指標 | 直近値 | 算出方法 |
---|---|---|
生活保護世帯に属する子供の高等学校等進学率 | 93.7% | 生活保護法第6条第1項に規定する被保護者であって、中学校(義務教育学校後期課程、中等教育学校前期課程及び特別支援学校中学部を含む。)の卒業者総数のうち、高等学校(中等教育学校後期課程及び特別支援学校高等部を含む。)、高等専門学校又は専修学校の高等課程の入学した者の数の占める割合 |
生活保護世帯に属する子供の高等学校等中退率 | 4.1% | 高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部及び高等専門学校の4月の在籍者総数で、その年の翌年3月までに中退した者の数を除したもの |
生活保護世帯に属する子供の大学等進学率 | 36.0% | 生活保護法第6条第1項に規定する被保護者であって、高等学校(中等教育学校後期課程及び特別支援学校高等部を含む。)、高等専門学校、専修学校(高等課程又は一般課程)、各種学校又は公共職業能力開発施設の卒業者数のうち、大学、短期大学、専修学校(専門課程又は一般課程)又は各種学校への進学した者の割合 |
児童養護施設の子供の進学率 中学校卒業後 |
95.8% | その年度末に中学校を卒業した者の数のうち、その年度の翌年度(5月時点)に高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部、高等専門学校、専修学校、各種学校又は公共職業能力開発施設に進学している者の数の占める割合 |
児童養護施設の子供の進学率 高等学校等卒業後 |
30.8% | 高等学校、中等教育学校後期課程又は特別支援学校高等部の卒業者及び高等専門学校(3学年)を修了した者の数のうち、大学、短期大学、高等専門学校(4学年に進級した者)、専修学校、各種学校又は公共職業訓練施設への進学している者の数の占める割合 |
ひとり親家庭の子供の就園率 (保育所・幼稚園等) |
81.7% | 母子世帯又は父子世帯の小学校入学前の者のうち、保育先として保育所、幼稚園又は認定こども園が選択されている者の割合 |
ひとり親家庭の子供の進学率 中学校卒業後 |
95.9% | 母子世帯又は父子世帯の16 歳の者のうち、高等学校又は高等専門学校に在籍している者の割合 |
ひとり親家庭の子供の進学率 高等学校等卒業後 |
58.5% | 母子世帯又は父子世帯の19 歳の者のうち、大学、短期大学、専修学校又は各種学校に在籍している者の割合 |
全世帯の子供の高等学校中退率 | 1.4% | 年度初めに高等学校に在籍していた者のうち、その年度中に高等学校を中退した者の割合 |
全世帯の子供の高等学校中退者数 | 48,594人 | 年度初めに高等学校に在籍していた者のうち、その年度中に高等学校を中退した者の数 |
スクールソーシャルワーカーによる対応実績のある学校の割合 小学校 |
50.9% | 全公立小学校のうち、補助事業を活用したスクールソーシャルワーカーによる対応実績のある小学校の割合 |
スクールソーシャルワーカーによる対応実績のある学校の割合 中学校 |
58.4% | 全公立中学校のうち、補助事業を活用したスクールソーシャルワーカーによる対応実績のある中学校の割合 |
スクールカウンセラーの配置率 小学校 |
67.6% | 全公立小学校のうち、補助事業を活用したスクールカウンセラー(準ずる者を含む。)が配置された小学校の割合 |
スクールカウンセラーの配置率 中学校 |
89.0% | 全公立中学校のうち、補助事業を活用したスクールカウンセラー(準ずる者を含む。)が配置された中学校の割合 |
就学援助制度に関する周知状況 (入学時及び毎年度の進級時に学校で就学援助制度の書類を配布している市町村の割合) |
65.6% | 「入学時に学校で就学援助制度の書類を配付している」と回答し、かつ「毎年度の進級時に学校で就学援助制度の書類を配付している」と回答した市町村の割合 |
新入学児童生徒学用品費等の入学前支給の実施状況 小学校 |
47.2% | 「当該年度に入学した者を対象に入学前支給を実施」と回答した市町村の割合 |
新入学児童生徒学用品費等の入学前支給の実施状況 中学校 |
56.8% | 「当該年度に入学した者を対象に入学前支給を実施」と回答した市町村の割合 |
高等教育の修学支援新制度の利用者数 大学 |
- | 高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金、授業料等減免)を当該年度において利用した者の数 (注)高等教育の修学支援新制度については令和2年4月から開始。 |
高等教育の修学支援新制度の利用者数 短期大学 |
