項目 | 内容 |
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設立年 | 1966年 |
本部 | フィリピン・マニラ |
加盟国 | 67ヶ国・地域(域内48、域外19) |
法定資本金 | 約1,430億ドル |
払込資本金等 | 74億ドル |
自己資本金 | 172億ドル |
請求払資本金 | 1,410億ドル |
2016年年間投融資承認額 | 約175億ドル |
投融資残高 | 約949億ドル |
職員数 | 3,085人(専門職員1,103人[60国籍]、地域採用1,982人[フィリピン1,379人]) |
現地事務所 | 31ヶ国(うち28が借入国) |
1. アジア開発銀行の歴史
アジア開発銀行の設立背景
アジア開発銀行(ADB)は、1966年11月に東京で開催された創立総会をもって正式に発足しました。ADBは、1960年代初頭に国連アジア極東経済委員会(ECAFE)における検討から生まれました。当初は「アジア開発機構」を創設するという提案がなされていましたが、ECAFEも、アジア地域の銀行の設立に関心を移していきました。そして、東京において、初代ADB総裁となる渡辺武氏が参加した私的研究会が1963年「アジア開発銀行」の設立を提案しました。その後、1963年と65年のECAFE主催経済協力閣僚会議における検討を経て、現在の形にとりまとめられました。当初米国は「東南アジアにおける新たな金融機関」の創設を真剣に受け止めようとしませんでしたが、1965年までには設立支持に政策を転換させました。第2回閣僚会議において、有力候補であった東京ではなく、マニラに本部が置かれることに決まるまでに展開されたドラマはよく知られています。ただし、マニラ湾を周遊するS.S.ロハス号(大統領所有)の船上で実際にいかなる誘致作戦が繰り広げられたかは一般には明らかになっていません。マニラに決定したことに一時は酷く落胆した渡辺武氏は、初代総裁に就任した後、本部を開発途上加盟国に置くことの意義を認める心境に至っています。
ADBは、設立当初の「ファミリー・ドクター」(1966年の開業式における渡辺初代総裁の演説)から、「ファイナンス・プラス・ノレッジ・プラス・レバレッジ」(中尾総裁)の担い手へと役割を変えてきました。「レバレッジ」は他の資金の動員を意味します。「パートナーシップ」と表現されることもあります。ADBの支援は、金融、開発及び地域協力を包含するものになっています。この点は、「AIIBがインフラ投資に注力し、譲許的融資業務、社会セクター、政策支援融資、および研究業務には関与しない方針であること」(金立郡AIIB総裁(元ADB副総裁)の発言)と大きな違いです。
ADBは、域内国・地域として49か国・地域、域外国として19か国が加盟しています。中尾武彦現総裁を含む9名の歴代総裁は日本人です。2018年末現在、3
年 | 出来事 |
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1963年 | 私的研究会がアジア開発銀行の設立を提案 |
1963年 | ECAFE主催経済協力閣僚会議で地域開発銀行設立の決議 |
1965年 | ECAFE主催経済協力閣僚会議でADB設立協定が採択 |
1966年 | ADBが正式に設立 |
1966年 | 渡辺武氏が初代総裁に就任 |
ADBの設立目的
ADBは、アジア・太平洋地域の経済成長および経済協力を推進し、同地域内に所在する途上国の経済開発に貢献することを目的としています。1963年にECAFE(アジア極東経済委員会、現在のESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会))の主催で第1回アジア経済協力閣僚会議が開催され、アジアにおける地域開発銀行設立の決議の採択が行われたことに端を発します。
1965年のESCAP第2回アジア経済協力閣僚会議でADB憲章としても知られている「アジア開発銀行を設立する協定」(略称:アジア開発銀行設立協定)が採択されました。この協定は1966年8月22日に発効し、同年11月に創立総会が開催され、ADBが正式に設立されました。日本は設立準備段階から参画しています。
ADBの最高意思決定機関は総務会(Board of Governors)であり、各加盟国1名の総務(加盟国の財務大臣など)で構成されています。すべての権限が総務会に帰属しますが、総務会は、新規加盟国の承認、授権資本の変更、理事および総裁の選出、協定の改正などの特定の事項を除き、その権限を理事会に委任することができることとされています。
目的 | 内容 |
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経済成長 | アジア・極東地域の成長と協力を促進 |
経済開発 | 地域全体と加盟国の経済成長過程の加速 |
貧困削減 | 開発途上加盟国が貧困を削減し、生活の質を向上できるように支援する |
