バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダとは?世界遺産についての解説

バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダの構成
名称 説明
柱のサロン 絹取引の契約が行われた広間。ヤシの木を模したねじり柱が特徴。
4階建てで、かつては支払いが滞った者を収容する刑務所として使用されていた。
海の領事の広間 バレンシアの商業に関する事柄や海上での問題を取り扱ってきた海の領事の裁判所があった場所。
オレンジの木の中庭 オレンジの木が植えられた中庭。

1. ラロンハデラセダとは

要約

ラロンハデラセダの概要

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、スペイン南東部のバレンシア州の州都バレンシアにある建物で、15世紀後半に後期ゴシック様式で建設されました。ラ・ロンハはスペイン語で『絹の商品取引所』という意味を持ち、かつてヨーロッパ中から商人が集まり絹製品の取引をする場所として使用されていました。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、1482年から1498年の間に建設が行われ、最終的に完成したのは1548年と言われています。2000平方m以上の敷地を誇る豪華なゴシック様式が印象的な、お城のような建物には圧倒されます。建物の外観も素晴らしいですが、中に入ってみると、思わず息を飲む外観以上に美しい建築がみられます。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダのすぐ目の前にはバレンシアの最大規模の市場と言われるセントラルマーケットがあるので、併せて観光するのに最適なスポットです。

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、1996年に世界遺産に登録されました。バレンシアは、イベリア半島でも最大の港を持つ港湾都市で、新大陸が発見されるまではスペインの地中海側における随一の経済の中心地でした。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、1482年から1498年まで、ペレ・コムプテといった建築家たちによって建造されました。ロンハは塔を隔てて「海の領事の広間」と「柱のサロン」の2つに分かれていて、中庭には「オレンジの木の中庭」が配置されました。特に柱のサロンは、後期ゴシック様式の重厚な造りとなっていて、16mもの螺旋状の柱が、イタリア産の大理石の上に配置されていることから、この名が付けられました。まるで柱はヤシの木のように見え、楽園を表現したものとされています。サロンには金融機関が運用する交換所が置かれていて、地中海における商業活動には欠かせない場所でもありました。

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、バレンシアの歴史が垣間見える絹の商品取引所ですが、外観も内部もそのエレガントで精美なゴシック建築に感動することでしょう。スペインは他にもたくさんの世界遺産が点在していますので、ぜひ他の世界遺産と併せて観光プランを立ててみてくださいね!

ラロンハデラセダへのアクセス

日本からスペイン・バレンシアへ行くにはマドリードへの直行便を利用する方法が一番スムーズで、14時間半のフライトになります。スペインのマドリードから世界遺産バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダまでの最寄り駅までは高速鉄道を利用して3時間〜3時間半程で向かうことができ便利です。

ラロンハデラセダの基本情報

名称:ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ\n住所:Carrer de la Llotja

ラロンハデラセダの基本情報
名称 ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ
住所 Carrer de la Llotja, 2, 46001 València
公式・関連サイトURL http://www.jdiezarnal.com/valencialalonja.html

まとめ

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、バレンシアの黄金時代と呼ばれる15世紀に、ヨーロッパ中から商人が集まり絹製品の取引をする場所として使用されていた建物です。ゴシック様式のその豪華な建物はまるでお城のよう。バレンシアを訪れる際は、ぜひラ・ロンハ・デ・ラ・セダを訪れて、当時の繁栄を想像してみてください。

2. ラロンハデラセダの建築様式

要約

ゴシック様式の建築

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、後期ゴシック様式で建設された建物です。ゴシック様式は、12世紀頃にフランスで生まれた建築様式で、尖塔やアーチ、ステンドグラスなどが特徴です。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、ゴシック様式の建築様式の中でも、特に装飾が華麗なフランボワイヤン様式の影響を受けています。フランボワイヤン様式は、14世紀後半から16世紀にかけてフランスで流行したゴシック様式の変種で、より装飾的な要素が加わったのが特徴です。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの外観は、ゴシック様式の重厚な造りでありながら、窓枠や柱などに繊細な装飾が施され、華麗な印象を与えます。

