骨太の方針とは?経済用語について説明

骨太方針の概要
項目	内容
定義	経済財政運営と改革の基本方針。政府が毎年6月頃に閣議決定する経済財政政策の基本骨格
策定プロセス	首相が議長を務める経済財政諮問会議で策定。関係閣僚、日本銀行総裁、経済人、学者などが参加
構成	経済財政運営の基本的考え方、新しい資本主義の加速、我が国を取り巻く環境変化への対応、中長期の経済財政運営、当面の経済財政運営と令和6年度予算編成に向けた考え方
影響	予算編成、税制改正、政策決定に影響。経済、社会、政治に影響を与える
適用方法	政府の経済政策の基本的な方向性を示す。政府の意向を明確に示す。経済、社会、政治の動向を把握する

1. 骨太の方針とは

骨太方針の定義

骨太の方針とは、正式名称を『経済財政運営と改革の基本方針』といい、政府が毎年6月頃に閣議決定する経済財政政策の基本骨格のことです。この方針は、翌年度の予算編成や税制改正などの重要な政策決定の指針となるため、政府の経済政策の基本的な姿勢を知る上で非常に重要な文書と言えます。

骨太の方針は、2001年の小泉純一郎政権の『聖域なき構造改革』を推進するために、経済財政諮問会議で策定されるようになりました。当時の宮澤喜一財務大臣が、同会議の議論を『骨太』と表現したことから、この名称が定着しました。

骨太の方針は、政府が目指す経済社会の将来像や、その実現に向けた具体的な政策の方向性を示しています。そのため、骨太の方針に記載された政策は、その後の政府の政策決定や予算配分において強い影響力を持つことになります。

近年は、骨太の方針が総花的で焦点が見えづらいとの指摘もされています。しかし、政府の経済政策の方向性を理解するためには、骨太の方針の内容をしっかりと把握することが重要です。

骨太方針の定義
項目	内容
正式名称	経済財政運営と改革の基本方針
策定時期	毎年6月頃
決定方法	閣議決定
目的	翌年度の予算編成や税制改正などの重要な政策決定の指針となる
特徴	政府の経済政策の基本的な姿勢を示す重要な文書

骨太方針の策定プロセス

骨太の方針は、首相が議長を務める経済財政諮問会議で策定されます。この会議には、財務大臣や経済産業大臣などの関係閣僚、日本銀行総裁、経済人や学者などの民間議員が参加し、議論を行います。

経済財政諮問会議は、法律上は単に調査し、意見を述べるだけで、政策を決定することはできません。しかし、実態上は経済財政諮問会議の議論を踏まえて骨太の方針は作成され、最終的に閣議決定されます。そのため、経済財政諮問会議は、実質的に政策を決定する重要な場になっていると言えます。

経済財政諮問会議は、1998年に中央省庁等改革基本法が成立した際に、首相権限の強化のために内閣府設置法に位置付けられました。この法律により、かつて１府22省庁あった中央省庁が１府12省庁に再編されました。

骨太の方針は、経済財政諮問会議の議論をベースに作成され、閣議決定を経て正式に政府の方針として決定されます。その後、予算編成や税制改正などの具体的な政策決定に反映されていきます。

骨太方針の策定プロセス
段階	内容
1	経済財政諮問会議で議論
2	答申の作成
3	閣議決定
4	政府の方針として決定

骨太方針の構成

骨太の方針は、通常、以下の5つのパートで構成されています。\n①経済財政運営の基本的な考え方\n②新しい資本主義の加速\n③我が国を取り巻く環境変化への対応\n④中長期の経済財政運営\n⑤当面の経済財政運営と令和6年度予算編成に向けた考え方

第1章では、内外の環境変化に対応したマクロ経済運営の基本的考え方を示しています。賃金上昇やコストの適切な価格転嫁・マークアップの確保を伴う『賃金と物価の好循環』を目指すとともに、市場や競争に任せるだけでは過少投資となりやすい分野における官民連携投資を持続的に拡大すること等により、成長力の向上と家計所得の幅広い増加に裏打ちされた消費・国内需要の持続的拡大が実現する『成長と分配の好循環』を成し遂げるとしている。

第2章では、新しい資本主義の実現に向けた具体的な政策を提示しています。構造的賃上げの実現や人への投資、分厚い中間層の形成、投資の拡大と経済社会改革の実行、スタートアップの推進と新たな産業構造への転換、官民連携を通じた科学技術・イノベーションの推進、インバウンド戦略の展開、少子化対策・こども政策の抜本強化、包摂社会の実現、地域・中小企業の活性化などが挙げられます。

