投資信託とは?経済用語について説明

1. 投資信託とは何か

要約

投資信託の仕組み

投資信託は、複数の投資家から集めた資金を、専門家がまとめて運用する金融商品です。専門家は経済や景気の動向などの情報を分析して、集めたお金を株式や債券、不動産などに投資します。投資信託は、販売会社、委託会社、受託会社の3つの会社が役割分担して運営しています。販売会社は投資家への商品の特徴・リスクの説明や、投資信託を購入・換金する際の手続きを受付けます。受託会社は、投資家から集めたお金を保管・管理し、委託会社の運用指図を受けて、株式や債券などの売買を実行します。委託会社は投資信託を作り、投資家から集めたお金の運用方針を立て、受託会社に対して運用を指図します。

投資信託は、複数の金融機関が関わる仕組みになっているので、「万が一どこかの会社が破綻したらどうなるの?」と心配になるかもしれません。投資信託は、金融機関が破綻した時に預金者等を保護するための「預金保険制度」の対象ではありませんが、投資信託の資産は各金融機関の財産とは区別して管理する仕組みになっています。販売会社、委託会社、受託会社のうち、どこかの会社が破綻してしまっても、投資家のお金は守られる仕組みになっています。

投資信託は、投資家から集めた資金を元に「販売会社」「委託会社(運用会社)」「受託会社(信託銀行)」の3つの機関が役割分担し、運用されていきます。投資信託は、上記のようなしくみで投資家(顧客)の代わりに運用のプロが指示出しをするので、投資家は自己判断の手間と不安を軽減できるのです。

投資信託の仕組み
役割 担当機関
販売 販売会社
運用 委託会社
保管・管理 受託会社

投資信託の値段

投資信託の値段は、基準価額と呼ばれ、毎日計算されます。基準価額は、投資信託の資産総額を、投資信託の総口数で割ることによって算出されます。投資信託は、基準価額が上昇している時に換金することで、その上昇分を値上がり益として受け取ることができます。

また、投資信託の決算時に受け取れる分配金という仕組みがあります。投資信託に組み込まれた株式の配当金や債券の利子など収益を基に、保有口数に応じて投資家に還元されるものです。ただし、分配金は投資信託の運用状況に応じて都度方針が決まるため、将来の受け取りが保証されているものではありません。状況によっては支払われないこともあります。また、最初から分配金を支払う設定にしていない商品もある点にも注意です。

基準価額と分配金
項目 説明
基準価額 投資信託の値段。毎日計算される
分配金 投資信託の決算時に信託財産の一部から受益者に還元されるもの。基準価額が下がる。
普通分配金 基準価額が個別元本を上回る部分の分配金。課税扱い
特別分配金 基準価額が個別元本を下回る部分の分配金。非課税扱い

投資信託の仕組みを例で説明

投資信託の仕組みをより理解するために、具体的な例を挙げて説明します。例えば、投資信託Aという商品を、2万円分買った投資家が10万人いたとします。ファンドマネージャーは投資家から集めた計20億円を使って「株式・社債・国債」に投資し、運用を進めます。

集めたお金を大きな資金として運用するため、1人あたりの投資額は少なくても多くの投資対象を購入できるのが魅力です。多くの投資家が集まり、1つのチームとして資産運用するイメージだワン!

まとめ

投資信託は、複数の投資家から集めた資金を、専門家がまとめて運用する金融商品です。投資信託は、販売会社、委託会社、受託会社の3つの会社が役割分担して運営しています。投資信託の値段は、基準価額と呼ばれ、毎日計算されます。投資信託は、基準価額が上昇している時に換金することで、その上昇分を値上がり益として受け取ることができます。また、投資信託の決算時に受け取れる分配金という仕組みがあります。

2. 投資信託のメリットとデメリット

要約

投資信託のメリット

投資信託のメリットは、大きく4つあります。まず、専門家に運用を任せられることです。個人で金融取引を行うには多くの時間と知識が必要で、投資先や時期の判断、取引など、すべて自分で行わなければなりません。しかし投資信託は、運用のプロであるファンドマネージャーが運用方針、専門的な知見・経験に基づいて、投資判断から取引までを投資家に代わって行います。

次に、分散投資によってリスクを抑えられることです。分散投資によって値動きが異なる資産に投資することで、複数ある投資先のうちひとつが損失を出したとしても、ほかの投資先によって全体の価格変動を抑える期待ができるからです。

