幻のSQとは?経済用語について説明

幻のSQに関する項目一覧
項目	説明
SQ	日経225先物やオプション取引などの株価指数先物取引やオプション取引を最終的に決済する価格
SQ値	SQを算出する際に用いられる価格
SQ日	SQを算出する日
限月	先物取引やオプション取引の期限が満了する月
メジャーSQ	3月、6月、9月、12月のSQ
マイナーSQ	メジャーSQ月以外のSQ
幻のSQ	SQ日に日経平均株価がSQ値に一度も届かずに取引を終了すること
裁定取引	先物取引やオプション取引などの価格差を利用した取引
気配値	取引が成立していない状態での値段
始値	取引が成立した最初の値段

1. 幻のSQとは

1-1. SQとは何か？

SQとは、Special Quotationの略で、日本語では特別清算指数と呼ばれます。日経225先物やオプション取引などの株価指数先物取引やオプション取引を最終的に決済する価格のことです。先物取引やオプション取引は取引できる期限が決まっており、通常なら期限内に反対売買による決済を行いますが、中には最終取引日に決済をしないで期日を迎えるケースもあります。そういう場合に全ての未決済ポジションを特別に清算するための価格がSQとなります。この価格はSQ値と言うこともあります。

先物取引などの最終取引日はSQ日の前営業日となっていますが、それまでに決済しなかったポジションは全てSQ値で自動的に清算されることになります。SQ値は各指数の構成銘柄の始値から算出されます。例えば、日経225先物の原資産は日経平均株価となりますから、「日経225構成銘柄」の始値で計算された値が「SQ値」となります。

SQ値と株価指数（日経平均株価等）は同じ構成銘柄から価格を算出しますが、算出する時の計算に違いがあります。SQ値は先ほど説明したように始値を基に計算されます。つまり、寄り付いた価格を基に算出することになります。一方で株価指数は、構成銘柄の始値だけでなく気配値段を用いて計算することもあります。そのため、2つの値は必ずしも一致しません。

SQの種類
種類	説明
メジャーSQ	3月、6月、9月、12月のSQ
マイナーSQ	メジャーSQ月以外のSQ

1-2. SQ日とは？

SQ日とは、SQを算出する日のことです。SQ算出日や特別清算日と言うこともあります。SQ日は原則として各限月の第2金曜日となります。第2金曜日が祝日等である場合は前倒しとなります。

限月とは、先物取引やオプション取引の期限が満了する月のことを指します。3月で期限が満了するものは限月が3月となるので3月限（さんがつぎり）という言い方をします。限月が6月なら6月限（ろくがつぎり）、12月なら12月限（じゅうにがつぎり）と言ったりします。限月（げんげつ）と読むので3月限（さんがつげん）と読み間違える人も多いですが、正確にはがつぎりと読みます。

SQ日は原則として各限月の第2金曜日となっていますが、限月によってメジャーSQやマイナーSQ（ミニSQ）と呼ばれています。メジャーSQとは、3月、6月、9月、12月のSQのことをいいます。日経225先物やTOPIX先物、マザーズ指数先物のほか、日経225miniやオプション取引のSQでもあります。わかりやすく言うと全ての株価指数先物取引や、オプション取引のSQ日になる月がメジャーSQとなります。

マイナーSQとは、メジャーSQ月以外のSQのことです。1月、2月、4月、5月、7月、8月、10月、11月が該当します。マイナーSQは日経225miniやオプション取引だけのSQとなっており、日経225先物やTOPIX先物、マザーズ指数先物などの株価指数先物取引は含まれません。一般的なSQは上記の通り各限月の第2金曜日となりますが、日経225オプションでは第1週限、第3週限、第4週限、第5週限という期限設定の取引もあり、毎週SQ（金曜日）を迎えることになります。

SQ日の例
限月	SQ日
3月	3月の第2金曜日
6月	6月の第2金曜日
9月	9月の第2金曜日
12月	12月の第2金曜日

1-3. 幻のSQとは？

SQ日に日経平均株価がSQ値に一度も届かずに取引を終了することを幻のSQといいます。SQ値と日経平均株価（株価指数）の価格は必ずしも一致しません。そのため、相場の状況によって、日経平均株価がSQ値に一度も触れずに取引が終了することもあります。

幻のSQは頻繁にあるものではないですが、発生した場合はその後の相場に影響を与えることがあります。SQ値が日経平均株価より高い状態で、1日を通してSQ値を上回ることができなかった場合、今後の相場が弱くなる可能性として捉えられます。逆に、日経平均株価の方がSQ値より高い状態で、1日を通してSQ値を下回る事はなかった場合、今後の相場が強くなる可能性として捉えられます。

