財政投融資とは?経済用語について説明

財政投融資の類型と資金調達方法
類型 資金調達方法 主な対象
財政融資 財投債発行、特別会計からの預託金、回収金 政府関係機関、独立行政法人、地方公共団体
産業投資 政府出資先からの配当金、株式売却収入、国庫納付金 政府関係機関、独立行政法人、官民ファンド
政府保証 政府保証債発行 政府関係機関、独立行政法人

1. 財政投融資とは

要約

財政投融資の定義

財政投融資とは、国が政策目的を推進するため、財政政策の一環として行う投資および融資のことです。社会資本整備や政策金融などの分野に投入されます。毎年度、財政投融資計画にまとめられ、財政融資資金・産業投資特別会計・政府保証債および政府保証借入金を原資として、特別会計・政府金融機関・独立行政法人・特殊会社・地方公共団体などが運用対象になっています。また、財政融資資金による国債引き受けも財政投融資に含まれます。財投。

財政投融資は、国が直接的に資金を供給するのではなく、政府系金融機関や独立行政法人などの財投機関を通じて間接的に資金を供給する仕組みです。財投機関は、財政投融資によって得た資金を、民間企業や地方自治体などに融資したり、投資したりします。

財政投融資は、一般会計予算などと同様に国会の議決を受けています。具体的には、財政融資、産業投資、政府保証という原資ごとに、それぞれ、特別会計予算総則、財政投融資特別会計投資勘定予算、一般会計予算総則という形式で、国会の議決を受ける。

また、財政融資、産業投資、政府保証による資金供給の予定額について、個別の財投機関ごとに一覧表にした財政投融資計画については、毎年度の予算編成に合わせて策定され、法律に基づき国会に提出されています(特別会計予算書の添付資料)。

財政投融資の原資区分等の推移
区分 1953年度 1973年度 1987年度 1996年度 2000年度 2001年度 2003年度 2005年度 2007年度 2009年度 2011年度 2013年度
政府保証債・政府保証借入金 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
簡保資金 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
資金運用部資金(回収金等) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
資金運用部資金(厚生年金・国民年金) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
資金運用部資金(郵便貯金) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
産業投資特別会計 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
一般会計 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

財政投融資の歴史

民間の資金供給にそぐわないが公共性があり、採算が見込まれる事業に対して、国民の預金を預託して運用するというシステムが出来上がったのは、早くも郵便貯金誕生3年後の明治11年(1878年)のことであった。郵便貯金は大蔵省預金部の運用資金として地方債や特殊銀行の金融債などで運用され、産業資金として活用された。

戦後はドッジ・ラインによる均衡財政下で長期産業資金として日本国政府、地方公共団体、特殊銀行で運用された。1953年からは財政投融資計画として予算とともに国会に提出されるようになり、郵便貯金、厚生年金及び国民年金の積立金から預託を受け、「大蔵省資金運用部資金」として日本国政府、特殊法人、地方公共団体への融資・運用が行われるようになった。その後、財政投融資は年々その規模を拡大し、「第二の予算」として景気調節、資源再配分の役割を担ってきた。

しかし、次第に特殊法人の経営の不透明さや、官僚の天下り先となっている点が批判の対象となっていた。例えばアセット・ライアビリティ・マネジメントが導入されていない「どんぶり勘定」であったため、巨大な金利リスクが存在した。高金利の郵便貯金から預託された資金を(入口)、低利で住宅金融公庫に融資し(出口)それによって公庫は市中より低い金利で国民に融資し、貸出期限が来たら郵貯に返済していたが、これら利率の逆ざやについては、一般会計が金利補填をしなければならなかった。

財投の資金預託入り口は、郵便貯金・簡易保険・国民年金および厚生年金資金の三つで成り立っていた。そのうち年金は第2次橋本内閣にて、公的年金流用問題を受けて財投への預託義務廃止が打ち出された。そして、1999年度(平成11年度)末に年金福祉事業団を廃止する法律が成立し、2001年(平成13年)3月に廃止された。同年4月1日に同事業団の業務の一部を継承し、年金資金運用基金が設立され、年金積立金の自主運用が開始された。2006年(平成18年)4月1日には、年金積立金管理運用独立行政法人が設立され、同日付で廃止された同基金から年金積立金の管理・運用業務を引き継いだ。

