エヴォラ歴史地区とは？世界遺産についての解説

エヴォラ歴史地区の構成要素
要素	説明
ローマ時代	城壁、ローマ神殿など
イスラム時代	城壁、モスクなど
キリスト教時代	大聖堂、教会など
ルネサンス時代	大学、宮殿など
現代	観光地、レストランなど

1. エヴォラ歴史地区の概要

エヴォラ歴史地区とは？

ポルトガルの首都リスボンから東へ約150kmに位置するエヴォラは、ポルトガル黄金時代の象徴的存在とも言える街です。ローマ帝国時代、イスラム時代、キリスト教が復興してからの時代、ルネサンス…。ポルトガルが経てきた、さまざまな時を刻む建造物の数々が今でも残るエヴォラ。どこまでも白い壁が続く街並みを歩いて、ポルトガルの黄金時代に至るまでの歴史を感じに行きましょう！

周囲を取り囲む城壁は、遠い昔のローマ時代のもの。城壁の内部には神殿や聖堂、修道院、大学などが集まり、ポルトガルの文化の一大中心地だったエヴォラ。その始まりは紀元前にまでさかのぼることができ、共和制ローマの支配下時代からイスラムの統治時代を経て、再びキリスト教徒の手に戻るという歴史を持ちます。

キリスト教の街に戻ってからは、次々に聖堂が建てられただけではなく、イエズス会の大学も設置されました。日本から1584年に派遣された天正遣欧少年使節もこの街を訪れ、8日間滞在したのだとか。

エヴォラの中心であるジラルド広場です。1165年にイスラム勢力を追い出した英雄「恐れ知らずのジラルド」からその名がつけられています。正面に見えるゴシック建築の建物やカルサーダスと呼ばれる石畳が美しく、古くからエヴォラの象徴となってきました。

エヴォラ歴史地区の時代区分
時代	特徴
ローマ時代	城壁、ローマ神殿
イスラム時代	城壁、モスク
キリスト教時代	大聖堂、教会
ルネサンス時代	大学、宮殿
現代	観光地、レストラン

世界遺産登録について

エヴォラは、その高い歴史的・文化的価値が認められ、1986年に「エヴォラ歴史地区」として世界遺産に登録されました。

世界遺産登録の基準は、(ii)人類の創造的才能を証明する建築物や技術の傑作、(iv)人類の歴史上重要な時代を例証する建築物、技術の集積、または景観といった、2つの基準を満たしています。

エヴォラ歴史地区には、ローマ時代、イスラム時代、キリスト教時代、ルネサンス時代など、さまざまな時代の建造物が残されており、それらが調和して美しい景観を形成していることが評価されています。

エヴォラは、ポルトガル黄金時代の象徴的な街として、世界遺産に登録されました。

世界遺産登録基準
基準	説明
(ii)	人類の創造的才能を証明する建築物
(iv)	人類の歴史上重要な時代を例証する建築物

エヴォラへのアクセス

エヴォラは、ポルトガルの首都リスボンから電車で約1時間半、バスで約2時間ほどの距離にあります。

リスボンからエヴォラへのアクセスは、電車とバスの2通りがあります。

電車はリスボンのオリエンテ駅からエヴォラ駅まで直通で運行しています。

バスはリスボンのセッテ・リオス・バスターミナルからエヴォラ・バスターミナルまで運行しています。

エヴォラへのアクセス手段
手段	所要時間	料金
電車	約1時間半	約12.20ユーロ
バス	約2時間	約12.50ユーロ

まとめ

エヴォラ歴史地区は、ポルトガル黄金時代の象徴的な街として、世界遺産に登録されています。

ローマ時代、イスラム時代、キリスト教時代、ルネサンス時代など、さまざまな時代の建造物が残されており、それらが調和して美しい景観を形成していることが評価されています。

