単位型投資信託とは?経済用語について説明

単位型投資信託の分類
分類 特徴
定期定形型 定期的に同一のタイプのものが設定される
スポット型 委託会社が金融・株式市況と将来の展望などからそのとき最も有望な投資対象を選び、タイミングをはかって設定する
ETF 証券取引所に上場している投資信託
追加型投資信託 設定後も原則としていつでも購入できる

1. 単位型投資信託とは

要約

単位型投資信託とは何か?

単位型投資信託とは、投資信託の一種で、設定されたあと償還まで元本の追加募集が行われない投資信託です。そのため、運用開始後に新たに投資することはできません。略して「単位型」のほか、「ユニット型」、「クローズ型」とも呼ばれます。

単位型投資信託は、当初の募集期間中にのみ購入できます。そのため、投資家はすべて同一価格でファンドを購入することになります。

単位型投資信託には、定期的に同一のタイプのものが設定される定期定形型と、委託会社が金融・株式市況と将来の展望などからそのとき最も有望な投資対象を選び、タイミングをはかって設定するスポット型の2種類があります。

スポット型は正式名称を「スポット型投資信託」といい、略して「スポット投信」とも呼ばれます。

単位型投資信託の種類
種類 特徴
定期定形型 定期的に同一のタイプのものが設定される
スポット型 委託会社が金融・株式市況と将来の展望などからそのとき最も有望な投資対象を選び、タイミングをはかって設定する

単位型投資信託の解約について

単位型投資信託の解約は、信託期間中に自由にできるわけではありません。一般的に、クローズド期間と呼ばれる、解約できない期間が設定されています。

ただし、クローズド期間中に天災地変の被害にあうなど財産を大きく失ったり、重大な病気にかかるなど一定の要件で売却ができることがあります

その場合でも、ファンドからお金を引き出すことはできないので、販売会社に買取ってもらう形で換金します。その場合、単位型投信の基準価額は発表されないものの毎日計算はされていますので、その時価での換金となります。

単位型投資信託は、流動性のなさ(自由に売買できないこと)は当然了承した上で購入するべきですが、一定の要件を満たせば換金できる可能性があることを覚えておきましょう。

単位型投資信託の解約
期間 特徴
クローズド期間 解約できない期間
オープン期間 自由に解約できる期間

単位型投資信託の特徴

単位型投資信託は、投資家の使い勝手の面からは不便に思われますが、運用中に資金の出入りがない、少ないところから、追加型では難しい特殊な運用を実現することができます

新興国の株式市場などは規模が小さいため、資金が頻繁に出入りしない単位型投信の運用に向いています。設定したら、株式などを組入れ、満期までじっくり持つことができます。

資金の出入りに惑わされない運用を行うことができる単位型は、日本より海外の方が盛んに使われているようです

**「基準価額が12

単位型投資信託のメリットとデメリット
メリット デメリット
運用効率が高い 流動性が低い
特殊な運用戦略を実現できる 換金の制限がある
長期投資に向いている 情報公開が制限されている

まとめ

単位型投資信託は、設定されたあと償還まで元本の追加募集が行われない投資信託です。そのため、運用開始後に新たに投資することはできません。

購入は当初の募集期間中にのみ可能で、投資家はすべて同一価格でファンドを購入することになります。

単位型投資信託は、流動性が低いというデメリットがありますが、資金の出入りがないことから、追加型では難しい特殊な運用を実現することができます。

新興国の株式市場など、規模が小さい市場での運用に向いていると考えられています。

2. 投資信託との違い

要約

追加型投資信託との違い

追加型投資信託は、設定後も原則としていつでも購入できる投資信託です。そのため、投資家は市場の状況に応じて、自由に投資金額を増減させることができます。

一方、単位型投資信託は、設定されたあと償還まで元本の追加募集が行われないため、運用開始後に新たに投資することはできません。

追加型投資信託は、信託期間が一般的に単位型より長く、無期限も多いです。人気化した投信は、あらかじめ決まっていた償還日を先延ばしする場合があります。

単位型投資信託は、信託期間が事前に決められているため、投資期間を明確にしたい投資家に向いています。

追加型投資信託との比較
項目 追加型投資信託 単位型投資信託
購入時期 いつでも購入可能 募集期間のみ購入可能
信託期間 無期限が多い 有期限
分配金 元本を取り崩して支払われた配当金(特別分配金)は課税されない 一律に課税される