- | 高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金、授業料等減免)を当該年度において利用した者の数 (注)高等教育の修学支援新制度については令和2年4月から開始。 |
高等教育の修学支援新制度の利用者数 高等専門学校 |
- | 高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金、授業料等減免)を当該年度において利用した者の数 (注)高等教育の修学支援新制度については令和2年4月から開始。 |
高等教育の修学支援新制度の利用者数 専門学校 |
- | 高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金、授業料等減免)を当該年度において利用した者の数 (注)高等教育の修学支援新制度については令和2年4月から開始。 |
電気、ガス、水道料金の未払い経験 ひとり親世帯 電気料金 |
14.8% | ひとり親世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で料金の未払いが「あった」と答えた世帯の割合 |
電気、ガス、水道料金の未払い経験 ひとり親世帯 ガス料金 |
17.2% | ひとり親世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で料金の未払いが「あった」と答えた世帯の割合 |
電気、ガス、水道料金の未払い経験 ひとり親世帯 水道料金 |
13.8% | ひとり親世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で料金の未払いが「あった」と答えた世帯の割合 |
電気、ガス、水道料金の未払い経験 子供がある全世帯 電気料金 |
5.3% | 子供がある世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で料金の未払いが「あった」と答えた世帯の割合 |
電気、ガス、水道料金の未払い経験 子供がある全世帯 ガス料金 |
6.2% | 子供がある世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で料金の未払いが「あった」と答えた世帯の割合 |
電気、ガス、水道料金の未払い経験 子供がある全世帯 水道料金 |
5.3% | 子供がある世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で料金の未払いが「あった」と答えた世帯の割合 |
食料又は衣服が買えない経験 ひとり親世帯 食料が買えない経験 |
34.9% | ひとり親世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料又は衣服が買えないことが「よくあった」、「ときどきあった」、「まれにあった」と答えた世帯の割合(※) |
食料又は衣服が買えない経験 ひとり親世帯 衣服が買えない経験 |
39.7% | ひとり親世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料又は衣服が買えないことが「よくあった」、「ときどきあった」、「まれにあった」と答えた世帯の割合(※) |
食料又は衣服が買えない経験 子供がある全世帯 食料が買えない経験 |
16.9% | 子供がある世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料又は衣服が買えないことが「よくあった」、「ときどきあった」、「まれにあった」と答えた世帯の割合(※) |
食料又は衣服が買えない経験 子供がある全世帯 衣服が買えない経験 |
20.9% | 子供がある世帯のうち、過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料又は衣服が買えないことが「よくあった」、「ときどきあった」、「まれにあった」と答えた世帯の割合(※) |
子供がある世帯の世帯員で頼れる人がいないと答えた人の割合 ひとり親世帯 重要な事柄の相談 |
8.9% | ひとり親世帯に属する18 歳以上の個人のうち、頼れる人が「いない」と回答した者(「そのことでは人に頼らない」と回答した者は含まない。)の割合 |
子供がある世帯の世帯員で頼れる人がいないと答えた人の割合 ひとり親世帯 いざという時のお金の援助 |
25.9% | ひとり親世帯に属する18 歳以上の個人のうち、頼れる人が「いない」と回答した者(「そのことでは人に頼らない」と回答した者は含まない。)の割合 |
子供がある世帯の世帯員で頼れる人がいないと答えた人の割合 等価可処分所得第Ⅰ~Ⅲ十分位 重要な事柄の相談 |
