ブールジュ大聖堂とは？世界遺産についての解説

ブールジュ大聖堂の概要
項目	内容
歴史	3世紀に礼拝所が建設され、11世紀にロマネスク様式の大聖堂が建造。12世紀後半にゴシック様式の大聖堂の建設が開始され、13世紀後半に完成。16世紀にルネサンス様式の塔が再建。
特徴	フランスのゴシック建築の中でも最大級の大きさ。5つの正面入口、5つの身廊、高さ40メートル以上の西面。翼廊が存在しないことと側廊が二重になっている点で特異。彫刻やステンドグラスが有名。
世界遺産登録	1992年にユネスコの世界遺産に登録。登録基準は、(i) 人類の創造的才能の傑作であること、(iv) 建築様式や技術の重要な例であること。
建築様式	ゴシック建築の特徴である高い天井と、それを支える柱梁構造を採用。尖頭アーチ、交差リブ・ヴォールト、フライング・バットレスなどが見られる。
ステンドグラス	様々な時代のステンドグラスがあり、その美しさで有名。周歩廊の「最後の審判」のステンドグラスが特に有名。
祭壇	豪華な祭壇で、キリストの生涯とグラナダ戦争の場面が彫刻されている。キラキラ金色に輝く祭壇は、色彩も豊か。

1. ブールジュ大聖堂の歴史
2. ブールジュ大聖堂の特徴
3. ブールジュ大聖堂の世界遺産登録
4. ブールジュ大聖堂の建築様式
5. ブールジュ大聖堂のステンドグラス
6. ブールジュ大聖堂の祭壇

1. ブールジュ大聖堂の歴史

ブールジュ大聖堂の起源

ブールジュ大聖堂は、フランス中部のブールジュ市にあるカトリック教会の大聖堂です。現在の建物は、12世紀後半から13世紀後半にかけて建造されたもので、フランスにおけるゴシック建築の傑作の一つとして知られています。しかし、ブールジュには、3世紀にはすでにキリスト教が伝わっており、現在の大聖堂があった場所には、すでに礼拝所が存在していたとされています。11世紀にはロマネスク様式の大聖堂が建造されていましたが、12世紀後半に、フランスの国威を示すため、壮大なゴシック様式の大聖堂の建設が開始されました。

1195年にブールジュ大司教アンリ・ド・シュリは、ブールジュ司教座聖堂の教会参事会に贈り物をしました。これが、ブールジュに11世紀から12世紀のいささか小さなロマネスク様式の聖堂にかえて新しい大聖堂を建てることの出発点となりました。これ以前にあった教会堂について多くは分かっていない。

ブールジュは古代ローマ都市アワリクムであった時に、ガリア最初のキリスト教共同体を抱えた。その3世紀以降、キリスト教文化の中心が存在したということである。それは現在の大聖堂の敷地に建てられていった4つの建物に引き継がれた。最初のものは3世紀に聖ユルサン (St. Ursin) によって立てられた地下礼拝堂、次がブールジュ大司教聖パレ (St. Palais) による4世紀のもの、そして同大司教ラウル・ド・チュレンヌ (Raoul de Turenne) による9世紀のもの、最後がフランス王ロベール2世の弟であったブールジュ大司教ゴズランによる11世紀初頭のロマネスク様式の聖堂である。

ブールジュは1100年頃にはフランス王領の都市であり、王領の南端に位置していた。それはまた当時イングランド領だったアキテーヌ地方からわずかのところでもあった。ブールジュの大司教には同時に「アキテーヌ首座大司教」の肩書きと権威が与えられていたが、これにはしばしば異議が唱えられた。

ブールジュ大聖堂の建設時期
時期	出来事
3世紀	キリスト教信徒が小さな礼拝所を建設
11世紀	ロマネスク様式の大聖堂が建造
12世紀後半	ゴシック様式の大聖堂の建設開始
13世紀後半	ゴシック様式の大聖堂の完成
16世紀	ルネサンス様式の塔の再建

ブールジュ大聖堂の建設

現存するブールジュ大聖堂はロワール川以南で建てられた初のゴシック建築物であり、フランス王や大司教の威厳を示す上で重要なものだったと考えられている。当時は王領でなかった南仏に面するフランス王領最前線という意味で、大聖堂は唯一の存在であることが求められたのである。ゆえにノートルダム・ド・パリにも比肩しうる大規模建築の実現・推進が決定されたのである。

1195年以降に建設が計画され、1214年に建物の半分が完成した。新しい大聖堂の設計は単純だが調和的なものであり、身廊を囲む礼拝堂を持つバシリカ式を採った。この新たな大聖堂で目を惹くのは、側壁と内部空間の統一性だった。最初、大司教シュリはノートルダム・ド・パリに触発されていたようだが、彼は1199年に歿した。跡を継いだ大司教ギヨーム・ド・ダンジョン（元シトー会修道院長）は、建築内容の発展とイコンの計画決定で重要な役割を果たした。1209年にダンジョンが歿すると、すぐに列聖式が行われ、信者や巡礼者たちから寄付が殺到した。

