年度 | 個人・その他 | 事業法人等 | 信託銀行、生・損保、その他金融 | 外国法人等 | 都銀・地銀等 |
---|---|---|---|---|---|
1970 | 39.9 | 23.1 | 3.2 | 37.7 | 32.3 |
1975 | 33.5 | 26.3 | 2.6 | 32.1 | 36.0 |
1980 | 29.2 | 26.0 | 4.0 | 27.9 | 38.8 |
1985 | 25.2 | 24.1 | 5.7 | 22.3 | 42.2 |
1990 | 23.1 | 25.2 | 4.2 | 20.4 | 45.2 |
1995 | 23.6 | 23.6 | 9.4 | 19.5 | 41.4 |
2000 | 26.3 | 22.3 | 13.2 | 19.4 | 37.0 |
2005 | 39.6 | 20.4 | 20.5 | 19.9 | 17.5 |
2010 | 29.1 | 24.3 | 22.2 | 20.3 | 22.5 |
2015 | 21.7 | 24.3 | 26.7 | 17.5 | 24.8 |
2020 | 22.1 | 23.7 | 24.5 | 22.0 | 26.8 |
2021 | 17.6 | 19.6 | 25.6 | 22.7 | 25.5 |
1. 株式分布状況調査とは何か
株式分布状況調査の概要
株式分布状況調査とは、東京証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所の4つの証券取引所が共同で実施している調査です。この調査は、毎年3月末時点における国内上場会社の株式保有状況を把握することを目的としています。調査対象は、国内全市場の当該年度末における上場会社の上場普通株式です。調査では、「個人・その他」「外国法人等」「金融機関」「事業法人等」といった投資部門別に、株式保有金額や保有比率などを分析しています。
調査は、各上場会社から直接データを取得するのではなく、株主名簿の管理を委託している株主名簿等管理人から電子データにて直接提供を受けています。株主数の集計値については、銘柄間の名寄せができないため、銘柄別の株主数のデータを単純に合算することで「延べ人数」の形で算出しています。例えば、1人で10銘柄保有している株主は、本調査では10名の株主としてカウントされます。
市場価格(時価)で換算した株式保有比率の集計値については、調査対象会社各社の3月31日現在の時価総額に単元数ベースで算出した各投資部門の持株比率を乗じて個別会社ベースの各投資部門の株式保有金額を求め、これを投資部門別に調査対象会社全社分を合算し、調査対象会社全体の時価総額で除することで算出しています。
調査対象会社各社の株主数および単元数のデータは、決算期末の株主名簿を基に作成されるため、各社それぞれの決算期末日現在のデータとなっています。そのため、2019年度の株主数の集計値は、2020年3月31日現在の全社の集計値となっているわけではありません。また、2019年度の株式保有比率の集計値の算出についても、決算期末日が2020年3月31日以外の会社については、2020年3月31日時点においても各投資部門の持株比率が当該会社の決算期末現在と同様とみなして計算を行っています。
年度 | 個人株主数 | 前年比増減 | 調査対象会社数 | 分割・投資単位引下げ実施会社数 |
---|---|---|---|---|
2002 | 33,771,262 | 253,728 | 2,661 | 162 |
2003 | 34,005,017 | 233,755 | 2,679 | 78 |
2004 | 37,560,717 | 3,555,700 | 3,698 | 348 |
2005 | 40,823,376 | 3,262,659 | 3,783 | 425 |
2006 | 42,319,427 | 1,496,051 | 3,885 | 327 |
2007 | 42,911,279 | 591,852 | 3,897 | 129 |
2008 | 44,819,387 | 1,908,108 | 3,803 | 49 |
2009 | 44,794,800 | 24,587 | 3,694 | 91 |
2010 | 45,919,282 | 1,124,482 | 3,616 | 75 |
2011 | 45,918,313 | 969 | 3,554 | 96 |
2012 | 45,967,310 | 48,997 | 3,540 | 96 |
2013 | 45,754,089 | 213,221 | 3,525 | 231 |
2014 | 45,821,320 | 67,231 | 3,565 | 231 |
2015 | 49,446,389 | 3,625,069 | 3,613 | 221 |
2016 | 49,677,178 | 230,789 | 3,636 | 244 |