第3章では、ロシアのウクライナ侵略など、国際秩序が重大な挑戦にさらされる歴史の転換期にあって、G7広島サミットの成果も踏まえ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の堅持のための外交を積極的に展開するとしている。また、5年間で防衛力を抜本的に強化するとともに総合的な防衛体制を強化することとしている。その他、経済安全保障政策の推進、エネルギー安全保障の強化、食料安全保障の強化と農林水産業の持続可能な成長の推進、対外経済連携の促進、ウクライナ復興支援を含む企業の海外ビジネス投資促進のための施策等について記載している。さらに、防災・減災、国土強靱化の推進、東日本大震災等からの復興、国民生活の安心・安全を守るための施策等を記載している。

骨太方針の構成
章	内容
第1章	経済財政運営の基本的考え方
第2章	新しい資本主義の加速
第3章	我が国を取り巻く環境変化への対応
第4章	中長期の経済財政運営
第5章	当面の経済財政運営と令和6年度予算編成に向けた考え方

まとめ

骨太の方針は、政府が目指す経済社会の将来像と、その実現に向けた具体的な政策の方向性を示す重要な文書です。

骨太の方針は、経済財政諮問会議で策定され、閣議決定を経て正式に政府の方向性として決定されます。

骨太の方針は、政府の経済政策の基本的な姿勢を知る上で非常に重要な文書であり、その内容をしっかりと把握することが重要です。

骨太の方針は、政府の経済政策の方向性を理解するためには、骨太の方針の内容をしっかりと把握することが重要です。

2. 骨太の方針の重要性

政策決定への影響力

骨太の方針は、政府の経済政策の基本的な方向性を示すものであり、その後の予算編成や税制改正などの重要な政策決定に大きな影響を与えます。

骨太の方針に記載された政策は、政府にとって重要な取り組みとして位置付けられ、その実行に強いプレッシャーがかかります。そのため、骨太の方針に記載された政策は、実際に実行される可能性が高くなります。

骨太の方針は、政府の政策の方向性を示すだけでなく、民間企業や団体に対しても、政府の意向を明確に示す役割を果たします。そのため、骨太の方針の内容は、民間企業や団体の事業計画や投資戦略にも影響を与える可能性があります。

骨太の方針は、政府の経済政策の方向性を示すだけでなく、民間企業や団体に対しても、政府の意向を明確に示す役割を果たします。そのため、骨太の方針の内容は、民間企業や団体の事業計画や投資戦略にも影響を与える可能性があります。

社会への影響

骨太の方針は、政府の経済政策の方向性を示すものであり、社会全体に大きな影響を与えます。

例えば、骨太の方針で賃上げが重要課題として掲げられた場合、企業は賃上げを積極的に行うようになり、労働者の所得が増加する可能性があります。また、社会保障制度の改革が骨太の方針に盛り込まれた場合、国民の負担や給付内容が変化する可能性があります。

骨太の方針は、政府の経済政策の方向性を示すものであり、社会全体に大きな影響を与えます。

経済界への影響

骨太の方針は、政府の経済政策の基本的な方向性を示すものであり、経済界にも大きな影響を与えます。

例えば、骨太の方針で企業投資の促進が重要課題として掲げられた場合、企業は投資を拡大する可能性があります。また、骨太の方針で規制改革が重要課題として掲げられた場合、企業は新たな事業展開を検討する可能性があります。

骨太の方針は、政府の経済政策の基本的な方向性を示すものであり、経済界にも大きな影響を与えます。

まとめ

骨太の方針は、政府の経済政策の基本的な方向性を示すものであり、社会全体に大きな影響を与えます。

3. 骨太の方賃の具体例

2023年度の骨太方針

2023年度の骨太方針のテーマは『加速する新しい資本主義～未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現～』です。

この方針では、賃金上昇やコストの適切な価格転嫁・マークアップの確保を伴う『賃金と物価の好循環』を目指すとともに、市場や競争に任せるだけでは過少投資となりやすい分野における官民連携投資を持続的に拡大すること等により、成長力の向上と家計所得の幅広い増加に裏打ちされた消費・国内需要の持続的拡大が実現する『成長と分配の好循環』を成し遂げるとしている。

また、政府・日銀の緊密な連携の下、経済・物価・金融情勢に応じて機動的な政策運営を行い、長らく続いたデフレマインドを払拭し、デフレに後戻りしないとの認識を広く醸成し、デフレ脱却につなげるとしている。

中長期の経済財政運営としては、経済あっての財政であり、経済を立て直し、そして、財政健全化に向けて取り組むとの考え方の下、財政への信認を確保するとしている。

2023年度の骨太方針
項目	内容
テーマ	加速する新しい資本主義～未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現～
目標	賃金と物価の好循環、成長と分配の好循環、デフレ脱却、財政への信認確保
主な政策	構造的賃上げの実現、投資の拡大と経済社会改革の実行、少子化対策・こども政策の抜本強化、包摂社会の実現、地域・中小企業の活性化、財政健全化