7.2% | 子供がある世帯で等価可処分所得が第Ⅰ~Ⅲ十分位の世帯に属する18 歳以上の個人のうち、頼れる人が「いない」と回答した者(「そのことでは人に頼らない」と回答した者は含まない。)の割合 |
子供がある世帯の世帯員で頼れる人がいないと答えた人の割合 等価可処分所得第Ⅰ~Ⅲ十分位 いざという時のお金の援助 |
20.4% | 子供がある世帯で等価可処分所得が第Ⅰ~Ⅲ十分位の世帯に属する18 歳以上の個人のうち、頼れる人が「いない」と回答した者(「そのことでは人に頼らない」と回答した者は含まない。)の割合 |
ひとり親家庭の親の就業率 母子世帯 |
80.8% | 母子世帯(他の世帯員がいる世帯を含む。)の親のうち、就業している者の割合 |
ひとり親家庭の親の就業率 父子世帯 |
88.1% | 父子世帯(他の世帯員がいる世帯を含む。)の親のうち、就業している者の割合 |
ひとり親家庭の親の正規の職員・従業員の割合 母子世帯 |
44.4% | 就業している母子世帯(他の世帯員がいる世帯を含む。)の親のうち、正規の職員及び従業員の割合 |
ひとり親家庭の親の正規の職員・従業員の割合 父子世帯 |
69.4% | 就業している父子世帯(他の世帯員がいる世帯を含む。)の親のうち、正規の職員及び従業員の割合 |
子供の貧困率 国民生活基礎調査 |
13.9% | 貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)に満たない子供(17 歳以下)の数を子供の数で除したもの |
子供の貧困率 全国消費実態調査 |
7.9% | 貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)に満たない子供(17 歳以下)の数を子供の数で除したもの |
ひとり親世帯の貧困率 国民生活基礎調査 |
50.8% | 貧困線に満たない大人一人(18 歳以上65 歳未満)と子供(17 歳以下)からなる世帯の世帯員数を大人一人と子供からなる世帯の世帯員数で除したもの |
ひとり親世帯の貧困率 全国消費実態調査 |
47.7% | 貧困線に満たない大人一人(18 歳以上)と子供(17 歳以下)からなる世帯の世帯員数を大人一人と子供からなる世帯の世帯員数で除したもの |
ひとり親家庭のうち養育費についての取決めをしている割合 母子世帯 |
42.9% | 養育費の取決めをしている母子世帯の親の数を母子世帯の親の数で除したもの |
ひとり親家庭のうち養育費についての取決めをしている割合 父子世帯 |
20.8% | 養育費の取決めをしている父子世帯の親の数を父子世帯の親の数で除したもの |
ひとり親家庭で養育費を受け取っていない子供の割合 母子世帯 |
69.8% | 養育費を現在受け取っていない母子世帯の子供の数を母子世帯の子供の数で除したもの |
ひとり親家庭で養育費を受け取っていない子供の割合 父子世帯 |
90.2% | 養育費を現在受け取っていない父子世帯の子供の数を父子世帯の子供の数で除したもの |
1. 貧困率の定義とは何か
相対的貧困
相対的貧困とは、その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態のことを指しています。所得でみると、世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分(貧困線)に満たない状態のことを言います。開発途上国だけではなく先進国でも相対的貧困は問題視されています。日本でも調査が行われており、基準となる貧困線は、総務省の全国消費実態調査では 135 万円(2009 年)、厚生労働省による国民生活基礎調査では 122 万円(2012 年)とされています。日本の相対的貧困世帯の特徴は、次のように分析されています。\n・世帯主年齢別では、高齢者が多い(全国消費実態調査では 60 歳以上、国民生活基礎調査では 70 歳以上)\n・世帯類型別では、両調査とも、単身世帯と一人親世帯が多く、夫婦のみ世帯、夫婦と子どものみ世帯が少ない\n・国民生活基礎調査において、郡部・町村居住者が多い。
相対的貧困はそれぞれの国や地域の状況を反映するものなので、日本の調査分析結果を他国にあてはめることはできません。社会経済的環境や生活水準、人口構造などを考慮したうえで、貧困線のもつ意味を分析する必要があります。
項目 | 特徴 |
---|---|
世帯主年齢 | 高齢者が多い |
世帯類型 | 単身世帯と一人親世帯が多い |
居住地 | 郡部・町村居住者が多い |
絶対的貧困
絶対的貧困とは、国・地域の生活レベルとは無関係に、生きるうえで必要最低限の生活水準が満たされていない状態を示します。私たちが一般に「貧困」と聞いてイメージするのはこちらでしょう。現在では世界銀行の定めた国際貧困ラインを基準に、衣食住など、最低限必要とされる生活物資を購入できる所得または支出水準に達していない人々のことを絶対的貧困者と呼んでいます。世界銀行は2015年に、1日1.90ドルを国際貧困ラインに改定しました。ただしこの貧困ラインの妥当性について、世界銀行では以下のとおり指摘しています。
