指数名 | 対象銘柄 | 構成比率 | 特徴 |
---|---|---|---|
ラッセル2000 | 時価総額1001位~3000位の米国銘柄 | 米国株式市場の約10% | 小型株中心で景気に敏感 |
S&P500 | 時価総額上位500社の米国銘柄 | 米国株式市場の約80% | 大型株中心で安定傾向 |
ナスダック | テクノロジー企業中心の米国銘柄 | 米国株式市場の約10% | 成長性が高く、ボラティリティも高い |
NYダウ | 30社の代表的な米国銘柄 | 米国株式市場の約10% | 歴史が長く、安定した値動きをする傾向がある |
1. ラッセル2000とは?
ラッセル2000の概要
ラッセル2000は、FTSE Russell社が算出している、米国小型株の動きを表す代表的な指数です。米国小型株の指数はラッセル2000以外にもありますが、ラッセル2000が一番知名度が高いです。米国市場では、S&P500やナスダック指数とともに、代表的指数としてラッセル2000が掲載されています。ラッセル2000は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している銘柄のうち、時価総額が上位1001位から3000位までの銘柄の時価総額加重平均型の株価指数です。1位~2000位ではなく、1001位~3000位の中~小型株の指数となっています。
ラッセル2000は、米国株式市場の約10%を占めています。少なく感じますが、大型株で構成されるS&P500が米国株式市場で占める割合は約80%です。時価総額の大きな銘柄が株式市場に占める割合は大きく、ラッセル2000を構成する小型株の占める割合は小さくなります。ですからラッセル2000は、2000もの企業と連動する指数となりながらも、小型株ばかりなので米国株式市場に占める割合は小さなものとなっています。
ラッセル2000は、1986年12月31日を基準日として算出を開始しており、135ポイントから開始しています。同指数は全体的には右肩上がりで推移しており、リーマン・ショック前後の2008年は390ポイント台まで下落しますが、その後は、徐々に回復し、2020年3月に新型コロナの影響で1
銘柄名 | 時価総額 | 業種 |
---|---|---|
AMCエンターテイメント | 10億ドル | エンターテイメント |
テネットヘルスケア | 5億ドル | ヘルスケア |
クロックス | 3億ドル | 小売 |
テトラテック | 2億ドル | エンジニアリング |
小型株とは?
そもそも小型株って何?という疑問が。小型株とか大型株とか聞きますが、これは企業の規模、時価総額で決まります。小型株、中型株、大型株の定義は、時価総額3〜20億ドルが小型株、時価総額20〜100億ドルが中型株、100億ドル以上が大型株となっています。
例えて言うなら、アマゾンやアップル、マイクロソフト、P&G、コカ・コーラなどの有名銘柄は大型株です。中型株や小型株は知名度の低い銘柄多いです。中型株にはクラウドストライクやロク、ドキュサインなどがあり、小型株にはAMCエンターテイメント、テネットヘルスケア、クロックス、テトラテックなどがあります。
区分 | 時価総額 |
---|---|
小型株 | 3〜20億ドル |
中型株 | 20〜100億ドル |
大型株 | 100億ドル以上 |
ラッセル2000の構成銘柄
ラッセル2000は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している銘柄のうち、時価総額が上位1001位から3000位までの銘柄の浮動株調整後の時価総額加重平均型の株価指数です。1位~2000位ではなく、1001位~3000位の中~小型株の指数となっています。
ラッセル2000は、米国株式市場の約10%を占めています。少なく感じますが、大型株で構成されるS&P500が米国株式市場で占める割合は約80%です。時価総額の大きな銘柄が株式市場に占める割合は大きく、ラッセル2000を構成する小型株の占める割合は小さくなります。ですからラッセル2000は、2000もの企業と連動する指数となりながらも、小型株ばかりなので米国株式市場に占める割合は小さなものとなっています。
まとめ
ラッセル2000は、米国小型株の動きを表す代表的な指数です。米国株式市場の約10%を占めており、小型株の総合的な動きを把握する上で重要な指標となります。ラッセル2000は、S&P500やナスダック指数とともに、米国株式市場を代表する主要な指数の一つとして認識されています。
2. ラッセル2000の構成銘柄
ラッセル2000の構成銘柄の特徴
ラッセル2000は、時価総額が上位1001位から3000位までの2000銘柄で構成されています。そのため、S&P500やナスダック指数に含まれるような、誰もが知っているような有名企業は含まれていません。ラッセル2000に含まれる企業は、成長性やイノベーション力が高く、市場の新たなトレンドや機会に敏感に反応することが挙げられます。
ラッセル2000に含まれる企業は、大型企業と比べると市場の影響力が薄いものの、変動が大きい(ボラが大きい)傾向にあるため、相場の変調にいち早く反応します。そのため、ラッセル2000はしばしば「炭鉱のカナリア」とも呼ばれます。
炭鉱のカナリアとは?炭鉱のカナリアは、何らかの危険が迫っていることを知らせてくれる前兆をいいます。これは、炭鉱で有毒ガス(危険)が発生した場合、人間よりも先にカナリアが察知して鳴き声(さえずり)が止むことから、その昔、炭鉱労働者がカナリアを籠にいれて坑道に入ったことに由来します。
ラッセル2000の構成銘柄例
