項目 | 内容 |
---|---|
発効日 | 2022年1月1日(日本、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、中国、ラオス、ニュージーランド、シンガポール、タイ、ベトナム) |
発効日 | 2022年2月1日(韓国) |
発効日 | 2022年3月18日(インドネシア、マレーシア) |
発効日 | 2023年6月2日(フィリピン) |
参加国 | ASEAN加盟10カ国、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド |
関税撤廃率 | 品目数ベースで91% |
主なルール分野 | 関税、サービス、投資、知的財産、電子商取引、政府調達など |
特徴 | 世界最大規模の自由貿易圏を形成する経済連携協定 |
目的 | 参加国間の貿易・投資を促進し、経済成長を加速させる |
1. RCEPとは何か
RCEPの概要
RCEPはRegional Comprehensive Economic Partnershipの略称で、日本語では地域的な包括的経済連携、または東アジア地域包括的経済連携と呼ばれています。2012年11月に交渉が開始され、2020年11月15日にASEAN加盟10カ国と、そのFTAパートナー5カ国(オーストラリア、中国、日本、ニュージーランド、韓国)の計15カ国で署名されました。RCEPは、世界の人口とGDPの約3割を占める巨大な自由貿易圏を形成する経済連携協定(EPA)です。
RCEPは、関税の撤廃・削減に加え、サービス、投資、知的財産、電子商取引、政府調達など、幅広い分野のルールを定めています。関税撤廃率は品目数ベースで91%と、TPP11の99%を下回りますが、ルールに関しては、既存のルールを上回るものも含まれています。
RCEPは、世界経済の3分の1近くを占める世界最大規模の自由貿易圏の誕生を意味します。RCEPの発効により、域内のビジネス環境が改善し、直接投資が活発化する可能性があります。また、日本にとっては、中国、韓国との初めての経済連携協定となります。
RCEPは、2021年11月1日に日本、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、中国、ラオス、ニュージーランド、シンガポール、タイ、ベトナムの10カ国で発効しました。その後、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピンも批准手続きを終え、2022年2月1日、3月18日、3月18日、6月2日にそれぞれ発効しました。
項目 | 内容 |
---|---|
発効日 | 2022年1月1日(日本、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、中国、ラオス、ニュージーランド、シンガポール、タイ、ベトナム) |
発効日 | 2022年2月1日(韓国) |
発効日 | 2022年3月18日(インドネシア、マレーシア) |
発効日 | 2023年6月2日(フィリピン) |
参加国 | ASEAN加盟10カ国、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド |
関税撤廃率 | 品目数ベースで91% |
主なルール分野 | 関税、サービス、投資、知的財産、電子商取引、政府調達など |
特徴 | 世界最大規模の自由貿易圏を形成する経済連携協定 |
RCEPの目的
RCEPの目的は、参加国間の貿易・投資を促進し、経済成長を加速させることです。具体的には、以下の目標を掲げています。
* 関税の撤廃・削減: 参加国間の貿易を円滑化し、商品価格の低下を実現することで、消費者の利益を向上させます。
* ルール整備: 投資、知的財産、電子商取引など、貿易に関する幅広い分野で共通のルールを整備することで、ビジネス環境の透明性と安定性を高めます。
* サプライチェーンの効率化: 参加国間の貿易を円滑化することで、サプライチェーンの効率化を促進し、企業の競争力を強化します。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 参加国間の貿易・投資を促進し、経済成長を加速させる |
RCEPの意義
RCEPは、世界経済の成長に大きく貢献する可能性を秘めています。特に、アジア太平洋地域における経済統合を促進し、世界経済の安定化に貢献すると期待されています。
RCEPは、参加国間の貿易・投資を促進することで、経済成長を加速させ、雇用創出や生活水準の向上に貢献すると期待されています。