2017 | 51,299,952 | 1,622,774 | 3,687 | 426 |
2018 | 54,736,928 | 3,436,976 | 3,735 | 320 |
2019 | 56,727,133 | 1,990,205 | 3,789 | 136 |
株式分布状況調査の対象
株式分布状況調査の対象は、東京証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所の4つの証券取引所に上場している内国上場会社です。ただし、当該4取引所への新規上場日以降2020年3月31日までに決算期末日が到来していないため、上場後の株主の状況を把握することができない会社等(28社)は除外されます。
調査対象となるのは、上場普通株式です。つまり、上場されている株式の中で、議決権を持つ株式が対象となります。
調査対象会社数は、2020年3月31日現在の4取引所の内国上場会社3
年度 | 北海道 | 東北 | 関東 | 中部 | 近畿 | 中国 | 四国 | 九州 | 海外 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | 952,468 | 1,660,465 | 23,613,835 | 9,977,984 | 12,462,814 | 2,679,044 | 1,435,949 | 2,933,212 | 474,804 |
2019 | 1,000,400 | 1,720,072 | 24,530,391 | 10,308,852 | 12,838,585 | 2,765,639 | 1,475,380 | 3,066,251 | 476,254 |
投資部門別の分類
株式分布状況調査では、株主の属性を以下の6つの投資部門に分類しています。
(1) 政府・地方公共団体:国・都道府県・市町村
(2) 金融機関:銀行法に規定する国内普通銀行、信託銀行、投資信託、年金信託、生命保険会社、損害保険会社、その他の金融機関(信用金庫、信用組合、労働金庫、農林系金融機関、政府系金融機関、証券金融会社等)
(3) 証券会社:金融商品取引法に規定する金融商品取引業者たる証券会社
年度 | 政府・地方公共団体 | 金融機関 | 証券会社 | 事業法人等 | 外国法人等 | 個人・その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
2018 | 6,123,383 | 878,224,694 | 90,506,907 | 786,191,529 | 822,428,855 | 715,653,578 |
2019 | 6,135,170 | 904,399,311 | 83,848,211 | 788,710,346 | 815,042,412 | 735,244,659 |
まとめ
株式分布状況調査は、日本の株式市場における株主の構成を把握するための重要な調査です。この調査によって、個人投資家、機関投資家、外国投資家など、様々な投資家の株式保有状況を把握することができます。
調査対象は、国内全市場の当該年度末における上場会社の上場普通株式であり、上場後の株主の状況を把握することができない会社等は除外されます。
調査では、株主の属性を6つの投資部門に分類し、株式保有金額や保有比率などを分析しています。
調査結果から、日本の株式市場における投資家の動向や、株式市場全体の構造を理解することができます。
2. 株式分布状況調査の意義と目的
株式市場の透明性向上
株式分布状況調査は、日本の株式市場の透明性を高めるために重要な役割を果たしています。この調査によって、株式市場における株主の構成や、各投資部門の株式保有状況を把握することができます。
調査結果を公表することで、投資家は市場参加者の動向を把握し、より的確な投資判断を行うことができます。また、企業は自社の株式がどのように保有されているかを理解し、株主とのコミュニケーションを強化することができます。
さらに、政府や規制当局は、株式市場の健全な発展のために、株式分布状況調査の結果を参考に政策を立案することができます。
投資戦略の策定支援
株式分布状況調査は、投資戦略の策定にも役立ちます。調査結果から、各投資部門の株式保有状況や売買動向を把握することで、市場のトレンドを分析することができます。
例えば、個人投資家の株式保有比率が上昇している場合は、個人投資家の投資意欲が高まっていることを示唆しています。このことから、個人投資家向けの投資商品やサービスの開発や提供が活発化すると予想されます。
また、外国投資家の株式保有比率が上昇している場合は、海外からの投資資金が流入していることを示唆しています。このことから、日本企業の業績が海外で評価されている可能性があります。
このように、株式分布状況調査の結果は、投資戦略の策定に役立つ貴重な情報となります。
企業のガバナンス強化