財政投融資使途別分類の推移
区分 1953年度 1973年度 1987年度 1996年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度
貿易・経済協力 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
産業・技術 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
地域開発 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
運輸通信 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
道路 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
国土保全・災害復旧 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
農林漁業 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
中小企業 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
文教 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

財政投融資改革

さらに、2001年(平成13年)、「資金運用部資金法等の一部を改正する法律(平成12年法律第99号)」により、資金運用部は廃止され、郵便貯金や簡易保険、公的年金積立金の財投への預託義務も廃止となった。資金運用部に代わるものとしては財政融資資金特別会計が設置され、市場での財投債発行を主たる原資とする財政融資資金による融資が行われることとなった。この改正以降、特殊法人等の財投機関は、財投機関債の発行や日本国政府の財投債の発行によって、市場から調達された資金により、融資を受け経営を行うこととなり、経営の健全性が求められることとなった。

財政投融資改革は、従来の財政投融資の資金の流れにメスを入れられました。それまでの郵便貯金・年金積立金等の資金運用部への預託義務が廃止され、全額自主運用(原則市場運用)される仕組みが導入されました。そして、財政投融資に必要な資金は、国債の一種である財政投融資特別会計国債(財投債)の発行により、全額市場から調達されることとなり、必要な資金需要に応じた効率的な資金調達を行うことが可能となりました。これらを通じて、財政投融資の原資は財投債が中心となったほか、「入口」部分の3 つの資金供給方法(財政融資、産業投資、政府保証)のうち、財政融資が中核を成すようになりました。

財政投融資改革を通じて、「入口」から「出口」まで連結していることにより錯綜していた問題が解きほぐされました。財政投融資改革前には、10 年国債の金利に0.2%程度上乗せした金利が「入口」部分の郵便貯金・年金積立金等に支払われてきたため、「出口」の財政投融資対象機関の資金調達コストが嵩む傾向にあったが、財政投融資改革以降には、財投債を通じて各年限の国債金利による借入が可能となったため、財投機関の資金調達コストは多くのケースにおいて低下しました。

加えて、財政投融資改革前は、資金運用部資金の調達期間が主として7 年間の郵便貯金・年金積立金等の預託金であった一方、資金の運用が主に5~30 年の貸付であったことから、運用と調達の期間のミスマッチに伴う金利変動リスクを抱えていた。しかし、財政投融資改革以降は、財投債の発行は多様な期間(2~30 年)で行われるようになったほか、資金の運用においても、10 年毎の貸付金利見直し制を選択可能とするなどの融通条件の見直しが行われた。これらを通じて、金利変動リスクの縮減が進むこととなった。

財政投融資改革のイメージ
区分 旧財政投融資 新財政投融資
資金調達 郵便貯金、年金、預託 財投債(国債)
資金供給 資金運用部 財投機関債(自主運用)
対象事業 特殊法人等 必要額を精査

まとめ

財政投融資は、国が政策目的を達成するために、政府系金融機関や独立行政法人などの財投機関を通じて、民間企業や地方自治体などに資金を供給する仕組みです。

財政投融資は、かつては郵便貯金や年金積立金などを原資としていましたが、2001年の財政投融資改革により、財投債の発行などを通じて市場から資金を調達する仕組みへと変わりました。

財政投融資改革は、財政投融資の効率化と透明性を高めることを目的として行われました。その結果、財政投融資の規模は縮小し、財投機関の経営はより健全なものとなりました。

財政投融資は、日本の経済成長やインフラ整備に重要な役割を果たしてきました。しかし、その一方で、天下りや非効率性などの問題点も指摘されてきました。財政投融資改革は、これらの問題点を解決するために実施されました。

2. 財政投融資の目的

要約

市場メカニズムの補完

日本は、基本的に市場経済で成り立っています。しかし、市場経済だけに任せてしまうと、社会で必要な財やサービスの供給が不足したり、経済的に不平等が生じたりする可能性があります。

財政投融資は、主に民間の金融機関が対応できない場面で有効です。特に、長期・低利の資金供給や大規模・超長期プロジェクトの実施などで財政投融資が効果を発揮します。

例えば、大規模なインフラ整備や、中小企業の創業・成長を支援するような事業は、民間企業にとってリスクが高く、資金調達が難しい場合があります。このような場合、政府が財政投融資を通じて資金を供給することで、これらの事業を促進することができます。