絶対的貧困は、南アジア地域とサブサハラ・アフリカ地域などの途上国に集中しています。こうした地域では、低い教育水準の低さや高い乳幼児死亡率などが常態化しているため、国際社会として対応すべき課題となっています。
地域 | 特徴 |
---|---|
南アジア地域 | 低い教育水準、高い乳幼児死亡率 |
サブサハラ・アフリカ地域 | 低い教育水準、高い乳幼児死亡率 |
相対的貧困率
相対的貧困はあまり表面に表れてこないため、絶対的貧困より可視化されにく状況にあります。しかしながら日本をはじめ先進国と呼ばれる国にも存在している深刻な問題です。そうした相対的貧困という地域社会内の格差を測る指標として、「相対的貧困率」について解説します。
相対的貧困率の算出方法について、厚生労働省は次のように述べています。\n「相対的貧困率とは、世帯所得が全世帯の中央値の半分未満である人の比率を示しています。」
2015年の調査によると日本の相対的貧困率は15.6%、子どもの貧困率は13.9%という結果でした。そして一人親家庭の相対的貧困率は50.8%と、とても深刻な状態であることが明らかになりました。
年 | 相対的貧困率 |
---|---|
2015年 | 15.6% |
2015年(子ども) | 13.9% |
2015年(一人親家庭) | 50.8% |
まとめ
貧困は、絶対的貧困と相対的貧困の2つの基準で定義されます。絶対的貧困は、世界銀行が定める国際貧困ラインを基準に、最低限必要とされる生活物資を購入できる所得または支出水準に達していない状態を指します。一方、相対的貧困は、その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態のことを指し、等価可処分所得の中央値の半分を貧困線として、それ以下の所得の世帯の割合を指します。
日本では、相対的貧困率が用いられることが多く、2015年の調査では15.6%と、国民の約6人に1人が相対的貧困にあたるという結果が出ています。
2. 貧困率の計算方法とは
相対的貧困率の計算方法
相対的貧困率は、等価可処分所得の中央値の半分を貧困線とし、その貧困線に満たない世帯の割合を計算することで算出されます。等価可処分所得とは、世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って調整した所得のことです。これは、世帯人数が多いほど生活費がかかるため、世帯人数の違いを考慮して所得を調整する必要があるからです。
具体的には、まず、調査対象となる国の全世帯の可処分所得を世帯人数で調整した等価可処分所得を計算します。次に、その等価可処分所得を低い順に並べて、中央値を求めます。そして、その中央値の半分を貧困線とします。最後に、貧困線以下の所得の世帯の割合を計算することで、相対的貧困率が算出されます。
貧困率の計算における注意点
貧困率の計算には、いくつかの注意点があります。まず、貧困線の設定方法によって、貧困率は大きく変わります。例えば、OECDでは、等価可処分所得の中央値の半分を貧困線としていますが、アメリカでは、収入が世帯の食料購入費の平均の3倍に満たないものを貧困と定義しています。このように、貧困線の設定方法によって、貧困率は大きく異なるため、国際比較を行う際には、貧困線の定義を統一することが重要です。
また、貧困率の計算には、所得の定義も影響します。例えば、日本の相対的貧困率の計算では、預貯金や不動産などの資産は考慮されていません。そのため、資産を持っている世帯は、所得が低くても貧困と判定されない可能性があります。
貧困率の国際比較
OECDは、加盟国を中心とする37カ国の相対的貧困率を算出し、国際比較をしています。2017年の発表によると、日本の相対的貧困率は先進国35カ国中7番目に高いということが明らかとなりました。相対的貧困率が一番高いのはイスラエル、次いでアメリカ、トルコ、チリ、メキシコ、エストニア、日本、という順番です。相対的貧困率が一番低いのはアイスランドで、その次にデンマーク、チェコと続きます。
相対的貧困率が高ければ、国内の格差が大きいことを示しています。日本は2000年代中頃から相対的貧困率のOECD平均値を上回っており、格差が大きい状態が続いているのです。
順位 | 国名 | 相対的貧困率 |
---|---|---|
1位 | イスラエル | 21.8% |
2位 | アメリカ | 17.7% |
3位 | トルコ | 17.4% |
4位 | チリ | 16.9% |
5位 | メキシコ | 16.7% |
6位 | エストニア | 16.4% |
7位 | 日本 | 15.7% |
