低位株とは?経済用語について説明

低位株に関する項目一覧
項目	説明
低位株とは	市場全体の株価と比べて株価が比較的低い水準にある株式のこと
低位株の特徴	値動きが大きい、流動性が低い、株価が低いことには理由がある
低位株の投資戦略	業績をチェックする、事業分野に将来性があるか、出来高がある程度あるか
低位株のリスクとメリット	リスク: 業績悪化による損失、上場廃止、だましの可能性、メリット: 少額投資、値上がり時のリターンが大きい、分散投資しやすい
低位株と大手株の比較	低位株は少額で投資しやすい、値上がり時のリターンが大きい、大手株は安定している、情報収集がしやすい
低位株投資の注意点	業績悪化のリスク、だましのリスク、売却タイミングの見極め

1. 低位株とは

低位株とは何か？

低位株とは、市場全体の株価と比べて株価が比較的低い水準にある株式のことです。明確な定義はありませんが、一般的には1株あたりの価格が500～1

低位株は価格変動が大きく、高いリスクを伴うこともあるため、投資判断には注意が必要です。

低位株の定義
定義	説明
低位株	市場全体の株価と比べて株価が比較的低い水準にある株式のこと
割安株	企業の価値・業績と比較したら安価な株
超低位株	株価が100円を下回ったもの

低位株と似た言葉

低位株と似た言葉として、割安株（バリュー株）があります。割安株とは、実際の企業の価値から考えて現在の株価が低水準にあり、「割安」と判断できる銘柄のことを指します。割安株は、企業の業績や収益性、資本の大きさなどを加味して、PER（株価収益率）やPBR（株価純資産倍率）、ROE（自己資本利益率）等によって見つけ出します。

一方、低位株は単純に株価が低水準の銘柄です。両者の意味するところは異なります。

低位株の探し方

低位株を効率良く探すには、証券会社の検索ツールを利用するのが便利です。「株価1

検索結果の中から具体的にどの銘柄を選ぶかについては、後述のメリットやデメリットも踏まえ、流動性の高さや企業の業績、株価の推移、仕手株となっていないか、といった点を確認すると良いでしょう。

まとめ

低位株とは、株価が低い銘柄のことです。明確な定義はありませんが、一般的には1株あたりの価格が500～1

低位株は、少ない資金で多くの株数を購入できるため、小額投資家に人気があります。しかし、低い株価が必ずしも大きなリターンにつながるわけではありません。

低位株は価格変動が大きく、高いリスクを伴うこともあるため、投資判断には注意が必要です。

2. 低位株の特徴

値動きが大きい

低位株の特徴の1つ目は、値動きが大きい点です。低位株は株価が非常に低く、何かのきっかけがあると一気に上昇するケースも少なくありません。

例えば、新たな事業を発表した場合や新商品の開発に関する発表があった場合、その事業や新商品への期待などからその企業の株式を買う人が増えます。買い注文が増えると当然株価は上昇し、低位株のうちに買っておけば利益が得られます。

値動きが大きいことは、短期トレードに向いていると言えます。買った時点での株価が安いからこそ、株価が一円上がっただけでも騰落率がかなり大きくなるため、大きな利益を期待できます。

ただし、短期トレードは売買のタイミングが難しい他、常にトレードを監視していなければならないため、初めて株式投資に挑戦する人や仕事、家事などでトレードを見る時間がなかなか取れない方などには適していません。短期トレードで利益を上げるには、市場の情報を素早くつかみ、取引に多くの時間を割き、値上がりを見込める株を選ぶ必要があります。

低位株の値動き
特徴	説明
値動き	株価が非常に低いため、何かのきっかけで一気に上昇する可能性がある
騰落率	株価が1円上がっただけでも騰落率が大きくなるため、大きな利益を期待できる
リスク	短期売買は売買のタイミングが難しい、常にトレードを監視する必要がある

流動性が低い

低位株の特徴の2つ目は、流動性が低い株式が多い点です。株式投資における流動性とは、その株式が市場に出回る多さを意味します。「流動性が高い」と表現される株式は市場に出回る数が多く、逆に「流動性」が低いと表現される株式は市場に出回る数が少ないと判断できます。

前述のとおり低位株は成熟した業種に多い傾向があり、成長しきった企業が今後大きく成長する確率が低いため、市場に出回る数が少なく、流動性が低いとされています。

流動性が低い株式は、市場で取引される機会が少ない、つまり買い注文されることも少なく株価が上昇しにくいため、利益が出にくいことがほとんどです。

しかし、低位株の全てが流動性が低いわけではなく、あくまでも特徴です。低位株の中には流動性が高いものもあるため、低位株で利益を得るためには流動性の高い銘柄を選ぶことが重要です。なお、低位株の選び方については後ほど詳しく解説します。

