東証とは?経済用語について説明

東証の概要
項目 内容
所在地 東京都中央区日本橋兜町
設立日 1949年4月1日
略称 東証(とうしょう)
取引所グループ 日本取引所グループ(JPX)
市場区分 プライム、スタンダード、グロース
取引システム arrowhead
ネットワーク arrownet
清算機関 日本証券クリアリング機構

1. 東証とは

要約

東証の概要

東京証券取引所(東証)は、株式会社日本取引所グループ(JPX)の子会社で、日本最大の証券取引所です。東京都中央区日本橋兜町に所在し、金融商品取引法上の金融商品取引所です。略称は東証(とうしょう)、TSEです。\n\n日本取引所グループのうち、企業株式を中心とする有価証券が売買される現物市場を受け持ちます。2015年の店頭取引を含む株式売買代金は日本全国合計で746兆1770億円であり、うち東証が745兆9550億円に上り、99.97%超を占めています。\n\n東証の株式市場には、上場基準の異なるプライム、スタンダード並びに新興企業向けのグロースがあります。\n\n東証は、東証市場において成立した有価証券の清算機関として、グループ会社・兄弟会社である日本証券クリアリング機構を指定しています。

東証は、東証市場において成立した有価証券の清算機関として、グループ会社・兄弟会社である日本証券クリアリング機構を指定しています。\n\n東証自体の収益拡大と日本の資本市場発展という目的から、国内外企業の新規株式公開(IPO)誘致に取り組んでいます。地方のIPO候補企業を発掘するため、北海道から九州まで全国の地方銀行とも連携しています。\n\nかつては人手によって株券売買が行われていたが、株券売買立会場は1999年4月30日に閉場され、跡地は東証Arrowsという施設として2000年5月9日にオープンしています。\n\n取引主体識別子(LEI)の付番機関として、LEI付番業務も行っています。

当社は上記、株式売買や相場報道といった東証の事業にかかるシステム開発・運用のほか、グループ会社の事業にかかるシステム開発・運用も行っています。\n\n株券等売買システム(以前は株式売買システム、CB売買システムに分かれていた)、相場報道システム、広域ネットワークインフラなど、複数のシステムを保有。売買システムは富士通が開発と保守を担っています。(過去存在した、先物オプション(デリバティブ)売買システムは、東証が市場開設していた市場デリバティブ取引について大阪取引所に一本化されたため現在東証では保有していない)

1982年1月23日、市場第二部の33銘柄に対して日立のコンピューターの売買システムを導入。1985年に立会場銘柄を除く全銘柄に拡大。取引の少ない銘柄から順次コンピューター対応を進めていった。\n\n1994年〜2009年までは日立や富士通のメインフレームが使われていた。1999年4月30日に立会場が閉場し、取引は全てシステム化された。\n\n2005年に相次いで発生したシステム障害により揺らいだ信頼を回復するため、次世代システムを2008年に完成させる予定であった。ところが、ライブドア・ショックで取引数がシステムの能力を超え兼ねない事態となって取引停止に追い込まれたこともあり、計画を前倒しさせることとなった。この新システムは地方証券取引所にも開放し、全国の取引所のシステム統一を目指す。障害時のバックアップを強化し、処理スピードの高速化により急増する取引にも対応できるようにする。

東証の市場区分
市場区分 特徴
プライム グローバルな投資家向け
スタンダード 一般投資家向け
グロース 成長性が高い企業向け

東証の取引システム

2010年1月4日に新たな株式売買システムサーバ「arrowhead(アローヘッド)」が稼動した。基幹IAサーバは富士通「FUJITSU Server PRIMEQUEST」、Red Hat Enterprise LinuxベースのOS、ミドルウエアは新開発のオンメモリデータベース「FUJITSU Software Primesoft Server」。売買注文1件あたり2〜3秒から5ミリ秒程度に短縮され、2010年1月の実績処理速度は平均2ミリ秒、2015年のリニューアル前の段階で1ミリ秒。人間の目視や反応時間を超える高速取引は、機関投資家やデイトレーダーの行動に影響も懸念される。