ETFとの違い

ETFは、証券取引所に上場している投資信託です。そのため、株式のように自由に売買することができるという特徴があります。

一方、単位型投資信託は、証券取引所に上場していないため、自由に売買することができません

ETFは、流動性が高く、売買しやすいというメリットがあります。

単位型投資信託は、流動性が低く、売買しにくいというデメリットがあります。

ETFとの比較
項目 ETF 単位型投資信託
上場 証券取引所に上場 証券取引所に上場していない
売買 自由に売買可能 自由に売買できない
流動性 高い 低い

分配金の違い

単位型投資信託は、利息配当収入(経費控除後)、元本超過額のどちらか多いほうを上限として、分配金が支払われます

追加型投資信託は、元本を取り崩して支払われた配当金(特別分配金)は課税されないですが、単位型は一律に課税されます

売却(解約)は単位型、追加型ともにクローズド期間(解約できない期間)を除けば自由にできる点は共通しています。

分配金は、投資信託の種類によって異なるため、投資前にしっかりと確認することが重要です。

まとめ

単位型投資信託は、追加型投資信託やETFと比べて、流動性が低く、売買しにくいという特徴があります。

しかし、運用中に資金の出入りがないため、追加型では難しい特殊な運用を実現することができます。

また、分配金は、追加型投資信託とは異なる課税方法が適用されます。

投資信託を選ぶ際には、それぞれの投資信託の特徴を理解し、自分の投資目的に合ったものを選択することが重要です。

3. 単位型投資信託のメリット

要約

運用効率の高さ

単位型投資信託は、運用開始後に資金の追加や引き出しがないため、運用効率が高いというメリットがあります。

運用会社は、資金の流入出を気にせずに、長期的な視点で安定した運用を行うことができます

特に、新興国の株式市場など、規模が小さい市場では、資金の流入出が運用に大きな影響を与える可能性があります。単位型投資信託は、そのような市場においても、安定した運用を行うことができます。

また、運用会社は、資金の流入出を気にせずに、投資対象の選定や売買戦略に集中することができます

運用効率の高さ
項目 特徴
資金流入出 少ない
運用戦略 長期的な視点で安定した運用が可能
投資対象の選定 資金の流入出を気にせずに、投資対象の選定に集中できる

特殊な運用戦略の実現

単位型投資信託は、追加型投資信託では難しい特殊な運用戦略を実現することができます

例えば、**「基準価額が12

このようなファンドは、投資家の購入価額が一律でないとあまり意味がなかったり、また、純資産額が一定でないと運用できない仕組みのファンドなどに適しています。

単位型投資信託は、投資家のニーズに合わせた柔軟な運用戦略を実現できるというメリットがあります。

特殊な運用戦略の実現
特徴
基準価額が12,000円になったら償還する 目標収益率を設定
日経平均の値下がりが30%以下であれば、元本を確保する 条件を設定
純資産額が一定でないと運用できない仕組みのファンド 特殊な運用戦略を実現

長期投資に向いている

単位型投資信託は、運用期間が事前に決められているため、長期投資に向いています

投資家は、短期的な値動きに左右されることなく、長期的な視点で資産運用を行うことができます

また、資金の流入出がないため、運用会社は長期的な視点で投資対象を選定することができます

長期的な資産形成を目指す投資家にとって、単位型投資信託は魅力的な選択肢となります。

まとめ

単位型投資信託は、運用効率が高く、特殊な運用戦略を実現できる、長期投資に向いているというメリットがあります。

特に、新興国の株式市場など、規模が小さい市場での運用や、目標収益率や条件の付いたファンドの設計に適しています。

長期的な資産形成を目指す投資家にとって、魅力的な選択肢となります。

ただし、流動性が低いというデメリットも理解しておく必要があります。

4. 単位型投資信託のデメリット

要約

流動性の低さ

単位型投資信託は、設定されたあと償還まで元本の追加募集が行われないため、自由に売買することができません

そのため、市場の状況に応じて、投資金額を増減させることが難しいというデメリットがあります。

また、売却したいときにすぐに売却できない場合もあります。

流動性の低さは、投資家の柔軟性を制限する可能性があります。

流動性の低さ
項目 特徴
売買 自由に売買できない
投資金額 市場の状況に応じて、投資金額を増減させることが難しい
売却 すぐに売却できない場合がある

換金の制限

単位型投資信託は、クローズド期間と呼ばれる、解約できない期間が設定されていることが一般的です。

そのため、投資家は、クローズド期間中は、たとえ市場が好調であっても、売却することができません

また、クローズド期間中に天災地変の被害にあうなど財産を大きく失ったり、重大な病気にかかるなど一定の要件を満たした場合でも、すぐに換金できない場合があります。

換金の制限は、投資家の資金管理の柔軟性を制限する可能性があります。

換金の制限
期間 特徴
クローズド期間 解約できない期間
オープン期間 自由に解約できる期間

情報公開の制限

単位型投資信託は、追加型投資信託と比べて、情報公開が制限されている場合があります。

例えば、基準価額は、毎日計算されているものの、公表されない場合があるため、投資家は、現在の価格を把握することが難しい場合があります。

情報公開の制限は、投資家の判断を難しくする可能性があります。

投資信託を選ぶ際には、情報公開の内容をしっかりと確認することが重要です。

情報公開の制限
項目 特徴
基準価額 毎日計算されているものの、公表されない場合がある
価格 現在の価格を把握することが難しい
投資家の判断 難しくなる可能性がある