10年ほど中断したのち、第二期工事が1225年に始まり、1230年には身廊と西のファサードが完成した。以降の工事においても、建築家たちはこれを手がけた最初の工匠（名前は伝わっていない）の計画をよく理解し、一貫性と計画の簡素さ、および空間の統一性に寄与する翼廊の欠如は保持されていた。

1313年にはひびがはいっていた南の塔に支柱を入れる形で補強工事が行われたが、鐘を取り付けることはそのもろさのために出来なかった。1324年5月13日の聖別式の時にも未完成だった北の塔は、15世紀末にはようやく完成したが、1506年に早々と崩壊した。すぐに、ルネサンス様式を取り入れつつゴシック様式のファサードとの調和も意識する形で再建が行われた。この塔はかつて「バターの塔」とも呼ばれた。一部には信徒たちから集められた資金が使われており、それと引き換えに四旬節の断食が免除されたためである。

ブールジュ大聖堂の建設に関わった人物
人物	役割
アンリ・ド・シュリ	ブールジュ大司教、新しい大聖堂建設を決定
ギヨーム・ド・ダンジョン	ブールジュ大司教、建築内容の発展とイコンの計画決定で重要な役割
ゴズラン	ブールジュ大司教、11世紀初頭にロマネスク様式の聖堂を建設

ブールジュ大聖堂の変遷

ユグノー戦争序盤の1562年にはブールジュがユグノーの手に落ち、内陣とファサードの彫刻が大いに傷つけられた。

19世紀の初頭に大規模な修復工事が行われ、屋根の周囲の補強が施された。しかし、それ以前には存在しなかった装飾性の強い小さな塔が屋根や控壁の上に並べて建てられ、すっきりとした外観を壊す結果となった。また、この種の改修は聖堂の内装にも加わっている。今日のブルージュ大聖堂はロマネスクから19世紀に至る、種々の様式のるつぼとなっている。

5つのポルタイユ（正面入口）を持ち5つの身廊につながっている西面は、高さ40メートル以上を誇り、フランスのゴシック建築のなかで最大である。その彫刻も巨大で、中央のポルタイユは最後の審判を大きく描き出している。

ブールジュ大聖堂は建築史上、他のヨーロッパの大聖堂に影響を及ぼした。ノートルダム・ド・パリはこれより前に作られているが、より後に再建された身廊の丸天井にはその影響がある。ほかにも、ル・マンのサン＝ジュリヤン大聖堂、クータンスの大聖堂、トレド大聖堂などにも影響を与えている。

ブールジュ大聖堂の主な改修時期
時期	出来事
1313年	南の塔の補強工事
1506年	北の塔の崩壊
1562年	ユグノー戦争による内陣とファサードの彫刻の損傷
19世紀初頭	大規模な修復工事

まとめ

ブールジュ大聖堂は、長い歴史の中で、ロマネスク様式からゴシック様式へと変遷し、さらに修復や改修を重ねてきました。その過程で、様々な建築様式が混在し、現在の姿となりました。

ブールジュ大聖堂は、フランス王や大司教の威厳を示す象徴的な建築物として、フランスにおけるゴシック建築の傑作の一つとして位置づけられています。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の主流ではないものの、デザインや空間の演出など、建築的評価が高いものであったということ。

ブールジュの大聖堂は当時はかなり先鋭的な建築物で独特なデザインではあったものの、ゴシック建築の中でも傑作であり、中世フランスにおける信仰心の強さも見られるという点で評価されています。

2. ブールジュ大聖堂の特徴

ブールジュ大聖堂の構造

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の中でも最大級の大きさを誇る大聖堂です。奥行き約124メートル、幅41メートルと、その規模は圧巻です。

ブールジュ大聖堂は、5つの正面入口を持ち、5つの身廊につながっています。西面は、高さ40メートル以上を誇り、フランスのゴシック建築のなかで最大である。

ブールジュ大聖堂は、翼廊が存在しないことと側廊が二重になっている点で特異である。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の特徴である高い天井と、それを支える柱梁構造を採用しています。

ブールジュ大聖堂の構造
項目	内容
奥行き	約124メートル
幅	41メートル
高さ	西面は40メートル以上
構造	翼廊が存在しないことと側廊が二重になっている点で特異
天井	高い天井と、それを支える柱梁構造を採用

ブールジュ大聖堂の彫刻

ブールジュ大聖堂の彫刻は、ゴシック建築の傑作の一つとして知られています。特に、中央入口のタンパンに描かれた『最後の審判』は、ダイナミックな装飾で、見る人を圧倒します。