ラッセル2000指数に連動するETF「iシェアーズ ラッセル 2000 ETF」の2021年9月17日時点の組入上位10銘柄は以下の通りです。
中小型株が中心となっているため、S&P500やNASDAQなどの指数に組み入れられている銘柄と比較すると日本での知名度は高くない銘柄が多いことが特徴です。
銘柄名 | 比率 |
---|---|
アヴィス・バジェット・グループ | 1.2% |
クロックス | 1.1% |
AMCエンターテイメント | 1.0% |
メイシーズ | 0.9% |
ブループリント・メディスン | 0.8% |
カーペンター・テクノロジー | 0.7% |
ハーキュリーズ・キャピタル | 0.6% |
ゼブラ・テクノロジーズ | 0.5% |
その他 | 88.2% |
ラッセル2000の銘柄入れ替え
ラッセル2000指数に組み入れられている銘柄は、年に1回入れ替えが行われます。定期的に銘柄が入れ替えられるため、時価総額が大きくなった銘柄は除外されていきます。
常に小型の銘柄が組み入れられ続けることが、ラッセル2000指数の大きな特徴です。例えば2021年6月に行われた銘柄入れ替えでは、ミーム株の代表格であった「AMC」が組み入れられました。
ミーム株とは、企業の業績などに関係なく、インターネット・SNS等で情報が拡散されて急激に株価が変動する銘柄のことです。2021年上旬は「ゲームストップ【GME】」や「AMCエンターテイメント【AMC】」などが、ミーム株の筆頭として急激な株価変動をしました。
銘柄の入れ替えによって、注目を集めるミーム株などが組み入れられることもラッセル2000指数の特徴のひとつです。
まとめ
ラッセル2000は、時価総額上位1001位から3000位までの2000銘柄で構成され、米国市場の新たなトレンドや機会に敏感に反応する成長性やイノベーション力が高い企業が多く含まれています。
ラッセル2000は、年に1回銘柄の入れ替えが行われ、常に小型の銘柄が組み入れられ続けることで、市場の動向を反映した最新の銘柄構成となっています。
3. ラッセル2000の特徴
ラッセル2000は景気に敏感な指数
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、景気に敏感に反応する傾向があります。小型企業は、大型企業と比べて資金が少なかったり、事業基盤が軟弱であることが多く不況の影響を受けやすくなっています。
中小企業は大企業よりも資金が少なかったり、事業基盤が軟弱であることが多く不況の影響を受けやすくなっています。中には、日本のトヨタのように中小企業へ下請けをしている大企業もあるため、そのような企業は倒産によって大ダメージを受ける訳です。
すると、ドミノ倒しで企業の業績が悪くなりラッセル1000に組み込まれている大型株の株価が暴落してしまうのです。この流れを踏まえて、ラッセル2000は「暴落の先行指標」と呼ばれています。
ラッセル2000は金利に敏感な指数
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、金利の変動にも敏感に反応する傾向があります。小型企業は、大型企業と比べて資金調達コストが高く、金利上昇の影響を受けやすいです。
金利上昇は、小型企業の資金調達コストを引き上げ、事業の収益性を悪化させる可能性があります。そのため、金利上昇局面では、小型企業の株価が下落しやすい傾向があります。
ラッセル2000はボラティリティが高い指数
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、価格の変動が大きい(ボラティリティが高い)傾向があります。小型企業は、大型企業と比べて市場の影響力が小さく、株価が大きく変動しやすいです。
ラッセル2000は、S&P500やナスダック指数と比べて、値動きが激しく、短期的な投資にはリスクが高いと言えます。
まとめ
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、景気や金利の変動に敏感に反応する傾向があります。また、価格の変動が大きい(ボラティリティが高い)ことも特徴です。
ラッセル2000は、短期的な投資にはリスクが高いですが、長期的な視点で投資を行う場合は、高いリターンが期待できる可能性があります。
4. ラッセル2000の投資の魅力
ラッセル2000への投資の魅力
ラッセル2000は、米国市場の新たなトレンドや機会に敏感に反応する成長性やイノベーション力が高い企業が多く含まれています。そのため、ラッセル2000に投資することで、成長性の高い企業に投資できる可能性があります。
ラッセル2000は、S&P500やナスダック指数と比べて、値動きが激しく、短期的な投資にはリスクが高いと言えます。しかし、長期的な視点で投資を行う場合は、高いリターンが期待できる可能性があります。
ラッセル2000への投資のリスク
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、倒産リスクが高いことも特徴です。小型企業は、大型企業と比べて資金が少なかったり、事業基盤が軟弱であることが多く、不況の影響を受けやすいです。
また、ラッセル2000は、S&P500やナスダック指数と比べて、値動きが激しく、短期的な投資にはリスクが高いと言えます。
ラッセル2000への投資の注意点
ラッセル2000に投資する際は、以下の点に注意する必要があります。
・ラッセル2000は、ボラティリティが高いので、短期的な投資にはリスクが高いです。
・ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、倒産リスクが高いです。
・ラッセル2000は、市場の動向に敏感に反応するため、投資判断には注意が必要です。
