チャンパネール-パーヴァガドゥ遺跡公園とは？世界遺産についての解説

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園の構成要素
要素	概要
チャンパネール	4世紀頃からヒンドゥー教の王国として栄えた町。15世紀末にイスラムの王国が攻め落とし首都となった。
パーヴァガドゥ丘	古代からヒンドゥー教の聖地とされてきた。カーリーカマタ寺院がある。
ジャミ・マスジッド	チャンパネールで最も有名なモスク。ヒンドゥー教寺院の柱とイスラム建築のドームが融合した独特の構造。
ケヴダ・マスジッド	ジャミ・マスジッドに似ているが、規模は少し小さめ。
セノタフ	記念碑。ローマ神殿のような建造物。
カーリーカマタ寺院	パーヴァガドゥ丘の頂上にあるヒンドゥー教の重要な聖地。
城壁	チャンパネールを囲む城壁。
その他	未発掘の遺跡など多数。

1. 遺跡公園の概要

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園とは？

インド西部グジャラート州の都市ヴァドーダラーから約1時間30分程、チャンパネールの町とその周辺のパーヴァガドゥの丘に点在する世界遺産「チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園」。その内容は先史時代のものから始まり初期ヒンドゥー教による丘の上の要塞、15世紀ごろのイスラム王国による都市遺跡などかなりバリエーション豊か。見どころも多い世界遺産「チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園」をご紹介します。

ムガール帝国以前のヒンドゥー教様式とイスラム教建築が混合された遺跡としては、唯一完全なかたちで残っている貴重な場所なんです。歴史観漂う豪華な遺跡は、とても美しく魅力的ですよ。そんなインドの世界遺産「チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園」をご紹介しましょう。

グシャラート州ヴァドーダラーから約50キロメートル程離れたところにあるチャンパネールという町とその周辺に、チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園があります。8～9世紀ごろの要塞や宮殿、7つの寺院をはじめとした宗教的建造物、居住区から水道設備などかなりの広範囲の世界遺産。遺跡として残されたその建築群はJami Masjidなど管理の行き届いたものから、崩壊が進みほぼ廃墟のようになってしまっているものまで様々ですが、ヒンドゥー教とイスラム教が見事にミックスされた装飾などどれも見ごたえがありますよ。

名称・住所・公式・関連サイトURL

名称：チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園\n住所：dventure Empire

アクセス方法

ヴァドーダラー空港からヴァドーダラー駅に向かいます。「STCバススタンド」というターミナルがあり、チャンパネールまでのバスに乗ると、1時間程で到着できます。そこから徒歩30分程でパーヴァガドゥ遺跡公園が見えてきます。

まとめ

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園は、インド西部グジャラート州にある世界遺産です。先史時代からイスラム王国時代まで、様々な時代の遺跡が残されており、ヒンドゥー教とイスラム教の文化が融合した独特の建築様式が見られます。

公園内には、要塞、宮殿、寺院、住宅、水利施設など、様々な建造物が点在しており、その広大さは圧巻です。

ヴァドーダラー空港からバスでアクセスできます。

2. 歴史と起源

チャンパネールの歴史

チャンパネールは、4世紀頃からヒンドゥー教の王国として栄えた町です。近くのパーヴァガドゥの山には古い寺院があり、現在も聖地として多くの信者が訪れます。しかし、町中に残っている遺跡はイスラム教のモスクです。

15世紀末、イスラムの王国が緑と水が豊かなチャンパネールを攻め落とし首都とした背景があるためです。

遺跡公園の大部分は未発掘のままであるものの、そのポテンシャルは極めて大きいと言われています。

パーヴァガドゥ丘の歴史

パーヴァガドゥ丘は、チャンパネール村より南西へ4kmの地点にある丘で、チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園の一部です。

この丘には、古代からヒンドゥー教の聖地とされてきたカーリーカマタ寺院があります。

カーリーカマタ寺院は、今でも多くの巡礼者が訪れる重要な聖地です。

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園の登録

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園は、2004年に世界遺産に登録されました。

登録された理由は、ムガル帝国支配以前の都市として、唯一完全な姿を保っていること、そしてヒンドゥー教とイスラム教の文化が融合した独特の建築様式が見られることです。

登録基準
基準	内容
(iii)	文化の伝統または消滅した文明の独特または少なくとも例外的な証となるもの
(iv)	人類の歴史における重要な段階(複数可)を示す、建築、建築または技術的な集合体または景観の優れた例
(v)	特に不可逆的な変化の影響を受けて脆弱になっている場合、文化(または文化)または環境との人間の相互作用を表す、伝統的な人間の居住地、土地利用、または海洋利用の優れた例
(vi)	傑出した普遍的な重要性を持つ出来事または生きた伝統、思想または信念、芸術的および文学的作品と直接または具体的に関連付けられているもの。 (委員会は、この基準は他の基準と組み合わせて使用するのが望ましいと考えています。)

まとめ

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園は、4世紀頃からヒンドゥー教の王国として栄えたチャンパネールと、古代からヒンドゥー教の聖地とされてきたパーヴァガドゥ丘から成り立っています。

15世紀末にイスラムの王国がチャンパネールを攻め落とし首都としたことで、イスラム教のモスクが多数建設されました。

この遺跡公園は、ヒンドゥー教とイスラム教の文化が融合した独特の建築様式が見られることから、2004年に世界遺産に登録されました。

3. 建築様式と彫刻

イスラム建築とヒンドゥー建築の融合

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園の建築様式は、ヒンドゥー教様式とイスラム教建築が融合した独特のものです。

