクータ寺院群は10世紀頃から建てられたものでる。1999年以降、遺跡保存に緊急性および特段の配慮を必要とするため、ユネスコの「危機にさらされている世界遺産」（危機遺産）リストに登録されていたが、2006年に除外された。

ヴィジャヤナガル王国の歴史
時代	出来事
14世紀	ヴィジャヤナガル王国建国、ハンピを首都とする
1565年	ターリコータの戦いで敗北、廃墟となる
16世紀	ティルマラ・デーヴァ・ラーヤがペヌコンダに遷都
1986年	ハンピの建造物群として世界遺産に登録

ハンピの建造物群の世界遺産登録

この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された（以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である）。

登録基準（i）かつてのヴィジャヤナガル王国の首都であったハンピに残る神殿や宮殿はユニークな芸術作品であるという点。

登録基準（iii）16世紀に最盛期であったヴィジャヤナガル王国の繁栄した姿を現在に残すということ。

登録基準（iv）16世紀のターリコータの戦いによって破壊され、遺跡とはなったものの、王族や市民、軍人などのための設備跡が残っていて、彼らの生活様式が今でも見られるという点。

世界遺産登録基準
基準	内容
(i)	ユニークな芸術作品
(iii)	繁栄した姿を現在に残す
(iv)	生活様式が今でも見られる

ハンピの建造物群の価値

現在は遺跡となったハンピではありますが、ここに残る遺跡は、現役の寺院もあり、保存状態が良いという点で評価。そして、ここの遺構から人々の暮らしが分かるというのもポイント。

ハンピの建造物群は、ヒンドゥー王朝であったヴィジャヤナガル王国で発展・完成したドラヴィダ建築が見られる。柱の回廊で囲まれた巨大な塔が立つという独自の構成が見られます。

ヴィジャヤナガル王国は多民族・多宗教国家であったことを示すように、浴場や象の厩舎などにはイスラム建築の要素が加えられている。

ハンピでは200年以上も美しい建築物が作られ、当時ここを訪れた外国人旅行者にも絶賛されるほどであった。

ハンピの建造物群の価値
項目	内容
保存状態	現役の寺院もあり、良好
建築様式	ドラヴィダ建築、イスラム建築の要素
歴史的価値	200年以上も美しい建築物が作られた
文化的多様性	多民族・多宗教国家であったことを示す

まとめ

ハンピの建造物群は、かつて栄華を極めたヴィジャヤナガル王国の歴史と文化を伝える貴重な遺産である。

世界遺産に登録されたハンピの建造物群は、その規模の大きさ、芸術性の高さ、そして歴史的価値から、世界中から観光客を集めている。

ハンピの建造物群は、インドの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所であり、訪れる価値のある場所である。

2. ハンピの建造物群の見どころ

ヴィルパークシャ寺院

ハンピの中心部にある、シヴァ神を祀るヒンドゥー教寺院です。寺院は7世紀から存在していたとされますが、現在見られるものは15世紀のデーヴァ・ラーヤ2世時代に建造されたものがほとんど。16世紀に破壊されたものの、その後もずっと寺院は改修と増築が続けられ、現在も保存状態が良いというのが特徴。

50mの高さを誇る塔門は、9層もの建造物で寺院のシンボルでもあります。敷地も広く、南インドで発展した寺院建築を現在に残す点でとても貴重なもの。

ヴィルパークシャ寺院は現在も信者が祈りのために足を運ぶ現役の寺院です。ハンピのシンボル的存在だけあって一際目立っています。ハンピの建造物群の中で最も高く52mありますが、見どころは高さだけではありません。層状のピラミッド型の屋根面いっぱいに施された彫刻美も見ごたえ抜群です。

そんなヴィルパークシャ寺院はハンピの建造物群の寺院地区にあります。また、同じ境内の中には人懐っこいゾウがいて観光客から注目されています。信者たちに配慮を払いつつも観光気分を楽しめるでしょう。そしてマタンガの丘から見るヴィルパークシャ寺院の風景も人気があります。特にサンセットの風景が美しいと好評ですよ。保存状態も良く洗練された造りヴィルパークシャ寺院は外せないスポットです。

ヴィルパークシャ寺院の見どころ
項目	内容
塔門	高さ50m、9層の建造物
敷地	広く、南インドの寺院建築を伝える
保存状態	良好、現役の寺院
その他	人懐っこいゾウがいる、マタンガの丘からの景色が美しい

ヴィッタラ寺院

ハンピの遺跡の北東部に位置する寺院跡。ここは16世紀に建造された、ヴィジャヤナガルの寺院建築の集大成でもあるヒンドゥー教の寺院でした。ハンピの遺跡の中では最大規模を誇り、礼拝堂（マンタバ）には、56本の石柱がありますが、ここは叩くと音楽のような音が出てくるということで有名。