多様な建築様式の融合

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、ゴシック様式だけでなく、ルネサンス様式やムデハル様式といった他の建築様式の要素も取り入れています。ルネサンス様式は、14世紀頃にイタリアで生まれた建築様式で、古代ローマの建築様式を模倣したものが特徴です。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの内部には、ルネサンス様式の要素が見られる部屋もあります。ムデハル様式は、13世紀頃にスペインで生まれた建築様式で、イスラム建築の要素を取り入れたものが特徴です。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの内部には、ムデハル様式の要素が見られる部屋もあります。このように、ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、様々な建築様式が融合した、非常に興味深い建物です。

ラロンハデラセダの建築の特徴

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの建築の特徴として、ねじり柱や網状ヴォールト(ネット・ヴォールト)、木製天井などが挙げられます。ねじり柱は、複数の柱をねじり合わせて作った柱で、ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの柱のサロンには、ヤシの木を模したねじり柱が立ち並んでいます。網状ヴォールトは、複数のアーチを組み合わせて作った天井で、ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの柱のサロンには、網状ヴォールトが採用されています。木製天井は、木を組み合わせて作った天井で、ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの海の領事の広間には、ムデハル様式の木製天井が採用されています。

ラロンハデラセダの建築の特徴
特徴 説明
ねじり柱 複数の柱をねじり合わせて作った柱。ヤシの木を模している。
網状ヴォールト 複数のアーチを組み合わせて作った天井。
木製天井 木を組み合わせて作った天井。ムデハル様式。

まとめ

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、後期ゴシック様式を基調としつつ、ルネサンス様式やムデハル様式といった他の建築様式の要素も取り入れた、非常に個性的な建物です。ねじり柱や網状ヴォールト、木製天井など、様々な建築技術が駆使されており、当時の建築技術の高さを伺い知ることができます。

3. ラロンハデラセダの見どころ

要約

柱のサロン

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの内部に入ると、大きな広間があります。この広いスペースは「契約のサロン」または「柱のサロン」と呼ばれているスペースです。その名の通り、この広間に入るとユニークならせん状の柱が目立ちます。とっても広いスペースのこの広間では、実際に絹取引の契約が行われた広間と言われています。こちらの広間のテーマは「楽園」をイメージして作られ、このユニークで目を引く天井まで伸びる柱はヤシの木を表現しています。大きな窓から降り注ぐ光も大理石の床をさらに輝かせます。こんなに美しい建物でかつて絹製品の取引が行われていたとは当時の商人は贅沢ですよね。

海の領事の広間

契約のサロンから外に出るとオレンジが実る中庭があります。こちらにはベンチがあるのでほっと一息休憩をとるのもいいですね。中庭を抜け、階段を上がったところにあるのが「海の領事の広間」です。せっかくバレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダまで来ても、一階の契約のサロンだけで満足して次のスポットへ行ってしまう人も少なくないですが、ぜひ2階にも足を運んでみてください。2階の海の領事の広間は、バレンシアの商業に関する事柄や海上での問題を取り扱ってきた海の領事の裁判所があった場所です。こちらの見所は、なんといっても素晴らしい木製の天井の装飾です。フアン・デル・ポヨ氏が1418年に創作に着手してから、1455年に完成させたというゴールドを基調として造られたこちらの天井はまさに一見の価値ありです!

