項目 | 説明 |
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ベビーファンド | 投資家が直接購入できる投資信託 |
マザーファンド | ベビーファンドから集めた資金を運用する投資信託 |
ファミリーファンド | 複数のベビーファンドの資金をまとめてマザーファンドに投資する方式 |
運用効率 | 複数のベビーファンドの資金をまとめて運用することで、売買コストを削減したり、分散投資を効率化したりすることができる |
信託報酬 | ベビーファンドでは信託報酬がかかりますが、マザーファンドでは信託報酬はかかりません |
1. ファミリーファンドの概要
ファミリーファンドとは何か?
ファミリーファンドとは、投資信託の運用形態の一つで、複数の投資信託の資金をまとめて、一つの投資信託に投資する方式のことです。投資家が直接購入する投資信託をベビーファンド、ベビーファンドから集めた資金を運用する投資信託をマザーファンドと呼びます。ファミリーファンド方式では、ベビーファンドはマザーファンドに投資し、マザーファンドが株式や債券などの金融商品に投資します。
ファミリーファンド方式は、複数のベビーファンドの資金をまとめて運用することで、運用効率を高めることを目的としています。例えば、同じ運用方針で、一方は運用会社の直販で、一方は銀行などの販売チャネルで取り扱われる投資信託、あるいは、同じ運用方針で、一方は分配頻度が年1回で、もう一方は分配頻度が年2回の投資信託、さらに、一方は一般の証券口座向けの投資信託で、もう一方は確定拠出年金向けの投資信託といった場合に、両者をマザーファンドで合同運用することで運用効率を高めます。
ファミリーファンド方式は、投資信託の説明書である目論見書に「ファミリーファンド方式で運用を行います」などと記載されているので、投資信託を選ぶ際にチェックポイントとして使うことができます。
要素 | 説明 |
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ベビーファンド | 投資家が直接購入できる投資信託 |
マザーファンド | ベビーファンドから集めた資金を運用する投資信託 |
ファミリーファンド方式のイメージ図
ファミリーファンド方式は、複数のベビーファンドが、それぞれの運用方針に基づく投資割合に応じてマザーファンドに投資することで、運用効率を高める狙いがあります。
例えば、長期投資家から資産運用向きの投資信託として人気が高い世界経済インデックスファンドは、「ファミリーファンド方式」を採用しています。
世界中の株式と債券に投資しており資産配分の見直しも専門家が行ってくれるのですが、信託報酬が驚くほど安いのが特徴です。
要素 | 説明 |
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ベビーファンド | 複数のベビーファンドがそれぞれの運用方針に基づいてマザーファンドに投資 |
マザーファンド | ベビーファンドから集めた資金を元に、株式や債券などの金融商品に投資 |
ファミリーファンド方式とファンド・オブ・ファンズの違い
ファミリーファンド方式と似たような言葉に、ファンド・オブ・ファンズがあります。ファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託に投資する投資信託です。
ファミリーファンド方式とファンド・オブ・ファンズの違いは、マザーファンドとベビーファンドの運営会社が同じかどうかです。ファミリーファンド方式では、マザーファンドとベビーファンドは同一もしくは委託先の資産運用会社が運用指図しています。一方、ファンド・オブ・ファンズでは、複数の資産運用会社の投資信託を組み合わせて運用されます。
また、ファミリーファンド方式では、ベビーファンドで信託報酬がかかりますが、マザーファンドでは信託報酬がかかりません。一方、ファンド・オブ・ファンズでは、ファンド・オブ・ファンズ自体に信託報酬などのコストがかかるだけでなく、投資対象先の投資信託に関するコストも二重にかかります。
項目 | ファミリーファンド | ファンド・オブ・ファンズ |
---|---|---|
運営会社 | 同一もしくは委託先の資産運用会社 | 複数の資産運用会社 |
信託報酬 | ベビーファンドのみ | ファンド・オブ・ファンズ自体と投資対象先の投資信託の両方 |
投資対象 | 原則として1つのマザーファンド | 複数の投資信託 |
まとめ
ファミリーファンド方式は、複数の投資信託の資金をまとめて運用することで、運用効率を高めることを目的とした投資信託の運用方式です。
投資家はベビーファンドと呼ばれる投資信託を購入し、ベビーファンドがマザーファンドと呼ばれる投資信託に投資します。
マザーファンドは、ベビーファンドから集めた資金を元に、株式や債券などの金融商品に投資します。
2. ファミリーファンドのメリット
コスト削減
ファミリーファンド方式では、複数のベビーファンドの資金をまとめて運用することで、売買コストを削減することができます。
一般に、株式や債券では、大口の取引では証券会社に支払う売買委託手数料の手数料率が低く抑えられています。そのため、残高の大きなマザーファンドでは、売買委託手数料を低く抑えることが可能となります。