また、財政投融資は、市場メカニズムでは十分に供給されない公共財やサービスの供給を促進する役割も担っています。例えば、環境保護や教育などの分野は、市場メカニズムだけでは十分な投資が行われない可能性があります。政府が財政投融資を通じてこれらの分野に資金を供給することで、社会全体の利益に貢献することができます。

経済の安定化

世界の経済情勢の変化は、日本経済に大きな影響を与えることがあります。

そうした経済情勢の変化に応じて、財政投融資は経済の安定化の役割を果たすことができます。

例えば、2008年の経済金融情勢悪化への対応として、政府は3度にわたる財政投融資計画を追加することで、経済情勢の安定化を図りました。また、続く2009年も、引き続き厳しい状況にあったため、当初計画比14.4%増の財政投融資計画の規模拡大が行われました。

財政投融資は、景気後退時に経済活動を活性化させるための有効な手段となります。政府が財政投融資を通じて、公共事業や政策金融などの分野に資金を供給することで、雇用創出や需要喚起を促し、景気回復を支援することができます。

所得の再分配

所得の再分配とは、社会保障制度などを通じて、高所得者から低所得者に対して所得を分配することです。

この所得の再分配を行うため、財政投融資が利用されることがあります。

例えば、低所得者向けの住宅建設や、医療費負担の軽減などの政策は、財政投融資によって実現されることがあります。

財政投融資は、社会福祉や教育などの分野への投資を通じて、社会全体の福祉水準を高める役割も担っています。政府が財政投融資を通じて、これらの分野に資金を供給することで、社会の弱者に対する支援を強化し、社会全体の公平性を向上させることができます。

まとめ

財政投融資は、市場メカニズムでは十分に供給されない公共財やサービスの供給を促進し、経済の安定化を図り、所得の再分配を行うことを目的としています。

財政投融資は、民間企業ではリスクが高く、資金調達が難しい事業を促進したり、社会全体の福祉水準を高めたりすることで、国民の生活水準向上に貢献しています。

財政投融資は、政府が経済活動を積極的に支援するための重要な政策手段であり、その目的は、社会全体の利益を最大化することです。

財政投融資は、政府が国民の生活水準向上や社会全体の利益のために、積極的に資金を供給する仕組みです。

3. 財政投融資の仕組み

要約

財政投融資の3つの類型

財政投融資は、主に財政融資産業投資政府保証の3つの類型に分けられます。

財政融資は、財投債の発行により調達した資金に加え、特別会計等(年金特別会計の国民年金勘定及び厚生年金勘定を除く)から預託された積立金・余裕金である預託金、財投機関からの回収金などにより構成される財政融資資金を、財投機関に融資(貸付)するものです。融資は政策的な必要性の視点から、原則として長期、固定であり、利率は調達資金(財投債)の調達金利とほぼ同率(低利)の固定利率で行なわれます。財政融資資金の運用は財政投融資特別会計財政融資資金勘定で経理され、一般会計からの繰入れのない独立採算で運営されています。

産業投資は、特会法第50条において「産業の開発と貿易の振興のために国の財政資金をもって行う投資」とされており、日本電信電話㈱や日本たばこ産業㈱などの政府出資先からの株式配当金や株式売却収入、国庫納付金などを財源として、財投機関に対して出資や融資を行うものです。産業投資は、政策的な必要性が高いものの、必ずしも民間のみでは十分に資金が供給されない事業に対してリスクマネーとして供給するもので、これにより民間からの投資などの資金を呼び込むきっかけにもなっています。産業投資は、特会法第50条の目的に合致し、国からの出資・収益還元に必要な規定を備えている政府関係機関や独⽴⾏政法⼈などが対象となります。出資対象先には官民ファンド(代表的なファンドとして、民間資金等活用事業推進機構や産業革新投資機構など)もある。

