哺乳類：スイギュウについて説明

スイギュウの分類
分類	学名	分布	特徴
アジアスイギュウ属	Bubalus arnee	インド、タイ、ネパールなど	野生種
アジアスイギュウ属	Bubalus bubalis	世界各地	家畜種
アフリカスイギュウ属	Syncerus caffer	アフリカ大陸	野生種

1. スイギュウの分類と特徴

スイギュウの分類

スイギュウは、哺乳綱偶蹄目（鯨偶蹄目）ウシ科に属する動物です。ウシ科の中でも、水辺を好むことから「スイギュウ」と呼ばれ、アジアスイギュウ属とアフリカスイギュウ属に分類されます。アジアスイギュウ属には、野生種のアジアスイギュウ（Bubalus arnee）と、家畜種であるスイギュウ（Bubalus bubalis）が含まれます。アフリカスイギュウ属には、アフリカスイギュウ（Syncerus caffer）が属します。

アジアスイギュウとアフリカスイギュウは、同じウシ族に属しますが、別属であり、交配することはできません。ブタとイノシシのような交配は不可能です。

スイギュウは、ウシとは全くの別種であり、ヒンドゥー教では、牛は神聖視されていますが、スイギュウは神聖視されていません。そのため、非菜食主義のヒンドゥー教徒は、スイギュウの肉を食べることもあります。

スイギュウの分類
分類	学名	分布	特徴
アジアスイギュウ属	Bubalus arnee	インド、タイ、ネパールなど	野生種
アジアスイギュウ属	Bubalus bubalis	世界各地	家畜種
アフリカスイギュウ属	Syncerus caffer	アフリカ大陸	野生種

スイギュウの特徴

スイギュウは、体長240-300センチメートル、尾長60-100センチメートル、肩高150-190センチメートル、体重700-1200キログラムと、大型の動物です。体色は暗灰色で、喉から胸部にかけて垂れ下がった皮膚はなく、肩から背中にかけて隆起もありません。頸部腹面には三日月状の白色斑が入ることがありますが、個体差や地域差が大きいです。四肢下部の体毛は白いのが特徴です。

スイギュウの角は、最大で194センチメートルにも達し、断面は三角形をしています。角は、個体によって形状や大きさが異なります。

スイギュウは、成長すると体重が最大1200キログラムに達し、オスは1000キログラム前後、メスは750キログラム前後になります。しかし、体重は個体差が大きく、近縁であっても大きく変動します。

スイギュウの身体的特徴
項目	数値
体長	240-300cm
尾長	60-100cm
肩高	150-190cm
体重	700-1200kg
角の長さ	最大194cm

スイギュウの染色体

スイギュウには、「沼沢型」と「河川型」の2つのタイプが存在します。「沼沢型」は、アジアの東半分で主に見られ、48本の染色体を持っています。「河川型」は、アジアの西半分でよく見られ、50本の染色体を持っています。この2つのタイプ間では、一代雑種をもうけることができます。

一方、60本の染色体を持つ家畜のウシとの交雑では、受精卵の卵割が開始されることもありますが、妊娠まで至ったという報告はありません。

スイギュウの染色体タイプ
タイプ	分布	染色体数
沼沢型	アジアの東半分	48本
河川型	アジアの西半分	50本

まとめ

スイギュウは、ウシ科に属する大型の動物で、アジアスイギュウ属とアフリカスイギュウ属に分類されます。アジアスイギュウ属には、野生種のアジアスイギュウと、家畜種であるスイギュウが含まれます。

スイギュウは、ウシとは別種であり、ヒンドゥー教では、牛は神聖視されていますが、スイギュウは神聖視されていません。

スイギュウは、体長240-300センチメートル、尾長60-100センチメートル、肩高150-190センチメートル、体重700-1200キログラムと、大型の動物です。

スイギュウには、「沼沢型」と「河川型」の2つのタイプが存在し、染色体の数も異なります。

2. スイギュウの生息地と生態

スイギュウの生息地

スイギュウは、インド、タイ、ネパール、バングラデシュ、ミャンマーなどに自然分布しています。家畜と交雑したと考えられている個体群は、インド、インドネシア、カンボジア、スリランカ、タイ、バングラデシュ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスなどに分布しています。

家畜が野生化した個体群は、アルゼンチン、オーストラリア（ノーザンテリトリー）、チュニジア、ヨーロッパなどに分布しています。

有史以前は、アフリカ大陸北部から黄河周辺にかけて分布していたと考えられています。

スイギュウの自然分布
地域	分布
自然分布	インド、タイ、ネパール、バングラデシュ、ミャンマー
家畜との交雑	インド、インドネシア、カンボジア、スリランカ、タイ、バングラデシュ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス
野生化	アルゼンチン、オーストラリア、チュニジア、ヨーロッパ

スイギュウの生態

スイギュウは、河畔林、草原、沼沢地、河川やその周辺などに生息しています。1-2頭のオスと複数頭のメスで10-30頭からなる群れを形成して生活しますが、100頭以上に達する大規模な群れを形成することもあります。オスの若獣のみで約10頭の群れを形成することもあります。

スイギュウは、水浴びを好み、避暑や虫除けのために泥浴びも行います。

スイギュウは、植物食の反芻動物で、主に草を食べるが、木の葉も食べます。ウシと比べて、1回の採食量が少なく、採食回数が多く、反芻時間が長いです。

スイギュウの生態
項目	内容
生息地	河畔林、草原、沼沢地、河川周辺
群れの構成	1-2頭のオスと複数頭のメスで10-30頭
行動	水浴び、泥浴び
食性	草食、反芻動物