35位 | アイスランド | 5.1% |
36位 | デンマーク | 5.0% |
37位 | チェコ | 4.9% |
まとめ
相対的貧困率は、等価可処分所得の中央値の半分を貧困線とし、その貧困線に満たない世帯の割合を計算することで算出されます。
貧困率の計算には、貧困線の設定方法や所得の定義によって結果が大きく変わるため、国際比較を行う際には、これらの要素を考慮することが重要です。
3. 貧困率の影響とは
経済的な影響
貧困は、個人の生活水準だけでなく、社会全体に様々な影響を与えます。経済的な影響としては、消費支出の減少や経済成長の阻害などが挙げられます。貧困層は、生活費を削らざるを得ないため、消費支出が減少し、経済全体への波及効果が小さくなります。また、貧困層は、教育やスキルアップの機会が少ないため、生産性も低くなり、経済成長を阻害する要因となります。
さらに、貧困は、社会不安や犯罪の増加にもつながります。貧困層は、生活の困窮から犯罪に手を染めたり、犯罪組織に関わったりする可能性が高くなります。また、貧困層の増加は、社会不安や不満を招き、社会不安定化につながる可能性もあります。
社会的な影響
貧困は、社会的な影響も大きく、教育格差や世代間貧困の拡大、社会分断などが挙げられます。貧困層の子どもは、経済的な理由で十分な教育を受けられないことが多く、学力格差が生じます。学力格差は、将来の職業選択や社会参加の機会を制限し、世代間貧困の拡大につながります。
また、貧困は、社会分断を招く可能性もあります。貧困層と富裕層との間には、生活水準や価値観、ライフスタイルなどの違いが生じ、相互理解が難しくなります。その結果、社会的な分断や対立が生じる可能性があります。
健康への影響
貧困は、健康にも悪影響を及ぼします。貧困層は、栄養不足や医療費の不足により、健康状態が悪化しやすいです。また、貧困層は、ストレスや不安を抱えやすく、精神的な健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、貧困は、乳幼児死亡率や平均寿命の低下にもつながります。貧困層の子供は、栄養不足や医療費の不足により、病気にかかりやすく、死亡率が高くなります。また、貧困層は、生活環境が悪く、健康的な生活を送ることが難しい場合が多いため、平均寿命も短くなる傾向があります。
まとめ
貧困は、経済的、社会的、健康面など、様々な側面に悪影響を及ぼします。経済的な影響としては、消費支出の減少や経済成長の阻害、社会不安や犯罪の増加などが挙げられます。
社会的な影響としては、教育格差や世代間貧困の拡大、社会分断などが挙げられます。健康面への影響としては、栄養不足や医療費の不足による健康状態の悪化、乳幼児死亡率や平均寿命の低下などが挙げられます。
4. 貧困率と経済発展の関係性
経済発展と貧困率の関係
一般的に、経済発展が進むと貧困率は低下する傾向があります。これは、経済発展によって、雇用機会が増え、賃金が上昇し、生活水準が向上するためです。また、経済発展によって、教育や医療などの社会サービスが充実し、貧困層への支援も強化されるため、貧困率が低下すると考えられます。
しかし、経済発展が必ずしも貧困率の低下につながるとは限りません。経済発展の恩恵が一部の富裕層に集中し、貧困層への分配が不十分な場合、貧困率は低下しないどころか、むしろ拡大する可能性もあります。
貧困の悪循環
貧困は、経済発展を阻害する要因にもなります。貧困層は、教育やスキルアップの機会が少ないため、生産性も低くなり、経済成長を阻害する要因となります。また、貧困層は、消費支出が少なく、経済全体への波及効果も小さくなります。さらに、貧困は、社会不安や犯罪の増加にもつながり、経済活動を阻害する要因となります。
このように、貧困は、経済発展を阻害し、さらに貧困を拡大させる悪循環を生み出す可能性があります。
経済発展と貧困対策
貧困を解消するためには、経済発展と貧困対策の両輪が必要です。経済発展によって、雇用機会を増やし、賃金を上昇させることが重要です。しかし、同時に、経済発展の恩恵が貧困層にも行き渡るような政策が必要です。
具体的には、教育や医療などの社会サービスの充実、貧困層への就労支援、生活保護などの社会保障制度の充実などが挙げられます。
まとめ
経済発展は、貧困率の低下に貢献する可能性がありますが、必ずしもそうとは限りません。経済発展の恩恵が一部の富裕層に集中し、貧困層への分配が不十分な場合、貧困率は低下しないどころか、むしろ拡大する可能性があります。
貧困は、経済発展を阻害し、さらに貧困を拡大させる悪循環を生み出す可能性があります。貧困を解消するためには、経済発展と貧困対策の両輪が必要です。
5. 貧困率改善策について考察
社会保障制度の充実