塔は4階建てで内部に螺旋階段を備えている。1階には礼拝堂があり、やはりユニークなヴォールト天井を見ることができる。上層階は支払いが滞った者を閉じ込めておく収容施設として使用され、最上階は19~20世紀に修復されている。

まとめ

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダの見どころは、ゴシック様式の美しい建築様式だけでなく、当時の商取引の様子を想像できる空間も魅力です。特に、柱のサロンの壮大さと、海の領事の広間の豪華な装飾は必見です。

4. 世界遺産への登録経緯

要約

世界遺産登録基準

バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、ユネスコの世界遺産に登録されています。世界遺産に登録されるためには、世界遺産委員会が定めた10つの登録基準のうち、少なくとも1つを満たす必要があります。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、以下の2つの基準を満たして世界遺産に登録されました。

世界遺産登録基準
基準 説明
(i) ヨーロッパのゴシック建築の傑作であり、当時開発された独自の建築様式が見られる取引所であるという点。
(iv) 後期ゴシック様式の優れた世俗的な建造物であり、地中海で繁栄した偉大な商業都市の富を示すものであるということ。

登録基準(i)

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、ヨーロッパのゴシック建築の傑作であり、当時開発された独自の建築様式が見られる取引所であるという点。

登録基準(iv)

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、後期ゴシック様式の優れた世俗的な建造物であり、地中海で繁栄した偉大な商業都市の富を示すものであるということ。

まとめ

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、建築様式の素晴らしさだけでなく、当時の商業都市バレンシアの繁栄を物語る貴重な建造物であるという点で、世界遺産に登録されました。

5. バレンシアの歴史とラロンハデラセダ

要約

バレンシアの歴史

バレンシアは、古代ローマ時代から重要な都市として発展してきました。8世紀にはイスラム教徒によって征服され、13世紀にはキリスト教徒によって奪還されました。15世紀には、地中海貿易の中心地として繁栄し、ラ・ロンハ・デ・ラ・セダが建設されたのもこの時代です。バレンシアは、絹の取引で栄え、地中海貿易の中心地として、ヨーロッパの経済に大きな影響を与えていました。

ラロンハデラセダとバレンシアの繁栄

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、バレンシアの繁栄を象徴する建物です。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダが建設された15世紀は、バレンシアにとって黄金時代でした。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、当時のバレンシアの経済力と技術力を示す、重要な建造物です。

ラロンハデラセダとバレンシアの衰退

16世紀以降、バレンシアは、スペインの他の都市、特にマドリードの台頭によって、その地位を徐々に失っていきました。18世紀には、スペインの植民地貿易の中心地が、大西洋側に移り、バレンシアの経済は衰退していきました。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダも、かつての賑わいを失い、長い間、忘れられた存在となっていました。

まとめ

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、バレンシアの歴史と深く結びついた建造物です。バレンシアの黄金時代を象徴するラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、現在も世界遺産として、多くの人々にその歴史と文化を伝えています。

6. バレンシア旅行のおすすめポイント

要約

バレンシアのオレンジ

バレンシアはオレンジの産地として有名です。オレンジ畑が広がり、街の至る所でオレンジを見ることができます。バレンシアでオレンジを食べるのは、旅の楽しみの一つです。新鮮なオレンジをそのまま食べたり、オレンジジュースを飲んだり、オレンジを使ったスイーツを味わったりと、様々な楽しみ方ができます。

バレンシアの火祭り

バレンシアの火祭りは、毎年3月15日から19日まで開催される、スペイン三大祭りの一つです。街中にファジェスと呼ばれる張子の人形が飾られ、最終日には燃やされます。火祭りの期間中は、街全体が活気に満ち溢れ、賑やかな音楽や花火が楽しめます。

バレンシアのグルメ

バレンシアは、パエリア発祥の地としても知られています。バレンシアで食べるパエリアは、本場の味を楽しむことができます。パエリア以外にも、新鮮な魚介を使った料理や、スペインの伝統的な料理など、美味しいものがたくさんあります。

まとめ

バレンシアは、歴史と文化、そして美食が楽しめる街です。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダなどの世界遺産、オレンジ畑、火祭り、パエリアなど、バレンシアには魅力的な観光スポットがたくさんあります。ぜひ、バレンシアを訪れて、スペインの魅力を満喫してください。

参考文献

【世界遺産】ラ・ロンハ・デ・ラ・セダをご紹介|美しすぎる …

バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ – 世界遺産データベース

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ – Wikipedia

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