イチャン・カラとは？世界遺産についての解説

イチャン・カラの概要
項目	内容
場所	ウズベキスタン共和国のヒヴァの旧市街地
登録年	1990年
登録区分	文化遺産
登録基準	(iii)(iv)(v)
面積	26ヘクタール
構造	城壁に囲まれた長方形の街
主な建築物	アルク（城郭）、マドラサ（神学校）、モスク（寺院）、マスジッド（霊廟）
人口	約3,000名
アクセス	タシケントから飛行機または夜行列車

1. イチャンカラとは？
2. イチャンカラの発見と登録過程
3. イチャンカラの地理的特徴
4. イチャンカラの文化遺産としての価値
5. イチャンカラに関連する神話や伝説
6. イチャンカラの観光情報とアクセス方法

1. イチャンカラとは？

イチャンカラとは？

イチャン・カラとは、中央アジアや西アジアの都市に見られる、城壁に囲まれた市街地の形態を指します。日本語に直訳すると「内城」となり、城壁の外に発展した郊外の区域は「デシャン・カラ（ディシャン・カラ、外城）」と呼ばれます。中央アジアと西アジアの各都市に存在する内城のうち、無傷の状態で保たれているのはヒヴァのイチャン・カラのみであり、封建的・イスラーム的都市国家を知る上で貴重な資料となっています。

イチャン・カラは、東西約450m、南北約650mに広がり、やや東に傾いた長方形をしています。城壁の高さは7-8m、基部の厚さは5-6m、全長2.2km、面積は26ヘクタールに及び、周囲を外壁のデシャン・カラに守られています。かつてヒヴァには城壁に死者を埋葬する旧習があり、埋葬された人骨の一部は城壁の表面に露出しているそうです。

イチャン・カラの建築物は大きく、アルク（城郭）、マドラサ（神学校）、モスク（寺院）、マスジッド（霊廟）に大別されます。20のモスク（寺院）と20のマドラサ（神学校）と6基のミナレットなど、50以上の歴史的建造物と250以上の古い住居が残っています。

ヒヴァの町の始まりとなったという伝承が残されているヘイワクの泉は、パフラヴァン・マフムード廟の中庭に存在します。1740年にイランのナーディル・シャーの攻撃によってイチャン・カラの建造物の多くが破壊されましたが、これらの建築物はおよそ18世紀から19世紀にかけて再建されました。

イチャンカラの構造
方向	長さ
東西	約450m
南北	約650m
城壁の高さ	7-8m
城壁の厚さ	5-6m
城壁の全長	2.2km
面積	26ヘクタール

イチャンカラの構造

イチャン・カラは、東西約450m、南北約650mに広がり、やや東に傾いた長方形をしています。城壁の高さは7-8m、基部の厚さは5-6m、全長2.2km、面積は26ヘクタールに及び、周囲を外壁のデシャン・カラに守られています。

イチャン・カラの景観を最も特徴付けているのは、透かし彫り彫刻が施された煉瓦の壁と四面に設けられた4つの門です。門にはそれぞれ東のパルワーン・ダルワザ門、北のバグチャ・ダルワザ門、南のタシュ・ダルワザ門、西のアタ・ダルワザ門の名前が付き、そのうち西のアタ・ダルワザ門は1920年に撤去されています。

かつてのヒヴァ・ハン国の時代にパルワーン・ダルワザ門の外側では奴隷市場が開かれており、多くの奴隷たちがヒヴァで実施された建築事業に使役されたそうです。それらの土台は、10世紀に作られたと言い伝えられているが、現存の10メートルの高さを誇る門は、17世紀に修繕されたものです。

イチャンカラの建築物
種類	数
モスク	20
マドラサ	20
ミナレット	6
歴史的建造物	50以上
古い住居	250以上

イチャンカラの歴史

イチャン・カラは、17世紀前半にヒヴァ・ハン国の都となると、高さ約10m、周囲2.2kmの内城壁を築き、歴代汗の宮殿やモスク、マドラサなどの美しいイスラム建造物が数多く建築されました。

1740年にイランのナーディル・シャーの攻撃によってイチャン・カラの建造物の多くが破壊されましたが、これらの建築物はおよそ18世紀から19世紀にかけて再建されました。