また、その他の経費についても低く抑えることが可能になります。ファンドの運用に係るアナリストやファンドマネージャー、あるいは管理スタッフなども、個別のファンドではそれぞれに必要になりますが、合同して運用することで複数の個別のファンドを運用・管理するよりも、少ないスタッフで大きな資金の運用を担うことが可能となります。
項目 | 説明 |
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売買委託手数料 | 大口取引による手数料率の低減 |
運用管理費用 | 複数のファンドをまとめて運用することで、人件費などの経費削減が可能 |
信託報酬 | マザーファンドでは信託報酬がかからないため、コスト削減が可能 |
分散投資の効率化
ファミリーファンド方式では、資金が大きくなることで分散投資がし易くなることが挙げられます。
新しく設定されたファンドなどでは、通常運用資金はそれほど大きくありません。そうなると、運用方針に則って分散投資を行いたくても、十分な分散投資ができないことが考えられます。
しかし、すでに運用されているマザーファンドと合同して運用することで大きな残高のファンドとして十分な分散投資を行うことでリスクを軽減することが可能となります。
項目 | 説明 |
---|---|
資金規模 | 複数のベビーファンドの資金をまとめることで、資金規模が大きくなる |
分散投資 | 資金規模が大きくなることで、より多くの資産に分散投資することが可能になる |
リスク軽減 | 分散投資によって、投資のリスクを軽減することができる |
商品開発の効率化
ファミリーファンド方式では、マザーファンドがすでに存在しているため、新しいファンドを開発する際に、運用方針や投資対象を新たに設定する必要がありません。
そのため、既存のマザーファンドの運用実績やノウハウを活かして、迅速に新しいファンドを開発することができます。
また、同じマザーファンドを利用することで、複数のベビーファンドを同一の運用方針で運用することができ、投資家のニーズに沿った商品を迅速に発売開始できることもメリットとなります。
項目 | 説明 |
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開発期間 | 既存のマザーファンドを活用することで、開発期間を短縮できる |
開発コスト | 既存のマザーファンドを活用することで、開発コストを削減できる |
顧客ニーズへの対応 | 顧客ニーズに沿った商品を迅速に発売開始できる |
まとめ
ファミリーファンド方式は、コスト削減、分散投資の効率化、商品開発の効率化など、多くのメリットがあります。
投資家にとって、ファミリーファンド方式は、低コストで効率的に資産運用を行うことができる魅力的な方法と言えます。
ただし、ファミリーファンド方式は、マザーファンドの運用成績に依存するため、マザーファンドの運用状況をしっかりと確認することが重要です。
3. ファミリーファンドのデメリット
商品開発の制限
ファミリーファンド方式では、マザーファンドの種類によって商品開発が制限されることがあります。
例えば、マザーファンドが国内株式に特化している場合、ファミリーファンド方式で開発できる商品は、国内株式に投資する商品に限られます。
そのため、ファミリーファンド方式では、独創的なファンドを出しにくいことがデメリットとなります。
項目 | 説明 |
---|---|
マザーファンドの種類 | マザーファンドの種類によって、開発できる商品の種類が制限される |
独創性 | マザーファンドの種類によって、独創的なファンドを出しにくい |
分散投資の制限
ファミリーファンド方式では、複数のベビーファンドが同じマザーファンドに投資するため、分散投資の範囲が限定されることがあります。
例えば、複数のベビーファンドが同じ国内株式型マザーファンドに投資している場合、投資対象が国内株式に偏ってしまう可能性があります。
そのため、ファミリーファンド方式では、十分な分散投資を行うためには、複数のマザーファンドに投資する必要がある場合があります。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | 同じマザーファンドに投資する場合は、投資対象が偏ってしまう可能性がある |
分散効果 | 複数のマザーファンドに投資することで、分散効果を高めることができる |
情報公開の制限
ファミリーファンド方式では、マザーファンドの運用状況が公開されない場合があります。
そのため、投資家は、マザーファンドの運用状況を把握することが難しく、投資判断を行う際に情報不足になる可能性があります。
また、マザーファンドの運用状況が公開されていても、投資家にとって分かりにくい場合もあります。
項目 | 説明 |
---|---|
運用状況 | マザーファンドの運用状況が公開されない場合がある |
投資判断 | マザーファンドの運用状況が把握できないと、投資判断が難しくなる |
まとめ
ファミリーファンド方式は、商品開発の制限、分散投資の制限、情報公開の制限など、いくつかのデメリットがあります。
投資家は、ファミリーファンド方式の投資信託を選ぶ際には、これらのデメリットを理解した上で、投資判断を行う必要があります。
特に、マザーファンドの運用状況をしっかりと確認することが重要です。
4. ファミリーファンドとは何か?