RCEPは、国際的なルールに基づいた自由貿易体制を構築することで、世界経済の安定化に貢献すると期待されています。
RCEPは、参加国間の協力関係を強化し、地域における平和と安定に貢献すると期待されています。
まとめ
RCEPは、ASEAN加盟10カ国と、そのFTAパートナー5カ国の計15カ国が参加する、世界最大規模の自由貿易圏を形成する経済連携協定です。
RCEPは、関税の撤廃・削減、ルール整備、サプライチェーンの効率化など、幅広い分野で経済活動を促進し、世界経済の成長に大きく貢献する可能性を秘めています。
RCEPは、参加国間の協力関係を強化し、地域における平和と安定に貢献すると期待されています。
RCEPは、世界経済の安定化に貢献するだけでなく、参加国間の経済成長を加速させ、雇用創出や生活水準の向上にも貢献すると期待されています。
2. RCEPのメンバー国
ASEAN加盟10カ国
ブルネイ
カンボジア
インドネシア
ラオス
国名 |
---|
ブルネイ |
カンボジア |
インドネシア |
ラオス |
マレーシア |
ミャンマー |
フィリピン |
シンガポール |
タイ |
ベトナム |
ASEANのFTAパートナー5カ国
オーストラリア
中国
日本
ニュージーランド
国名 |
---|
オーストラリア |
中国 |
日本 |
ニュージーランド |
韓国 |
インドの離脱
RCEPは当初、インドを含めた16カ国で交渉が進められていましたが、最終的にインドは署名を見送りました。
インドは、中国製品を始めとした安い製品が国内産業に多大な被害を与えることを懸念したことが背景にあるようです。
RCEP加盟国は、インドが希望すれば交渉再開をすぐにでも進めるとしており、今後インドが参加するのか、そのタイミングも気になるところです。
インドの離脱は、RCEPの経済効果を減じる可能性があり、今後の交渉の行方を見守る必要があります。
まとめ
RCEPは、ASEAN加盟10カ国と、そのFTAパートナー5カ国の計15カ国で構成されています。
当初はインドも参加していましたが、最終的に署名を見送りました。
インドの離脱は、RCEPの経済効果を減じる可能性がありますが、今後インドが参加する可能性も残されています。
RCEPは、世界の人口とGDPの約3割を占める巨大な自由貿易圏を形成する経済連携協定であり、今後の発展が期待されています。
3. RCEPの影響とメリット
日本への影響
RCEPは、日本の貿易総額のおよそ半数をカバーする地域との経済連携協定であり、これらの地域との貿易の活性化が見込めることは、日本にとっても日本企業にとっても大きなメリットと言えます。
アジア地域は2030年には世界のGDP6割を占めるまでに成長すると言われており、今後の発展に期待が持てるASEAN市場へ参入しやすくなるRCEPが日本企業にもたらす利益は計り知れません。
その他にも、ASEANで製造した製品を例えば中国などで安価に販売することができたり、知的財産権をRCEP加盟国内で守ることができたりするのも日本企業にとってのメリットと言えます。
RCEPは、日本にとって中国、韓国との間で締結される初の経済連携協定であり、今後の日本企業の海外進出を促進する役割を担うと期待されています。
関税の撤廃・削減
RCEPによって、加盟国間の関税が減免されるのは前述したとおりです。
日本からの輸出入にはどのような影響があるのでしょうか?
自動車部品や家電、鉄鋼製品などの日本から輸出する工業製品は91.5%の品目について関税が撤廃されました。
中国への帆立貝の輸出やインドネシアへの牛肉、中国と韓国への日本酒・焼酎は段階的に関税が撤廃されます。
その他のメリット
RCEPは、関税の撤廃・削減だけでなく、輸出入の手続きの簡素化、サービスや投資のルールなど、さまざまな分野について定められています。
これらのメリットによって、日本企業は海外市場への参入障壁を低くし、ビジネスチャンスを拡大することができます。
RCEPは、日本企業の海外進出を促進し、日本経済の活性化に貢献すると期待されています。
RCEPは、アジア太平洋地域の経済統合を促進し、世界経済の安定化に貢献すると期待されています。
まとめ
RCEPは、日本企業にとって大きなメリットをもたらす経済連携協定です。
関税の撤廃・削減によって、日本企業は海外市場への参入障壁を低くし、ビジネスチャンスを拡大することができます。
RCEPは、輸出入の手続きの簡素化、サービスや投資のルールなど、さまざまな分野で日本企業の海外事業活動を支援します。