北扉口には13世紀に造られたキリストの昇天が描かれ、左右の柱頭彫刻も壮麗です。

フランボワイアン・ゴシックの回廊は天井の美しいカーブとレリーフ、落ち着いた色合いの壁も魅力的です。

魔除けのガーゴイルや天使もいるので、探しながらブールジュ大聖堂を観光してみてはいかがでしょう。

ブールジュ大聖堂の彫刻
場所	彫刻
中央入口のタンパン	『最後の審判』
北扉口	キリストの昇天
回廊	天井の美しいカーブとレリーフ
その他	魔除けのガーゴイルや天使

ブールジュ大聖堂のステンドグラス

ブールジュ大聖堂のステンドグラスは、その美しさで有名です。

周歩廊の「最後の審判」のステンドグラスは特に有名です。深い青と輝く赤の光のシャワーが魅惑的な輝きを放っています。

重厚かつ繊細なステンドグラスは、外の光の変化に応じ注がれる調光が言葉を失うほど可憐です。

戦争で破壊されたり自然に壊れたりとブールジュ大聖堂が建て替えると同時にステンドグラスも少しずつ増えました。ブールジュ大聖堂の変遷を垣間見ることができます。

ブールジュ大聖堂のステンドグラス
場所	ステンドグラス
周歩廊	「最後の審判」
その他	様々な時代のステンドグラスがあり、その美しさで有名

まとめ

ブールジュ大聖堂は、その規模の大きさ、彫刻の美しさ、ステンドグラスの輝きなど、様々な特徴を持つ大聖堂です。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の中でも、特に優れた建築物として評価されています。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の傑作であり、その設計、ティンパヌム、彫刻、ステンドグラスはいずれも特筆すべきものである。

その規模とコンセプトの統一性が織りなす美しさは中世フランスにおけるキリスト教の強大さを示してくれる。

3. ブールジュ大聖堂の世界遺産登録

ブールジュ大聖堂の世界遺産登録基準

ブールジュ大聖堂は、1992年にユネスコの世界遺産に登録されました。

登録基準は、(i) 人類の創造的才能の傑作であること、(iv) 建築様式や技術の重要な例であること、の2つです。

ブールジュ大聖堂は、空間のダイナックな利用と美しい装飾が施されたゴシック建築の傑作で、中世フランスにおけるキリスト教の信仰のシンボルでもあったという点で評価されています。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の主流ではないものの、デザインや空間の演出など、建築的評価が高いものであったということ。

ブールジュ大聖堂の世界遺産登録情報
項目	内容
登録年	1992年
登録基準	(i) 人類の創造的才能の傑作であること、(iv) 建築様式や技術の重要な例であること
登録名	ブールジュ大聖堂

ブールジュ大聖堂の世界遺産としての価値

ブールジュ大聖堂は、フランスにおけるゴシック建築の傑作の一つとして、世界的に高い評価を受けています。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の主流ではないものの、デザインや空間の演出など、建築的評価が高いものであったということ。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の傑作であり、その設計、ティンパヌム、彫刻、ステンドグラスはいずれも特筆すべきものである。

ブールジュ大聖堂の世界遺産としての意義

ブールジュ大聖堂は、世界遺産に登録されることで、その歴史的、芸術的、建築的な価値が世界的に認められました。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の傑作であり、その設計、ティンパヌム、彫刻、ステンドグラスはいずれも特筆すべきものである。

その規模とコンセプトの統一性が織りなす美しさは中世フランスにおけるキリスト教の強大さを示してくれる。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の主流ではないものの、デザインや空間の演出など、建築的評価が高いものであったということ。

まとめ

ブールジュ大聖堂は、その建築的、芸術的、歴史的な価値が認められ、世界遺産に登録されました。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の傑作であり、その設計、ティンパヌム、彫刻、ステンドグラスはいずれも特筆すべきものである。

その規模とコンセプトの統一性が織りなす美しさは中世フランスにおけるキリスト教の強大さを示してくれる。

ブールジュ大聖堂は、フランスのゴシック建築の主流ではないものの、デザインや空間の演出など、建築的評価が高いものであったということ。

4. ブールジュ大聖堂の建築様式

ゴシック建築の特徴

ブールジュ大聖堂は、ゴシック建築の特徴を備えた建築物です。

ゴシック建築は、ロマネスク建築を発展させた建築様式で、12世紀にフランスで誕生しました。

ゴシック建築の特徴は、尖頭アーチ、交差リブ・ヴォールト、フライング・バットレスなどです。

これらの技術は、すでにロマネスク建築で取り入れられていましたが、ゴシック建築では、より洗練され、高度な技術が用いられました。

ゴシック建築の特徴
特徴	説明
尖頭アーチ	アーチの上部が尖っている形状
交差リブ・ヴォールト	天井を支える骨組み構造
フライング・バットレス	壁を支えるためのアーチ状の構造
高い天井	壁を薄くすることで実現
柱梁構造	壁全体で支えるのではなく、柱と梁で支える構造