1. 東証配当フォーカス100指数とは
1-1. 東証配当フォーカス100指数の特徴
東証配当フォーカス100指数は、東京証券取引所(東証)に上場している100銘柄で構成される指数(インデックス)です。その特徴は、高配当利回り企業や不動産市場の動向を示すという点にあります。具体的には、高配当利回り企業90社と、高配当利回りの不動産投資信託(REIT)10銘柄で構成され、日本の高配当投資を目的とした指数として注目されています。
本指数は、TOPIX1000および東証REIT指数の構成銘柄の中から、時価総額と予想配当利回りを基準に選定された銘柄で構成されています。そのため、日本の主要企業の中でも特に配当利回りの高い銘柄が選ばれており、高い配当収入を得たい投資家にとって魅力的な指数と言えます。
さらに、東証配当フォーカス100指数は、市場動向をより正確に反映するために、年2回(1月・7月)の銘柄入れ替えを行っています。これは、市場環境の変化に合わせて、配当利回りの高い銘柄を常に組み入れ、投資家の利益最大化を目指していることを示しています。
1-2. 東証配当フォーカス100指数の組入銘柄
東証配当フォーカス100指数は、高配当利回り企業90社とREIT10銘柄で構成されています。組入上位10銘柄には、トヨタ自動車、キャノン、日本たばこ産業、ブリヂストン、花王、三菱UFJフィナンシャル・グループ、アサヒグループホールディングス、ジャパンリアルエステイト投資法人、楽天、三井住友フィナンシャルグループなどが含まれています。これらの企業は、日本を代表する優良企業であり、安定的な収益と配当を期待できます。
1-3. 東証配当フォーカス100指数をベンチマークとする金融商品
東証配当フォーカス100指数をベンチマークとする金融商品としては、上場インデックスファンド日本高配当(コード:1698)のみが存在します。このETFは、東証配当フォーカス100指数の動きに連動し、投資家は東証配当フォーカス100指数に投資しているのと同じ効果を得ることができます。
上場インデックスファンド日本高配当ETFは、信託報酬(税抜)が0.28%と、比較的低コストで東証配当フォーカス100指数に投資できることから、人気を集めています。
1-4. まとめ
東証配当フォーカス100指数は、日本の高配当投資を目的とした指数であり、高配当利回り企業90社とREIT10銘柄で構成されています。本指数の特徴は、年2回の銘柄入れ替えによって市場環境の変化に柔軟に対応し、高配当利回りを追求している点です。また、本指数をベンチマークとする金融商品も存在し、投資家は低コストで東証配当フォーカス100指数に投資することができます。ただし、高配当利回り企業は、企業業績や市場環境の影響を受けやすく、投資のリスクも考慮する必要があります。そのため、投資を行う際には、事前に十分な調査を行い、ご自身の投資方針に合った投資方法を選択することが重要です。
参考文献
・東証配当フォーカス100指数とは|インデックス(指数)用語集 …
・東証配当フォーカス100指数とは? – インデックス投資で資産運用
2. 東証配当フォーカス100指数の計算方法
2-1. 指数構成銘柄の選定
東証配当フォーカス100指数は、TOPIX1000および東証REIT指数の構成銘柄から、時価総額と予想配当利回りを基準に選定された100銘柄で構成されます。選定プロセスは、以下の4つのフィルタを順次適用することで行われます。
1. ユニバース:
まず、TOPIX1000および東証REIT指数の全銘柄が対象となります。
2. 決算期フィルタ:
次に、直近決算期が確定している銘柄を対象とし、過去3年間の配当実績を基に予想配当利回りが算出されます。
3. 時価総額フィルタ:
予想配当利回りが高い銘柄から順に、時価総額の高い銘柄が上位100銘柄として選定されます。
4. 予想配当金フィルタ:
選定された100銘柄に対して、予想配当金の最適化が行われ、ポートフォリオのウエイトが決定されます。これは、個々の銘柄の予想配当利回りと時価総額を考慮して、全体の配当利回りを最大化するために行われます。
2-2. 指数の算出
東証配当フォーカス100指数は、選定された100銘柄の価格の加重平均によって算出されます。各銘柄のウエイトは、予想配当利回りや時価総額など、様々な要素を考慮して決定されます。