ADBの組織
理事会(Board of Directors)は、マニラ駐在の12人の理事(アジア・太平洋地域内から8名、その他地域から4名)で構成されます。この理事は隔年で選出されます。また理事会の議長は総裁が務めます。総務会の方針に基づいて、融資、保証、その他のADBの投資や、借入計画、技術援助、その他の銀行業務に関する意思決定のほか、運営予算の承認、年次総会で承認を得るため会計年度ごとの会計報告書の作成を行います。
総裁(President)は総務会で選出されます。任期は5年で再選は可能ですが、総務会または理事会のメンバーを兼任することはできません。また総務会の議決権の3分の2の不信任決議によって辞職しなければなりません。なお、総裁は理事会の議長を務めますが、賛否同数になった場合を除いて議決権を持ちません。また総務会に出席することは可能ですが投票はできません。
本部はフィリピンのマニラにあり、予算や人事、地域活動などを所管する多数の部局で構成されています。また世界31か所に事務所があり、25か国に駐在員事務所(Resident Mission)を置くほか、フランクフルトに欧州代表事務所(European Representative Office)、東京に駐日代表事務所(Japanese Representative Office)、ワシントンDCに北米代表事務所(North American Representative Office)、シドニーに太平洋地域連絡調整事務所(Pacific Liaison and Coordination Office)、フィジー共和国のスバに太平洋準地域事務所(Pacific Subregional Office)が設置されています。
機関 | 役割 |
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総務会 | 最高意思決定機関 |
理事会 | 融資、保証、その他のADBの投資や、借入計画、技術援助、その他の銀行業務に関する意思決定 |
総裁 | 理事会の議長、総務会で選出 |
まとめ
アジア開発銀行(ADB)は、1966年に設立された国際開発金融機関であり、アジア・太平洋地域の経済発展を支援することを目的としています。ADBは、設立当初から日本の大蔵省(現・財務省)が深く関わっており、設立準備段階から参画しています。
ADBは、加盟国の経済社会的発展を促進するために開発資金の融資、技術支援、無償資金供与、出資などを通じた支援や、経済計画の政策策定に関する助言や政策対話、官民の共同金融支援で資金調達を拡充するなど、多様な支援を行っています。
ADBは、設立当初の「ファミリー・ドクター」から、「ファイナンス・プラス・ノレッジ・プラス・レバレッジ」の担い手へと役割を変えてきました。ADBの支援は、金融、開発及び地域協力を包含するものになっています。
2. アジア開発銀行の役割と目的
ADBの役割
ADBは、アジア・太平洋地域における経済成長及び経済協力を助長し、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的に設立された国際開発金融機関です。日本語で「ア開銀」という略称もあります。
ADBの主な事業は、開発途上国に対する融資と技術援助、開発のためのプロジェクトやプログラムを執行するための技術支援、開発目的を持つ公的機関や現地企業の支援です。
開発途上国に対する融資と技術援助は、主に社会基盤(教育・医療等)、運輸・通信、エネルギー、農業・天然資源、鉱工業、金融等のプロジェクトに供与され、毎年およそ60億ドルの融資額、1.8億ドルが技術支援に使われます。
事業 | 内容 |
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融資 | 開発途上国に対する融資 |
技術援助 | 開発のためのプロジェクトやプログラムを執行するための技術支援 |
技術協力 | 開発目的を持つ公的機関や現地企業の支援 |
ADBの目的
ADBは、アジア・太平洋地域の経済成長および経済協力を推進し、同地域内に所在する途上国の経済開発に貢献することを目的としています。
アジア・太平洋地域は世界でも経済成長率が高い地域であるが、1日1.9ドル以下で生活する貧困人口を2.6億人も抱えている。このため、加盟国の経済社会的発展を促進するために開発資金の融資、技術支援、無償資金供与、出資などを通じた支援や、経済計画の政策策定に関する助言や政策対話、官民の共同金融支援で資金調達を拡充するなど、多様な支援を行っています。
ADBは長期的戦略指針として、包括的成長、環境に配慮した持続可能な成長、地域統合をあげているが、アジア・太平洋地域は気候変動、自然資源の損失、汚染・廃棄物という三重の課題に直面しているとの認識にたち、現在は「アジア・太平洋地域の気候バンク」として、気候変動対応の支援に力を入れている。
目的 | 内容 |