エヴォラは、ポルトガルを代表する観光地の一つであり、歴史、文化、芸術に興味がある人にとって魅力的な街です。

リスボンから日帰りで訪れることもできますので、ぜひエヴォラ歴史地区を訪れてみてください。

2. エヴォラ大聖堂とは？

エヴォラ大聖堂の歴史

エヴォラ大聖堂は、1186年に建設が始まり、1250年に完成したゴシック様式の教会です。

バラ色の花崗岩でつくられた左右非対称の美しいファサードは、要塞のように重厚なつくりになっています。

ファサードとは、建物の正面デザインのことです。

どことなくリスボン大聖堂のファサードにも似ていますが、大きく異なるのは、塔の上部にのぞくとんがり屋根です。

エヴォラ大聖堂の建築様式
場所	様式
ファサード	ゴシック様式
回廊	ゴシック様式
礼拝堂	マヌエル様式
主礼拝堂	バロック様式
部屋の一部	ルネサンス様式

エヴォラ大聖堂の見どころ

エヴォラ大聖堂の見どころは、テラス、回廊、本堂の3つです。

テラスからは、エヴォラの街と、城壁の外に広がるのどかな風景が一望できます。

回廊は、14世紀につくられたもので、4人の大司教の墓があります。

本堂は、16世紀に作られた大きなパイプオルガンや、聖母マリアの受胎を表した豪華な祭壇など、見どころ満載です。

エヴォラ大聖堂の見どころ
場所	特徴
テラス	エヴォラの街を一望
回廊	4人の大司教の墓
本堂	パイプオルガン、豪華な祭壇
バラ窓	光が差し込んで虹色に輝く

天正遣欧少年使節との関係

1584年にエヴォラを訪れた天正遣欧少年使節は、初めて見るパイプオルガンのすばらしさに感動したんだとか。

天正遣欧少年使節とは、九州のキリシタン大名の名代として、ローマに派遣された4名の少年を中心とした使節団です。

伊東マンショとか千々石ミゲルとか・・・歴史の授業で習った気がする～というみなさん、それです。

450年近くたった今見ても、その優美な姿は圧巻です！

まとめ

エヴォラ大聖堂は、エヴォラを代表する観光スポットの一つであり、歴史、文化、芸術に興味がある人にとって魅力的な場所です。

ゴシック様式の美しいファサード、テラスからの眺め、回廊、本堂など、見どころ満載です。

天正遣欧少年使節との関係も深く、歴史好きにはたまらない場所です。

エヴォラを訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

3. ローマ時代からの遺跡

ローマ神殿

1世紀にローマ皇帝アウグストゥスを祀るために建てられたローマ神殿。エヴォラで最古の建造物です。

女神ディアナを祀ったという説もあるので、ディアナ神殿とも呼ばれています。

縦に溝が入ったコリント様式の柱が14本。2000年近くも前に造られたとは思えないほどの保存状態ですね。

こうして引いて見てみると、そんなに大きくはありません。神殿というからには、残された柱以外にもさまざまな部分があったのでしょう。2000年前、この周辺はどのような景観だったのか、想像をかきたてられますね。

ローマ神殿の特徴
特徴	説明
柱	コリント様式
保存状態	良好
規模	それほど大きくない

ローマ時代の遺跡

エヴォラには、ローマ神殿以外にも、城壁や水道橋など、ローマ時代の遺跡が残っています。

これらの遺跡は、エヴォラがローマ帝国時代に重要な都市であったことを物語っています。

エヴォラ歴史地区を散策する際には、これらの遺跡にも注目してみてください。

古代ローマの雰囲気を感じることができます。

ローマ時代の遺跡
遺跡	説明
城壁	ローマ時代の防御施設
水道橋	ローマ時代の水利施設

エヴォラの歴史

エヴォラは、紀元前57年に共和制ローマの支配下に入りました。

その後、4世紀にキリスト教が浸透し、西ゴート族の領土となりました。

715年にイスラム勢力がエヴォラを征服しましたが、1165年に「恐れ知らずのジェラルド」に奪還され、翌年にアフォンソ1世の統治下に入りました。

その後、15世紀にかけてポルトガルは経済的に繁栄し、エヴォラは政治、文化、宗教、教育の重要都市となりました。

エヴォラの歴史
時代	出来事
紀元前57年	ローマの支配下
4世紀	キリスト教の浸透
715年	イスラム勢力の征服
1165年	キリスト教徒による奪還
15世紀	ポルトガルの経済的繁栄