低位株の流動性
特徴	説明
流動性	市場に出回る数が少ないため、流動性が低い
リスク	市場で取引される機会が少ないため、株価が上昇しにくい
注意点	低位株の全てが流動性が低いわけではない

株価が低いことには理由がある

低位株の特徴の3つ目は、株価が低いことには理由がある点です。低位株の株価が低い理由は複数ありますが、基本的には業績が悪化していることが理由の大半です。

ただし、突発的に業績が悪化しているだけで、翌期は黒字に回復するケースもあります。また、業種自体が成熟しきっている銘柄も成長性が低いことから低位株になる可能性があります。

業績の悪化が一時的である場合や、業績が悪化しているわけではなく成長性が低いことから低位株になっているケースもあるため、低位株への投資を検討する際は、低位株になっている理由を明確にして今後株価の上昇、企業の成長が見込めるかを確認しましょう。

低位株の株価が低い理由
理由	説明
業績悪化	突発的な業績悪化や、長期間の業績悪化
成長性	業種自体が成熟しきっているため、成長性が低い
その他	発行済み株式数が多い、不祥事など

まとめ

低位株は、値動きが大きく、流動性が低く、株価が低いことには理由があるという特徴があります。

低位株は、株価が低いからといって必ずしも買ってはいけない銘柄とは言い切れず、正しく銘柄を見極められれば大きな利益が得られる確率が高いことも低位株の特徴です。

低位株に投資する際は、低位株の特徴や傾向から低位株の今後の成長を見極め、投資して問題ないかを判断するスキルが求められます。

3. 低位株の投資戦略

業績をチェックする

低位株に投資したい場合は、企業のIR情報などから上の3点を確認しましょう。

業績に問題のない銘柄は現在低位株であってもそれ以上下がることは少なく、新商品の発表や需要の高まり等、何かのきっかけで注目を集め、株価が上昇する可能性があります。業績に問題のない銘柄かを確認する際には、その企業の直近の決算報告書などを確認しましょう。株式市場に上場している企業は決算報告書などを投資家に公開する義務があり、投資家は決算報告書を確認できます。

過去数年分の決算報告書や収支報告書などを参照し、赤字が続いていて業績に問題がある企業は倒産のリスクがあるため、投資を避けた方が賢明です。逆に、業績が安定していたり、一度悪化したが回復傾向にある企業などは投資を前向きに検討しても良いでしょう。

業績チェック
項目	説明
決算報告書	過去数年分の決算報告書や収支報告書などを参照し、赤字が続いている企業は倒産のリスクがある
業績回復	業績が安定していたり、一度悪化したが回復傾向にある企業は投資を前向きに検討
注意点	業績悪化が一時的である場合や、業績が悪化しているわけではなく成長性が低いことから低位株になっているケースもある

事業分野に将来性があるか

事業分野に将来性がある銘柄は、投資を前向きに検討して良い銘柄です。成熟している業種をメインとしている企業でも他の事業で利益を出していたり、今後売上が伸びることが期待できる事業を展開していれば、その売上に応じて株価が上昇する可能性があります。

事業分野に将来性がある銘柄の選び方は、他業種の強みや特徴を調査することです。低位株には成熟しきった業種が多いと述べましたが、その業種が成熟しきっていたとしても他の事業を展開している、または今後展開することを発表した場合、それがきっかけで株価が上昇することは十分に考えられます。

ただし新たな事業を展開する、または展開しているからといって必ずその事業が上手くいくとは限りません。新規事業が失敗した場合は、また株価が下落する可能性があります。

そのため、新たな事業がどのようなものなのかや強み、注目度などから今後株価が上昇するほど売上を伸ばす可能性があるかを見極めることが重要です。

事業分野の将来性
項目	説明
新規事業	新たな事業を展開する、または展開することを発表した場合、それがきっかけで株価が上昇する可能性がある
成長性	新規事業が失敗した場合は、株価が下落する可能性がある
注意点	新たな事業がどのようなものなのかや強み、注目度などから今後株価が上昇するほど売上を伸ばす可能性があるかを見極めることが重要

出来高がある程度あるか

出来高がある程度ある銘柄は、株価が動きやすい(流動性がある)銘柄です。株式投資における出来高とは、1日や1週間などある範囲内に売買が成立した銘柄数を意味します。「出来高は株価に先行する」という言葉もあるほど、出来高は株式投資で銘柄を選ぶ際の重要な指標の一つであり、低位株を選ぶ際にも重要な判断材料となります。