幻のSQの発生条件
条件	説明
SQ値が日経平均株価より高い	SQ値を上回ることができない
SQ値が日経平均株価より低い	SQ値を下回ることができない

1-4. まとめ

SQは、先物取引やオプション取引の最終決済日に設定される特別清算指数です。SQ値は、日経平均株価などの株価指数を構成する銘柄の始値を基に算出されます。SQ日は、原則として各限月の第2金曜日です。

SQ値は、日経平均株価などの株価指数と必ずしも一致しないため、SQ日に日経平均株価がSQ値に一度も届かない「幻のSQ」が発生することがあります。幻のSQは、相場の今後の動向を示唆する重要な指標として捉えられています。

2. 幻のSQの起源と歴史

2-1. SQの起源

SQは、先物取引やオプション取引の市場における価格の安定化を目的として導入されました。先物取引やオプション取引は、現物株とは異なり、将来の価格で売買を行うため、価格の変動が大きくなる可能性があります。そのため、取引の最終日に価格が大きく変動してしまうと、投資家にとって大きな損失が生じる可能性があります。

SQは、取引の最終日に価格を固定することで、価格の変動リスクを抑制し、市場の安定化を図る役割を果たしています。また、SQは、先物取引やオプション取引の決済を円滑に行うための仕組みとしても重要です。

2-2. SQの歴史

SQは、1970年代に米国で導入された後、日本でも1980年代に導入されました。当初は、日経225先物取引のみに適用されていましたが、その後、日経225オプション取引やTOPIX先物取引など、他の株価指数先物取引やオプション取引にも適用されるようになりました。

SQの導入により、日本の株価指数先物取引やオプション取引市場は、より安定した市場へと成長しました。また、SQは、投資家にとって、取引の最終日に価格が大きく変動するリスクを回避できる重要な仕組みとなっています。

2-3. 幻のSQの誕生

幻のSQは、日経平均株価の算出方法とSQ値の算出方法の違いから発生します。日経平均株価は、構成銘柄の始値だけでなく、気配値も用いて算出されます。そのため、SQ値が算出されるまでに、日経平均株価がSQ値に届かないことがあります。

幻のSQは、2000年代初頭に初めて確認されました。当初は、市場関係者の間でもあまり注目されていませんでしたが、近年では、幻のSQが相場の動向を示唆する重要な指標として認識されるようになってきました。

2-4. まとめ

SQは、先物取引やオプション取引の市場の安定化を目的として導入されました。SQは、取引の最終日に価格を固定することで、価格の変動リスクを抑制し、市場の安定化を図る役割を果たしています。

幻のSQは、日経平均株価の算出方法とSQ値の算出方法の違いから発生します。幻のSQは、近年では、相場の動向を示唆する重要な指標として認識されるようになってきました。

3. 幻のSQの意義と影響

3-1. 幻のSQの意義

幻のSQは、市場の心理的な節目として機能します。SQ値は、市場関係者にとって重要な指標であり、SQ値が日経平均株価に届かないということは、市場がSQ値を意識していることを示しています。

幻のSQが発生すると、市場関係者は、今後の相場の動向について、より慎重な見方をし始める可能性があります。特に、SQ値が日経平均株価よりも高い場合は、市場が弱気になっていることを示唆する可能性があります。

3-2. 幻のSQの影響

幻のSQは、相場の動向に影響を与える可能性があります。SQ値が日経平均株価よりも高い場合は、市場が弱気になっていることを示唆するため、SQ通過後に日経平均株価が下落する可能性があります。逆に、SQ値が日経平均株価よりも低い場合は、市場が強気になっていることを示唆するため、SQ通過後に日経平均株価が上昇する可能性があります。

ただし、幻のSQが必ずしも相場の動向を正確に反映しているわけではありません。幻のSQが発生しても、その後、相場が大きく変動しない場合もあります。

幻のSQと相場の動向
SQ値	相場の動向
SQ値が日経平均株価より高い	弱気
SQ値が日経平均株価より低い	強気

3-3. 幻のSQと裁定取引

幻のSQは、裁定取引に影響を与える可能性があります。裁定取引とは、先物取引やオプション取引などの価格差を利用した取引のことです。SQ値が日経平均株価よりも高い場合は、先物取引で日経平均株価を売り、現物株を買い、SQ通過後に反対売買を行うことで利益を得ようとする投資家が増える可能性があります。