1969年にイチャン・カラ全体が、博物館都市に指定され、1983年に大規模な旧市街地の改修工事が実施されました。歴史記念物地区の建物は保存・改修され、老朽化が進んだ一部の建物が取り壊されました。

周辺の居住区では古い家屋の撤去と建て替えが行われ、街区の様相は大きく変化しました。現在は約3

イチャンカラの歴史
年	出来事
17世紀前半	ヒヴァ・ハン国の都となる
1740年	イランのナーディル・シャーの攻撃で建造物が破壊される
18世紀～19世紀	建造物が再建される
1969年	博物館都市に指定される
1983年	大規模な改修工事が実施される
1990年	世界文化遺産に登録される

まとめ

イチャン・カラは、中央アジアや西アジアの都市に見られる城壁に囲まれた市街地の形態で、日本語では「内城」と訳されます。

ヒヴァのイチャン・カラは、17世紀前半にヒヴァ・ハン国の都となると、高さ約10m、周囲2.2kmの内城壁を築き、歴代汗の宮殿やモスク、マドラサなどの美しいイスラム建造物が数多く建築されました。

イチャン・カラは、1990年に世界文化遺産に登録され、現在も博物館都市として保存されています。

2. イチャンカラの発見と登録過程

イチャンカラの発見

イチャン・カラは、中央アジアや西アジアの都市に見られる城壁に囲まれた市街地の形態で、日本語では「内城」と訳されます。

中央アジアと西アジアの各都市に存在する内城のうち、無傷の状態で保たれているのはヒヴァのイチャン・カラのみであり、封建的・イスラーム的都市国家を知る上で貴重な資料となっています。

イチャンカラの登録過程

周辺の居住区では古い家屋の撤去と建て替えが行われ、街区の様相は大きく変化しました。現在は約3

イチャン・カラは、1990年に世界文化遺産に登録されました。

イチャン・カラは、登録基準(iii)(iv)(v)に基づいて世界文化遺産に登録されました。

ユネスコの評価コメント

ユネスコは、イチャン・カラを世界文化遺産に登録するにあたり、以下の3つの基準を満たしていると評価しました。

登録基準(iii)：ヒヴァの内町の都市全体が、整合性があり、よく保存されており、イチャン・カラはホラズムの失われた文明の証拠となる例外的な証言を保持している。

登録基準(iv)：イチャン・カラのいくつかの建造物は、中央アジアの古代の伝統に従って建てられた、注目に値するユニークなタイプの建築アンサンブルを構成し、14世紀から19世紀のイスラム建築の発展を示している。

登録基準(v)：伝統的な建築様式のヒヴァの国内建築は、その設計と建設のおかげで、中央アジアの人間の居住地の重要な例を表している。

ユネスコの評価基準
基準	内容
(iii)	ホラズムの失われた文明の証拠となる例外的な証言を保持している
(iv)	中央アジアの古代の伝統に従って建てられた、注目に値するユニークなタイプの建築アンサンブルを構成している
(v)	伝統的な建築様式のヒヴァの国内建築が、中央アジアの人間の居住地の重要な例を表している

まとめ

イチャン・カラは、1990年に世界文化遺産に登録されました。

イチャン・カラは、登録基準(iii)(iv)(v)に基づいて世界文化遺産に登録されました。

ユネスコは、イチャン・カラを世界文化遺産に登録するにあたり、失われたホラズムの文明の証拠となる例外的な証言を保持していること、中央アジアの古代の伝統に従って建てられた、注目に値するユニークなタイプの建築アンサンブルを構成していること、伝統的な建築様式のヒヴァの国内建築が、中央アジアの人間の居住地の重要な例を表していることを評価しました。

イチャン・カラは、現在も博物館都市として保存されています。

3. イチャンカラの地理的特徴

イチャンカラの場所

イチャン・カラは、ウズベキスタン共和国のヒヴァの旧市街地に位置しています。

ヒヴァは、中央アジアの大河アムダリヤとペルシャとの間に広がるカラクム砂漠の北に位置し、ブハラ同様古代より砂漠の出入り口として発展したオアシス都市でした。

16世紀初めからはこの地に築かれた王国ヒヴァ・ハン国の首都として繁栄しました。

ヒヴァは、ウズベキスタンの他の町とは広大なキジルクム砂漠で隔てられており、アクセスにはタシケントからの空路、各都市からの夜行列車、砂漠を突っ切るブハラからの乗り合いタクシーなどが一般的です。