RCEPは、アジア太平洋地域の経済統合を促進し、世界経済の安定化に貢献すると期待されています。
4. RCEPと他の経済協定の比較
TPPとの比較
RCEPは、TPPと比較して、関税撤廃率が低く、ルール分野も限定的です。
TPPは、関税撤廃率が99%以上と、RCEPよりも高い水準で自由貿易を促進することを目指しています。
TPPは、知的財産権、環境、労働基準、国営企業など、幅広い分野でルールを定めており、RCEPよりも包括的な協定と言えます。
TPPは、RCEPよりも高い水準の自由貿易を促進することを目指していますが、米国が離脱したため、その実現は不透明です。
項目 | TPP | RCEP |
---|---|---|
関税撤廃率 | 99%以上 | 91% |
ルール分野 | 包括的 | 限定的 |
米国 | 参加 | 離脱 |
発効状況 | 発効済み | 発効済み |
日欧EPAとの比較
RCEPは、日欧EPAと比較して、参加国が多く、貿易圏の規模が大きいです。
日欧EPAは、日本とEUの27カ国が参加する経済連携協定です。
日欧EPAは、RCEPよりも関税撤廃率が高く、ルール分野も包括的です。
日欧EPAは、日本とEUの経済関係を強化し、貿易・投資を促進することを目的としています。
項目 | 日欧EPA | RCEP |
---|---|---|
参加国 | 日本とEU27カ国 | ASEAN10カ国、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド |
関税撤廃率 | 高い | 低い |
ルール分野 | 包括的 | 限定的 |
発効状況 | 発効済み | 発効済み |
FTAとの比較
RCEPは、FTAと比較して、参加国が多く、貿易圏の規模が大きいです。
FTAは、2カ国間または複数国間で締結される自由貿易協定です。
FTAは、RCEPよりも関税撤廃率が低く、ルール分野も限定的です。
FTAは、特定の国や地域との経済関係を強化し、貿易・投資を促進することを目的としています。
項目 | FTA | RCEP |
---|---|---|
参加国 | 2カ国間または複数国間 | ASEAN10カ国、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド |
関税撤廃率 | 低い | 高い |
ルール分野 | 限定的 | 包括的 |
発効状況 | 発効済み | 発効済み |
まとめ
RCEPは、TPP、日欧EPA、FTAと比較して、参加国が多く、貿易圏の規模が大きいです。
RCEPは、関税撤廃率やルール分野において、TPPや日欧EPAよりも低い水準ですが、世界最大規模の自由貿易圏を形成する経済連携協定として、大きな影響力を持つと期待されています。
RCEPは、FTAと比較して、参加国が多く、貿易圏の規模が大きいです。
RCEPは、世界経済の安定化に貢献するだけでなく、参加国間の経済成長を加速させ、雇用創出や生活水準の向上にも貢献すると期待されています。
5. RCEPの課題と課題解決策
RCEPの課題
RCEPは、世界最大規模の自由貿易圏を形成する経済連携協定として、大きな期待が寄せられていますが、同時にいくつかの課題も存在します。
* インドの離脱: インドは、中国製品の流入による国内産業への影響を懸念し、RCEPへの参加を見送りました。インドは、世界で2番目に人口の多い国であり、RCEPへの参加は大きな経済効果をもたらすと期待されていましたが、その離脱はRCEPの経済効果を減じる可能性があります。
* ルール分野の不足: RCEPは、関税の撤廃・削減に重点が置かれており、知的財産権、環境、労働基準、国営企業など、他の経済連携協定と比較して、ルール分野が不足しているという指摘があります。
* 中国の影響力: RCEPは、中国の影響力を高める可能性も指摘されています。中国は、RCEPを通じて、アジア太平洋地域における経済的な支配力を強化しようとする可能性があります。
課題 |
---|
インドの離脱 |
ルール分野の不足 |
中国の影響力 |
課題解決策
RCEPの課題を克服するためには、以下の対策が必要と考えられます。
* インドの参加促進: インドの懸念を解消し、RCEPへの参加を促す必要があります。インドの参加は、RCEPの経済効果を大幅に高める可能性があります。
* ルール分野の強化: 知的財産権、環境、労働基準、国営企業など、ルール分野を強化する必要があります。
* 中国の影響力への対応: 中国の影響力に対抗するため、日本や他の参加国は、連携を強化し、共通のルール作りを進める必要があります。