3つ目は、少額から投資を始められることです。投資信託は、複数の投資家から資金を集めるしくみであることから、1人あたりの投資額は少額でも運用できるためです。

最後に、高い透明性をもった金融商品である点も投資信託の大きなメリットです。大切な資金を預けるのに、運用状況が不透明では不安が募るものでしょう。投資信託では、その価値を表す基準価額が毎営業日公表され、投資家はこの基準価額を参考に売買を行います。また、決算ごとに監査法人による投資信託の監査を受けていますので、透明性も高い金融商品といえます。

投資信託のメリット
メリット 説明
専門家に運用を任せられる 投資判断から取引までを代行してくれる
分散投資によるリスク軽減効果が期待できる 複数の銘柄に分散投資して運用するので、1つの銘柄の値動きに左右されにくくなる
少額から購入できる 株式投資などと比べて、比較的少額から購入できる
高い透明性をもった金融商品 基準価額が毎営業日公表され、決算ごとに監査法人による監査を受けている

投資信託のデメリット

投資信託は、メリットの多い金融商品ですが、デメリットも存在します。まず、元本が保証されていないことです。預貯金であれば金融機関が破綻しない限り元本を割りませんが、投資信託には元本保証がありません。

次に、手数料がかかることです。投資信託は、商品購入時に購入時手数料、保有期間中には運用管理費用、換金時には信託財産留保額など様々な手数料がかかります。商品によって手数料額は異なるので、商品を選ぶ際はどのくらい手数料がかかるのか、しっかり確認しましょう。

投資信託のデメリット
デメリット 説明
元本が保証されていない 購入時よりも値下がりして元本割れがあることも、念頭に置きましょう
手数料がかかる 購入する際の「購入時手数料」、運用時の「信託報酬」、換金時の「信託財産留保額」といった費用がかかります

投資信託の注意点

投資信託は、運用を外部に委託する仕組みであるため、購入時、運用期間中、解約・買取請求時に所定の手数料(コスト)がかかります。主な手数料は下の通りです。

投資信託の分配金とは、投資信託の決算時に信託財産の一部から受益者に還元されるものです。信託財産の還元なので、定期預金の利子や株式の配当金とは性質が異なり、分配金が出るとその金額だけ基準価額が下がる。基準価額が個別元本を上回る部分の分配金は普通分配金となり課税扱い、基準価額が個別元本を下回る場合は特別分配金(元本払戻金、元本の一部払戻しに相当する部分)として非課税扱いになる。なお、自動再投資を選択しても普通分配金は課税され、課税後の金額が再投資される。

まとめ

投資信託は、専門家に運用を任せられる、分散投資によってリスクを抑えられる、少額から投資を始められる、高い透明性をもった金融商品というメリットがあります。一方で、元本が保証されていない、手数料がかかるというデメリットもあります。

投資信託は、運用を外部に委託する仕組みであるため、購入時、運用期間中、解約・買取請求時に所定の手数料(コスト)がかかります。投資信託の分配金とは、投資信託の決算時に信託財産の一部から受益者に還元されるものです。

3. 投資信託の種類と選び方

要約

投資信託の分類

投資信託は、運用方針によって様々な分類があります。投資信託は、株式や債券などの投資銘柄の組込比率によって、「株式型(株式投資信託)」、「バランス型(株式投資信託)」、「公社債型(公社債投資信託)」の3つに分類できます。

「株式型(株式投資信託)」は、株式の比率を高めに保って運用します。株価変動の影響を受けやすい特徴があるため、大きく値上がりすることもあれば、逆に値下がりしてしまうリスクもあります。

「バランス型(株式投資信託)」は、複数の資産や地域にバランス良く投資します。様々な資産に投資する分散投資の効果によって、比較的安定した運用成果が期待されます。ただし、投資先の国や地域によっては、高リスクになる場合もあるため、投資先の事前確認が必要です。

「公社債型(公社債型投資信託)」は株式を一切組み入れず、国債や社債などの債券(公社債)で運用する手法です。債券(公社債)を中心に運用するため、相対的にリスクは低いとされますが、高い収益は期待されにくい特徴があります。

投資信託の運用方法

次に、投資信託は運用方法によって、「パッシブ型(インデックス型)」と「アクティブ型」に分類されます。

「パッシブ型(インデックス型)」は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指数(インデックス)をベンチマークとして、連動する運用成果を目指す手法です。アクティブ型と比較すると、購入時手数料や信託報酬(運用管理費用)などのコストが低く抑えられるという特徴があります。

