スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院とは?世界遺産についての解説

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院の世界遺産登録情報
登録年 登録基準
2017年 (ii)(iv)

1. 歴史と由来

要約

スヴィヤジツク島の誕生

スヴィヤジツク島は、ロシア西部を流れるヴォルガ川に位置する小さな集落です。16世紀半ば、イヴァン4世(雷帝)は、カザン・ハン国を征服しようとしましたが、なかなか成功を収めることができませんでした。軍に積み替え基地が不足していたためです。そこで、カザンから30km離れた、スヴィヤギ川とシュキ川とヴォルガ川が交わるところにあるこの島が、積み替え基地にピッタリだと考えられました。しかし、タタール人にこれほど近いところにどうやって要塞を建てればよいのかという問題がありました。

そこで、次のような方法がとられました。まずムィシキン市に要塞そのものを丸太で作り、丸太に番号を振って解体し、春に、ヴォルガ川に沿って、島に向け流したのです。そして4週間後の1551年には、人のいなかった島は、スヴィヤジツクという名を持つイヴァン雷帝の要塞となりました。

要塞(その大きさは、当時のモスクワのクレムリンよりを上回っていた)は完全にその正しさを証明することとなりました。要塞が作られた1年後、カザンを征服するに至ったのです。

要塞都市には最初、18本の塔と住宅、正教会がありましたが、戦争における栄光を見せた後、スヴィヤジツクはすぐに多くの寺院を持つ正教会の中心地となりました。

スヴィヤジツク島の誕生
時期 出来事
1551年 イヴァン4世が要塞を建設
1552年 カザンを征服

生神女就寝修道院の建設

都市が創建された数年後には、ウスペンスキー修道院、ウスペンスキー大聖堂が建設されました。そして現在、世界に1つしかない馬の頭をつけた聖クリストフォロスのフレスコ画が描かれたのです。

1667年に聖人を動物のように描くことが教会によって禁じられた後、そうしたフレスコ画は破壊されましたが、このフレスコ画だけは幸運にも生き延びることができました。それは、フレスコ画のある壁の横に長い間、この修道院の開基者の聖骸が置かれ、その上に円柱のある4つのアーチでできた木製の構造物が設置されていたため、それでなくともすすけて、目立たなくなっていたフレスコ画が覆い隠されていたからです。

このフレスコ画と共に、他の壁画や構造物も現在まで保存されています。島には2つの修道院(ウスペンスキー修道院と16世紀に建てられた聖なる預言者イオアン修道院)、7つの教会を含む37以上の文化遺産があります。2017年以降は島全体がユネスコの保護下に置かれています。

街には、教会に関係のない建物もたくさんあります。1781年、ここにはおよそ1万人が住んでいたそうです。

生神女就寝修道院の建設
時期 出来事
16世紀 ウスペンスキー修道院、ウスペンスキー大聖堂が建設
1667年 聖人を動物のように描くことが禁じられる
2017年以降 島全体がユネスコの保護下に置かれる

スヴィヤジツクの変遷

もっとも、19世紀の建造物のほとんどは、貯水池の建設によって浸水したか、崩壊しました。現在、スヴィヤジツクでは、これら失われた場所の写真のついた木造の掲示板を目にすることができます。

他に、かつての厳しい時代を思わせるものとして、「コミューンの壁」や政治的粛清の犠牲者のための記念碑があります。

1918年の革命後、スヴィヤジツクは「修道院の街」(かつてはその名声を誇っていた)から粛清の街へと姿を変えました。

国の新たな体制に反対する者たちはここに流刑され、銃殺されました。1930年代以降になると、スヴィヤジツクには少年院、NKVDの刑務所が作られ、その後、精神病院もできました。粛清の犠牲者のための記念碑が建てられたのは、ここで数多くの埋葬地が見つかったためです。遺骨調査の結果、犠牲者の一部は銃殺され、一部は1940年代の初頭に飢えのため亡くなったことが分かっています。

スヴィヤジツクの変遷
時期 出来事
19世紀 貯水池の建設による浸水や崩壊
1918年 革命による粛清
1930年代以降 少年院、NKVDの刑務所、精神病院が建設

まとめ

スヴィヤジツク島は、イヴァン4世がカザン・ハン国を征服するために軍事拠点として築かれた島です。

その後、ロシア正教会の中心地となり、多くの寺院が建設されました。

しかし、19世紀以降は貯水池の建設や革命による影響で、街は衰退していきました。

現在では、歴史的建造物が多く残る観光地として、世界中から観光客が訪れています。

2. 建築様式と特徴

要約

聖母被昇天大聖堂の建築様式

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂は、ロシアの伝統的なキリスト教建築様式であるプスコフ様式とモスクワ様式の影響を受けています。

プスコフ様式は、14世紀から16世紀にかけて、ロシア北西部プスコフで発展した建築様式です。

モスクワ様式は、15世紀から17世紀にかけて、モスクワで発展した建築様式です。

聖母被昇天大聖堂は、これらの伝統的な建築様式に加えて、18世紀に西欧のバロック様式が採用され、ロシアにおける新しい芸術様式で改築されています。

聖母被昇天大聖堂の建築様式
様式 特徴
プスコフ様式 14世紀から16世紀にかけて、ロシア北西部プスコフで発展した建築様式
モスクワ様式 15世紀から17世紀にかけて、モスクワで発展した建築様式
バロック様式 18世紀に採用されたロシアにおける新しい芸術様式