イスラム建築は、一般的にドームやアーチ、ミナレット（尖塔）などが特徴ですが、チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園のモスクでは、ヒンドゥー教寺院に見られるような柱が多数使われています。

これは、イスラム建築の工法を知らないヒンドゥー教の職人が、イスラム建築を模倣して建造したためと考えられています。

代表的な建築物：ジャミ・マスジッド

ジャミ・マスジッドは、チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園で最も有名なモスクです。

礼拝堂の正面には約30mのミナレットが左右に建っており、内部には170本を超える柱が規則的に立ち並んでいます。

天井にはドームがあり、ヒンドゥー教寺院の柱とイスラム建築のドームが融合した独特の構造となっています。

ジャミ・マスジッドの特徴
特徴	内容
ミナレット	礼拝堂の正面に約30mのミナレットが左右に建っている
柱	内部には170本を超える柱が規則的に立ち並んでいる
ドーム	天井にはドームがある

彫刻

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園の建造物には、精巧な彫刻が施されています。

彫刻には、ヒンドゥー教の神々や動物、植物などが描かれており、当時の信仰や文化を垣間見ることができます。

特に、ジャミ・マスジッドの入り口にある蓮の花の彫刻は、その美しさで有名です。

まとめ

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園の建築様式は、ヒンドゥー教様式とイスラム教建築が融合した独特のものです。

ジャミ・マスジッドなど、多くのモスクに見られる柱とドームの融合は、当時の職人の創意工夫を感じさせます。

建造物に施された精巧な彫刻は、当時の信仰や文化を伝える貴重な資料となっています。

4. 宗教的意義

ヒンドゥー教の聖地：カーリーカマタ寺院

パーヴァガドゥ丘の頂上には、ヒンドゥー教の重要な聖地とみなされているカーリーカマタ寺院があります。

カーリーカマタ寺院は、ヒンドゥー教2大神の1人であるシヴァ神の妻・パールバティーの怒れる神となった時の姿であるカーリーを祀っています。

カーリーは、恐れ多い神として知られており、その怒りを鎮めるには「血」が必要とされています。

イスラム教の聖地：ジャミ・マスジッド

ジャミ・マスジッドは、チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園で最も有名なモスクです。

イスラム教徒にとって、モスクは礼拝を行う重要な場所です。

ジャミ・マスジッドは、当時のイスラム王国の繁栄を象徴する建築物であり、多くのイスラム教徒が訪れる聖地となっています。

宗教の融合

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園には、ヒンドゥー教とイスラム教の宗教施設が共存しています。

これは、この地域が、歴史的にヒンドゥー教とイスラム教の文化が融合してきたことを示しています。

宗教の融合は、チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園の建築様式や彫刻にも表れています。

まとめ

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園は、ヒンドゥー教とイスラム教の宗教施設が共存する聖地です。

カーリーカマタ寺院は、ヒンドゥー教徒にとって重要な聖地であり、ジャミ・マスジッドは、イスラム教徒にとって重要な聖地です。

この遺跡公園は、宗教の融合を象徴する場所であり、訪れる人々に深い感動を与えます。

5. 観光スポットとアクセス方法

チャンパネール

チャンパネールには、ジャミ・マスジッド、ケヴダ・マスジッド、セノタフ、城壁など、多くの観光スポットがあります。

ジャミ・マスジッドは、チャンパネールで最も有名なモスクで、その壮大さと美しさは必見です。

ケヴダ・マスジッドは、ジャミ・マスジッドに似ていますが、規模は少し小さめです。

セノタフは、記念碑という意味で、ローマ神殿のような建造物です。

チャンパネールの観光スポット
スポット	概要
ジャミ・マスジッド	チャンパネールで最も有名なモスク
ケヴダ・マスジッド	ジャミ・マスジッドに似ているが、規模は少し小さめ
セノタフ	記念碑。ローマ神殿のような建造物
城壁	チャンパネールを囲む城壁

パーヴァガドゥ丘

パーヴァガドゥ丘の頂上には、カーリーカマタ寺院があります。

カーリーカマタ寺院は、ヒンドゥー教徒にとって重要な聖地であり、多くの巡礼者が訪れます。

寺院からは、チャンパネールや周辺の景色を一望できます。

パーヴァガドゥ丘の観光スポット
スポット	概要
カーリーカマタ寺院	ヒンドゥー教徒にとって重要な聖地

アクセス方法

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園へは、ヴァドーダラー空港からヴァドーダラー駅まで行き、そこからバスでチャンパネールまで行くことができます。

チャンパネールからパーヴァガドゥ丘までは、徒歩またはロープウェイで行くことができます。

まとめ

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園には、ジャミ・マスジッド、ケヴダ・マスジッド、セノタフ、城壁、カーリーカマタ寺院など、多くの観光スポットがあります。

これらの観光スポットは、それぞれに歴史的価値や宗教的意義があり、訪れる人々に深い感動を与えます。

アクセス方法は、ヴァドーダラー空港からバスでチャンパネールまで行き、そこから徒歩またはロープウェイでパーヴァガドゥ丘まで行くことができます。

6. 世界遺産登録の背景

世界遺産登録基準

チャンパネール・パーヴァガドゥ遺跡公園は、世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録されました。

(iii)to bear a unique or at least exceptional testimony to a cultural tradition or to a civilization which is living or which has disappeared; (iv)to be an outstanding example of a type of building