オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群とは？世界遺産についての解説

1. オビエド歴史地区とは

オビエドの歴史

オビエドはスペイン・アストゥリアス州の州都であり、アストゥリアス王国の発祥の地として知られています。8世紀にイスラム教徒に征服された後、西ゴート王国の貴族ペラーヨが奪還し、アストゥリアス王国を建国しました。オビエドはレコンキスタ（再征服）の最初の地となり、8～10世紀にかけて多くの教会が建造されました。現在では、オビエド市内と郊外に残る6つの教会と関連施設が世界遺産に登録されています。

オビエドは、スペイン内戦で壊滅的な打撃を受け、古い街並みはほとんど残されていません。しかし、郊外に残る世界遺産の建造物群は、スペイン王国の起源を知る貴重な歴史的遺産となっています。

オビエドは山に囲まれた大きな都市で、交通の便は比較的よく、大きな鉄道駅やバスターミナルがあります。マドリッドからは少し遠く、鉄道で5～7時間、バスでも6～7時間程度かかります。日帰りは体力的に厳しいので、一泊して周辺の観光と併せてゆっくり楽しむことをお勧めします。

オビエドのメインストリートは大きなビルが建ち並び、賑やかです。広場では民族衣装を着て楽しげなショーが開かれていることもあります。

オビエドへのアクセス

オビエドへは、マドリードから鉄道とバスの2通りのアクセス方法があります。鉄道の場合、マドリードのチャマルティンChamartín駅から、所要時間4～5時間くらいで、一日に直行列車は6本出ています。バスの場合、マドリードの南バスターミナルから、所要時間は5～6時間くらいです。30分～1時間間隔で出ています。

世界遺産の教会があるナランコ山は、オビエド市街から2㎞離れているため、バスかタクシーを利用しましょう。バスターミナルは鉄道駅近くのへネラル・プリモ・デ・リベラ広場にあります。

オビエド市街から西へ約2㎞に位置するナランコ山に建造された世界遺産の教会は、9世紀にアストゥリアス王ラミロ1世により離宮として建造され、10世紀以降教会として使われるようになりました。

ナランコ山へは、オビエドの市街から10番のバスが中腹まで向かいます。所要時間は約10分です。バス停は、駅から歩いて15分ほどの場所にあります。

オビエドへのアクセス
交通手段	所要時間	備考
鉄道	5～7時間	マドリードのチャマルティン駅から
バス	6～7時間	マドリードの南バスターミナルから
ナランコ山へのアクセス	バス: 約10分	オビエド市街から10番のバス
ナランコ山へのアクセス	タクシー: 約10分	オビエド市街から
ナランコ山へのアクセス	徒歩: 約30分	バスターミナルまたは駅から

オビエドの見どころ

オビエドの見どころは、アストゥリアス王国の建造物群、オビエド大聖堂、旧市街の街並みなどがあります。

アストゥリアス王国の建造物群は、オビエド市街から少し離れたナランコ山の中腹にあります。サンタ・マリア・デル・ナランコ教会とサン・ミゲル・デ・リーリョ教会は、9世紀に建てられたプレ・ロマネスク様式の教会です。

オビエド大聖堂は、16世紀頃に建てられたゴシック様式の大きな建物です。祭壇の見事な装飾や、宝物が展示された博物館も隣接しており見所が多いです。

旧市街は、大聖堂とその前の広場を中心にした小さなエリアですが、教会や修道院を改装した博物館などがあります。全体的に静かな印象で、観光客もそんなに多くなく落ち着いた雰囲気です。

オビエドの見どころ
場所	概要
アストゥリアス王国の建造物群	ナランコ山の中腹にあるプレ・ロマネスク様式の教会
オビエド大聖堂	ゴシック様式の壮大な建物
旧市街	教会や修道院を改装した博物館などがある
アストゥリアス考古学博物館	先史時代からアストゥリアス王国時代までの展示
アストゥリアス美術館	絵画などが展示されている美術館