そして、内部には馬車のような形をしたガルーダ祠があり、これはハンピのシンボル的存在で、「ラタ（山車）」と呼ばれる、ドラヴィダの建築様式の一種でもあります。

ヴィッタラ寺院は、16世紀にクリシュナ・デーヴァラーヤ王がオリッサに勝利したことを記念に建立した寺院で、ヴィジャヤナガル様式の最高傑作。最大規模をほこり、56本の石柱があり、広い列柱ホールの礼拝堂（マンタバ）をそなえている。

ヴィッタラ寺院の見どころ
項目	内容
礼拝堂	56本の石柱があり、叩くと音が鳴る
ガルーダ祠	ハンピのシンボル的存在
建築様式	ヴィジャヤナガル様式の最高傑作
規模	ハンピの遺跡の中で最大規模

ヘーマクータの丘

ヘマクータの丘にあるヘマクータ寺院群は10世紀頃から建てられたものでる。

ヘーマクータの丘は、ヴィルーパークシャ寺院やハンピ村を一望できる丘。ここには、10世紀頃に建てられた寺院がいくつか残されています。

丘の上にも巨石がゴロゴロ。小さな寺院があり、建物の中には、大きなガネーシャ神の像がありました。

ヘーマクータの丘の見どころ
項目	内容
景色	ヴィルーパークシャ寺院やハンピ村を一望できる
寺院	10世紀頃に建てられた寺院がいくつか残っている
その他	巨石がゴロゴロしている、ガネーシャ神の像がある

まとめ

ハンピの建造物群は、ヴィルパークシャ寺院、ヴィッタラ寺院、ヘーマクータの丘など、見どころが満載です。

これらの寺院は、それぞれに特徴があり、見ごたえがあります。

ハンピの建造物群は、インドの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所であり、訪れる価値のある場所である。

3. ハンピの建造物群の文化遺産価値

ヴィジャヤナガル王国の文化

ハンピの建造物群は、かつてのヴィジャヤナガル王国の首都であったハンピに残る神殿や宮殿はユニークな芸術作品であるという点で評価されています。

16世紀に最盛期であったヴィジャヤナガル王国の繁栄した姿を現在に残すということでも評価されています。

16世紀のターリコータの戦いによって破壊され、遺跡とはなったものの、王族や市民、軍人などのための設備跡が残っていて、彼らの生活様式が今でも見られるという点も評価されています。

ヴィジャヤナガル王国の文化遺産
項目	内容
芸術作品	神殿や宮殿
繁栄	16世紀の繁栄した姿を現在に残す
生活様式	王族や市民、軍人などのための設備跡が残っている

宗教と文化の融合

ヴィジャヤナガル王国は多民族・多宗教国家であったことを示すように、浴場や象の厩舎などにはイスラム建築の要素が加えられている。

ハンピの建造物群は、ヒンドゥー教とイスラム教の文化が融合した独特の建築様式を見ることができます。

ハンピの建造物群は、インドの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所であり、訪れる価値のある場所である。

宗教と文化の融合
項目	内容
建築様式	ヒンドゥー教とイスラム教の文化が融合した独特の建築様式
例	浴場、象の厩舎
特徴	多民族・多宗教国家であったことを示す

芸術性の高さ

ハンピの建造物群は、その彫刻の芸術性の高さからも、当時のヴィジャヤナガル朝様式の最高傑作と評されています。

ハンピの建造物群は、ヒンドゥー教の寺院建築の傑作であり、その芸術性の高さは世界的に認められています。

ハンピの建造物群は、インドの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所であり、訪れる価値のある場所である。

芸術性の高さ
項目	内容
彫刻	繊細かつダイナミックな彫刻
評価	ヴィジャヤナガル朝様式の最高傑作と評されている
特徴	ヒンドゥー教の寺院建築の傑作

まとめ

ハンピの建造物群は、その歴史的価値、文化的多様性、芸術性の高さから、世界遺産に登録されました。

ハンピの建造物群は、インドの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所であり、訪れる価値のある場所である。

4. ハンピの建造物群へのアクセス方法

バンガロールからのアクセス

インド南部の中心都市・バンガロールからハンピの建造物群に行くルートがシンプルでわかりやすいです。

日本からバンガロールへはマレーシアやタイ、インドの首都デリーなどの都市で乗り継ぎます。

一回の乗り継ぎでバンガロールに到着するので比較的便利です。

バンガロールから鉄道か寝台バス利用すると、ハンピに最も近い町ホスペットに到着します。所要時間は約9時間から10時間。本数が多いことと、列車はチケットが満席になりやすいためバスの方がおすすめです。