「アクティブ型」は、上昇しそうな株式銘柄を厳選して、ベンチマークを上回る収益を目指して運用する手法です。「パッシブ型(インデックス型)」と比較すると、購入時手数料や信託報酬(運用管理費用)などのコストが高くなる傾向があります。

投資信託の投資対象地域

さらに、投資信託は投資対象地域によって「国内」「海外」「内外」に分類されます。

「国内」は投資対象が日本国内の資産に限られるもの、「海外」は日本以外の海外資産に、「内外」は日本国内外の資産が投資対象となります。

「海外」「内外」は投資先の株式や債券の値動きに加え、為替レート変動の影響を受ける点に注意です。

まとめ

投資信託は、投資銘柄の組込比率によって、「株式型(株式投資信託)」、「バランス型(株式投資信託)」、「公社債型(公社債投資信託)」の3つに分類できます。

投資信託は、運用方法によって、「パッシブ型(インデックス型)」と「アクティブ型」に分類されます。さらに、投資信託は投資対象地域によって「国内」「海外」「内外」に分類されます。

4. 投資信託の運用方法とリターン

要約

投資信託の運用方法

投資信託の運用方法は、大きく2つに分けられます。1つは、インデックス型と呼ばれるもので、市場全体の動向を表す指標(インデックス)に連動した値動きを目指す投資信託です。

もう1つは、アクティブ型と呼ばれるもので、インデックスを上回る成績を目指す投資信託です。プロが分析しながら運用を行うため、インデックス型に比べて運用コストは高い反面、大きなリターンが期待できるとされています。

投資信託の運用方法
運用方法 説明
インデックス型 市場全体の動向を表す指標(インデックス)に連動した値動きを目指す
アクティブ型 インデックスを上回る成績を目指す。プロが分析しながら運用を行う

投資信託のリターン

投資信託のリターンは、投資信託の運用成績によって決まります。投資信託の運用成績は、投資信託の基準価額の変動によって判断されます。基準価額は、投資信託の資産総額を、投資信託の総口数で割ることによって算出されます。

投資信託のリターンは、基準価額の上昇によって得られます。基準価額が上昇すれば、投資家は投資信託を売却することで、その上昇分を値上がり益として受け取ることができます。

投資信託のリスク

投資信託は、元本が保証されていないため、価格変動によって資産が失われるリスクをともないます。投資信託では、価格変動リスク・為替変動リスク・信用リスク・金利変動リスクなどが収益に影響するため覚えておきましょう。

価格変動リスクとは、株式や債券などの価格が変動する可能性のことです。国内外の政治・経済情勢、企業の業績などに影響を受けます。

為替変動リスクとは、為替レートが変動する可能性のことです。外国通貨建ての資産に投資する場合、一般的に円安でプラス、円高でマイナスの影響があります。

信用リスクとは、国や企業が財政難・経営不振などの理由により、配当金や利子などを、あらかじめ決めた条件で支払えなくなる可能性のことです。信用力が低い企業が発行する債券などは、信用リスクが高いといえます。

投資信託のリスク
リスク 説明
価格変動リスク 株式や債券などの価格が変動する可能性
為替変動リスク 為替レートが変動する可能性
信用リスク 国や企業が財政難・経営不振などの理由により、配当金や利子などを支払えなくなる可能性
金利変動リスク 金利が変動する可能性

まとめ

投資信託の運用方法は、インデックス型とアクティブ型の2つがあります。インデックス型は、市場全体の動向を表す指標(インデックス)に連動した値動きを目指す投資信託です。アクティブ型は、インデックスを上回る成績を目指す投資信託です。

投資信託のリターンは、投資信託の運用成績によって決まります。投資信託のリターンは、基準価額の上昇によって得られます。投資信託は、元本が保証されていないため、価格変動によって資産が失われるリスクをともないます。

5. 投資信託と株式投資の違い

要約

投資信託と株式投資の共通点

投資信託と株式投資は、どちらも値動きのある金融商品であり、投資によって利益を得る可能性と損失を出す可能性があります。また、どちらも投資対象となる企業の業績や経済状況などの影響を受けます。

投資信託と株式投資の共通点
共通点 説明
値動きのある金融商品 投資によって利益を得る可能性と損失を出す可能性がある
投資対象となる企業の業績や経済状況などの影響を受ける

投資信託と株式投資の違い

投資信託と株式投資は、いくつかの点で異なります。まず、投資の規模です。株式投資は、個別に銘柄を選んで購入するため、まとまった資金が必要になります。一方、投資信託は、複数の投資家から集めた資金をまとめて運用するため、少額から投資を始められます。