イチャンカラの規模

イチャン・カラは、東西約450m、南北約650mに広がり、やや東に傾いた長方形をしています。

城壁の高さは7-8m、基部の厚さは5-6m、全長2.2km、面積は26ヘクタールに及び、周囲を外壁のデシャン・カラに守られています。

イチャン・カラは、20のモスク（寺院）と20のマドラサ（神学校）と6基のミナレットなど、50以上の歴史的建造物と250以上の古い住居が残っています。

イチャン・カラは、現在も約3

イチャンカラの構造

イチャン・カラは、高さ約10m、周囲2.2kmの内城壁を築き、歴代汗の宮殿やモスク、マドラサなどの美しいイスラム建造物が数多く建築されました。

イチャン・カラの景観を最も特徴付けているのは、透かし彫り彫刻が施された煉瓦の壁と四面に設けられた4つの門です。

門にはそれぞれ東のパルワーン・ダルワザ門、北のバグチャ・ダルワザ門、南のタシュ・ダルワザ門、西のアタ・ダルワザ門の名前が付き、そのうち西のアタ・ダルワザ門は1920年に撤去されています。

イチャンカラの門
方向	名前
東	パルワーン・ダルワザ門
北	バグチャ・ダルワザ門
南	タシュ・ダルワザ門
西	アタ・ダルワザ門（1920年に撤去）

まとめ

イチャン・カラは、ウズベキスタン共和国のヒヴァの旧市街地に位置し、東西約450m、南北約650mに広がり、やや東に傾いた長方形をしています。

城壁の高さは7-8m、基部の厚さは5-6m、全長2.2km、面積は26ヘクタールに及び、周囲を外壁のデシャン・カラに守られています。

イチャン・カラは、現在も約3

4. イチャンカラの文化遺産としての価値

イチャンカラの建築様式

イチャン・カラには、モスク、マドラサ（神学校）、霊廟など、当時の様子をそのまま残す建造物がたくさん残っています。

これらの建造物は、中央アジアの伝統的な建築様式が見られ、14世紀から19世紀のイスラム建築の発展が分かるという点で高く評価されています。

特に、透かし彫り彫刻が施された煉瓦の壁や、鮮やかな青や緑のタイルで装飾されたドームやミナレットは、イチャン・カラの象徴的な景観を形成しています。

イチャン・カラの建築様式は、中央アジアの伝統的な建築様式とイスラム建築が融合したもので、その美しさは世界中の人々を魅了しています。

イチャンカラの文化

イチャン・カラは、かつてヒヴァ・ハン国の首都として栄え、政治、経済、文化の中心地として発展しました。

イチャン・カラには、ハン（君主）の宮殿、モスク、マドラサ、霊廟など、様々な建造物が残されており、当時のヒヴァ・ハン国の文化や生活様式を垣間見ることができます。

また、イチャン・カラには、伝統的な工芸品や民芸品が数多く残されており、当時のヒヴァの人々の暮らしや文化を伝える貴重な資料となっています。

イチャン・カラは、中央アジアの文化とイスラム文化が融合した、独特の文化を育んできた場所です。

イチャンカラの価値

イチャン・カラは、中央アジアの伝統的な都市計画に則った、南北に延びる長方形の設計で、城壁に囲まれた街全体が博物館のようになっています。

イチャン・カラは、中央アジアの文化とイスラム文化が融合した、独特の文化を育んできた場所であり、その歴史的、文化的価値は非常に高いです。

イチャン・カラは、中央アジアの歴史と文化を理解する上で重要な場所であり、世界中の人々にその魅力を伝えています。

イチャン・カラは、世界遺産として保護され、未来の世代に継承されるべき貴重な文化遺産です。

まとめ

イチャン・カラは、中央アジアの伝統的な建築様式とイスラム建築が融合した、美しい建造物が数多く残る、歴史的、文化的価値の高い場所です。

イチャン・カラは、かつてヒヴァ・ハン国の首都として栄え、政治、経済、文化の中心地として発展しました。

イチャン・カラは、世界遺産として保護され、未来の世代に継承されるべき貴重な文化遺産です。

イチャン・カラは、中央アジアの歴史と文化を理解する上で重要な場所であり、世界中の人々にその魅力を伝えています。

5. イチャンカラに関連する神話や伝説

ヒヴァの伝説

ヒヴァの町には、多くの伝説が残されています。

その中でも有名なのが、ヒヴァの町の名前の由来となった「ヘイワクの泉」の伝説です。

伝説によると、かつてこの地に旅人が喉が渇いて訪れた際に、この泉を見つけ、喜びのあまり「ヘイ！ヴァッ！」と叫んだことから、この町は「ヒヴァ」と呼ばれるようになったと言われています。