まとめ

オビエドは、スペイン王国の起源を知る上で重要な都市です。アストゥリアス王国の建造物群は、当時の建築様式や文化を知る貴重な遺産です。

オビエドは、歴史的な建造物が多く残る一方で、近代の戦争で破壊された部分も多く、歴史と現代が混在する街です。

オビエドは、スペインの歴史と文化に触れることができる魅力的な街です。

オビエドを訪れる際は、歴史的な建造物だけでなく、街の雰囲気や文化も楽しんでみてください。

2. アストゥリアス王国の歴史

アストゥリアス王国の成立

アストゥリアス王国は、8世紀にイベリア半島に侵入したイスラム教徒によって、キリスト教勢力が追いやられたことで成立した国家です。アストゥリアス王国は、レコンキスタ（再征服）の最初の地となり、キリスト教勢力の最前線として、イスラム勢力と対峙しました。

アストゥリアス王国の伝説的な王ペラーヨは、722年のコバドンガの戦いでイスラム軍を破り、アストゥリアスを奪還しました。ペラーヨは、カンガス・デ・オニスを首都にアストゥリアス王国を建国しました。

アストゥリアス王国は、その後もイスラム勢力と戦い続け、徐々に領土を拡大していきました。9世紀には、オビエドを首都とし、文化・経済の中心地として発展しました。

アストゥリアス王国は、914年にレオンへ遷都し、レオン王国となりました。その後、アストゥリアスはカスティーリャ王国、スペイン王国の一部となりました。

アストゥリアス王国の歴史
時代	出来事
711年	イスラム教徒に征服
722年	ペラーヨがコバドンガの戦いでイスラム軍を破り、アストゥリアスを奪還
722年	カンガス・デ・オニスを首都にアストゥリアス王国を建国
8世紀後半	オビエドを首都に遷都
9世紀	文化・経済の中心地として発展
914年	首都をレオンへ遷都
その後	レオン王国、カスティーリャ王国、スペイン王国の一部となる

アストゥリアス王国の文化

アストゥリアス王国は、キリスト教文化を復興し、独自の文化を築きました。特に、建築様式は、後のヨーロッパ聖堂建築・ロマネスク様式の先駆けとなる「プレ・ロマネスク様式」を確立しました。

アストゥリアス様式は、ローマ時代以降、特に西ゴート王国のキリスト教の伝統を引き継ぎ、またフランスで花開いたフランク王国カロリング朝時代のカロリング・ルネサンスの影響を受けたものです。

アストゥリアス様式の建築の特徴は、石やレンガを積み上げて重厚な壁を築いた壁構造で、壁は細いバットレス（控え壁）で支えられ、半円アーチを連ねた筒型ヴォールト（筒を半分に割ったような形の連続アーチ）天井や木造屋根が架けられています。

アストゥリアス様式の建造物は、イベリア半島の中世の建築の発展に決定的な影響を与えました。

アストゥリアス王国の衰退

アストゥリアス王国は、10世紀後半に衰退し、レオン王国に吸収されました。アストゥリアス王国は、レコンキスタの最初の段階において重要な役割を果たしましたが、その後は、レオン王国、カスティーリャ王国、スペイン王国と、イベリア半島の統一を図る勢力に取って代わられました。

アストゥリアス王国は、スペイン王国の歴史において重要な役割を果たした王国であり、その文化や建築様式は、後のスペイン文化に大きな影響を与えました。

アストゥリアス王国は、スペインの歴史において重要な役割を果たした王国であり、その文化や建築様式は、後のスペイン文化に大きな影響を与えました。

まとめ

アストゥリアス王国は、レコンキスタの最初の段階において重要な役割を果たした王国であり、スペイン王国の歴史において重要な位置を占めています。

アストゥリアス王国は、キリスト教文化を復興し、独自の文化を築き、後のスペイン文化に大きな影響を与えました。

3. オビエド教会の特徴

アストゥリアス様式

アストゥリアス様式は、プレ・ロマネスク様式の一つで、8世紀から10世紀にかけてのアストゥリアス王国で発展した建築様式です。

アストゥリアス様式は、西ゴート様式やカロリング様式の影響を受けながらも、独自の様式を確立しました。

アストゥリアス様式の建築の特徴は、石造りの重厚な壁、半円アーチ、筒型ヴォールト、装飾的な柱などです。

アストゥリアス様式の教会は、シンプルながらも洗練された美しさを持つのが特徴です。

代表的な教会

オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群には、サンタ・マリア・デル・ナランコ教会、サン・ミゲル・デ・リーリョ教会、サンタ・クリスティナ・デ・レナ教会、カマラ・サンタ、サン・フリアン・デ・ロス・プラドス教会など、アストゥリアス様式の代表的な教会が数多く存在します。