ファミリーファンドの定義
ファミリーファンドとは、複数の投資信託の資金をまとめて、一つの投資信託に投資する方式のことです。
投資家が直接購入する投資信託をベビーファンド、ベビーファンドから集めた資金を運用する投資信託をマザーファンドと呼びます。
ファミリーファンド方式では、ベビーファンドはマザーファンドに投資し、マザーファンドが株式や債券などの金融商品に投資します。
要素 | 説明 |
---|---|
ベビーファンド | 投資家が直接購入できる投資信託 |
マザーファンド | ベビーファンドから集めた資金を運用する投資信託 |
ファミリーファンド方式の目的
ファミリーファンド方式は、複数のベビーファンドの資金をまとめて運用することで、運用効率を高めることを目的としています。
具体的には、売買コストの削減、分散投資の効率化、商品開発の効率化などが挙げられます。
ファミリーファンド方式は、投資信託の規模を拡大することで、運用コストを削減し、投資家の利益を最大化することを目指しています。
目的 | 説明 |
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運用効率の向上 | 複数のベビーファンドの資金をまとめて運用することで、売買コストを削減したり、分散投資を効率化したりすることができる |
投資家の利益の最大化 | 運用コストを削減することで、投資家の利益を最大化することを目指す |
ファミリーファンド方式の仕組み
ファミリーファンド方式では、投資家はベビーファンドを購入します。
ベビーファンドは、マザーファンドに投資し、マザーファンドが株式や債券などの金融商品に投資します。
マザーファンドは、ベビーファンドから集めた資金を運用し、その運用成果をベビーファンドに分配します。
手順 | 説明 |
---|---|
ベビーファンドの購入 | 投資家はベビーファンドを購入する |
マザーファンドへの投資 | ベビーファンドはマザーファンドに投資する |
資産への投資 | マザーファンドは株式や債券などの金融商品に投資する |
運用成果の分配 | マザーファンドは運用成果をベビーファンドに分配する |
まとめ
ファミリーファンド方式は、複数の投資信託の資金をまとめて運用することで、運用効率を高めることを目的とした投資信託の運用方式です。
投資家はベビーファンドを購入し、ベビーファンドがマザーファンドに投資します。
マザーファンドは、ベビーファンドから集めた資金を元に、株式や債券などの金融商品に投資します。
5. ファミリーファンドの運用方法
マザーファンドの選定
ファミリーファンド方式では、マザーファンドの選定が非常に重要です。
マザーファンドは、ベビーファンドの運用成績を左右する重要な役割を担います。
そのため、投資家は、マザーファンドの運用実績、運用方針、運用コストなどをしっかりと確認する必要があります。
項目 | 説明 |
---|---|
運用実績 | 過去の運用成績を確認する |
運用方針 | 投資対象や運用戦略を確認する |
運用コスト | 信託報酬などの運用コストを確認する |
ベビーファンドの購入
投資家は、マザーファンドに投資するベビーファンドを購入します。
ベビーファンドは、マザーファンドの運用成果をそのまま受け取ることができます。
そのため、投資家は、ベビーファンドの購入前に、マザーファンドの運用状況をしっかりと確認する必要があります。
項目 | 説明 |
---|---|
マザーファンドの運用状況 | マザーファンドの運用状況を確認する |
投資信託説明書 | 投資信託説明書(交付目論見書)の内容を確認する |
手数料 | 購入手数料や信託報酬などの手数料を確認する |
運用状況の確認
ファミリーファンド方式では、マザーファンドの運用状況を定期的に確認することが重要です。
マザーファンドの運用状況は、投資信託説明書(交付目論見書)やファンドのホームページなどで確認することができます。
投資家は、マザーファンドの運用状況を把握することで、投資判断を行うことができます。