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経済成長 | アジア・太平洋地域の経済成長を促進 |
経済協力 | アジア・太平洋地域の経済協力を促進 |
経済開発 | 開発途上加盟国の経済発展に貢献 |
貧困削減 | 開発途上加盟国が貧困を削減し、生活の質を向上できるように支援する |
ADBの設立目的
ADBの設立目的は、アジア・太平洋地域の経済成長と協力を促進し、地域全体と加盟国の経済成長過程の加速を支援することです。
ADBは、開発途上加盟国が貧困を削減し、生活の質を向上できるように支援することを使命としています。
ADBは、開発途上加盟国政府や民間のプロジェクトやプログラムを支援する国際開発金融機関です。
まとめ
アジア開発銀行(ADB)は、アジア・太平洋地域の経済成長と経済協力を促進し、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的として設立された国際開発金融機関です。
ADBは、開発途上加盟国が貧困を削減し、生活の質を向上できるように支援することを使命としています。
ADBは、融資や技術支援などの形で資金と知識を提供し、開発プロジェクトの実施に協力することで、インフラストラクチャーの整備や人的資源の育成など、経済発展に直接貢献してきました。
3. アジア開発銀行の活動領域
ADBの融資
ADBは、開発途上国に対する融資と技術援助を主な事業としています。
融資は、加盟国からの拠出資本金と、借入金とからなる通常資金と、特別拠出金による特別基金とに大別されます。
融資は開発を目的とする公共投資の比重が高く、部門的には情報通信技術、エネルギー、運輸などが多いです。
融資の種類 | 内容 |
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通常資金 | 加盟国からの拠出資本金と借入金 |
特別基金 | 特別拠出金 |
融資対象 | 開発を目的とする公共投資 |
融資分野 | 情報通信技術、エネルギー、運輸など |
ADBの技術支援
ADBは、開発途上国に対する融資と技術援助を主な事業としています。
技術援助は、開発のためのプロジェクトやプログラムを執行するための技術支援、開発目的を持つ公的機関や現地企業の支援などがあります。
技術援助は、開発途上国の経済発展を促進するために、専門知識や技術を共有し、人材育成を支援する活動です。
技術支援の種類 | 内容 |
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プロジェクト・プログラム執行支援 | 開発のためのプロジェクトやプログラムの実施を支援 |
公的機関・企業支援 | 開発目的を持つ公的機関や現地企業を支援 |
技術協力 | 専門知識や技術を共有し、人材育成を支援 |
ADBの活動内容
ADBは、開発途上加盟国政府や民間のプロジェクトやプログラムを支援する国際開発金融機関です。
ADBは、開発投資案件への融資、無償資金供与、出資、保証、および技術協力を行っています。
ADBは、協調融資業務を通じて追加資金を動員し、政策対話や助言サービスを提供しています。
まとめ
アジア開発銀行(ADB)は、開発途上国に対する融資と技術援助を主な事業としています。
融資は、加盟国からの拠出資本金と、借入金とからなる通常資金と、特別拠出金による特別基金とに大別されます。
技術援助は、開発のためのプロジェクトやプログラムを執行するための技術支援、開発目的を持つ公的機関や現地企業の支援などがあります。
4. アジア開発銀行の財源と組織
ADBの財源
ADBは、加盟国の出資などを財源にした通常資本財源(OCR)を使って融資(貸付け、出資及び保証)を行っています。理事会における投票権も各国の出資額に応じて決められます。
2018年末現在、授権資本総額(応募済資本総額)は、1
その後、1974年長期・低利の譲許的融資を行うためアジア開発基金(ADF)が設立され、2005年にはADFにグラント業務が追加されました。ADFの財源は、加盟国の拠出、OCRの純所得からの移転及び留保財源です。
財源 | 内容 |
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通常資本財源(OCR) | 加盟国の出資 |
アジア開発基金(ADF) | 加盟国の拠出、OCRの純所得からの移転、留保財源 |
ADBの組織
ADBは、加盟国の出資などを財源にした通常資本財源(OCR)を使って融資(貸付け、出資及び保証)を行っています。理事会における投票権も各国の出資額に応じて決められます。
ADBの最高意思決定機関は総務会(Board of Governors)であり、各加盟国1名の総務(加盟国の財務大臣など)で構成されています。
理事会(Board of Directors)は、マニラ駐在の12人の理事(アジア・太平洋地域内から8名、その他地域から4名)で構成されます。この理事は隔年で選出されます。また理事会の議長は総裁が務めます。
機関 | 役割 |