2015年9月24日に arrowhead がリニューアルし、注文応答時間は0.5ミリ秒 (ms) になった。サーバー間は InfiniBand で接続し、FUJITSU Software Primesoft Server にてメモリ上のデータの同期を行っている。データベースはソリッドステートドライブ上に構築した、FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for HA Database になった。オペレーティングシステムは Red Hat Enterprise Linux と Microsoft Windows Server。

2019年11月5日に arrowhead がバージョンアップし、注文応答時間は0.2ミリ秒、情報配信時間は0.5ミリ秒になった。FUJITSU Server PRIMERGY RX2540 M4 の400台構成。\n\n東証が開発・維持保守を担うarrowheadについては、東証の立会売買において使用されるだけでなく、2019年現在、下記金融商品取引所でも使用されている。

1日当りの最大処理能力はシステムのリニューアルの度に以下のように増やしているが、能力限度が近い場合は取引が停止される。\n\n2010年1月より arrowhead ともに、arrowhead との通信時間を短くするべくコロケーションサービスを提供し、これにより高頻度取引(高速取引)に対応した。通信時間は片道15.7マイクロ秒。

arrowheadの性能
項目 性能
注文応答時間 0.2ミリ秒
情報配信時間 0.5ミリ秒
処理能力 1日あたり最大100億件

東証のネットワーク

東証は arrownetと呼ばれる広域ネットワークインフラを保有している。arrownetは特に高信頼性の実現を目指し設計されているとされる。\n\n2009年に arrownet V1 が、2012年、arrownet V2 が稼働。

arrownet の土台にあるのが、東証の売買システム、清算システム等が稼働するデータセンタ(プライマリ・セカンダリ)、および「アクセスポイント」(複数存在。後述)を結ぶ、10Gの光リング網 (MPLS) である。

アクセスポイントとは、市場参加者や情報ベンダといったarrownet利用者が接続してくる先である。利用者から見ると、従前は様々な市場関係機関に対しそれぞれ回線敷設等を行う必要があったのが、(後述のとおりarrownetV2の稼働により) arrownet が業界共通のネットワークインフラとなることで、共通のarrownetアクセスポイントへの回線の敷設だけで済むようになった。

海外拠点からのarrownet 接続ニーズに応える形で、arrownet-Global というサービスも展開。\n\narrownetV2 の稼働により、接続可能機関が増加。

arrownetの接続機関
接続機関
市場参加者 証券会社、投資ファンド
情報ベンダ ロイター、ブルームバーグ
金融機関 銀行、証券会社

東証のシステムとネットワーク

東証は、arrowheadという、高速処理能力を持つ売買システムを運用しています。arrowheadは、2010年に稼働を開始し、その後も性能が向上しています。現在、arrowheadは、東証の立会売買だけでなく、他の金融商品取引所でも使用されています。\n\n東証は、arrownetという、広域ネットワークインフラも保有しています。arrownetは、市場参加者や情報ベンダなどが接続する業界共通のネットワークインフラとして、高信頼性を実現しています。

東証のシステムとネットワークは、日本の株式市場の安定的な運営に貢献しています。arrowheadは、高速処理能力により、大量の注文を迅速に処理することができます。arrownetは、高信頼性により、市場参加者間の情報伝達をスムーズに行うことができます。

東証のシステムとネットワークは、今後も進化を続け、日本の株式市場のさらなる発展に貢献していくことが期待されています。

東証のシステムとネットワークは、日本の株式市場の基盤を支える重要な役割を担っています。今後も、市場のニーズに対応し、進化を続けていくことが期待されます。

2. 東証の歴史

要約

東京株式取引所時代

東京証券取引所は、日本初の公的な証券取引機関である東京株式取引所を前身に、1949年4月1日に設立されました。東京株式取引所は、1878年(明治11年)に設立され、当初は、政府が発行する国債の売買が中心でした。その後、民間企業の株式の売買も開始され、日本の資本市場の発展に大きく貢献しました。

1930年代には、東京株式取引所は、世界恐慌の影響を受け、大きな打撃を受けました。しかし、第二次世界大戦後には、復興を支える役割を果たし、日本の経済成長を牽引しました。

1949年4月1日、東京株式取引所は、証券業者(後の証券会社、現在の金融商品取引業者)を会員とする東京証券取引所として再出発しました。

1999年4月30日には、東京証券取引所の立会場が閉場され、取引はすべてシステム化されました。

東証の歴史
出来事
1878年 東京株式取引所設立
1949年 東京証券取引所設立
2001年 株式会社東京証券取引所設立
2007年 日本取引所グループ(JPX)設立
2013年 大阪証券取引所と合併
2014年 JPXの子会社となる
2022年 市場区分再編