バンガロールからのアクセス
交通手段	所要時間
鉄道	約9時間から10時間
バス	約9時間から10時間
その他	マレーシアやタイ、デリーなどの都市で乗り継ぎ

ホスペットからのアクセス

ホスペットからハンピまではバスで向かいます。所要時間は約30分。30分から1時間間隔で運行しています。

ハンピのバス停に着くと、さっそくリキシャの運転手さんたちに囲まれます。(ちなみに帰りのバスも同じ場所から出ます)

ホスペットからのアクセス
交通手段	所要時間
バス	約30分
その他	30分から1時間間隔で運行

その他のアクセス方法

ハンピへは、バンガロールやチェンナイ、ゴアなど、周辺の都市を経由して行くことが一般的です。

ゴアから300km、バンガロールからは380kmです。

「バンガロール」「ハイデラバード」「ゴア」の3都市から「ハンピ」への行き方は、毎日多数出ている寝台バスや寝台列車に乗り、「ホスペット」まで行きます。

そこからローカルバスまたはオートリシャーでハンピへ向かいます。ローカルバスは30分から１時間間隔、鉄道は1日1便から2便です。ホスペットからの所要時間は約20分です。

その他のアクセス方法
都市	距離
ゴア	300km
バンガロール	380km
アクセス方法	寝台バス、寝台列車
所要時間	約8時間から10時間

まとめ

ハンピへのアクセスは、バンガロールやゴアなどの主要都市からバスや鉄道でアクセス可能です。

5. ハンピの建造物群の観光ガイド

ハンピの観光スポット

ハンピの建造物群は、ヴィルパークシャ寺院、ヴィッタラ寺院、ヘーマクータの丘など、見どころが満載です。

これらの寺院は、それぞれに特徴があり、見ごたえがあります。

ハンピの建造物群は、インドの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所であり、訪れる価値のある場所である。

ハンピの観光スポット
スポット	特徴
ヴィルパークシャ寺院	シヴァ神を祀る、ハンピ最古の寺院
ヴィッタラ寺院	ヴィジャヤナガル様式の最高傑作、56本の石柱がある
ヘーマクータの丘	ヴィルーパークシャ寺院やハンピ村を一望できる、10世紀頃に建てられた寺院がある

ハンピの観光のポイント

ハンピは、広大な遺跡群なので、2～3日かけてじっくりと観光できるとベストです。

ハンピの観光のポイント
ポイント	内容
時間	2～3日かけてじっくりと観光
移動手段	リキシャ、自転車、徒歩
宿泊	ホスペットの町に宿泊施設が充実

ハンピの観光情報

ハンピの遺跡周辺は閑散とした静かな村ですが、車で30分ほどにホスペットという町があり、ここにはホテルなど宿泊施設が整っています。

バンガロールからはバスや列車でアクセス可能（約10時間）で、ゴアからはバスで8時間ほどです。

ハンピの遺跡周辺は閑散とした静かな村ですが、車で30分ほどにホスペットという町があり、ここにはホテルなど宿泊施設が整っています。

バンガロールからはバスや列車でアクセス可能（約10時間）で、ゴアからはバスで8時間ほどです。

ハンピの観光情報
項目	内容
宿泊	ホスペットの町にホテルなど宿泊施設が充実
アクセス	バンガロールからはバスや列車で約10時間、ゴアからはバスで約8時間

まとめ

ハンピの建造物群は、インドの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所であり、訪れる価値のある場所である。

6. ハンピの建造物群の魅力を体験しよう

ハンピの魅力

ハンピは、巨岩や丘が連なる大自然のなかに貴重な遺跡が点在するところです。

ハンピの魅力
項目	内容
自然	巨岩や丘が連なる大自然
遺跡	貴重な遺跡が点在
雰囲気	のどかな風景と遺跡が調和した独特の雰囲気

ハンピの旅のポイント

ハンピは、広大な遺跡群なので、2～3日かけてじっくりと観光できるとベストです。

ハンピの旅のポイント
ポイント	内容
時間	2～3日かけてじっくりと観光
移動手段	リキシャ、自転車、徒歩
宿泊	ホスペットの町に宿泊施設が充実

ハンピの思い出

ハンピは、インドで最も見応えのある遺跡です。

ハンピの思い出
項目	内容
スケール	インドで最も見応えのある遺跡
歴史	ヴィジャヤナガル王国の栄華を偲ぶ
文化	ヒンドゥー教とイスラム教の文化が融合した独特の建築様式