聖母被昇天大聖堂の特徴

聖母被昇天大聖堂は、ロシア正教会の寺院として、多くの特徴を持っています。

まず、聖堂の内部は、旧約聖書や新約聖書、聖人たちの壁画で覆われています。

これらの壁画は、ロシア正教会の信仰と歴史を伝える貴重な資料です。

また、聖堂には、イコノスタシス(イコンで覆われた壁)やイコンなどの芸術作品が数多く飾られています。

聖母被昇天大聖堂の特徴
特徴 説明
壁画 旧約聖書や新約聖書、聖人たちの壁画で覆われている
イコノスタシス 聖堂の聖域と信徒席を隔てる壁
イコン 聖人や聖母マリア、キリストなどの肖像画

修道院の建築様式

スヴィヤジツク島には、聖母被昇天大聖堂の他に、聖なる預言者イオアン修道院など、いくつかの修道院があります。

これらの修道院は、聖母被昇天大聖堂と同じように、ロシアの伝統的な建築様式の影響を受けています。

また、修道院は、聖母被昇天大聖堂と同様に、ロシア正教会の信仰と歴史を伝える重要な場所です。

修道院は、聖母被昇天大聖堂とは異なる、静かで落ち着いた雰囲気を持つ場所です。

修道院の建築様式
様式 特徴
プスコフ様式 14世紀から16世紀にかけて、ロシア北西部プスコフで発展した建築様式
モスクワ様式 15世紀から17世紀にかけて、モスクワで発展した建築様式

まとめ

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂は、ロシアの伝統的な建築様式と西欧のバロック様式が融合した、独特の建築様式を持つ建物です。

聖堂の内部は、ロシア正教会の信仰と歴史を伝える貴重な資料である壁画で覆われています。

また、聖堂には、イコノスタシスやイコンなどの芸術作品が数多く飾られています。

スヴィヤジツク島には、聖母被昇天大聖堂の他に、いくつかの修道院があり、これらの修道院は、聖母被昇天大聖堂と同じように、ロシアの伝統的な建築様式の影響を受けています。

3. 世界遺産登録の背景

要約

登録基準

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院は、2017年にユネスコの世界遺産に登録されました。

登録基準は、(ii)と(iv)です。

(ii)は、建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。

(iv)は、歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。

登録基準
基準 説明
(ii) 建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである
(iv) 歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である

登録の理由

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院は、ロシアが東方へと拡大したことを示すユーラシア大陸の歴史や地政学的な交流が見られるものとして評価されています。

特に大聖堂の壁画は東方正教会とイスラム文化の相互作用を反映していて、西方から伝来したキリスト教の宗教的なテーマの交流という面も反映しています。

生神女就寝大聖堂のイコノスタシス(イコンで覆われた壁)やイコンなどの芸術様式は、西方のノヴゴロド、プスコフ、モスクワなどのロシアにおけるルーツ的なキリスト教芸術と、ヴォルガ地方の伝統芸術の融合により生まれたものであるという点も評価されています。

また、スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院は、イヴァン4世によってロシア・ツァーリ国をヨーロッパから東方のイスラム諸国まで拡大するために考案された支配と伝道の施策を示しています。

世界遺産としての価値

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院は、ロシアの歴史と文化を伝える重要な場所です。

聖堂の壁画は、ロシア正教会の信仰と歴史を伝える貴重な資料です。

また、聖堂は、ロシアの建築様式と芸術の融合を象徴する建物です。

スヴィヤジツク島は、ロシアの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所です。

まとめ

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院は、ロシアの歴史と文化を伝える重要な場所として、世界遺産に登録されました。

聖堂の壁画は、ロシア正教会とイスラム文化の相互作用を反映しており、ロシアの建築様式と芸術の融合を象徴する建物です。

スヴィヤジツク島は、ロシアの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所です。

世界遺産に登録されたことで、スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院は、世界中の人々に知られるようになりました。