株式会社東京証券取引所時代

2001年、東京証券取引所は、株式会社東京証券取引所となりました。株式会社化により、経営の効率化と透明性の向上を図りました。

2007年8月には、東京証券取引所は、日本取引所グループ(JPX)を設立しました。JPXは、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所を統合したもので、日本の資本市場の統合を目的として設立されました。

2013年1月には、東京証券取引所は、大阪証券取引所と合併し、株式会社東京証券取引所となりました。

2014年3月には、東京証券取引所は、日本取引所グループ(JPX)の子会社となりました。

市場区分再編

2022年4月4日、東京証券取引所は、これまでの市場区分「市場第一部」「第二部」「マザーズ」「JASDAQ」を再編し、「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3市場へ移行しました。

今回の市場再編は、東証一部上場企業の中に、時価総額が小さく、流動性も低い企業が増えてきたこと、また、市場全体の質の低下が問題となっていたことから行われました。

東証は、市場再編によって、日本の資本市場の国際競争力を強化し、投資家の信頼を高めたいと考えています。

市場再編によって、東証は、より魅力的な投資先として、海外の投資家からも注目されることを期待しています。

東証の歴史と市場区分再編

東京証券取引所は、1878年の設立以来、日本の資本市場の発展に大きく貢献してきました。2022年4月の市場区分再編は、東証の歴史における大きな転換点となりました。

市場再編によって、東証は、より魅力的な投資先として、海外の投資家からも注目されることを期待しています。

東証は、今後も、日本の資本市場の発展に貢献していくことが期待されます。

東証は、日本の経済成長を支える重要な役割を担っています。今後も、市場のニーズに対応し、進化を続けていくことが期待されます。

3. 東証の取引時間

要約

東証の取引時間

東京証券取引所(東証)の取引時間は、午前9時~11時半、午後12時半~15時までとなっています。午前の部(9:00~11:30)のことを「前場(ぜんば)」と呼び、午後の部(12:30~15:00)のことを「後場(ごば)」と呼びます。

取引開始時間を「寄り(または寄付)」といい、取引最中を「ザラ場」、取引終了時を「引け」と呼びます。

また、証券取引所が開いているのは平日のみで、土日祝日はお休みです。

一年で最後の取引日である12月30日を「大納会」、始まりである1月4日を「大発会」といいます。

東証の取引時間
時間帯 時間
前場 午前9時~11時半
後場 午後12時半~15時

東証以外の取引時間

名古屋証券取引所(名証)、札幌証券取引所(札証)、福岡証券取引所(福証)の取引時間は、以下の通りです。

後場が15:30までとなっており、取引時間が東証より30分間長いのが違いになっています。

これらの証券取引所の中では、名証が上場企業数でトップとなっています。名証は東証に次いで歴史のある株式市場であり、投資家向け広報のサポートなど地元企業に寄り添ったサービス展開が特徴。また、トヨタ自動車やJR東海など、名証と東証の両方に重複上場している企業もあります。

札証は地元である北海道の企業が、福証は九州や山口県を拠点とする企業が多く上場しているのが特徴です。

東証以外の取引時間
取引所 時間
名古屋証券取引所 午前9時~11時半、午後12時半~15時半
札幌証券取引所 午前9時~11時半、午後12時半~15時半
福岡証券取引所 午前9時~11時半、午後12時半~15時半

日本の株式市場の休み

日本の株式市場の休みは「カレンダー通り」と覚えておきましょう。株の取引は証券取引所で行われているため、証券取引所が休みの日は基本的に株の売買をすることができません。

日本の株式市場の休みは土日祝日と年末年始になります。つまり、前述した通り「カレンダー通り」の休みになるということ。日本の証券取引所は、東京・名古屋・札幌・福岡の4か所になりますが、土日祝日と年末年始は全て休みとなります。

年末年始は12月31日から1月3日までが休場(休み)。12月30日は「大納会」と呼ばれる年末最終取引日となり、1月4日は「大発会」と呼ばれる年始の初取引日になります。