貧困対策として最も重要なのは、社会保障制度の充実です。社会保障制度は、病気、失業、老齢など、生活上のリスクに備え、人々が安心して生活できるための制度です。社会保障制度が充実していれば、貧困に陥った場合でも、生活の支えとなり、貧困から脱出するための機会を得ることができます。
具体的には、生活保護、児童扶養手当、失業保険、年金などの制度の充実が挙げられます。これらの制度は、貧困層の生活を支えるだけでなく、教育や就労の機会を提供することで、貧困の連鎖を断ち切る役割を果たします。
教育の機会均等
貧困層の子どもは、経済的な理由で十分な教育を受けられないことが多く、学力格差が生じます。学力格差は、将来の職業選択や社会参加の機会を制限し、世代間貧困の拡大につながります。そのため、貧困層の子どもにも、経済的な事情に関わらず、質の高い教育を受けられる機会を提供することが重要です。
具体的には、就学援助制度の充実、奨学金の制度の拡充、教育費の負担軽減などが挙げられます。また、貧困層の子どもが安心して学校に通えるよう、学校給食費の無償化や、通学費の補助なども有効な対策です。
就労支援の強化
貧困層は、雇用機会が少ない、賃金が低い、不安定な雇用しか得られないなどの問題を抱えています。そのため、貧困層が安定した収入を得られるよう、就労支援を強化することが重要です。
具体的には、職業訓練の充実、就職支援の強化、雇用機会の拡大などが挙げられます。また、非正規雇用から正規雇用への転換を支援する政策も有効です。
まとめ
貧困率を改善するためには、社会保障制度の充実、教育の機会均等、就労支援の強化など、多角的な対策が必要です。
これらの対策は、貧困層の生活を支えるだけでなく、教育や就労の機会を提供することで、貧困の連鎖を断ち切り、社会全体の発展に貢献します。
6. 貧困率の国際比較とその意義
国際比較の重要性
貧困率の国際比較は、自国の貧困問題を客観的に把握し、対策を検討するために非常に重要です。国際比較によって、自国の貧困率が他の国と比べてどの程度なのか、どのような対策が効果的であるのか、といった知見を得ることができます。
また、国際比較は、国際協力の必要性を認識するためにも重要です。貧困は、世界共通の課題であり、国際協力によって、貧困の解消を目指していく必要があります。
国際比較における課題
貧困率の国際比較には、いくつかの課題があります。まず、貧困線の定義が国によって異なるため、単純に比較することが難しいという問題があります。例えば、OECDでは、等価可処分所得の中央値の半分を貧困線としていますが、アメリカでは、収入が世帯の食料購入費の平均の3倍に満たないものを貧困と定義しています。
また、貧困率の計算には、所得の定義も影響します。例えば、日本の相対的貧困率の計算では、預貯金や不動産などの資産は考慮されていません。そのため、資産を持っている世帯は、所得が低くても貧困と判定されない可能性があります。
国際比較の意義
国際比較は、これらの課題を踏まえた上で、慎重に行う必要があります。しかし、国際比較は、自国の貧困問題を客観的に把握し、対策を検討するために非常に有効な手段です。
国際比較によって、自国の貧困問題に対する意識を高め、より効果的な対策を講じることが期待できます。また、国際協力の必要性を認識し、世界共通の課題である貧困の解消に向けて、積極的に取り組むことができるようになります。
まとめ
貧困率の国際比較は、自国の貧困問題を客観的に把握し、対策を検討するために非常に重要です。国際比較によって、自国の貧困率が他の国と比べてどの程度なのか、どのような対策が効果的であるのか、といった知見を得ることができます。
しかし、貧困線の定義や所得の定義が国によって異なるため、単純に比較することは難しいという課題があります。国際比較は、これらの課題を踏まえた上で、慎重に行う必要があります。
国際比較は、自国の貧困問題に対する意識を高め、より効果的な対策を講じることが期待できます。また、国際協力の必要性を認識し、世界共通の課題である貧困の解消に向けて、積極的に取り組むことができるようになります。
参考文献
・相対的貧困率とは 日本15.4%、米英より格差大きく – 日本経済新聞
・相対的貧困とは? 定義と現状、解決につながる対策を紹介 …
・相対的貧困率等に関する調査・分析結果について : 経済財政 …
・貧困率(ヒンコンリツ)とは? 意味や使い方 – コトバンク
・相対的貧困とは?絶対的貧困との違いや相対的貧困率について …
・相対的貧困とは?貧困の種類や世界・日本の貧困率、起こり …
・相対的貧困とは?絶対的貧困の違い、現状は? 生活に与える5 …
・世界の貧困に関するデータ – World Bank Group
・PDF 都道府県の相対的貧困率の 計測と要因分析 – 労働政策研究 …
・日本の貧困率は?貧困問題の原因や対策を理解しよう | U25世代 …
・世界の貧困率 国別ランキング・推移 – Global Note