---|---|
総務会 | 最高意思決定機関 |
理事会 | 融資、保証、その他のADBの投資や、借入計画、技術援助、その他の銀行業務に関する意思決定 |
総裁 | 理事会の議長、総務会で選出 |
ADBの財務構造
ADBは、加盟国の出資などを財源にした通常資本財源(OCR)を使って融資(貸付け、出資及び保証)を行っています。理事会における投票権も各国の出資額に応じて決められます。
2018年末現在、授権資本総額(応募済資本総額)は、1
その後、1974年長期・低利の譲許的融資を行うためアジア開発基金(ADF)が設立され、2005年にはADFにグラント業務が追加されました。ADFの財源は、加盟国の拠出、OCRの純所得からの移転及び留保財源です。
まとめ
アジア開発銀行(ADB)は、加盟国の出資などを財源にした通常資本財源(OCR)を使って融資(貸付け、出資及び保証)を行っています。
ADBの最高意思決定機関は総務会(Board of Governors)であり、各加盟国1名の総務(加盟国の財務大臣など)で構成されています。
理事会(Board of Directors)は、マニラ駐在の12人の理事(アジア・太平洋地域内から8名、その他地域から4名)で構成されます。この理事は隔年で選出されます。また理事会の議長は総裁が務めます。
5. アジア開発銀行と地域開発の関係性
ADBの地域協力政策
ADB設立協定の前文には、「一層緊密な経済協力が重要であること」がうたわれています。
ADBでは、2006年に4つの協力の柱(インフラ、貿易・投資、通貨・金融及び地域公共財)からなる「地域協力・統合戦略」が作成され、ADBが資金を提供する銀行、知識を提供する銀行、能力向上の支援者、そして公正な仲介者という4つの異なる役割を果たすことが構想されています。
ADBは、加盟国の要請により、国内セーフガード制度の活用を検討することになっています。ADBは各プロジェクトの全過程を通じて、国内セーフガード制度をADBの基準に一致させるための行動計画の実施をモニターします。
協力の柱 | 内容 |
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インフラ | インフラ整備 |
貿易・投資 | 貿易促進、投資環境整備 |
通貨・金融 | 金融市場の安定化 |
地域公共財 | 環境保護、災害対策 |
メコン地域開発への取り組み
メコン地域で進められている様々な地域協力のうち、ADBが調整役として進めているメコン河流域圏(GMS)経済協力プログラム(以下「GMSプログラム」)は、最も成功したものの一つです。
GMS プログラムは、1992年カンボジア、中国(雲南省が中心)、ラオス、ミャンマー、タイ及びベトナムの6か国による経済閣僚会議をもって発足しました。
2002年の第1回首脳会議で、10年長期戦略「戦略枠組み2002-2012」が採択され、また2011年の第4回GMS首脳会議で、新たな10年長期戦略「GMS戦略枠組み2012-2022」に置き換えられることとなりました。
プログラム | 内容 |
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GMS経済協力プログラム | メコン河流域圏の経済発展を促進 |
戦略枠組み | 長期的な開発目標を設定 |
地域投資枠組み | 具体的な投資・技術協力案件を推進 |
アジア通貨危機
1997年タイで始まったアジア通貨危機は、「ADBの歴史を最初の30年とそれ以後の20年に区分する分かれ目」となりました。
ADBは、IMF主導の緊急支援パッケージについて、金融支援のみならず、公共セクターと金融資本市場の改革に向けて開発途上加盟国を導くことができた。
そして、金融市場の規制、ガヴァナンス、さらに能力構築に関する作業を通じて加盟国に対して多様なサービスを提供するADBの能力を強化することにつながった。
対応 | 内容 |
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金融支援 | タイ、韓国、インドネシアなどに緊急融資 |
政策支援 | 公共セクターと金融資本市場の改革を支援 |
能力構築 | 金融市場の規制、ガヴァナンス、能力構築を支援 |
まとめ
ADBは、アジア・太平洋地域の経済成長と経済協力を促進し、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的として設立された国際開発金融機関です。
ADBは、設立当初の「ファミリー・ドクター」から、「ファイナンス・プラス・ノレッジ・プラス・レバレッジ」の担い手へと役割を変えてきました。
ADBは、融資や技術支援などの形で資金と知識を提供し、開発プロジェクトの実施に協力することで、インフラストラクチャーの整備や人的資源の育成など、経済発展に直接貢献してきました。
6. アジア開発銀行の今後の課題
ADBの財務改革
