ニュージーランドの亜南極諸島とは？世界遺産についての解説

ニュージーランドの世界遺産
世界遺産名	登録年	種類	アクセス難易度
テ・ワヒポウナム	1990	自然遺産	B
トンガリロ国立公園	1990	複合遺産	A
ニュージーランドの亜南極諸島	1998	自然遺産	C

1. 亜南極諸島とは

亜南極諸島の位置と構成

ニュージーランドの亜南極諸島は、ニュージーランドの南島からさらに南へ200kmほど離れた位置に位置する5つの島々からなる世界遺産です。登録された島は、スネアーズ諸島、バウンティ諸島、アンティポデス諸島、オークランド諸島、そしてキャンベル島です。これらの島々は、南極に近いことから、亜南極と呼ばれる地域に属しています。

亜南極諸島は、ニュージーランド領の島嶼部からなる、ユネスコの世界遺産（自然遺産）です。この地域は、南極に近いことから、亜南極と呼ばれる地域に属しています。亜南極諸島は、スネアーズ諸島、バウンティ諸島、アンティポデス諸島、オークランド諸島、そしてキャンベル島の5つの島々から構成されています。

これらの島々は、ニュージーランドを中心とした「ジーランディア」と呼ばれる大部分が水没した大陸の南東端近くに位置しています。ジーランディアは、6

亜南極諸島の構成
島名	備考
スネアーズ諸島	手付かずの自然が残る
バウンティ諸島
アンティポデス諸島
オークランド諸島	生物多様性に富む
キャンベル島	ニュージーランド最南部の島

亜南極諸島の気候

亜南極諸島は、南緯40度付近に位置し、南極からの寒流と太平洋からの暖流がぶつかり合う場所です。そのため、天候が不安定で、頻繁に暴風雨に見舞われます。この地域は、別名「吠える40度」とも呼ばれています。

亜南極諸島は、南極からの寒流と太平洋からの暖流がぶつかり合う場所であるため、天候が安定せず、頻繁に暴風雨に見舞われます。このことから、別名「吠える40度」とも呼ばれています。

この厳しい自然環境は、亜南極諸島に独特の生態系を生み出しています。

亜南極諸島の気候
特徴	説明
南緯40度付近	別名「吠える40度」
寒流と暖流のぶつかり合い	天候が不安定
頻繁な暴風雨	厳しい自然環境

亜南極諸島の生物

亜南極諸島は、生物の種類が豊富で非常に密であると言われています。特に野鳥類は、海鳥40種を含む126種が観測されています。

亜南極諸島には、多くの貴重な昆虫、鳥類、植物などが生息しています。現在確認されている鳥類は約120種、海鳥は40種に及びます。

スネアーズ諸島の近海では、寒流と暖流が衝突して大量のプランクトンが発生し、それを食べる魚たちが集まってくるため、鳥たちにとっては絶好の繁殖地となっています。

亜南極諸島の生物
分類	種類
鳥類	約120種
海鳥	40種
スネアーズ諸島	ハイイロミズナギドリ約200万羽

まとめ

ニュージーランドの亜南極諸島は、ニュージーランドの南島から200kmほど離れた位置に位置する5つの島々からなる世界遺産です。これらの島々は、南極に近いことから、亜南極と呼ばれる地域に属しています。