12月30日や1月4日が土日祝日と重なった場合は、その前後の平日が最終または初取引日です。例えば、12月30日が土曜日の場合は12月29日が最終取引日となり、1月4日が日曜日の場合は1月5日が初取引日となります。

日本の株式市場の休場日
曜日 休場
土曜日
日曜日
祝日
年末年始 12月31日~1月3日

取引時間と休場日

日本の株式市場の取引時間は、東証が最も長く、午前9時から午後3時まで(2024年11月5日からは午後3時半まで)となっています。名証、札証、福証は、午後3時半までとなっています。

日本の株式市場は、土日祝日と年末年始が休場となります。年末年始は12月31日から1月3日までが休場となり、12月30日は大納会、1月4日は大発会となります。

日本の株式市場は、お盆休みや夏休み、クリスマスの休みはありません。ただし、お盆休みと土日祝日が被った場合は休みとなります。

日本の株式市場の取引時間は、世界的に見ると短い方です。そのため、海外の投資家にとって、日本の株式市場への投資は、魅力的とは言えません。しかし、近年では、東証の取引時間延長や、PTS取引の普及など、日本の株式市場の投資環境は改善されつつあります。

4. 東証の株価指数

要約

TOPIXとは

TOPIXは、Tokyo Stock Price Indexの略で、日本語では東証株価指数と呼びます。1968年(昭和43年)1月4日を基準日として、現在の時価総額がどのくらい増減したのかを数値化したものです。

1968年1月4日を基準日を100として、いまの時価総額を今の指数を算出します。さらに詳しく!時価総額とは、企業の規模や価値を示す指標のことで、「現在の株価×発行済株式数」の式で計算することができます。端的に言えば、簡単にいえば企業の規模や価値を簡単に測るときに使う指標です。

TOPIXの計算式は、以下の通りです。\n\nTOPIX=現在の時価総額÷1968年1月4日の時価総額×100ポイント\n\n※1968年1月4日の時価総額=「8兆6

例えば、2020年12月13日時点のTOPIXは、1

TOPIXの計算式
項目 計算式
TOPIX 現在の時価総額 ÷ 1968年1月4日の時価総額 × 100ポイント

日経平均株価との違い

日経平均株価は、日本経済新聞社が、独自の基準で採用した225銘柄(全体の13%程度)の株価を合計して、平均株価を算出したものです。

日経平均は「株価」だけが算定の対象であるのに対し、TOPIXは「株価」と「発行済株数」を計算した「時価総額」がベースとなっている違いがあります。

日経平均は225銘柄に絞っており、マーケット全体の動きとしてはTOPIXのほうが参考になります。しかし、政府の景気判断等も日経平均がウォッチされるので、日経平均の数字が経済に与える影響はかなり大きいでしょう。

日経平均は「日本を代表する株式」であるため、景気の方向性を知るのに適しており、一方でTOPIXは、マーケット全体の実態をつかむことに適しています。

日経平均株価とTOPIXの違い
項目 日経平均株価 TOPIX
対象銘柄 225銘柄 東証1部全銘柄
算出基準 株価 時価総額
影響度 一部銘柄の影響が大きい 全銘柄の影響が均等

TOPIXの特徴

TOPIXは、日経平均株価と違い、比較的上位銘柄の影響をうけづらい特徴があります。日経平均株価が大きく上昇していても、持ち株が全然上がらないときにTOPIXもチェックするといいでしょう。

TOPIXの上昇率が、日経平均株価の上昇率よりかなり低い場合が多いことがあるでしょう。

TOPIXは、日経平均株価よりも相場全体の値動きが読み取れるとはいえ、限界があります。TOPIXは、銀行、貿易関連、自動車など時価総額が大きい銘柄に、どうしても値動きが左右されてしまう特徴があります。

また、東証1部上場であっても日経平均株価に採用されず、時価総額の小さい銘柄は、株価がいくら上昇しても日経平均株価には全く影響を与えませんし、TOPIXに与える影響もわずかです。結局、日経平均株価とTOPIXだけではマーケット全体のことが理解できず、上位企業の影響を大きく受けると言わざるを得ません。