まとめ

単位型投資信託は、流動性が低く、換金の制限がある、情報公開が制限されているというデメリットがあります。

そのため、投資家は、これらのデメリットを理解した上で、投資を行う必要があります

特に、短期的な売買を希望する投資家や、資金管理の柔軟性を重視する投資家には、適さない可能性があります。

単位型投資信託は、長期的な視点で資産運用を行う投資家に向いているといえます。

5. 単位型投資信託の運用方法

要約

運用会社の役割

単位型投資信託は、運用会社が投資家の資金を運用します。

運用会社は、投資信託の目論見書に記載された運用方針に基づいて、投資対象を選定し、売買を行います

運用会社は、投資家の利益を最大化するために、市場の動向を分析し、適切な運用戦略を立案する必要があります。

投資家は、運用会社の運用実績や投資哲学などを参考に、信頼できる運用会社を選ぶことが重要です。

運用会社の役割
役割 内容
投資対象の選定 投資信託の目論見書に記載された運用方針に基づいて、投資対象を選定する
売買 投資対象の売買を行う
投資家の利益 投資家の利益を最大化するために、市場の動向を分析し、適切な運用戦略を立案する

信託期間

単位型投資信託は、信託期間が事前に決められています

信託期間は、投資信託の種類や投資対象によって異なります

投資家は、信託期間内に投資目標を達成できるかどうかを検討する必要があります。

信託期間が短い投資信託は、短期的な投資に向いています。一方、信託期間が長い投資信託は、長期的な投資に向いています。

信託期間
期間 特徴
短期 短期的な投資に向いている
長期 長期的な投資に向いている

分配金

単位型投資信託は、運用で得られた利益を投資家に分配する場合があります。

分配金は、投資信託の種類や運用状況によって異なります

分配金は、投資家の利益となるため課税対象となります。

分配金は、投資信託の信託財産から支払われるため、分配金が支払われると、純資産総額および基準価額は下落します。

分配金
種類 特徴
普通分配金 投資家の利益となるため課税対象
特別分配金 元本が戻ってくる仕組みであり、利益ではないので課税対象にはならない

まとめ

単位型投資信託は、運用会社が投資家の資金を運用し、信託期間内に投資目標を達成することを目指します。

運用会社は、市場の動向を分析し、適切な運用戦略を立案する必要があります。

投資家は、運用会社の運用実績や投資哲学などを参考に、信頼できる運用会社を選ぶことが重要です。

また、信託期間や分配金についても、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

6. 単位型投資信託の選び方

要約

投資目的を明確にする

単位型投資信託を選ぶ際には、まず自分の投資目的を明確にすることが重要です。

短期的な利益を追求したいのか、それとも長期的な資産形成を目指したいのかによって、選ぶべき投資信託は異なります。

投資期間やリスク許容度なども考慮して、自分に合った投資信託を選びましょう。

投資目的を明確にすることで、無駄な投資を防ぎ、効率的に資産運用を行うことができます

投資目的の例
目的 特徴
短期的な利益を追求 短期的な投資に向いている
長期的な資産形成 長期的な投資に向いている

運用会社の実績を確認する

単位型投資信託を選ぶ際には、運用会社の過去の実績を確認することが重要です。

運用会社のホームページや投資信託説明書などで、過去の運用成績を確認しましょう。

運用実績が良い会社は、投資家の資金を効率的に運用する能力が高いと考えられます。

ただし、過去の運用成績が将来の成績を保証するものではないことを理解しておく必要があります。

運用会社の実績
項目 確認方法
過去の運用成績 運用会社のホームページや投資信託説明書などで確認
運用実績 良い会社は、投資家の資金を効率的に運用する能力が高いと考えられる

投資対象を確認する

単位型投資信託は、投資対象によってリスクやリターンが異なります

株式に投資する投資信託は、値動きが大きく、高いリターンが期待できる一方、リスクも高いです。

債券に投資する投資信託は、株式に比べて値動きが小さく、安定した収益が期待できる一方、リターンは低めです。

投資対象は、自分のリスク許容度や投資期間に合わせて選択することが重要です。

投資対象
投資対象 特徴
株式 値動きが大きく、高いリターンが期待できる一方、リスクも高い
債券 株式に比べて値動きが小さく、安定した収益が期待できる一方、リターンは低め

まとめ

単位型投資信託を選ぶ際には、投資目的を明確にし、運用会社の実績を確認し、投資対象を検討することが重要です。

また、信託期間や分配金、手数料なども考慮して、自分に合った投資信託を選びましょう。

投資信託は、専門的な知識や経験が必要となるため、投資前にしっかりと情報収集を行い、理解した上で投資を行うことが大切です。

必要であれば、金融機関の専門家などに相談することも検討しましょう。

参考文献

単位型投資信託とは? | 証券取引用語集

単位型と追加型の違いは?(気になる投信用語) – 日本経済新聞

単位型投資信託とは|投資信託用語集|iFinance

単位型投資信託|証券用語解説集|野村證券

単位型投資信託│SMBC日興証券

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単位型投資信託とは – 投資信託 用語集

投資信託の基礎知識 – 投資信託協会

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