注意点 | 説明 |
---|---|
ボラティリティが高い | 短期的な投資にはリスクが高い |
倒産リスクが高い | 小型企業は大型企業と比べて倒産リスクが高い |
市場の動向に敏感 | 投資判断には注意が必要 |
情報収集が難しい | 小型企業の情報は、大型企業と比べて入手しにくい場合がある |
まとめ
ラッセル2000は、成長性の高い企業に投資できる可能性がある一方で、倒産リスクやボラティリティが高いというリスクも伴います。
ラッセル2000に投資する際は、リスクとリターンを理解した上で、長期的な視点で投資を行うことが重要です。
5. ラッセル2000と他の株価指数の比較
ラッセル2000とS&P500の比較
ラッセル2000は、S&P500と比べて、値動きが激しく、短期的な投資にはリスクが高いと言えます。しかし、長期的な視点で投資を行う場合は、高いリターンが期待できる可能性があります。
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、倒産リスクが高いことも特徴です。S&P500は、大型企業が多く含まれるため、ラッセル2000と比べて、安定した値動きをする傾向があります。
項目 | ラッセル2000 | S&P500 |
---|---|---|
対象銘柄 | 小型株 | 大型株 |
ボラティリティ | 高い | 低い |
成長性 | 高い | 安定 |
リスク | 高い | 低い |
ラッセル2000とナスダック指数の比較
ラッセル2000は、ナスダック指数と比べて、値動きが激しく、短期的な投資にはリスクが高いと言えます。しかし、長期的な視点で投資を行う場合は、高いリターンが期待できる可能性があります。
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、ナスダック指数と比べて、成長性の高い企業に投資できる可能性があります。ナスダック指数は、テクノロジー企業が多く含まれるため、ラッセル2000と比べて、成長性が高い一方で、バブル崩壊のリスクも高いと言えます。
項目 | ラッセル2000 | ナスダック指数 |
---|---|---|
対象銘柄 | 小型株 | テクノロジー企業 |
ボラティリティ | 高い | 高い |
成長性 | 高い | 高い |
リスク | 高い | 高い |
ラッセル2000とNYダウの比較
ラッセル2000は、NYダウと比べて、値動きが激しく、短期的な投資にはリスクが高いと言えます。しかし、長期的な視点で投資を行う場合は、高いリターンが期待できる可能性があります。
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、NYダウと比べて、成長性の高い企業に投資できる可能性があります。NYダウは、大型企業が多く含まれるため、ラッセル2000と比べて、安定した値動きをする傾向があります。
項目 | ラッセル2000 | NYダウ |
---|---|---|
対象銘柄 | 小型株 | 大型株 |
ボラティリティ | 高い | 低い |
成長性 | 高い | 安定 |
リスク | 高い | 低い |
まとめ
ラッセル2000は、S&P500、ナスダック指数、NYダウと比べて、値動きが激しく、短期的な投資にはリスクが高いですが、長期的な視点で投資を行う場合は、高いリターンが期待できる可能性があります。
ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、成長性の高い企業に投資できる可能性があります。ただし、倒産リスクやボラティリティが高いというリスクも伴います。
6. ラッセル2000の今後の展望
ラッセル2000の今後の展望
ラッセル2000は、米国市場の新たなトレンドや機会に敏感に反応する成長性やイノベーション力が高い企業が多く含まれています。そのため、ラッセル2000に投資することで、成長性の高い企業に投資できる可能性があります。
ラッセル2000は、S&P500やナスダック指数と比べて、値動きが激しく、短期的な投資にはリスクが高いと言えます。しかし、長期的な視点で投資を行う場合は、高いリターンが期待できる可能性があります。
ラッセル2000への投資のポイント
ラッセル2000に投資する際は、以下の点に注意する必要があります。
・ラッセル2000は、ボラティリティが高いので、短期的な投資にはリスクが高いです。
・ラッセル2000は、小型企業が多く含まれるため、倒産リスクが高いです。
・ラッセル2000は、市場の動向に敏感に反応するため、投資判断には注意が必要です。
ラッセル2000への投資戦略
ラッセル2000に投資する際は、長期的な視点で投資を行うことが重要です。短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な成長を見据えて投資を行いましょう。
また、ラッセル2000は、ボラティリティが高いので、分散投資を行うことも重要です。ラッセル2000だけでなく、S&P500やナスダック指数など、他の指数にも投資することで、リスクを分散することができます。
まとめ
ラッセル2000は、成長性の高い企業に投資できる可能性がある一方で、倒産リスクやボラティリティが高いというリスクも伴います。
ラッセル2000に投資する際は、リスクとリターンを理解した上で、長期的な視点で投資を行うことが重要です。
参考文献
・米国小型株指数の代表格「ラッセル2000指数」とは?「ラッセル …
・ラッセル2000とは|インデックス(指数)用語集|iFinance
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