逆に、SQ値が日経平均株価よりも低い場合は、先物取引で日経平均株価を買い、現物株を売り、SQ通過後に反対売買を行うことで利益を得ようとする投資家が増える可能性があります。

3-4. まとめ

幻のSQは、市場の心理的な節目として機能し、相場の動向に影響を与える可能性があります。SQ値が日経平均株価よりも高い場合は、市場が弱気になっていることを示唆し、SQ通過後に日経平均株価が下落する可能性があります。

逆に、SQ値が日経平均株価よりも低い場合は、市場が強気になっていることを示唆し、SQ通過後に日経平均株価が上昇する可能性があります。ただし、幻のSQが必ずしも相場の動向を正確に反映しているわけではありません。

4. 幻のSQの計算方法

4-1. SQ値の算出方法

SQ値は、日経平均株価を構成する225銘柄の始値を基に算出されます。各銘柄の始値を合計し、225で割ることでSQ値が算出されます。SQ値は、日経平均株価の算出方法とは異なり、気配値は考慮されません。

SQ値は、通常、SQ日の午前中に概算値が発表され、午後には正式なSQ値が発表されます。SQ値は、先物取引やオプション取引の決済価格として利用されるため、市場関係者にとって重要な指標となります。

4-2. 幻のSQが発生する条件

幻のSQが発生するのは、SQ日に日経平均株価がSQ値に届かない場合です。これは、日経平均株価の算出方法とSQ値の算出方法の違いから発生します。日経平均株価は、構成銘柄の始値だけでなく、気配値も用いて算出されます。そのため、SQ値が算出されるまでに、日経平均株価がSQ値に届かないことがあります。

幻のSQが発生する条件としては、SQ日に市場が大きく変動している場合や、SQ値が日経平均株価に対して大きく乖離している場合などが挙げられます。

4-3. 幻のSQの確認方法

幻のSQは、証券会社のホームページや金融情報サイトなどで確認することができます。SQ値は、通常、SQ日の午前中に概算値が発表され、午後には正式なSQ値が発表されます。幻のSQが発生したかどうかは、SQ値と日経平均株価の値動きを比較することで確認することができます。

幻のSQが発生した場合は、その後の相場の動向に注目する必要があります。幻のSQは、市場の心理的な節目として機能するため、相場の動向に影響を与える可能性があります。

4-4. まとめ

SQ値は、日経平均株価を構成する225銘柄の始値を基に算出されます。SQ値は、先物取引やオプション取引の決済価格として利用されるため、市場関係者にとって重要な指標となります。

幻のSQは、SQ日に日経平均株価がSQ値に届かない場合に発生します。幻のSQが発生する条件としては、SQ日に市場が大きく変動している場合や、SQ値が日経平均株価に対して大きく乖離している場合などが挙げられます。

幻のSQは、証券会社のホームページや金融情報サイトなどで確認することができます。幻のSQが発生した場合は、その後の相場の動向に注目する必要があります。

5. 幻のSQと他の経済指標の比較

5-1. 幻のSQと日経平均株価

幻のSQは、日経平均株価の動向と密接に関係しています。日経平均株価がSQ値に届かない場合、市場はSQ値を意識していることを示唆し、その後の相場の動向に影響を与える可能性があります。

特に、SQ値が日経平均株価よりも高い場合は、市場が弱気になっていることを示唆し、SQ通過後に日経平均株価が下落する可能性があります。逆に、SQ値が日経平均株価よりも低い場合は、市場が強気になっていることを示唆し、SQ通過後に日経平均株価が上昇する可能性があります。

5-2. 幻のSQと経済指標

幻のSQは、経済指標の発表によっても影響を受けることがあります。例えば、米国の消費者物価指数（CPI）や生産者物価指数（PPI）などの経済指標が予想を上回る場合、市場はインフレ懸念が高まり、日経平均株価が下落する可能性があります。

逆に、経済指標が予想を下回る場合は、市場はインフレ懸念が後退し、日経平均株価が上昇する可能性があります。経済指標の発表は、市場の心理に大きな影響を与えるため、幻のSQの発生にも影響を与える可能性があります。

経済指標と幻のSQ
経済指標	影響
消費者物価指数（CPI）	インフレ懸念が高まると日経平均株価が下落
生産者物価指数（PPI）	インフレ懸念が高まると日経平均株価が下落
経済指標が予想を下回る	インフレ懸念が後退し、日経平均株価が上昇