配当なし指数:
配当なし指数は、15秒間隔のリアルタイムで算出され配信されます。これは、各銘柄の株価をリアルタイムで取得し、ウエイトを適用することで算出されます。
配当込み指数:
配当込み指数は、日次終値ベースで算出・配信されます。これは、各銘柄の株価に配当を加算した値を基に、ウエイトを適用することで算出されます。
2-3. 指数の定期入替
東証配当フォーカス100指数は、市場の実態をより的確に反映するため、構成銘柄の定期入替を毎年2回、1月と7月に行います。入替基準日は、1月と7月の最終営業日です。
2-4. まとめ
東証配当フォーカス100指数は、予想配当利回りと時価総額に着目して選定された100銘柄で構成される、配当重視型の指数です。選定プロセスには、決算期、時価総額、予想配当利回りなど、複数の基準が用いられており、配当の安定性と成長性を重視した銘柄が選ばれています。定期的な入替によって、市場環境の変化に対応し、常に最新の投資機会を反映することができます。
東証配当フォーカス100指数は、配当収入を得たい投資家にとって、注目すべき指数の1つです。
参考文献
・東証配当フォーカス100指数 | 金融・証券用語解説集 | 大和証券
・PDF 東証配当フォーカス100指数 – 日本取引所グループ
3. 東証配当フォーカス100指数の特徴
3-1. 高配当利回り銘柄に特化した構成
東証配当フォーカス100指数は、その名の通り、配当利回りの高い銘柄に焦点を当てた株価指数です。東京証券取引所第一部に上場している銘柄の中から、時価総額・流動性の高い1000銘柄で構成される「TOPIX 1000指数」と、東京証券取引所に上場する不動産投資信託全銘柄を対象とした時価総額加重型の株価指数「東証REIT指数」の構成銘柄を対象に、時価総額と予想配当利回りを基準として、選定された100銘柄で構成されています。このうち、株式は90銘柄、REITは10銘柄となっています。
つまり、東証配当フォーカス100指数は、単に配当利回りが高い銘柄を集めただけでなく、時価総額や流動性も考慮することで、安定した収益性と市場での取引のしやすさを兼ね備えた銘柄で構成されていると言えるでしょう。
3-2. 分散投資によるリスク軽減と安定した収益追求
東証配当フォーカス100指数は、100銘柄で構成されているため、単一銘柄への集中投資に比べて、分散投資によるリスク軽減効果が期待できます。特に、株式とREITの両方を組み合わせていることで、異なる資産クラスへの分散投資も実現しています。
また、配当利回りが高い銘柄に焦点を当てることで、安定した収益を得る可能性を高めることができます。株式投資において、配当は企業の利益の一部を株主に還元するものであり、企業の収益力と株主への還元意欲を示す指標の一つです。高配当利回り銘柄は、企業の収益力が安定しており、株主への還元意欲も高いと考えられます。
3-3. ETFによる手軽な投資
東証配当フォーカス100指数に連動する投資成果を目指すETFとして、日興アセットマネジメントが運用する上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)(銘柄コード:1698)があります。このETFは、東証配当フォーカス100指数に連動するよう、構成銘柄を組み合わせて運用されています。
ETFは、証券取引所で売買できる投資信託の一種であり、個別株のように簡単に売買できます。そのため、東証配当フォーカス100指数に投資したい場合、個別株を一つずつ購入するよりも、ETFを通じて手軽に投資することができます。
3-4. まとめ
東証配当フォーカス100指数は、高配当利回り銘柄に特化した株価指数であり、分散投資によるリスク軽減と安定した収益追求、そしてETFによる手軽な投資という特徴を兼ね備えています。配当の高い国内株式に分散投資を行い、相対的に高い分配金を受け取りたいという投資家にとって、魅力的な投資対象と言えるでしょう。
参考文献
・東証配当フォーカス100指数とは | 投資信託の投信資料館
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