株式分布状況調査は、企業のガバナンス強化にも貢献します。調査結果から、企業の株主構成を把握することで、企業は株主とのエンゲージメントを強化することができます。
例えば、特定の投資家グループが、企業の株式を大量に保有している場合は、その投資家グループの意向を理解し、対応する必要があります。
また、企業は、株式分布状況調査の結果を参考に、株主還元政策を見直したり、株主とのコミュニケーションを強化したりすることができます。
このように、株式分布状況調査は、企業が株主との関係を良好に維持し、企業価値を高めるために役立ちます。
まとめ
株式分布状況調査は、日本の株式市場の透明性向上、投資戦略の策定支援、企業のガバナンス強化など、様々な側面で重要な役割を果たしています。
この調査によって、株式市場における株主の構成や、各投資部門の株式保有状況を把握することができます。
調査結果を参考に、投資家はより的確な投資判断を行い、企業は株主とのコミュニケーションを強化し、政府や規制当局は政策を立案することができます。
株式分布状況調査は、日本の株式市場の健全な発展に貢献する重要な調査です。
3. 株式分布状況調査の調査方法と手法
データの取得方法
株式分布状況調査では、各上場会社から直接データを取得するのではなく、株主名簿の管理を委託している株主名簿等管理人から電子データにて直接提供を受けています。
株主名簿等管理人は、信託銀行や証券会社などの証券事務代行機関です。これらの機関は、多くの上場会社の株主名簿を管理しており、株主に関する情報を集約しています。
調査機関は、株主名簿等管理人から提供された電子データを基に、株式分布状況調査を実施しています。
株主数の集計方法
株主数の集計値については、銘柄間の名寄せができないことから、銘柄別の株主数のデータを単純に合算することで「延べ人数」の形で算出しています。
例えば、1人で10銘柄保有している株主は、本調査では10名の株主としてカウントされます。
これは、株主名簿等管理人が、各上場会社の株主名簿を個別に管理しているため、銘柄間の株主情報を統合することができないためです。
株式保有比率の集計方法
市場価格(時価)で換算した株式保有比率の集計値については、調査対象会社各社の3月31日現在の時価総額に単元数ベースで算出した各投資部門の持株比率を乗じて個別会社ベースの各投資部門の株式保有金額を求め、これを投資部門別に調査対象会社全社分を合算し、調査対象会社全体の時価総額で除することで算出しています。
つまり、各投資部門が保有する株式の価値を合計し、市場全体の株式の価値で割ることで、各投資部門の株式保有比率を算出しています。
この計算には、各上場会社の株価情報や、各投資部門の持株比率情報が必要となります。
まとめ
株式分布状況調査は、株主名簿等管理人から提供された電子データを基に実施されます。
株主数の集計値は、銘柄間の名寄せができないため、銘柄別の株主数のデータを単純に合算することで「延べ人数」の形で算出されます。
株式保有比率の集計値は、各投資部門が保有する株式の価値を合計し、市場全体の株式の価値で割ることで算出されます。
これらの集計方法によって、日本の株式市場における株主の構成や、各投資部門の株式保有状況を把握することができます。
4. 株式分布状況調査の結果の活用方法
投資戦略の策定
株式分布状況調査の結果は、投資戦略の策定に役立ちます。調査結果から、各投資部門の株式保有状況や売買動向を把握することで、市場のトレンドを分析することができます。
例えば、個人投資家の株式保有比率が上昇している場合は、個人投資家の投資意欲が高まっていることを示唆しています。このことから、個人投資家向けの投資商品やサービスの開発や提供が活発化すると予想されます。
また、外国投資家の株式保有比率が上昇している場合は、海外からの投資資金が流入していることを示唆しています。このことから、日本企業の業績が海外で評価されている可能性があります。
このように、株式分布状況調査の結果は、投資戦略の策定に役立つ貴重な情報となります。
企業の経営戦略策定
株式分布状況調査の結果は、企業の経営戦略策定にも役立ちます。調査結果から、自社の株式がどのように保有されているかを理解し、株主とのコミュニケーションを強化することができます。
例えば、特定の投資家グループが、企業の株式を大量に保有している場合は、その投資家グループの意向を理解し、対応する必要があります。
また、企業は、株式分布状況調査の結果を参考に、株主還元政策を見直したり、株主とのコミュニケーションを強化したりすることができます。
このように、株式分布状況調査は、企業が株主との関係を良好に維持し、企業価値を高めるために役立ちます。
政府や規制当局の政策立案
株式分布状況調査の結果は、政府や規制当局の政策立案にも役立ちます。調査結果から、株式市場の構造や、投資家の動向を把握することで、株式市場の健全な発展のための政策を立案することができます。
例えば、個人投資家の株式保有比率が低迷している場合は、個人投資家を株式市場に誘致するための政策を検討する必要があるかもしれません。