亜南極諸島は、生物の種類が豊富で非常に密であると言われています。特に野鳥類は、海鳥40種を含む126種が観測されています。

亜南極諸島は、独特の生態系を持つ貴重な場所であり、世界遺産に登録されています。

2. ニュージーランドの亜南極諸島の自然環境

亜南極諸島の植生

亜南極諸島は、南極からの寒流の影響を受けるため、厳しい環境下にあります。しかし、その環境に適応した固有の植物が生息しています。

亜南極諸島には、多くの貴重な昆虫、鳥類、植物などが生息しています。

スネアーズ諸島では、約200万羽のハイイロミズナギドリが営巣しています。

亜南極諸島の植生
特徴	説明
固有種	厳しい環境に適応した植物
ハイイロミズナギドリ	スネアーズ諸島に約200万羽営巣
巨大ハーブ	亜南極気候に適応

亜南極諸島の動物

亜南極諸島は、海鳥やペンギンの重要な繁殖地となっています。

スネアーズ諸島、オークランド諸島、キャンベル島では、絶滅危惧種のニュージーランドアシカの約95％以上が繁殖しています。

周辺の海域は、ミナミセミクジラの重要な繁殖地でもあります。

亜南極諸島の動物
分類	種類
海鳥	アホウドリ、ペンギンなど
ペンギン	スネアーズペンギン、イエロー・アイド・ペンギンなど
海洋哺乳類	ニュージーランドアシカ、ミナミゾウアザラシなど
繁殖地	ニュージーランドアシカの約95%以上が繁殖

亜南極諸島の海

亜南極諸島周辺の海域は、寒流と暖流がぶつかり合う場所であるため、プランクトンが豊富です。

プランクトンを餌とする魚類が集まるため、亜南極諸島は、海鳥やペンギンの重要な餌場となっています。

また、クロミンククジラ、イワシクジラ、ナガスクジラ、シロナガスクジラ、ザトウクジラなどのクジラの移動経路上にもあり、かつてアンティポディーズ諸島にはアザラシも生息していました。

亜南極諸島の海
特徴	説明
プランクトン豊富	寒流と暖流のぶつかり合い
魚類豊富	プランクトンを餌とする魚類が集まる
クジラの移動経路	クロミンククジラ、イワシクジラなど
アザラシ	かつてアンティポディーズ諸島に生息

まとめ

亜南極諸島は、南極からの寒流の影響を受ける厳しい環境下にありますが、固有の植物が生息しています。

亜南極諸島は、海鳥やペンギンの重要な繁殖地であり、絶滅危惧種のニュージーランドアシカの約95％以上が繁殖しています。

亜南極諸島周辺の海域は、プランクトンが豊富で、魚類が集まるため、海鳥やペンギンの重要な餌場となっています。

亜南極諸島は、独特の生態系を持つ貴重な場所であり、世界遺産に登録されています。

3. 亜南極諸島の世界遺産登録

世界遺産登録基準

ニュージーランドの亜南極諸島は、1998年に世界遺産に登録されました。

世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録されました。

(ix) 亜南極諸島は、隔離された環境や気候によって生物相に大きく影響が与えられ、鳥類が飛翔能力が損失するなどの進化の過程が見られ、亜南極気候に合わせてハーブが巨大化し、環境に適応するといった植物の多様性も見られるという点。

(x) 亜南極諸島は、世界でも最大級の海鳥の多様性が見られ、鳥類はアホウドリやペンギンなど固有種も8種類生息していて、他にも世界でも数少ないニュージーランドアシカの繁殖地。そして、巨大ハーブなどの固有種を含んだ、生物多様性も見られ、スネアーズ諸島やオークランド諸島などは人間や外来種の影響も受けていないという点でも貴重であるということ。

世界遺産登録基準
基準	説明
(ix)	生物相への影響、進化の過程
(x)	海鳥の多様性、固有種の生息

世界遺産としての価値

亜南極諸島は、その独特な生態系と生物多様性から、世界遺産に登録されました。

亜南極諸島は、世界でも最大級の海鳥の多様性が見られ、鳥類はアホウドリやペンギンなど固有種も8種類生息しています。

また、絶滅危惧種のニュージーランドアシカの約95％以上が繁殖しており、周辺の海域は、ミナミセミクジラの重要な繁殖地でもあります。

世界遺産としての価値
価値	説明
生物多様性	世界最大級の海鳥の多様性
固有種	アホウドリ、ペンギンなど
繁殖地	ニュージーランドアシカ、ミナミセミクジラなど

世界遺産登録による影響

世界遺産に登録されたことで、亜南極諸島の保護活動が強化されました。

生態系を維持するため、この地域の立ち入りは厳しく制限されています。

多くの島では、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ネズミなどの外来種が既に除去されましたが、オークランド島にはブタ、ネコ、ネズミが、アンティポディーズ島にはネズミがまだ生息しています。