政府保証とは、財投機関が自ら直接、金融市場で債券発行や借入により資金調達をする際に、元本及び利払いについて政府が保証する信用供与です。このような政府保証は国の財務書類には直接オンバランスはされない簿外債務ですが、国の財務書類に注記されています。政府保証は、政府関係機関や独⽴⾏政法⼈などのうち、その設⽴法において政府保証を受けることができる旨の規定がある法人が対象機関となります。なお、政府が保証して発行される債券を政府保証債という。

財政投融資の3つの類型
類型 説明
財政融資 財投債発行により調達した資金を財投機関に融資する
産業投資 政府出資先からの配当金などを財源として、財投機関に出資や融資を行う
政府保証 財投機関が金融市場から資金を調達する際に、政府が元本と利払いを保証する

財政投融資の資金調達

財政投融資の資金調達は、主に財投債の発行によって行われます。財投債は、財政融資資金の財源を目的として発行される国債であり、通常の国債と合わせて発行されるため商品性は通常の国債と同じであるものの、その償還財源は財政融資資金として融資された貸付金の回収により賄われる点で、償還財源が租税などによる通常の国債と異なります。

財政投融資の資金調達には、財投債の発行以外にも、国の特別会計の積立金や余裕金、財投機関からの回収金などが利用されます。

財政投融資の資金調達方法は、2001年の財政投融資改革によって大きく変わりました。以前は、郵便貯金や年金積立金などの資金が、資金運用部資金として財政投融資に利用されていました。しかし、改革後は、財投債の発行などを通じて市場から資金を調達する仕組みが導入されました。

財政投融資の資金調達方法は、市場原理に基づいて行われるようになりました。これにより、財政投融資の透明性と効率性が向上しました。

財政投融資資金の財源
区分 説明
政府の特別会計の積立金及び余裕金 法律又は政令の規定により財政融資資金に預託されたもの
国庫余裕金 国庫において、支払い上余裕が生じた現金
特別会計の余裕金 国債整理基金特別会計において国債を保有する場合を除く
他の法令により預託された資金
財政投融資特別会計財政融資資金勘定の積立金及び余裕金
財政融資資金勘定において借入もしくは公債発行した額の相当額 特別会計に関する法律(以下「特会法」という。)第64条第1項により財政融資資金に繰り入れることとされている

財政投融資の運用

財政投融資は、財政投融資計画に基づいて、財投機関に対して行われます。財政投融資計画は、財政融資資金の運用期間が5年以上にわたる場合に、財政融資資金の長期運用に対する特別措置に関する法律(以下「長期運用特措法」という。)第5条第1項に基づき運用対象区分ごとに予算をもって国会の議決を経る必要があり、この際に内閣から国会に提出が必要な計画です。財務大臣は、財政投融資計画を作成するにあたって、あらかじめ財政制度等審議会の意見を聴かなければならないことになっています(長期運用特措法第5条第3項)。

財政投融資の運用は、財政融資資金勘定、投資勘定、政府保証勘定の3つの勘定で行われます。

財政融資資金勘定は、財政融資の実態を表しています。令和3年度の財政融資資金勘定では、公債(財投債)及び特別会計等からの預託金が財政融資資金の財源として負債に計上(137兆1

産業投資は投資勘定で経理されます。令和3年度の投資勘定では、出資金(15兆3

財政融資資金勘定の財務書類(一部)
区分 令和3年度
資産 130兆4,215億円
負債 137兆1,903億円
主な融資先 地方公共団体(42兆6,434億円)、㈱日本政策金融公庫(21兆4,233億円)、独立行政法人都市再生機構(8兆9,935億円)

まとめ

財政投融資は、財政融資、産業投資、政府保証の3つの類型があり、それぞれ異なる資金調達方法と運用方法が用いられています。

財政融資は、財投債の発行などを通じて市場から資金を調達し、財投機関に融資を行います。産業投資は、政府出資先からの配当金などを財源として、財投機関に出資や融資を行います。政府保証は、財投機関が金融市場から資金を調達する際に、政府が元本と利払いを保証するものです。

財政投融資は、財政投融資計画に基づいて、財投機関に対して行われます。財政投融資計画は、財政融資資金の運用期間が5年以上にわたる場合に、財政融資資金の長期運用に対する特別措置に関する法律に基づき運用対象区分ごとに予算をもって国会の議決を経る必要があり、この際に内閣から国会に提出が必要な計画です。