まとめ

エヴォラは、ローマ帝国時代から重要な都市として発展してきました。

ローマ神殿や城壁など、ローマ時代の遺跡が残っており、古代ローマの雰囲気を感じることができます。

エヴォラは、ローマ帝国、イスラム、キリスト教と、さまざまな文化が融合した街です。

歴史好きにはたまらない街です。

4. エヴォラの伝統的な街並み

白い壁が続く街並み

エヴォラ歴史地区は、白い壁が続く街並みが特徴です。

石畳の道や、白と黄土色の配色の外壁が、歴史を感じさせる美しい景観を形成しています。

エヴォラ歴史地区を散策する際には、ゆっくりと街並みを眺めながら歩いてみてください。

まるでタイムスリップしたかのような気分になるでしょう。

エヴォラの街並みの特徴
特徴	説明
壁の色	白い壁
道	石畳
外壁の色	白と黄土色

伝統的な建築様式

エヴォラ歴史地区には、ローマ、イスラム、キリスト教、ルネサンスなど、さまざまな時代の建築様式が見られます。

ゴシック様式、バロック様式、マヌエル様式など、さまざまな建築様式が混在しているのが特徴です。

エヴォラ歴史地区の建築様式は、ポルトガルの歴史を物語っています。

建築に興味がある人にとっても、魅力的な街です。

エヴォラの建築様式
様式	説明
ゴシック様式	大聖堂など
バロック様式	教会など
マヌエル様式	礼拝堂など
ルネサンス様式	大学など

エヴォラの雰囲気

エヴォラは、静かで穏やかな街です。

街を歩いていると、ゆったりとした時間が流れているように感じられます。

エヴォラは、都会の喧騒から離れて、ゆっくりと過ごしたい人におすすめです。

歴史と文化に包まれた、癒やしの街です。

まとめ

エヴォラ歴史地区は、白い壁が続く街並みと、さまざまな時代の建築様式が調和した美しい街です。

静かで穏やかな雰囲気で、ゆったりと過ごしたい人におすすめです。

歴史と文化に包まれた、魅力的な街です。

ぜひエヴォラ歴史地区を訪れて、その魅力を体感してみてください。

5. エヴォラ歴史地区の観光スポット

エヴォラ大聖堂

エヴォラ大聖堂は、エヴォラを代表する観光スポットの一つです。

12～13世紀に建てられたゴシック様式の大聖堂で、荘厳な雰囲気です。

内部には、16世紀に作られたパイプオルガンや、聖母マリアの受胎を表した豪華な祭壇など、見どころ満載です。

テラスからは、エヴォラの街を一望できます。

エヴォラ大聖堂の見どころ
場所	特徴
テラス	エヴォラの街を一望
回廊	4人の大司教の墓
本堂	パイプオルガン、豪華な祭壇
バラ窓	光が差し込んで虹色に輝く

ローマ神殿

ローマ神殿は、エヴォラで最古の建造物です。

1世紀にローマ皇帝アウグストスを祀るために建てられた神殿で、女神ディアナを祀ったという説もあるため、ディアナ神殿とも呼ばれています。

コリント様式の柱が14本残っており、古代ローマの雰囲気を感じることができます。

神殿の近くには小さな公園があり、そこからエヴォラの街を見下ろせます。

ローマ神殿の特徴
特徴	説明
柱	コリント様式
保存状態	良好
規模	それほど大きくない

サン・フランシスコ教会

サン・フランシスコ教会は、15～16世紀にかけて建設された教会建築です。

長い身廊と礼拝堂を持つ、ゴシック様式の教会です。

教会の隣には、人骨堂と呼ばれる建物があります。

壁面が5000体もの人骨で埋め尽くされており、ちょっと怖いですが、見ごたえのある場所です。

サン・フランシスコ教会の見どころ
場所	特徴
本堂	ゴシック様式
人骨堂	壁面が人骨で埋め尽くされている

まとめ

エヴォラ歴史地区には、エヴォラ大聖堂、ローマ神殿、サン・フランシスコ教会など、多くの観光スポットがあります。

これらの観光スポットを巡ることで、エヴォラの歴史と文化を深く知ることができます。

エヴォラ歴史地区は、歴史好き、文化好き、芸術好き、そしてちょっと変わったものが好きな人におすすめです。

ぜひエヴォラ歴史地区を訪れて、その魅力を体感してみてください。

6. エヴォラ歴史地区の食文化

アレンテージョ地方の料理

エヴォラは、ポルトガルのアレンテージョ地方の中心都市です。

アレンテージョ地方は、ポルトガルの農業・畜産業の中心地であり、新鮮な食材を使った料理が楽しめます。

アレンテージョ地方の代表的な料理には、豚肉とあさりを煮込んだ「カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ」や、ニンニクとコリアンダーのパンのスープ「アソルダ」などがあります。

エヴォラを訪れた際には、ぜひアレンテージョ地方の料理を味わってみてください。

アレンテージョ地方の代表的な料理
料理名	説明
カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ	豚肉とあさりを煮込んだ料理
アソルダ	ニンニクとコリアンダーのパンのスープ