世界遺産登録による影響
影響	説明
保護活動強化	立ち入りが厳しく制限
外来種駆除	ウシ、ヒツジ、ヤギなど
生息状況	オークランド島にはブタ、ネコ、ネズミなどが生息

まとめ

ニュージーランドの亜南極諸島は、1998年に世界遺産に登録されました。

世界遺産登録基準のうち、生物多様性と進化の過程が見られるという点、そして世界でも最大級の海鳥の多様性が見られるという点で登録されました。

世界遺産に登録されたことで、亜南極諸島の保護活動が強化され、生態系を維持するために立ち入りが厳しく制限されています。

亜南極諸島は、世界遺産として保護され、その貴重な生態系が守られています。

4. ニュージーランドの亜南極諸島の歴史

人類との関わり

亜南極諸島は、人間の影響をほとんど受けていない貴重な場所です。

しかし、歴史的には、人間による影響も存在していました。

かつて、アザラシやアホウドリなどの鳥類が乱獲されていました。

人類との関わり
時期	影響
歴史	アザラシやアホウドリなどの乱獲
現在	人間の影響をほとんど受けていない

保護活動の始まり

19世紀後半から、亜南極諸島の保護活動が始まりました。

1970年代には、ニュージーランド政府が、亜南極諸島を国立公園に指定しました。

保護活動の始まり
時期	活動
19世紀後半	保護活動開始
1970年代	国立公園に指定

世界遺産登録

1998年に、亜南極諸島は、世界遺産に登録されました。

世界遺産に登録されたことで、亜南極諸島の保護活動がさらに強化されました。

現在、亜南極諸島は、厳重に保護されており、立ち入りは制限されています。

世界遺産登録
年	内容
1998年	世界遺産に登録
現在	厳重に保護、立ち入り制限

まとめ

亜南極諸島は、歴史的に人間による影響を受けてきましたが、19世紀後半から保護活動が始まり、1970年代には国立公園に指定されました。

1998年に世界遺産に登録されたことで、保護活動がさらに強化され、現在では厳重に保護されています。

亜南極諸島は、人間の影響から守られ、その貴重な生態系が維持されています。

5. 観光スポットとアクティビティ

スネアーズ諸島

スネアーズ諸島は、亜南極諸島の中でも最も手付かずの自然が残されている島です。

陸上動物がおらず、手付かずの自然が残る貴重な島です。

特別な許可がない限り上陸は禁止されています。ツアーではゾディアッククルーズで海上から海鳥やスネアーズペンギンの営巣地を見学します。

スネアーズ諸島
特徴	説明
手付かずの自然	陸上動物がおらず、上陸禁止
観光	ゾディアッククルーズで海上から観察
生息種	スネアーズペンギンなど

オークランド諸島

オークランド諸島は、亜南極諸島の中でも最も生物多様性に富んだ島です。

北部のエンダビー島は、シロアホウドリの繁殖地を間近に観察できる大変貴重な場所です。

南部のカーンリー湾ではハジロアホウドリの営巣地を観察します。

オークランド諸島
特徴	説明
生物多様性	多くの海鳥が巣作り
生息種	イエロー・アイド・ペンギン、モリーモークなど
観光	シロアホウドリの繁殖地観察

キャンベル島

キャンベル島は、亜南極諸島の中でも最も大きな島です。

ニュージーランド最南部の島です。パーシビランス湾でのゾディアッククルーズのほか、気象条件次第で上陸のチャンスもあります。

シロアホウドリの営巣地、ニュージーランドアシカをはじめ、キャンベルクリイロコガモ、キャンベルアイランドピピット等、固有の鳥類も観察できます。

キャンベル島
特徴	説明
ニュージーランド最南部の島	パーシビランス湾でのゾディアッククルーズ
上陸	気象条件次第で可能
生息種	シロアホウドリ、ニュージーランドアシカなど