方法 | 説明 |
---|---|
投資信託説明書 | 投資信託説明書(交付目論見書)で確認する |
ファンドのホームページ | ファンドのホームページで確認する |
証券会社 | 証券会社に問い合わせる |
まとめ
ファミリーファンド方式では、マザーファンドの選定、ベビーファンドの購入、運用状況の確認など、いくつかの重要なポイントがあります。
投資家は、これらのポイントをしっかりと理解した上で、投資判断を行う必要があります。
特に、マザーファンドの運用状況をしっかりと確認することが重要です。
6. ファミリーファンドの活用事例
世界経済インデックスファンド
世界経済インデックスファンドは、世界中の株式と債券に投資するインデックスファンドです。
世界経済インデックスファンドは、ファミリーファンド方式を採用しており、複数のベビーファンドから資金を集めて、一つのマザーファンドで運用されています。
世界経済インデックスファンドは、低コストで分散投資を行うことができるため、長期投資家から人気があります。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | 世界中の株式と債券 |
運用方針 | インデックスに連動した運用 |
特徴 | 低コストで分散投資が可能 |
ひふみ投信
ひふみ投信は、日本の株式に投資するアクティブファンドです。
ひふみ投信は、ファミリーファンド方式を採用しており、複数のベビーファンドから資金を集めて、一つのマザーファンドで運用されています。
ひふみ投信は、高い運用成績で知られており、多くの投資家から支持されています。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | 日本の株式 |
運用方針 | アクティブ運用 |
特徴 | 高い運用成績で知られている |
楽天資産形成ファンド(愛称:楽天525)
楽天資産形成ファンド(愛称:楽天525)は、世界中の株式と債券に投資するインデックスファンドです。
楽天資産形成ファンド(愛称:楽天525)は、ファミリーファンド方式を採用しており、複数のベビーファンドから資金を集めて、一つのマザーファンドで運用されています。
楽天資産形成ファンド(愛称:楽天525)は、低コストで分散投資を行うことができるため、長期投資家から人気があります。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | 世界中の株式と債券 |
運用方針 | インデックスに連動した運用 |
特徴 | 低コストで分散投資が可能 |
まとめ
ファミリーファンド方式は、世界経済インデックスファンド、ひふみ投信、楽天資産形成ファンド(愛称:楽天525)など、多くの投資信託で採用されています。
ファミリーファンド方式は、投資信託の規模を拡大することで、運用コストを削減し、投資家の利益を最大化することを目指しています。
投資家は、ファミリーファンド方式の投資信託を選ぶ際には、マザーファンドの運用状況をしっかりと確認することが重要です。
参考文献
・ファミリーファンド方式とは|投資信託用語集|iFinance
・「ファミリーファンド」とは?メリットや利用目的、ファンド …
・ファミリーファンド方式とは?投資初心者さんもわかる用語 …
・ファミリーファンド方式 – 大和アセットマネジメント株式会社
・ファミリーファンド | 金融・証券用語解説集 | 大和証券
・ファミリーファンド方式 | 用語集 | 投資信託を学ぶ|つみたて …
・わかりやすい用語集 解説:ファミリーファンド(ふぁみりー …
・ファミリーファンド方式 | 証券用語辞典 | マーケット情報 …
・コラムVol.30 投資信託のファミリーファンド方式:三菱UFJ信託銀行
・ファミリーファンド | 明治安田アセットマネジメント株式会社
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