サンタ・マリア・デル・ナランコ教会は、9世紀にアストゥリアス王ラミロ1世によって建てられた離宮で、10世紀以降教会として使われるようになりました。

サン・ミゲル・デ・リーリョ教会は、サンタ・マリア・デル・ナランコ教会の近くにあり、同じくラミロ1世の命令で建てられました。

サンタ・クリスティナ・デ・レナ教会は、オビエドから35kmの場所にある教会で、アストゥリアス建築には珍しいギリシャ十字の形をしています。

代表的な教会
教会名	概要
サンタ・マリア・デル・ナランコ教会	9世紀に建てられた離宮、10世紀以降教会として使用
サン・ミゲル・デ・リーリョ教会	サンタ・マリア・デル・ナランコ教会の近くにある教会
サンタ・クリスティナ・デ・レナ教会	オビエドから35kmの場所にある教会、ギリシャ十字の形
カマラ・サンタ	オビエド大聖堂内にある礼拝堂
サン・フリアン・デ・ロス・プラドス教会	オビエド市街にある教会

教会の装飾

アストゥリアス様式の教会は、装飾が少なく、シンプルながらも洗練された美しさを持つのが特徴です。

教会の内部には、フレスコ画やレリーフなどが描かれている場合もあります。

教会の外部には、石造りの彫刻や装飾が施されている場合もあります。

教会の装飾は、キリスト教の信仰や当時の文化を表す重要な要素です。

教会の装飾
装飾	特徴
フレスコ画	壁画
レリーフ	浮き彫り
彫刻	石造りの彫刻
装飾	キリスト教の信仰や当時の文化を表す

まとめ

アストゥリアス様式の教会は、シンプルながらも洗練された美しさを持つのが特徴です。

教会の装飾は、キリスト教の信仰や当時の文化を表す重要な要素です。

アストゥリアス様式の教会は、スペインの歴史と文化を知る上で重要な遺産です。

アストゥリアス様式の教会を訪れる際は、教会の建築様式や装飾に注目してみてください。

4. アストゥリアス王宮の歴史

アストゥリアス王宮の建設

アストゥリアス王宮は、アストゥリアス王国がイスラム勢力から奪還したイベリア半島北部の地に建設されました。

アストゥリアス王宮は、アストゥリアス王国の王族の住居であり、政治の中心地でもありました。

アストゥリアス王宮は、アストゥリアス様式の建築様式で建てられ、当時の文化や技術の高さを示しています。

アストゥリアス王宮は、現在では廃墟となっていますが、当時の壮大さを偲ぶことができます。

アストゥリアス王宮の建設
時代	出来事
8世紀	アストゥリアス王国がイスラム勢力から奪還した地に建設
8世紀～10世紀	アストゥリアス王国の王族の住居として使用
現在	廃墟

アストゥリアス王宮の役割

アストゥリアス王宮は、アストゥリアス王国の政治の中心地として、重要な役割を果たしました。

アストゥリアス王宮は、王族の住居だけでなく、会議や儀式が行われる場所でもありました。

アストゥリアス王宮は、アストゥリアス王国の文化の中心地としても、重要な役割を果たしました。

アストゥリアス王宮は、アストゥリアス王国の文化や芸術の発展に貢献しました。

アストゥリアス王宮の役割
役割	内容
政治	アストゥリアス王国の政治の中心地
住居	王族の住居
文化	アストゥリアス王国の文化の中心地
芸術	アストゥリアス王国の文化や芸術の発展に貢献