また、外国投資家の株式保有比率が過度に高まっている場合は、外国投資家の投資を抑制するための政策を検討する必要があるかもしれません。
このように、株式分布状況調査は、政府や規制当局が株式市場の健全な発展のための政策を立案する上で、重要な役割を果たしています。
まとめ
株式分布状況調査の結果は、投資戦略の策定、企業の経営戦略策定、政府や規制当局の政策立案など、様々な分野で活用することができます。
この調査によって、日本の株式市場における投資家の動向や、株式市場全体の構造を理解することができます。
調査結果を参考に、投資家はより的確な投資判断を行い、企業は株主とのコミュニケーションを強化し、政府や規制当局は政策を立案することができます。
株式分布状況調査は、日本の株式市場の健全な発展に貢献する重要な調査です。
5. 株式分布状況調査と企業の透明性
情報公開の重要性
株式分布状況調査は、企業の透明性を高めるために重要な役割を果たしています。この調査によって、企業の株主構成を把握することができます。
企業は、株式分布状況調査の結果を公表することで、自社の株式がどのように保有されているかを明らかにすることができます。
これにより、投資家は企業の経営状況や、株主との関係をより深く理解することができます。
株主とのエンゲージメント強化
株式分布状況調査の結果は、企業が株主とのエンゲージメントを強化する上でも役立ちます。
企業は、調査結果から、自社の株式を多く保有している株主や、投資家の関心の高いテーマを把握することができます。
この情報を基に、株主向けの広報活動や、株主総会などを効果的に実施することができます。
企業価値の向上
企業の透明性が高まると、投資家の信頼度が高まり、企業価値が向上すると考えられます。
株式分布状況調査は、企業が透明性を高め、投資家の信頼を獲得するための重要なツールとなります。
企業は、調査結果を参考に、情報公開の質を高め、投資家とのコミュニケーションを強化することで、企業価値の向上を目指していくことができます。
まとめ
株式分布状況調査は、企業の透明性を高め、株主とのエンゲージメントを強化することで、企業価値の向上に貢献します。
企業は、調査結果を参考に、情報公開の質を高め、投資家とのコミュニケーションを強化することで、投資家の信頼を獲得し、企業価値を高めることができます。
株式分布状況調査は、企業が健全な経営を行う上で、重要な役割を果たしています。
6. 株式分布状況調査の将来展望
個人投資家の増加
近年、個人投資家の株式投資への関心が高まっており、個人株主数は増加傾向にあります。
これは、少額投資非課税制度(NISA)の普及や、投資信託などの投資商品の多様化などが要因として考えられます。
今後も、個人投資家の株式投資への関心は高まると予想されます。
年度 | 割合 |
---|---|
2019 | 10.8 |
2020 | 11.2 |
2021 | 11.6 |
テクノロジーの進化
テクノロジーの進化によって、株式投資はますます身近なものになってきています。
オンライン証券会社や、投資アプリなどの普及により、誰でも簡単に株式投資を始められるようになりました。
また、AIやビッグデータなどの技術を活用した投資サービスも登場しており、投資家の意思決定を支援するツールも進化しています。
ESG投資の拡大
ESG投資は、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮した投資です。
近年、ESG投資は世界的に注目を集めており、今後も拡大していくと予想されます。
株式分布状況調査は、ESG投資の動向を把握する上で、重要な役割を果たす可能性があります。
まとめ
株式分布状況調査は、今後も日本の株式市場の動向を把握する上で、重要な役割を果たしていくと考えられます。
個人投資家の増加、テクノロジーの進化、ESG投資の拡大など、株式市場を取り巻く環境は変化し続けています。
株式分布状況調査は、こうした変化を捉え、日本の株式市場の健全な発展に貢献していくことが期待されます。
参考文献
・PDF 2022年度株式分布状況調査の調査結果について – 日本取引所 …
・株式市場のトレンドを把握!株式分布状況調査とは? | 東証 …
・わかりやすい用語集 解説:株式分布状況調査(かぶしきぶんぷ …
・株式市場のトレンドを把握! 株式分布状況調査とは? – Yahoo …
・株式分布状況調査とは?株式用語解説 – お客様サポート – Dmm 株
・2020年度株式分布状況調査~バブル経済崩壊以降の主要投資 …
・2019年度株式分布状況調査結果について|金融市場動向|投資 …
・株価と経済の関係とは?変動要因や株式市場の暴落が及ぼす …
・誰でもわかる機関投資家|投資の知識 | 株の本を100冊読んでみた
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