4. 聖母被昇天大聖堂の内部装飾

要約

壁画

聖母被昇天大聖堂の内部は、旧約聖書や新約聖書、聖人たちの壁画で覆われています。

これらの壁画は、ロシア正教会の信仰と歴史を伝える貴重な資料です。

壁画は、聖堂の壁全体に描かれており、聖書の物語や聖人たちの生涯が生き生きと描かれています。

壁画は、ロシアの伝統的な芸術様式であるイコン画の影響を受けています。

イコノスタシス

聖母被昇天大聖堂には、イコノスタシス(イコンで覆われた壁)があります。

イコノスタシスは、聖堂の聖域と信徒席を隔てる壁で、ロシア正教会の寺院に必ず設置されています。

イコノスタシスは、聖堂の最も重要な部分の一つであり、ロシア正教会の信仰と芸術を象徴するものです。

聖母被昇天大聖堂のイコノスタシスは、ロシアの伝統的なイコン画で飾られています。

イコン

聖母被昇天大聖堂には、イコンが数多く飾られています。

イコンは、ロシア正教会の信仰と芸術を象徴するものです。

イコンは、聖人や聖母マリア、キリストなどの肖像画で、ロシア正教会の信徒にとって重要な信仰の対象です。

聖母被昇天大聖堂のイコンは、ロシアの伝統的なイコン画で、その美しさは、ロシア正教会の信仰と芸術の深さを物語っています。

まとめ

聖母被昇天大聖堂の内部装飾は、ロシア正教会の信仰と芸術を伝える貴重な資料です。

壁画、イコノスタシス、イコンは、ロシア正教会の寺院に必ず設置されるものであり、ロシア正教会の信仰と芸術を象徴するものです。

聖母被昇天大聖堂の内部装飾は、ロシアの伝統的な芸術様式であるイコン画の影響を受けており、その美しさは、ロシア正教会の信仰と芸術の深さを物語っています。

聖母被昇天大聖堂の内部装飾は、ロシアの歴史と文化を伝える重要な要素の一つです。

5. 修道院の暮らしと活動

要約

修道院の役割

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂は、修道院の一部です。

修道院は、ロシア正教会の信仰の中心地であり、多くの僧侶が生活し、祈りを捧げています。

修道院は、ロシア正教会の信仰を伝える役割を担っています。

また、修道院は、地域社会の福祉活動にも貢献しています。

修道院の役割
役割 説明
ロシア正教会の信仰の中心地 多くの僧侶が生活し、祈りを捧げている
ロシア正教会の信仰を伝える 礼拝や聖歌隊の歌、聖書の講義など
地域社会の福祉活動 地域住民の支援など

修道院の暮らし

修道院の僧侶は、厳しい規律の下、生活しています。

僧侶は、毎日、祈りを捧げ、聖書を読み、労働をしています。

修道院の暮らしは、質素で簡素なものです。

しかし、僧侶たちは、信仰に支えられ、充実した日々を送っています。

修道院の暮らし
内容 説明
規律 厳しい規律の下、生活している
活動 祈りを捧げ、聖書を読み、労働をしている
生活 質素で簡素な生活

修道院の活動

修道院は、ロシア正教会の信仰を伝える活動を行っています。

修道院では、礼拝が行われ、聖歌隊が歌を歌います。

また、修道院では、聖書の講義や宗教教育が行われています。

修道院は、ロシア正教会の信仰を伝える重要な役割を担っています。

修道院の活動
活動 説明
礼拝 毎日行われている
聖歌隊 歌を歌っている
聖書の講義 僧侶によって行われている
宗教教育 子供たちなどに対して行われている

まとめ

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂は、修道院の一部であり、修道院は、ロシア正教会の信仰の中心地です。

修道院の僧侶は、厳しい規律の下、生活し、祈りを捧げ、聖書を読み、労働をしています。

修道院は、ロシア正教会の信仰を伝える活動を行っており、地域社会の福祉活動にも貢献しています。

スヴィヤジツク島の聖母被昇天大聖堂と修道院は、ロシア正教会の信仰と歴史を伝える重要な場所です。

6. 観光スポットとアクセス方法

要約

観光スポット

スヴィヤジツク島には、聖母被昇天大聖堂の他に、いくつかの観光スポットがあります。

例えば、聖なる預言者イオアン修道院や、7つの教会などがあります。

これらの観光スポットは、ロシアの歴史と文化を伝える貴重な場所です。

スヴィヤジツク島は、ロシアの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所です。

観光スポット
スポット 説明
聖なる預言者イオアン修道院 16世紀に建てられた修道院
7つの教会 スヴィヤジツク島にある教会

アクセス方法

スヴィヤジツク島は、カザンからバスで約1時間です。

カザンには、国際空港があります。

スヴィヤジツク島は、ロシアの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所です。

スヴィヤジツク島は、ロシアの歴史と文化を学ぶ上で欠かせない場所です。

アクセス方法
交通手段 説明
バス カザンから約1時間
飛行機 カザン国際空港

観光の注意点

スヴィヤジツク島は、ロシアの伝統的な文化と歴史を伝える場所です。

観光客は、ロシアの文化と歴史を尊重し、マナーを守って観光しましょう。

また、スヴィヤジツク島は、ロシア正教会の聖地です。

観光客は、ロシア正教会の信仰を尊重し、礼拝に邪魔にならないように注意しましょう。

まとめ

スヴィヤジツク島は、ロシアの歴史と文化を伝える重要な場所です。

聖母被昇天大聖堂や修道院、教会など、多くの観光スポットがあります。

スヴィヤジツク島は、カザンからバスで約1時間です。

観光客は、ロシアの文化と歴史を尊重し、マナーを守って観光しましょう。

参考文献

スヴィヤズスク島の被昇天大聖堂と修道院 | ロシア | 世界遺産 …

スヴィヤジツクの集落島の生神女就寝大聖堂 | トラベルタウンズ

スヴィヤジツクの集落島にある生神女就寝大聖堂と修道院 …

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生神女就寝大聖堂 – Wikipedia

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