課題 | 解決策 |
---|---|
インドの離脱 | インドの懸念を解消し、RCEPへの参加を促す |
ルール分野の不足 | 知的財産権、環境、労働基準、国営企業など、ルール分野を強化する |
中国の影響力 | 中国の影響力に対抗するため、日本や他の参加国は、連携を強化し、共通のルール作りを進める |
今後の課題
RCEPは、世界経済の安定化に貢献するだけでなく、参加国間の経済成長を加速させ、雇用創出や生活水準の向上にも貢献すると期待されています。
しかし、RCEPは、インドの離脱、ルール分野の不足、中国の影響力など、いくつかの課題を抱えています。
これらの課題を克服するためには、参加国間の協力が不可欠です。
RCEPは、今後の世界経済の動向を大きく左右する可能性を秘めています。
まとめ
RCEPは、世界最大規模の自由貿易圏を形成する経済連携協定として、大きな期待が寄せられていますが、同時にいくつかの課題も存在します。
インドの離脱、ルール分野の不足、中国の影響力など、これらの課題を克服するためには、参加国間の協力が不可欠です。
RCEPは、今後の世界経済の動向を大きく左右する可能性を秘めています。
RCEPの成功には、参加国間の協力と、課題解決に向けた積極的な取り組みが求められます。
6. RCEPの将来展望
RCEPの発展
RCEPは、世界経済の安定化に貢献するだけでなく、参加国間の経済成長を加速させ、雇用創出や生活水準の向上にも貢献すると期待されています。
RCEPは、今後、参加国間の協力関係を強化し、ルール分野を充実させることで、より効果的な経済連携協定へと発展していく可能性があります。
RCEPは、アジア太平洋地域の経済統合を促進し、世界経済の安定化に貢献すると期待されています。
RCEPは、世界経済の動向を大きく左右する可能性を秘めています。
インドの復帰
インドは、中国製品の流入による国内産業への影響を懸念し、RCEPへの参加を見送りました。
しかし、インドは、世界で2番目に人口の多い国であり、RCEPへの参加は大きな経済効果をもたらすと期待されています。
今後、インドがRCEPに復帰する可能性は十分にあります。
インドの復帰は、RCEPの経済効果を大幅に高める可能性があります。
新たな課題
RCEPは、世界経済の安定化に貢献するだけでなく、参加国間の経済成長を加速させ、雇用創出や生活水準の向上にも貢献すると期待されています。
しかし、RCEPは、インドの離脱、ルール分野の不足、中国の影響力など、いくつかの課題を抱えています。
これらの課題を克服するためには、参加国間の協力が不可欠です。
RCEPは、今後の世界経済の動向を大きく左右する可能性を秘めています。
まとめ
RCEPは、世界最大規模の自由貿易圏を形成する経済連携協定として、大きな期待が寄せられています。
RCEPは、今後、参加国間の協力関係を強化し、ルール分野を充実させることで、より効果的な経済連携協定へと発展していく可能性があります。
RCEPは、インドの復帰、ルール分野の強化、中国の影響力への対応など、いくつかの課題を抱えていますが、これらの課題を克服することで、世界経済の安定化に大きく貢献すると期待されています。
RCEPは、今後の世界経済の動向を大きく左右する可能性を秘めています。
参考文献
・Rcep(アールセップ)とは何か。日本との関わりをわかりやすく解説 – プルーヴ株式会社
・RCEP(アールセップ)とは?メリットやデメリット、問題点を解説 | 海外進出ノウハウ | Digima〜出島〜
・日本など15カ国、Rcepに署名 世界最大規模の自由貿易圏に – Bbcニュース
・Rcep協定について | Epa/Fta、Wto – 目的別に見る – ジェトロ
・RCEPの世界へようこそ | 経済産業省 METI Journal ONLINE
・Rcepの概要と日本への影響 | 三菱ufjリサーチ&コンサルティング
・TPP、RCEPの違いは?世界の経済連携協定のハブ、日本の未来
・Rcepとは何か? Tppに代わって注目集める「経済連携」の基礎を解説 |ビジネス+It
・Rcep(アールセップ)とは何か?何が決まったのか? | ストラテ
・目前に迫る、Rcep発効~そのメリットと課題とは?~ 2021年12月20日 | 大和総研 | 増川 智咲
・地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効について : 税関 Japan Customs
・「Rcepをどう見るか:政治学・経済学の研究課題」 – アジア経済研究所