TOPIX構成上位銘柄
順位 銘柄名 時価総額
1位 トヨタ自動車 30兆円
2位 キーエンス 20兆円
3位 ソフトバンクグループ 15兆円
4位 ソニーグループ 10兆円
5位 三菱UFJフィナンシャル・グループ 8兆円

TOPIXと日経平均株価

TOPIXは、東証1部に上場している銘柄の時価総額を、1968年1月4日(昭和43年)の時価総額と比較して表した指標です。

TOPIXは、日経平均株価と似て非なるもので、日経平均は景気の方向性を知るのに、TOPIXは、マーケット全体の実態をつかむことに適しています。

TOPIXは、東証1部に上場している全銘柄の時価総額を対象にしていることから、一部の銘柄の影響が受けにくい特徴があります。

いずれにせよ、TOPIXと日経平均株価だけで投資対象銘柄を選択するのはあまりにも危険なため、個別銘柄の分析を行ってから投資を行うべきでしょう。

5. 東証の市場区分

要約

市場区分の再編

東京証券取引所(東証)は、2022年4月4日に市場区分の再編を行いました。現在の市場区分は、以下の5つです。\n\n1. 東証1部\n2. 東証2部\n3. マザーズ市場\n4. JASDAQ(スタンダード)\n5. JASDAQ(グロース)

これを以下の3市場にするのです。\n\n1. プライム市場\n2. スタンダード市場\n3. グロース市場

現在の東証1部が「プライム」に、東証2部とジャスダック・スタンダードが「スタンダード」に、ジャスダック・グロースとマザーズが「グロース」になります。

東証は、なぜ市場区分を見直そうとしたのでしょうか。その理由の一つは、東証1部企業が増えすぎたということです。現在の市場に上場している企業数は、以下の通りです(2021年5月時点)。\n\n1. 東証1部 2186社\n2. 東証2部 473社\n3. ジャスダック・スタンダード 662社\n4. ジャスダック・ グロース 37社\n5. マザーズ 353社

東証の市場区分再編
旧市場区分 新市場区分
東証1部 プライム
東証2部 スタンダード
JASDAQ(スタンダード) スタンダード
JASDAQ(グロース) グロース
マザーズ グロース

3つの市場区分の特徴

プライム市場は、グローバルな投資家との対話を中心に据えた企業向けの市場です。「流通株式(=投資家が市場で売買できる株式)の時価総額が100億円以上」、「売上高が100億円以上」などの基準が設けられます。

スタンダード市場は、投資対象として十分なガバナンス(企業統治)と、流動性を備えた企業向けの市場です。

グロース市場は、高い成長性がある企業向けの市場です。

現在の東証1部に上場している企業がプライム市場に入るためには、市場で流通する株式の比率が35%以上、流通株ベースでの時価総額は100億円以上などの条件を満たす必要があります。日本経済新聞社の調べでは、東証1部企業でプライム基準を満たしていない企業数は、3割弱の570社。ただし、東証はプライム基準に満たない企業でも、改善計画をだせばプライム市場への移行を認めるなど、経過措置を設ける予定です。

3市場区分の主な基準
市場区分 基準
プライム 流通時価総額100億円以上、売上高100億円以上
スタンダード 流通時価総額10億円以上
グロース 流通時価総額5億円以上

市場区分再編の影響

実際に企業がどの市場に行くかは、2021年9月~12月に企業自身が判断して東証に申請します。6月末を基準日とし、4~6月の終値平均に基づいた流通時価総額などから、東証が7月9日に各市場への適用状況を企業に通知するのです。

現在のジャスダックやマザーズ市場に上場している企業がプライム市場を目指す時の課題としては、単に流通時価総額や流通株比率などの数値基準を満たすだけでなく、「プライム市場に求められる企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)に対応した社内体制の整備」が挙げられます。コーポレートガバナンス・コードとは、上場企業が守るべき行動規範を示した企業統治の指針です。

とくに気候変動などの情報開示は、ESG(環境・社会・企業統治)への対応を重視している海外投資家が注目しており、投資マネーの獲得に結びつきます。ですから、東証は企業のESGへの対応を急いでいるのです。

現在の株価指数も見直されるので、投資する際は注意が必要です。代表的な株価指数である「日経平均株価」は変わりませんが、そのほかの指数は以下のように変わります。

TOPIXの見直し
項目 内容
対象銘柄 流通時価総額100億円未満の銘柄を除外
組み入れ比率 段階的に下げ、2025年1月に完全に除外
影響 インデックス投資家の売りが発生する可能性あり

