執行役とは?経済用語について説明

執行役に関する項目一覧
項目	内容
定義	取締役会や経営陣に報告し、組織の業務や戦略の実行を担当する役職
役割	経営方針や戦略の実行、部門の責任者、従業員の指揮、業績報告、ビジョンや価値観の推進、組織文化の形成
責任	会社の業績や成長、部門の目標達成、部下の指導・育成
権限	部門の予算編成権、人事権など、会社によって異なる
種類	会社法上の役員ではない、従業員から選ばれる
選任方法	取締役会による任命
選任基準	実績、能力、経験、将来のビジョン、企業のニーズ
選任後の手続き	選任辞令の交付、就任承諾書の作成（委任型の場合）
解任理由	業績不振、倫理違反など、重大な問題
解任手続き	事実関係の調査、取締役会での解任決議、解任通知
報酬	給与扱い、役員報酬とは異なる
定年	雇用契約の場合は定年退職の対象、委任契約の場合は任期制
契約形態	委任契約、雇用契約
重要性	経営陣の負担軽減、人材育成、経営スピード向上、現場との連携強化
影響力	組織の活性化、経営判断への影響、人材育成への影響
注意点	組織の複雑化、現場との乖離、役職の形骸化

1. 執行役とは何か

執行役の定義と役割

執行役とは、企業において、取締役会や経営陣に直接報告し、組織の業務や戦略の実行を担当する役職のことです。通常、執行役員は企業の最高執行責任者（CEO）や最高財務責任者（CFO）などの役職を含みます。執行役員は通常、会社の日常業務や戦略的な決定に関与し、部門の責任者や他の従業員の指揮を執ります。彼らは会社の業績や成長に責任を負い、取締役会や株主に対して業績や計画の報告を行います。また、執行役員は企業のビジョンや価値観の推進、組織文化の形成にも貢献します。

執行役員は、取締役会によって任命されます。実績や能力、経験が考慮されますが、将来のビジョンと企業のニーズに合った人材が重視されます。解任については業績不振や倫理違反など、重大な問題があった場合に行われることが一般的です。

執行役員には高度な経営能力が求められます。リーダーシップやチームマネジメント能力、ビジネス戦略の理解、変革力などが必要です。また、業界知識やグローバルな視野も重要な要素となります。

執行役の役割
役割	内容
日常業務	会社の日常業務や戦略的な決定に関与
指揮	部門の責任者や他の従業員の指揮を執る
責任	会社の業績や成長に責任を負う
報告	取締役会や株主に対して業績や計画を報告
推進	企業のビジョンや価値観の推進
形成	組織文化の形成

執行役員と取締役の違い

取締役は会社の経営に権限を持ち、株主代表として最終決定権を行使します。一方、執行役員は取締役の指示に基づいて業務を遂行する立場です。執行役員は経営に参画しつつも、取締役ほど経営戦略に関与しない点が異なります。

執行役と取締役の違い
項目	執行役	取締役
権限	経営への参画はするが、決定権はない	経営の意思決定権を持つ
選任	取締役会による任命	株主総会による選任
責任	事業運営の責任	会社経営の責任
立場	従業員	役員
会社法上の扱い	会社法上の役員ではない	会社法上の役員

執行役員と役員の区別

執行役員は、「事業運営のトップを担う役職」と定義することができます。経営幹部の方針を事業運営の推進者として担当し事業の推進に責務を担います。会社法上で「役員」とは、「取締役」「監査役」「会計参与」を示しますが、役員とつく執行役員は会社法上の役員とは異なります。具体的には、経営の重厚事項を決定する権限は保有せず、会社経営に参画する位置づけではありません。会社法や商業登記法で執行役員は定義されておらず、法律上では「従業員」に該当します。法令上での定義がないため、執行役員の設置は会社ごとに任意での任命となります。

法人税法上の役員の定義は、会社や法人組織における特定の立場や責任を持つ者を指します。そのため、会社法上の役員よりも定義は広く、ここにおける役員には、執行役員のみならず、取締役、監査役なども含まれます。役員の地位によって法人に対する権限や責任が異なり、これらの役員には法人税法上の特別な取り扱いがあり、給与や報酬、退職給付などが法人の経費として認められます。注意点として、名ばかりの役員や家族などの親族が役員に就任している場合は認められなかったり、法人税法上の役員の定義や取り扱いは国や地域によって異なる場合があるため、具体的な法律や規制を確認する必要があります。

執行役と役員の区別
項目	執行役	役員
会社法上の扱い	会社法上の役員ではない	会社法上の役員
経営への関与	経営に参画するが、決定権はない	経営の意思決定に関与
責任	事業運営の責任	会社経営の責任
報酬	給与	役員報酬
選任	取締役会による任命	株主総会による選任

まとめ

執行役員は、会社法上は役員ではなく従業員に分類されます。そのため、取締役とは異なり、経営の意思決定権は持ちません。しかし、経営陣の決定した方針を執行し、現場を統率する重要な役割を担っています。

執行役員は、会社が任意で設置する役職であり、設置の義務はありません。そのため、企業によって執行役員の役割や権限は異なります。

執行役員は、取締役と比べて、経営への関与度は低く、現場の実務に携わる機会が多いです。

2. 執行役の役割と責任

執行役の主な役割

執行役の主な役割は、取締役会や経営陣が決定した経営方針や戦略を実行することです。具体的には、以下の業務を担います。

・各部門の責任者として、部門の目標達成に向けた計画を立案し、実行する。

・部門の従業員を指導・育成し、組織全体の目標達成に貢献する。

・取締役会や経営陣に、部門の状況や進捗状況を報告する。

執行役の主な役割
役割	内容
計画立案・実行	部門の目標達成に向けた計画を立案し、実行する
指導・育成	部門の従業員を指導・育成し、組織全体の目標達成に貢献する
報告	取締役会や経営陣に、部門の状況や進捗状況を報告する

執行役の責任

執行役は、会社法上は役員ではなく従業員に分類されますが、経営陣の決定した方針を執行し、現場を統率する重要な役割を担っています。そのため、執行役は、以下の責任を負います。

・取締役会や経営陣の決定事項を忠実に実行する責任。

・部門の業績目標達成の責任。

・部下の指導・育成の責任。

執行役の責任
責任	内容
決定事項の実行	取締役会や経営陣の決定事項を忠実に実行する
業績目標達成	部門の業績目標達成
指導・育成	部下の指導・育成

執行役の権限

執行役は、取締役会や経営陣から委任された権限に基づいて業務を遂行します。そのため、執行役の権限は、会社によって異なります。

一般的には、執行役は、以下の権限を有しています。

・部門の予算編成権。

・部門の人事権。

執行役の権限
権限	内容
予算編成権	部門の予算編成
人事権	部門の人事