次に、運用方法です。株式投資は、自分で銘柄を選んで購入し、売却のタイミングも自分で判断する必要があります。一方、投資信託は、専門家に運用を任せるため、自分で銘柄を選ぶ必要はありません。

さらに、リスクも異なります。株式投資は、個別に銘柄を選んで購入するため、その銘柄の業績が悪化したり、市場全体の状況が悪化したりすると、大きな損失を出す可能性があります。一方、投資信託は、複数の銘柄に分散投資するため、リスクを軽減することができます。

投資信託と株式投資の違い
項目 投資信託 株式投資
投資の規模 少額から投資可能 まとまった資金が必要
運用方法 専門家に運用を任せる 自分で銘柄を選んで購入し、売却のタイミングも自分で判断する
リスク 分散投資によってリスクを軽減できる 個別に銘柄を選んで購入するため、大きな損失を出す可能性がある

投資信託と株式投資のどちらがおすすめ?

投資信託と株式投資のどちらがおすすめかは、個人の投資経験やリスク許容度、投資目的によって異なります。

投資初心者で、少額から始めたい、リスクを分散したいという方は、投資信託がおすすめです。一方、投資経験があり、自分で銘柄を選んで積極的に投資したいという方は、株式投資がおすすめです。

まとめ

投資信託と株式投資は、どちらも値動きのある金融商品であり、投資によって利益を得る可能性と損失を出す可能性があります。

投資信託は、複数の投資家から集めた資金をまとめて運用するため、少額から投資を始められます。一方、株式投資は、個別に銘柄を選んで購入するため、まとまった資金が必要になります。

投資信託は、専門家に運用を任せるため、自分で銘柄を選ぶ必要はありません。一方、株式投資は、自分で銘柄を選んで購入し、売却のタイミングも自分で判断する必要があります。

6. 投資信託と金融商品の関係性

要約

投資信託と他の金融商品との関係性

投資信託は、株式や債券、不動産など、さまざまな金融商品に投資することができます。投資信託は、これらの金融商品を組み合わせることで、分散投資を行い、リスクを軽減することができます。

投資信託は、他の金融商品と比較して、少額から投資を始められる専門家に運用を任せられるリスクを分散できるなどのメリットがあります。

投資信託は、他の金融商品と比較して、元本が保証されていない手数料がかかるなどのデメリットもあります。

投資信託と金融商品の選び方

投資信託を選ぶ際には、投資目的リスク許容度投資期間などを考慮する必要があります。

投資目的は、例えば、老後の資金準備、子供の教育資金準備、住宅購入資金準備などがあります。リスク許容度は、投資によってどれだけの損失を許容できるかを表します。投資期間は、投資信託をどれくらいの期間保有するのかを指します。

投資信託を選ぶ際には、投資信託説明書(交付目論見書)をよく読んで、投資対象、運用方法、手数料などを確認することが重要です。

投資信託を選ぶ際のポイント
ポイント 説明
投資目的 老後の資金準備、子供の教育資金準備、住宅購入資金準備など
リスク許容度 投資によってどれだけの損失を許容できるか
投資期間 投資信託をどれくらいの期間保有するのか

投資信託と金融商品の未来

投資信託は、今後も金融商品市場において重要な役割を果たしていくと考えられます。特に、少子高齢化が進む日本では、老後の資金準備のために、投資信託がますます注目されていくでしょう。

投資信託は、専門家に運用を任せられる分散投資によってリスクを軽減できる少額から投資を始められるなどのメリットがあるため、幅広い投資家に利用されています。

投資信託は、元本が保証されていない手数料がかかるなどのデメリットもありますが、適切な投資信託を選んで、長期的に運用することで、資産形成に役立てることができます。

まとめ

投資信託は、株式や債券、不動産など、さまざまな金融商品に投資することができます。投資信託は、これらの金融商品を組み合わせることで、分散投資を行い、リスクを軽減することができます。

投資信託を選ぶ際には、投資目的、リスク許容度、投資期間などを考慮する必要があります。投資信託を選ぶ際には、投資信託説明書(交付目論見書)をよく読んで、投資対象、運用方法、手数料などを確認することが重要です。

投資信託は、今後も金融商品市場において重要な役割を果たしていくと考えられます。特に、少子高齢化が進む日本では、老後の資金準備のために、投資信託がますます注目されていくでしょう。

参考文献

投資信託とは?日本経済新聞がわかりやすく解説 マネーの知識 …

投資信託とは?基本的な仕組みからメリット・デメリットまで …

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投資信託 – Wikipedia

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