出来高は株価チャートの下部にある棒グラフで示されているため、出来高がある程度あるか否かはそこから確認できます。

出来高が極端に少ない銘柄は避けるべきです。出来高が少なければ取引されている数が少ないことを意味し、売りたいと思ったタイミングに売ることができないような事態に陥る恐れがあるためです。自身が取引したいタイミングで売買するためには、ある程度の出来高が必要です。

実際、株式投資は株を売買して利益を得ていきますが、買い注文や売り注文が必ず成立するとは限りません。そのため、株価が上昇して「今売りたい」と思った時に売りやすいように、低位株に投資する際は出来高がある程度ある銘柄を選びましょう。

出来高
項目	説明
出来高	1日や1週間などある範囲内に売買が成立した銘柄数を意味する
流動性	出来高が多い銘柄は売買される量が多く、流動性が高い
注意点	出来高が極端に少ない銘柄は避けるべき

まとめ

低位株に投資する際は、企業の業績、事業分野の将来性、出来高などを確認することが重要です。

業績に問題のない銘柄、将来性のある事業分野を持つ銘柄、出来高がある程度ある銘柄を選ぶようにしましょう。

4. 低位株のリスクとメリット

低位株のリスク

低位株は、その銘柄の成長性を見極めることができれば、今後株価が上昇して多くの利益を得られる可能性が高い株式です。また、低位株を狙うことは、株価が少しでも上昇したら確実に利益を得られるため短期トレードに適した投資手法でもあります。

しかし、低位株は倒産リスクの高い投資手法でもあることから、銘柄の見極めや事業分野の将来性の可否、出来高があるかを見て判断するスキルが求められます。今後成長する可能性がある低位株を見極めて、低位株で多くの利益を得ましょう。

低位株のリスク
リスク	説明
業績悪化	業績が悪化し、株価が下落する可能性がある
上場廃止	上場廃止となり、株式の価値が無くなる可能性がある
だましの可能性	仕手筋が意図的に株価を操作し、損失を被る可能性がある

低位株のメリット

低位株のメリット
メリット	説明
少額投資	少ない資金で多くの株数を購入できる
値上がり時のリターン	株価が上昇した場合、大きな利益を得られる可能性がある
分散投資	複数の銘柄に分散投資することでリスクを軽減できる

低位株投資の成功例

低位株投資の成功例
企業名	業種	特徴
ツインバード工業	電気機器	新型コロナウイルスワクチンを保管・運搬する超低温冷凍庫が話題となり、株価が急騰
FRONTEO	AI技術	質の高いソリューションが多くの企業から支持を受けており、株価が上昇
シンバイオ製薬	製薬	治療が困難とされる病気の治療につながる新薬を開発している企業で、株価が上昇

まとめ

5. 低位株と大手株の比較

低位株と大手株の比較

低位株と大手株の比較
項目	低位株	大手株
株価	低い	高い
リスク	高い	低い
リターン	高い	低い
投資金額	少額	多額
情報収集	難しい	容易

低位株と大手株のメリット・デメリット

低位株と大手株のメリット・デメリット
項目	低位株	大手株
メリット	少額で投資しやすい、値上がり時のリターンが大きい	安定している、情報収集がしやすい
デメリット	リスクが高い、情報収集が難しい	投資金額が大きい、値上がり時のリターンが小さい

低位株と大手株の投資戦略

低位株と大手株の投資戦略
項目	低位株	大手株
投資戦略	短期売買、成長株への投資	長期保有、安定収益への投資
注意点	リスク管理が重要、情報収集が必須	長期的な視点が必要、市場動向を把握する必要がある

まとめ

6. 低位株投資の注意点

低位株投資のリスク

低位株投資のリスク
リスク	説明
業績悪化	業績が悪化し、株価が下落する可能性がある
上場廃止	上場廃止となり、株式の価値が無くなる可能性がある
だましの可能性	仕手筋が意図的に株価を操作し、損失を被る可能性がある

低位株投資の注意点

低位株投資の注意点
注意点	説明
銘柄選定	企業の業績や財務状況をしっかり分析する必要がある
投資金額	投資できる金額以上の投資はしない
売却タイミング	適切な売却タイミングを見極める必要がある
リスク管理	損失を最小限に抑えるためのリスク管理を行う必要がある

低位株投資の成功のためのポイント

低位株投資の成功のためのポイント
ポイント	説明
情報収集	企業の業績や財務状況、市場動向などをしっかり調べる
分散投資	複数の銘柄に分散投資することでリスクを軽減する
長期投資	短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点で投資を行う
リスク管理	損失を最小限に抑えるためのリスク管理を行う