ADBは、加盟国の出資などを財源にした通常資本財源(OCR)を使って融資(貸付け、出資及び保証)を行っています。理事会における投票権も各国の出資額に応じて決められます。
2018年末現在、授権資本総額(応募済資本総額)は、1
その後、1974年長期・低利の譲許的融資を行うためアジア開発基金(ADF)が設立され、2005年にはADFにグラント業務が追加されました。ADFの財源は、加盟国の拠出、OCRの純所得からの移転及び留保財源です。
改革内容 | 内容 |
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ADF資産のOCRへの移転 | ADFの融資資産をOCRと統合 |
OCRの自己資本増加 | 172億ドルから480億ドルに増加 |
融資承認額の拡大 | 2014年の135億ドルから2020年の200憶ドルに引き上げ |
戦略2030
戦略2030は、2008年に作成されたストラテジー2020に続くもので、2014年に行われたストラテジー2020の中間レヴュー、独立評価局(IED)のレヴュー及び2015年10月以来行われた様々なステークホルダーとの協議を経て、2018年7月、ADB理事会によって承認されました。
戦略2030には「豊かで、包摂的で、強靭で、持続可能なアジア太平洋地域の実現を目指して」という副題が付されています。
戦略2030では、民間セクター業務に独立の章が充てられており、これはADBが民間部門業務を重視していることの現れと考えられます。
優先事項 | 内容 |
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貧困削減 | 残存する貧困への対応と不平等の削減 |
ジェンダー平等 | ジェンダーの平等の促進 |
気候変動対策 | 気候変動への対応、気候・災害に対する強靭性の構築及び環境的持続性の向上 |
都市開発 | より暮らしやすい都市の構築 |
農村開発 | 農村開発と食糧安全保障の促進 |
ガヴァナンス | ガヴァナンスと制度能力の向上 |
地域協力 | 地域協力・統合(RCI)の推進 |
国別パートナーシップ戦略
ADBの各開発途上加盟国に対する援助は、「国別パートナーシップ戦略(CPS)」及び「国別業務ビジネス計画(COBP」)に従って計画・実施されています。
タイを例にとると、最新のCPSは2013年から2016年までを対象としたもの(以下「CPS 2013-2016」)であり、2020年9月に完成予定の次期CPSは2020年から2024年を対象とするものとなる。
CPSは日本の「国別開発協力指針」に、COBPは「事業展開計画」に、それぞれ相当するものであるが、国別開発協力指針が2枚紙であるのに対し、CPSは、10ページを超える詳細なものとなっている。
戦略 | 内容 |
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国別パートナーシップ戦略(CPS) | 各開発途上加盟国に対する援助を計画・実施 |
国別業務ビジネス計画(COBP) | CPSの実施計画 |
CPS 2013-2016 | 2013年から2016年までのタイに対する援助計画 |
COBP 2019-2021 | 2019年から2021年までのタイに対する援助計画 |
まとめ
アジア開発銀行(ADB)は、アジア・太平洋地域の経済成長と経済協力を促進し、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的として設立された国際開発金融機関です。
ADBは、設立当初の「ファミリー・ドクター」から、「ファイナンス・プラス・ノレッジ・プラス・レバレッジ」の担い手へと役割を変えてきました。
ADBは、融資や技術支援などの形で資金と知識を提供し、開発プロジェクトの実施に協力することで、インフラストラクチャーの整備や人的資源の育成など、経済発展に直接貢献してきました。
参考文献
・【金融】アジア開発銀行 (Adb)とアジアインフラ投資銀行(Aiib)の論点 〜サステナビリティの観点から〜
・アジア開発銀行(ADB)とは|世界経済用語集|iFinance
・アジア開発銀行(あじあかいはつぎんこう)とは? 意味や使い方 – コトバンク
・アジア開発銀行の概要 | Asian Development Bank
・アジア開発銀行(Asian Development Bank) – リサーチ・ナビ
・アジア開発銀行(Adb) | 公益財団法人 国際通貨研究所
・わかりやすい用語集 解説:アジア開発銀行(あじあかいはつぎんこう) | 三井住友dsアセットマネジメント
・アジア開発銀行(ADB)とは何か?AIIBとの違いは?わかりやすく解説します。
・アジア途上国、24年成長率は5.0%に Adbが予想上方修正 | ロイター
・アジアインフラ投資銀行(Aiib)とは~Adb・日本との関係、課題等~ | 瞬時に分かる経済学
・アジア開発銀行(Adb)から学ぶこと -Adbの50年にわたる歴史を振り返って- – 一般社団法人 霞関会