市場区分再編の目的

東証は、市場区分再編によって、日本の資本市場の国際競争力を強化し、投資家の信頼を高めたいと考えています。

東証は、市場再編によって、より魅力的な投資先として、海外の投資家からも注目されることを期待しています。

東証は、今後も、日本の資本市場の発展に貢献していくことが期待されます。

東証は、日本の経済成長を支える重要な役割を担っています。今後も、市場のニーズに対応し、進化を続けていくことが期待されます。

6. 東証の企業への影響

要約

プライム市場への影響

「東証1部上場」というのは、企業にとって大きなステータスです。また、就職や転職を考えている人も、「東証1部企業」というのは魅力的でしょう。そして、自分が勤めている企業が今後、どの市場になるのか気になる人もいるのではないでしょうか。

ただ、現在の東証1部よりも、プライム市場に入るハードルは高くなります。ですから、プライム市場に入れるよう努力している企業もでてきています。

具体的には、プライム市場に入るために株価を上げたり、ROE(自己資本利益率)を高めたりする経営をするのです。これからは、よりマーケットを意識した経営が求められるでしょう。

現在プライム市場の基準を満たしていない企業でも、多くがプライム市場を目指すと考えられます。東証 1部上場企業がプライム市場に残れなければ株主から敬遠され、株価が下落する可能性もあるからです。上場企業としての信用性だけでなく、株式の取引において、プライム市場に残る意義は大きいのです。

プライム市場への移行基準
項目 基準
流通時価総額 100億円以上
流通株式比率 35%以上
売買代金 時価総額250億円以上
純資産額 50億円以上
利益の額又は売上高 A: 最近2年間の利益合計が25億円以上、B: 最近1年間の売上高が100億円以上かつ時価総額1,000億円以上の見込み

企業の経営への影響

今後は株式市場を意識した経営を行い、自社株買いを行ったり、IR( 投資家向け広報)を強化したりする企業が増えるでしょう。

そうした企業はマーケットで評価され、株価も上がることが期待できます。

ただ今回の市場区分見直しでは、上場を維持するための必要株主数は減少します(東証1部2

企業にとって プライム市場の壁は現在の東証1部よりも厚くなるものの、プライム市場に行けるように努力をする企業もでてきます。そうした企業は厳しい上場基準を満たそうとするので、中長期的な投資対象として魅力です。一方、これまで東証1部に安住していた企業は、自ら変わるか、プライム市場から降格かといった厳しい選択を迫られる可能性があるのです。

市場区分再編による企業への影響
項目 影響
経営体制 強化が必要
情報開示体制 強化が必要
株主優待 廃止される可能性あり
投資家の注目度 向上する可能性あり
株価 上昇する可能性あり

投資家への影響

今後、個別企業を選ぶ際は、各市場の上場基準を満たしているかどうかといったことも判断材料として重要になってくるでしょう。

市場区分再編によって、投資家は、より多くの情報を得て、投資判断を行うことができるようになりました。

また、市場区分再編によって、投資家の選択肢も広がりました。

投資家は、市場区分再編によって、より積極的に投資を行うことができるようになりました。

東証の市場区分再編と企業への影響

東証の市場区分再編は、企業にとって大きな影響を与えています。プライム市場への移行は、企業にとって大きな課題であり、同時に大きなチャンスでもあります。

企業は、プライム市場への移行に向けて、経営体制や情報開示体制を強化する必要があります。

市場区分再編は、日本の資本市場の活性化に貢献することが期待されます。

東証は、今後も、市場のニーズに対応し、進化を続けていくことが期待されます。

参考文献

東京証券取引所 – Wikipedia

東証とは?覚えておきたい基本情報と東証の仕事内容について …

日本にある4つの証券取引所を徹底比較!東京証券取引所 …

東京証券取引所(東証)とは|マーケット用語集|iFinance

沿革 | 日本取引所グループ

株式会社東京証券取引所(とうきょうしょうけんとりひきしょ)と …

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東京証券取引所の取引時間は何時か。年末年始(大納会・大 …

株式取引の曜日・時間帯:株式投資の基本 | ゆうかぶ

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