財政投融資は、財政融資資金勘定、投資勘定、政府保証勘定の3つの勘定で経理され、それぞれの勘定で資金の調達と運用が行われています。

4. 財政投融資の影響

要約

経済への影響

財政投融資は、経済活動に大きな影響を与えます。財政投融資によって、公共事業や政策金融などの分野に資金が供給されることで、雇用創出や需要喚起が促され、経済成長を促進することができます。

また、財政投融資は、経済の安定化にも貢献します。景気後退時には、財政投融資を通じて、公共事業や政策金融などの分野に資金を供給することで、需要を喚起し、景気回復を支援することができます。

財政投融資は、民間企業ではリスクが高く、資金調達が難しい事業を促進したり、社会全体の福祉水準を高めたりすることで、国民の生活水準向上に貢献しています。

財政投融資は、政府が経済活動を積極的に支援するための重要な政策手段であり、その影響は、経済成長、雇用創出、社会福祉の向上など、多岐にわたります。

社会への影響

財政投融資は、社会にも大きな影響を与えます。財政投融資によって、インフラ整備や教育、医療などの分野に資金が供給されることで、社会全体の生活水準が向上します。

また、財政投融資は、社会福祉の向上にも貢献します。政府が財政投融資を通じて、福祉施設の建設や運営、医療費負担の軽減などの政策を支援することで、社会の弱者に対する支援を強化し、社会全体の公平性を向上させることができます。

財政投融資は、社会資本整備を通じて、国民の生活の質を高める役割も担っています。例えば、道路や鉄道などのインフラ整備は、交通の利便性を向上させ、経済活動を活性化させるだけでなく、災害時の安全確保にも貢献します。

財政投融資は、社会全体の利益を最大化することを目的として、様々な分野に資金を供給することで、社会の持続的な発展に貢献しています。

財政への影響

財政投融資は、国の財政にも大きな影響を与えます。財政投融資は、国債の発行などを通じて、国の借金を増やす可能性があります。

財政投融資は、国の財政規律を緩める可能性もあります。財政投融資は、税金とは異なり、国民への返済義務があるため、効率的な運用が求められます。しかし、財政投融資の運用が適切に行われなければ、国の財政負担が増加する可能性があります。

財政投融資は、国の財政政策の有効性を高める可能性もあります。政府が財政投融資を通じて、公共事業や政策金融などの分野に資金を供給することで、経済活動を活性化させ、税収を増やすことができます。