この伝説は、ヒヴァが古くから旅人にとって重要なオアシス都市であったことを物語っています。

パフラヴァン・マフムド廟の伝説

パフラヴァン・マフムド廟には、パフラヴァン・マフムドに関する様々な伝説が残されています。

パフラヴァン・マフムドは、毛皮職人であり、詩人で哲学者でもあった人物で、ウズベキスタン武道の名手でもあったと言われています。

伝説によると、パフラヴァン・マフムドは、非常に強い力を持っていたため、敵からヒヴァの町を守ったと言われています。

また、パフラヴァン・マフムド廟の泉の水を飲むと、男性は強く、女性は美しくなると言われています。

イチャン・カラの伝説

イチャン・カラには、城壁にまつわる伝説も残されています。

伝説によると、イチャン・カラの城壁は、敵の侵入を防ぐために、死者を埋葬して築かれたと言われています。

そのため、イチャン・カラの城壁には、今でも人骨の一部が露出しているそうです。

この伝説は、イチャン・カラが、かつて敵の侵入からヒヴァの町を守るために重要な役割を果たしていたことを物語っています。

まとめ

イチャン・カラには、ヒヴァの町の名前の由来となった「ヘイワクの泉」の伝説、パフラヴァン・マフムド廟の伝説、城壁にまつわる伝説など、多くの伝説が残されています。

これらの伝説は、イチャン・カラの歴史と文化を伝える貴重な物語であり、この街の魅力をさらに深めています。

イチャン・カラを訪れる際には、これらの伝説に思いを馳せながら、街を散策してみるのも良いでしょう。

伝説を通して、イチャン・カラの歴史と文化をより深く理解することができます。

6. イチャンカラの観光情報とアクセス方法

イチャンカラの見どころ

イチャン・カラには、モスク、マドラサ、ミナレット、宮殿、霊廟など、多くの見どころがあります。

特に有名なのは、カルタ・ミナル、イスラーム・ホジャ・メドレセ、クフナ・アルク、パフラヴァン・マフムド廟、ジュマ・モスク、タシュ・ハウリ宮殿などです。

これらの建造物は、それぞれに特徴的な建築様式や歴史を持ち、訪れる人を魅了します。

イチャン・カラは、コンパクトな街なので、徒歩で観光することができます。

イチャン・カラの見どころ
場所	説明
カルタ・ミナル	未完成のミナレット
イスラーム・ホジャ・メドレセ	1910年に建てられたメドレセ
クフナ・アルク	17世紀に建てられた宮殿
パフラヴァン・マフムド廟	毛皮職人、詩人、哲学者、武道家であったパフラヴァン・マフムドの霊廟
ジュマ・モスク	10世紀に建てられたモスク
タシュ・ハウリ宮殿	ハンの宮殿

イチャンカラへのアクセス方法

イチャン・カラのあるヒヴァへは、タシケントから飛行機または夜行列車でアクセスできます。

タシケント空港からウルゲンチ空港までは約2時間のフライトで、ウルゲンチ空港からヒヴァまではバスかタクシーで約45分です。

タシケント駅からウルゲンチ駅までは夜行列車で約18時間です。ウルゲンチ駅からヒヴァまではバスかタクシーで約30分です。

ヒヴァは、ウズベキスタンの中でも比較的治安が良い地域ですが、外務省海外安全ホームページでは十分注意地域となっていますので、最新情報を確認してから旅行しましょう。

イチャン・カラへのアクセス方法
手段	所要時間
飛行機	タシケント空港からウルゲンチ空港まで約2時間
バス	ウルゲンチ空港からヒヴァまで約45分
夜行列車	タシケント駅からウルゲンチ駅まで約18時間
バス	ウルゲンチ駅からヒヴァまで約30分