財政投融資は、国の財政政策の重要な要素であり、その運用には、国民への返済義務や財政規律の維持など、様々な課題があります。

まとめ

財政投融資は、経済活動、社会、財政の様々な側面に影響を与えます。

財政投融資は、経済成長、雇用創出、社会福祉の向上、インフラ整備など、様々な分野に貢献する一方で、国の借金増加や財政規律の緩みなどの課題も抱えています。

財政投融資は、国の財政政策の重要な要素であり、その影響は、経済、社会、財政の様々な側面にわたります。

財政投融資は、国民の生活水準向上や社会全体の利益のために、適切に運用される必要があります。

5. 財政投融資と貨幣投入の違い

要約

財政投融資

財政投融資は、政府が財政投融資特別会計国債(財投債)を発行して調達した資金を、政府系金融機関や独立行政法人などの財投機関に融資したり、投資したりする制度です。

財政投融資は、国が直接的に資金を供給するのではなく、財投機関を通じて間接的に資金を供給する仕組みです。

財政投融資は、長期・低利の資金供給や、民間企業ではリスクが高く、資金調達が難しい事業を促進することを目的としています。

財政投融資は、国の信用力を背景に、比較的低コストで資金を調達することができます。

貨幣投入

貨幣投入は、政府が中央銀行を通じて、市場に資金を供給する政策です。

貨幣投入は、金融政策の一環として行われ、金利の引き下げや、金融機関への資金供給などを通じて、経済活動を活性化させることを目的としています。

貨幣投入は、財政投融資と異なり、政府が直接的に資金を供給する政策です。

貨幣投入は、財政投融資よりも、短期的な経済対策として用いられることが多いです。

違い

財政投融資と貨幣投入は、どちらも政府が経済活動を支援するための政策ですが、その仕組みや目的が異なります。

財政投融資は、政府が財投機関を通じて、特定の事業や機関に資金を供給する政策です。一方、貨幣投入は、政府が中央銀行を通じて、市場に資金を供給する政策です。

財政投融資は、長期的な経済成長や社会福祉の向上を目的としています。一方、貨幣投入は、短期的な景気対策や金融市場の安定化を目的としています。

財政投融資は、政府が直接的に資金を供給する政策です。一方、貨幣投入は、政府が中央銀行を通じて、市場に資金を供給する政策です。

財政投融資と貨幣投入の違い
区分 財政投融資 貨幣投入
目的 長期的な経済成長や社会福祉の向上 短期的な景気対策や金融市場の安定化
資金供給方法 政府系金融機関や独立行政法人などの財投機関を通じて間接的に資金を供給 中央銀行を通じて市場に資金を供給
資金供給の対象 特定の事業や機関 市場全体
資金調達方法 財投債発行など 中央銀行による国債購入など
運用期間 長期 短期

まとめ

財政投融資と貨幣投入は、どちらも政府が経済活動を支援するための政策ですが、その仕組みや目的が異なります。

財政投融資は、長期的な経済成長や社会福祉の向上を目的として、政府が財投機関を通じて、特定の事業や機関に資金を供給する政策です。

貨幣投入は、短期的な景気対策や金融市場の安定化を目的として、政府が中央銀行を通じて、市場に資金を供給する政策です。

財政投融資と貨幣投入は、それぞれ異なる特徴を持つ政策であり、経済状況に応じて適切な政策を選択することが重要です。

6. 財政投融資の成功事例

要約

高速道路の整備

日本の高速道路網は、戦後復興期から高度経済成長期にかけて、財政投融資によって整備が進められました。

高速道路の整備は、交通の利便性を向上させ、物流効率を高め、経済活動を活性化させることに大きく貢献しました。

高速道路の整備は、地方都市の活性化にも貢献しました。高速道路の開通によって、地方都市へのアクセスが向上し、観光客や企業の誘致が促進されました。

高速道路の整備は、日本の経済成長に大きく貢献した成功事例と言えるでしょう。

住宅金融の支援

日本の住宅金融は、財政投融資によって大きく発展しました。住宅金融公庫は、財政投融資によって、低利・長期の住宅ローンを提供し、国民の住宅取得を支援してきました。

住宅金融公庫の支援によって、国民の住宅取得率は向上し、住宅市場の活性化に貢献しました。

住宅金融公庫は、住宅金融の安定化にも貢献しました。住宅金融公庫は、住宅ローン市場の安定化を図ることで、住宅市場の健全な発展に貢献してきました。

住宅金融公庫は、日本の住宅金融を支える重要な役割を果たしてきた成功事例と言えるでしょう。

中小企業の支援

中小企業は、日本の経済の基盤を支える重要な存在です。財政投融資は、中小企業の資金調達を支援することで、中小企業の成長を促進し、雇用創出に貢献してきました。

日本政策金融公庫は、財政投融資によって、中小企業に低利・長期の融資を提供し、中小企業の資金調達を支援してきました。

日本政策金融公庫の支援によって、中小企業の経営安定化や事業拡大が促進され、日本の経済活性化に貢献してきました。

日本政策金融公庫は、中小企業の成長を支援する重要な役割を果たしてきた成功事例と言えるでしょう。

まとめ

財政投融資は、高速道路の整備、住宅金融の支援、中小企業の支援など、様々な分野で成功事例を生み出してきました。

財政投融資は、日本の経済成長や社会福祉の向上に大きく貢献してきました。

財政投融資は、今後も、日本の経済発展を支える重要な政策手段として、活用されていくことが期待されます。

財政投融資は、政府が国民の生活水準向上や社会全体の利益のために、積極的に資金を供給する仕組みであり、その効果は、経済、社会、財政の様々な側面にわたります。

参考文献

財政投融資とは|日本経済用語集|iFinance

財政投融資とは?目的・事例・郵便貯金に関する歴史など簡単 …

財政投融資とは?メリットや活用されている分野について解説 …

【保存版】財政投融資とは?メリットやリスク | フラフィー

財政投融資とは?メリットや活用されている分野について解説 …

Ⅰ-1.財政投融資の仕組み : 財務省

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